November 15, 2008

鎌倉四姉妹の逆襲 吉田秋生 『海街diary』

『BANANA FISH』や現在劇場版公開中の『櫻の園』で知られる吉田秋生先生の最新作。さきごろ文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したそうです。うひょー

鎌倉に姉妹たちだけ住んでいる幸、佳乃、千佳のもとに、ある日消息がわからなくなっていた父の訃報が届いた。父に対し強いわだかまりを抱いていた幸は、佳乃と千佳の二人だけで、葬儀に出てくるように申し渡す。
観光気分でその場所へ赴いていった二人を待っていたのは、腹違いの妹であるすずだった。その後結局やってきた幸はすずと話をするうちに、彼女に「一緒に住まない?」ともちかける。

この作品、実は先に描かれた『ラヴァーズ・キス』と世界観を共にしています。舞台も鎌倉だし、『ラヴァーズ・キス』に登場した人物がチラホラ顔を出していたりします。ただ素直に「続編」といいがたいのは、まず『ラヴァーズ~』の約一年前から始まっている「前日譚」であるがゆえ。あの話は発表された当事はまちがいなくその時の「現代」・・・・・90年代半ばが舞台だったと思うのですが、『海街』もまた今の「現代」を舞台としているので、その辺頭を柔らかくする必要があるでしょう。
さらに登場人物の顔も微妙に違っていて、両作品の重要人物である藤井朋章くんなどは
081114_131835081114_131816こんなに顔が変わっています(まあわたしの絵も微妙に似てないですけどcoldsweats01
ま、吉田先生の10年間の絵柄の変遷を確かめるために読み比べてみるのも面白いかもしれません。

さて、お話は初めこそ奔放な次女・佳乃の目線で進められていきますが、次第に四女のすずを中心とした話が増えていきます。すずちゃんが新しい街で出会う人々や、その哀歓が少女らしいみずみずしい感性を通して語られます。この「子供の目を通して」というのが、わたしが特に魅かれるあたりです。これまで専ら大人メインで、ゲイレイプさえshock描いていた吉田先生が、こんなほのぼのした心温まる話を作れるなんて! つくづく奥の深いお方であります。

「『BANANA FISH』は『日出処の天子』の影響下に描かれた作品であり、ひいては吉田秋生も山岸涼子から深い影響を受けている」というのがわたしの前からの持論であります(あんまし賛同してもらえないけどね・・・)。
で、この『海街diary』にも少し前紹介した『舞姫テレプシコーラ』と重なるところが幾つかありまして。
いや、今回は意識したというより、なんとなくかぶっちゃったんだろーなーとは思うんですが、少年少女が共にスポーツ?に励む話であり、その内の一人が片足に深刻な障害を抱え、「死を考えた」なんてセリフが出てくると、どうしても『舞姫~』を連想してしまうのですよ。つい最近読んだばっかりということもありますが。
もっとも吉田先生と山岸先生では扱う材料は一緒でも、調理の仕方はかなり違います。吉田先生が絵もお話もカラリとしているのに比べ、山岸先生の方はゆらゆらとした情念が漂ってくるような、そんな感じ。そうした作家性の違いがまた興味深かったりします。

わたしは映画も漫画も好きです。言うまでもないことですが、両方にそれぞれいいところがあるわけです。で、漫画の利点というのは「気に入った絵を、いつまでもじっと眺めていられる」ところにあると思います。映画じゃ「あ、ちょっと待って!」と思ってもさーっとフィルムは流れて行っちゃいますからねcoldsweats01。かといってビデオ機器で一時停止するのも、なんか無粋な気がしますし。
で、特にそれを感じたのが二巻最後のエピソードのあるシーン。幸とすずが、カレーを作りながら話している場面です。父が鎌倉の家を出て行ったことを、自分の母のせいだと考えたすずは、幸に泣きながら「ごめんなさい」と謝ります。自分が知らず知らずのうちに妹を傷つけていたことを知った幸もまた、「ごめんね」とつぶやいてすずの肩に手を回します。そして二人の背中に「ただいまーっ ホタテなかったからアサリにしたよー」「あとアイス買ってきたー」と佳乃と千佳の声がかぶさる。この場面が、まるで時間が止まったかのように見えて、なんとも言えず美しい。まさに「漫画を読み続けていて良かった」。そんな風に思える場面です。

さらに登場人物がどいつもこいつも撫で繰り回したくなるような、いいヤツばっかしでして。一人一人がわたしたちと同じ平凡な人間でありながら、深い悲しみを抱え(サッカー小僧二人は別。あとチカちゃんも)、それでも笑いながら生きている。そんなところが胸を打つ『海街diary』。そろそろ時系列的に『ラヴァーズ・キス』に追いつきそうな感じです。朋章くんが里伽子と仲良くしているところを見て、佳乃さんがズーンと落ち込むとか、そんな話がなければいいんだけど。

081114_131916『海街diary』は現在一巻「蝉時雨がやむ頃」と二巻「真昼の月」が、それぞれ小学館フラワーズコミックス(普通のよりちょい大版)より発売中。そんで「月刊フラワーズ」にて不定期連載中。
この進行の遅さがいいような、じれったいような・・・

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October 29, 2008

貫き止めぬ魂ぞ散りける 今石洋之 『劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮編』二回目

081029_192404先日『劇場版グレンラガン』二回目を見てきましたので、今度はネタバレ全開でレビュー行ってみます。一回目はコチラ

・いきなりアート魂全開のアバンタイトル。テレビ版では見なかった少年→青年は恐らく螺旋王の若かりしころかと。ロボット群の中にマジンガー・ゲッターみたいなのがいるのはご愛嬌 「なぜ戦う なぜ殺す」 そりゃイデオン

・「毎日毎日穴を掘る たくさん掘れば村長は喜んでオレにブタモグラのステーキを食わしてくれる。ステーキのために掘るのかって? それも違うよ。 ・・・・・宝物を見つけるときだってある」
本放送の時から心をガッとつかまれた冒頭のモノローグ

・「無理を通して道理をけっとばすんだよ!」
シモン&カミナの初陣。泣きながらつんのめってゴロゴロころがっていくラガンが愉快でたまらない
敵ガンメンを粉砕しつつ彼らが地上に出た瞬間、わたしはシモンと一体になっていたと思う

・第二パート。グレンに乗り込んだはいいものの、思うように動かせないカミナ。焦る彼の眼前に、野ざらしになったドクロが映し出される
・・・恐らくカミナは自分がここで生き延びたとしても、そう遠くない将来戦いの中で散るであろうことを予感したのだと思う。それでも前に進むことを決意した時、異形の巨人はカミナのものとなった
そして必殺キャノンボールアタック
「無茶苦茶なんですけどッ!」 無茶苦茶ですね

・第三パート。ヴィラル登場。横一線に切り裂かれた後、ざざーっと草が散らばっていく絵が美しい
「ほらよ、合体だ」
「(キタンへ)お前誰だっけ?」と並んで一番劇場が沸いたシーンです

・インタールード。やはりここが一番今回苦しかった部分か・・・ あと一時間あれば・・・ 
夜空にコアドリルを掲げてにっこり微笑むシモン。これ、テレビ版OPのラストカットだったんだよねえ。憎い

・第四パート前半。グレンラガンをはたいたりつまみあげたりするダイガンザンのアクションが愉快。後の「投擲~」のシーンも笑った。このメカ、『ザブングル』のアイアンギアーが元ネタだと思う

・第四パート後半。「お前が迷った時はいつだって、オレが殴りにきてやるからよ!」 大事な言葉を相棒に告げた後、男は星となる。血反吐を吐きながら「オチオチ寝てもらんねえか・・・」とつぶやくシーンは、涙なくしては見れない

・ここからお話は一気に最後までノンストップ。「アニキは絶対に逃げなかった!」 自暴自棄になったシモンを拒絶したグレンラガンは、盛大なゲロを吐く。ロボットがどうやってゲロを? それはご自分の目でお確かめください

・転落した崖の下で二アと出会うシモン。長い間降り続いていた雨がやむ、象徴的なシーン。だがシモンの苦悩はまだ続く

・「二アは渡さない!」 中天に浮かぶシュザックの表面を、傷だらけになって這い上がるシモン。守らなければならないものがあることに気づいた時、少年は再び拳を握って立ち上がる
一度目・二度目とも個人的に一番乱れたシーン。「親に捨てられた」二アが、自分を必死になって助けようとするシモンを認めたとき、一体どんな気持ちがしただろう。思い出しただけで鼻水が吹き出ますcrying

・驚愕の四天王合体形態。これは劇場版オリジナルなので、もしかしたら今回一番の目玉かも・・・・

・「戦いは続くのですね」
てっきりテッペリン攻防戦まで行くのかと思ったら、ここで唐突に幕。ロシウの顔がUPになるのは次回への伏線か
しかしここで「続く」ということは、次回はいきなり第二部クライマックスから始まるわけで、相当ハイテンションな代物になりそう


081029_192517自分的には今年のナンバー1というだけでなく、ここ四年間の中で一番のめりこんだ映画作品。お金がなくても、女にもてなくても、将来性ゼロでも、これさえあれば生きていける気がします(イタすぎ)

『螺旋編』は来年五月公開。心して待ちます。


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October 26, 2008

集まれスーパーヒーロー マーヴルコミックス 『アヴェンジャーズ』

081026_183859今回はいきなり映画『インクレディブル・ハルク』と『アイアンマン』のエンドロール後をばらしています。これから見ようかという人は避難するか、ちょっと飛ばし読みしてください。


いいかな?
『ハルク』のラスト、酒場で飲んだくれてるロス将軍に、アイアンマンことトニー・スタークが近づきます。「我々はチームを作っている・・・」
一方『アイアンマン』では、記者会見をかっこよく決めてルンルン気分(死語)のトニーを、ニック・フューリーと名乗る男が待ち受けます。「超人は自分ひとりだと思っていないか?」「アヴェンジャーズへようこそ!」
これ、本国での公開順を考えると、本当は「アヴェンジャーズへようこそ」→「我々はチームを作っている」の順番が正しい。ともあれ、このエンドを見て「やった! 待ってたぜ!」と喜べるのは、日本ではごくごくわずかな人だけでしょう。それで今回はこのアヴェンジャーズとはなんぞや?ということを、映画化の予定とからめつつご説明します。ちなみに98年に製作されたレイフ・ファインズ主演のスパイ映画は、何の関わりもありません。

アヴェンジャーズの誕生は今から40年以上前(最近こればっかし・・・)、劇中では十五年くらい前でしょうか。北欧の邪神ロキ(まんま)に操られたハルクが暴走するという事件が発生。まーこの人はいつも暴走してるんですけど。
この事態を、ご存知アイアンマンと、ロキの兄の雷神ソー(まんま)、さらに縮小能力を身に着けたアントマン&ワスプのコンビが力をあわせて解決します。一件が片付いたあとも、一同はこれからも協力して戦うことを決意し、ここにアヴェンジャーズが結成されたのでした。
しかし、二号目で早くもハルクが脱退(笑)。大体なんでこんな怪獣をチームに入れようと思ったのか、その辺が謎です。その代わり、アベンジャーズは第4号で、北極海から氷漬けのキャプテン・アメリカ(通称キャップ)を発見。彼は第二次大戦中政府により開発された「超人兵士」でしたが、終戦間際敵の急襲にあい、長らく行方不明となっていたのでした。生ける伝説を目の当たりにしたアヴェンジャーズは、キャップにリーダーになってくれと懇願。こうして、アヴェンジャーズはようやく本格的に始動することになります。

メンバーのうち、キャップ、ソー、アイアンマンはそれぞれ別の作品で主役を張っているため、「ビッグ3」とも呼ばれています。そのほかにも本当にたくさんのメンバーが40年の間に加入したり、脱退したり、行方不明になったり、死んだり、生き返ったりを繰り返してきました。
一応主要なメンバーをもう少しあげておきますと、もともと悪者だった弓矢の達人ホークアイ、やはり元悪者で、マグニートーの子供でもあるクイックシルバー&スカーレットウィッチ、悪のロボットウルトロンに作られた(悪ばっかし)アンドロイドのヴィジョンなどがいます。

一時期は西海岸に分家ができるほど羽振りがよかったアヴェンジャーズですが、90年代に入ると「アイアンマンとキャップが喧嘩別れする」という展開がよくなかったのか、部数がだんだん伸び悩んできます。そこでマーヴルは96年に『ヒーローズ・リボーン』というプロジェクトを立ち上げ、メンバーをまるごと異世界に転生&新生させることにします。しかしこのプロジェクト、正直成功したとは言いがたいものでした。

業を煮やした?マーヴルは2004年「アヴェンジャーズ ディスアッセンブルド」というエピソードで、メンバーのほとんどを死亡させるという暴挙に出ますshock。生き残ったキャップは人気回復、じゃなくてチーム存続のため、スパイダーマンやウルヴァリンといった超人気キャラをメンバーに引き抜き、どうにかアヴェンジャーズを再結成します。

これでひとまず安心だ、と思いきや、今度は「シビル・ウォー」事件が勃発。一部の若手ヒーローの不手際により起きた大惨事をきっかけに、世論はヒーローたちを猛バッシング。これを受けてアイアンマン=トニー・スタークは「ヒーローたちは全員素顔を明かして、政府の指揮下に入るべきだ」ということを提唱します。しかしその意見に賛同しないヒーローも当然数多くおり、アヴェンジャーズも政府側のマイティ・アヴェンジャーズと、反政府側のシークレット(ニュー)・アヴェンジャーズに分裂。「キャップが暗殺される」という悲劇も起き、両チームの対立は深刻なものとなってしまいます。さらに年少の超人たちが勝手に「ヤング・アヴェンジャーズ」を結成したり、異世界ではほぼ同一の「アルティメッツ」というチームが存在したり・・・・ さすがに頭がくらくらしてきましたwobbly ただ映画版のニック・フューリーが黒人なのは、この『アルティメッツ』版を意識してるのかもしれません。

さて、現在マーヴルはこの『アヴェンジャーズ』の劇場版を企画中。当初の予定は今年2008年、二ヶ月おきに『アイアンマン』『ハルク』『ソー』を連続公開。そしておいおい『アントマン』『キャプテン・アメリカ』『アヴェンジャーズ』を作っていく、というものでした。しかしこないだ起きた脚本家ストライキにより、早くも計画は変更を余儀なくされます。
変更された最新の予定は次の通り(公開月は本国でのもの)。まず2009年はまるまるお休み。・・・・・脚本家ア!! うがうああ!!
2010年は5月に『アイアンマン2』、7月に『ソー』
2011年は5月に『キャプテン・アメリカ』、7月に『アヴェンジャーズ』
そして恐らくこのあとに『アイアンマン3』・・・となります(http://www.varietyjapan.com/news/business/2k1u7d00000dgf9n.html)

『アントマン』がいつの間にか消えてしまい、代わりに『アイアンマン2』があがっています。まああんまり当たる話とも思えないので、賢明でしょう。あるいは単にまだ検討中なのか。

081026_183957ただ問題なのは真のリーダーであるキャップが、コミックでは現在熱烈死亡中であるということ。ひょっとすると映画化にあわせて、壮大な復活劇でも展開しようかというハラなのかもしれません。

2011年は『スパイダーマン4』もありますし、アメコミ的にすごい年になりそう。その時、ぼくは一体幾つになってるんだろう?
・・・・考えたくもねえgawk

画像は上がソー、下がキャップです。

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October 22, 2008

少年鉄仮面伝説 谷口悟朗 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』 ゼロ・レクイエム編

081022_183427第二次トウキョウ決戦において、最愛の妹を失ったルルーシュ。さらにいままでのたばかりが全部「黒の騎士団」にばれてしまい、絶体絶命の危機に追いやられる。「もう死んだってかまやしねー」とやけになったルルーシュだったが、義弟ロロの捨身の行動により命を拾う。
ロロの犠牲に心打たれたルルーシュは、積年の仇敵である父・皇帝シャルルとの決着をつけるべく、彼が訪れている神根島へ向かう。幸い状況が味方し、シャルルを葬り去ったルルーシュは、ギアスの力を用いて皇帝の座に収まる。だがそれは自ら作り上げた超合集国と、真っ向から対立することでもあった。富士の上空を舞台に、切って落とされる皇帝ルルーシュと、シュナイゼルおよび黒の騎士団との決戦。かつての友や、生きていたナナリーを敵に回してまで、世界の統一を図るルルーシュの真意はどこに?

一年の休止をはさみ、丸二年の間続いていた『コードギアス』も、先日とうとう幕となりました。まず最終回にいたるまでの展開があまりにも目まぐるしくて、主役二人の心境がわかりづらかったので、自分なりにまとめてみます。

ルルーシュのこれまでの行動は、全て妹であるナナリーのためでありました。そのナナリーを「失った」時、彼にとって残されたのは父への復讐心と、ナナリーが望んだ「優しい世界」の実現しかありませんでした。
一方スザクも望まなかったとはいえ大量虐殺の引き金をひいてしまったことから、「もはやどんな手段を用いてでも世界平和を実現しなければ」という思いに駆り立てられます。
ルルーシュがユフィを殺したのは本意ではなかった・・・ということにも気づいていたのでしょう。そんなこんなで、スザクはこれまでのわだかまりを捨て、ルルーシュと手を組むことにします。
その甲斐あってかすんなり皇帝の座もゲットしたルルーシュ。しかし最大の誤算はナナリーが実は生きていて、しかもシュナイゼルと意を共にしていたということでした。
ここでナナリーを思い切り突き放していたのには目が点になりました。決死の思いで決めた覚悟を、いまさら曲げるわけにはいかないということだったんでしょうか。あるいは、最終的にナナリーを救うために、仕方なく悪者を演じてみせたということだったのか。
とにもかくにも全ての敵に打ち勝ったルルーシュは、世界の恨みを一身に引き受けることになります。しかしそれは人々の思いを一つにするために、彼が望んだことだったのでした・・・・ ってまるでどこかのソレ○タル・ビー○ングみたいだなあcoldsweats01

わたしの予想はまたしても大ハズレでございました(笑)
まあ、みなさん思ったよりがんばってよく生き残ったなあと。昔の冨野監督だったら、まちがいなく全員惨死してたと思いますが。それにひきかえ肝心のルルーシュくんは・・・・ このお話が「神話」を意識していたのであれば、やはりその最後は「英雄の死」をもって閉じるのがふさわしいのかもしれません。
しかしわたしはどうにも納得がいきません(笑)。だって彼、C.Cに「ただ死ぬためだけに生きるなんて悲しすぎる!」なんて言ってませんでしたっけ? そのC.Cとの約束だって結局ほったらかし。まあこの少年、前から言ってることとやってることがてんでバラバラなキャラではありましたが。

そこでこんなん考えてみました。題して「ルル-シュが死んでないと思うこんだけの理由」。ネットでひろい集めたものとわたしの意見をまぜこぜにして列挙してみます。

・突進してくるスザクをわざと逃すジェレミア卿。さわやかな笑顔で「行け! 若者よ!」 幾ら主人の意を汲んで・・・とはいえ、普通はもう少し痛ましそうな顔をするんじゃないか?

・ルルーシュに触れた途端、ナナリーに彼の意識がなだれこんでくる描写。これってC.Cが持ってた能力じゃなかったかな? つまりもうC.Cは「魔女」としての力をルルーシュに受け継がせたのでは。そう考えると、「死ぬことのできる体にしてあげた」ということで、「殺した」・・・・約束を果たしたということもできるかも。大体脇キャラが何人もいっぺん死んで生き返っているのに、肝心の主人公がそれができんとはおかしくないか!?(ここまで来るとさすがに言いがかりだな・・・)

・ラストで意味ありげに「王の力はお前を孤独にする・・・ 少しばかり違っていたな、ルルーシュ」と問いかけるC.C。死んだルルーシュに、「わずかばかりの理解者を得た」という意味での発言だったのかもしれないけど、なんだかすぐそばの人間に言っているような!? さらに荷馬車を動かしている男は、その手の仕事をしているものにしちゃあ、やけにスラリとしているような!?

・二項目目と関連して。セカンドシーズンの「R2」という副題。これ、「R.R」とも読めるような・・・

081022_183445「何があっても生きることにしがみつく」ことを描いてきた谷口氏の作風からいっても、あの結末はそぐわないような気がします。そんなわけでわたしはあえて「ルルーシュは生きている」と考えることにしました。まあ一個人の妄想ということで読み流していただければ幸いです。

休止の間は本当にやきもきしましたが、『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『R2』も含めて本当に楽しませていただきました。スタッフの皆様に心よりの賛辞を送ります。

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October 19, 2008

パン太コニャン太 part16 

そのいち 電車でゴー

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そのに 電気でボン

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そのさん スキャンダル(もう8月の話ですが)

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そのよん 続スキャンダル ツッコミ編

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そのご ニャア少佐 「ガルマ死す」

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 postoffice

 apple

 kissmark


そのろく おぼえていますか

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 回

 未

 定


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October 06, 2008

ペプシじゃなく ましてやコカでもなく 山岸涼子 『舞姫テレプシコーラ』

081006_182559昨年の手塚治虫文化賞に輝いた山岸涼子氏の本格バレエ漫画。前々からいろんなとこで絶賛を聞いていて、「読んでみようかなー」と思っていたら先日畏友のしゅうさんが第1部全10巻を快く貸してくださいました。しゅうさん、いつもありがとうごぜえますm(_ _)m

それでは例によってあらすじから。篠原千花(チカ)と六花(ユキ)は、高名なバレリーナの母を持つ仲の良い姉妹。彼女たちも幼いころから母の厳しい指導のもと、バレエの訓練を続けていた。しかし見る見る内に上達していく千花に対し、六花は自分の才能に限界を感じていた。
そんな二人の前に、空美という謎の少女が現れる。顔立ちはお世辞にもかわいいとはいえないが、バレエに関しては目を見張る実力を示す空美。千花はそんな空美に対し競争心を掻きたてられ、六花はその素性に興味を抱く・・・・
というのが、本当に初めのほうのお話。

最初、特に1,2巻を読んだ時の印象は、「黒い・・・ 黒いよ山岸先生!」でした(笑) その黒さに圧倒されたものの、そういえば名作『日出処の天子』も、なかなか黒いところがあったよなあと。あんまし読んでない身で語るのも恐縮なんですけど、山岸先生が同年代の並び称される女性作家たち・・・竹宮、萩尾、大島先生らと明らかに違うのは、この「黒さ」にあるような気がします。
特にすごいな、と思ったのは空美ちゃんのデザイン(笑) 普通の女流漫画家はこんな顔は描けません。いや、描けるかもしれないけど、まちがってもメインキャラに据えたりはしません。
この人の描く「うつろな目」のキャラは本当に怖い。以前ブックオフで山岸先生の恐怖短編集を立ち読みしたことがありましたが、その中に出てきた大人子供の幽霊は、今思い出してもおしっこをちびりそうになります。そのくせ本人の自画像はこんなだったりするので
081006_182616まったくもって不可解な方です。

しかしもちろん黒いだけのお話ではありません。しゅうさんは子供たちを見守る親や講師陣のまなざしが、とても温かくてよいとおっしゃられてました。なるほど(ぽむ)。確かに時々悲しくて悲しくて、とてーもやーりきれーない場面もあるこの漫画の中で、彼ら彼女らの存在は一服の清涼剤のような働きをしております。 
わたしが特に好きなのは、登場人物の中で最も女性としての柔らかさを感じさせる金子先生。というか、全体的にきつい感じの女子が多いんですよね、このお話coldsweats01
あと「黒ヒゲ危機一髪」的な風貌の鳥山先生もなかなかの好人物。第1部ラストカットなどを見ると、明らかに一人だけ出演漫画間違えてるだろ、という気もするのですが、まあよしです。やはり男性講師の富樫先生もソフトなエエ男ですが、若いころさぞかしもてただろうというのが容易に察せられて、その辺がなんかむかつきます。

・・・・話が横道にそれました。最初にも書きましたが主人公の少女は六に花と書いてユキちゃんといいます。恐らく雪の結晶が六角形の花のように見えることからこの名がついたのでしょうが、「六」って名前的にかっこ悪いというか、どんくさいイメージがあります。そのイメージの通り、すぐに気落ちしたりメソメソしたりする六花ちゃん。わたしなんかは「かわいいなheart01」と思いますが(ロリコンか!?)、女性読者の方の中にはさぞかしイライラする方もおられるのではないでしょうか。
しかし6というのは数字的には便利でバランスのとれた数であり、雪の結晶があれだけ千変万化の多様性を持つのは、この数をベースにしているからかもしれません。「どんくさいアヒルの子」である六花ちゃんも、時折はっとするほどの才能の片鱗を見せます。
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果たしてその才能はいかにして大輪の花を咲かせるのか!?crying
『舞姫テレプシコーラ』は現在『ダ・ヴィンチ』にて第二部が好評連載中であります。

ちなみにわたしも以前はバレエというものに「軟弱」というイメージを抱いておりましたが、トップクラスのバレエダンサーの脚力というのは、時としてプロの格闘家のそれに匹敵するそうです。すげえぜ。
そんなわけで『軍鶏』には元バレエダンサーのライバルが登場したりしているのですが、あれの続きっていったいどうなったんだろ・・・・(もはや諦めモード)

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September 24, 2008

地底より永遠に 今石洋之 『劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮編』

080923_234459かつて、銀河を揺るがした戦いがあった
男は荒ぶる魂の赴くまま、天をかけ、星を砕いた
だがおびただしい時間と犠牲を費やしたのち、男は敗れる
そして悠久の時が流れた

とある星の地の底で
少年シモンは来る日来る日も穴を掘り続けていた
アリの巣のような自分の村だけが、世界の全てと信じて
そんなシモンに兄貴分の青年・カミナは言う
あの分厚い天井の向こうには、光さす広大な世界「地上」があるのだと・・・

ある日シモンは地中から、大きな顔の形をした鉄の塊を見つける
それと呼応するかのように、村の天井を突き破って現れる怪物
「無理を通して道理を蹴っ飛ばすんだよ!」
「顔」を駆って怪物に立ち向かうカミナとシモン
それはやがて大宇宙の果てまで続く事になる、長い戦いの始まりであった

昨年好評のうちに放送を終えたテレビアニメ『天元突破グレンラガン』。その前半部分をまとめた劇場版が、このほど公開されました。実はこの映画、観ようかどうか迷ってたんです。完全新規作成ならともかく、以前一度観て知っている話だったし。でもあのエネルギッシュな物語を、スクリーンで観たならばさらに大きな感動が得られるのでは・・・ そんな期待を抱いて、結局劇場に足を運びました。

で、観て驚きました。すごい。すごすぎる。このテンションとパワーは並じゃない。ここまで来ると、もう総集編とか一度観た話とか思い切り「つづく」で終ってるとか、そういうことは関係ありません。アートとして、エンターテイメントとして、「映画」として、この上を行く作品はそうありません。『グレンラガン』は大スクリーンに映して、初めて真価を発揮する作品だったのだなあ・・・と思い知りました。

わたしはカップルと親子連れに挟まれての鑑賞となりました。上映終了後、カップルのあんちゃんが号泣しておりました。うしろを振り返ると、客の大半がむせび泣いている。もちろんわたしの鼻水も大爆出です。そして隣の女の子が一言「あー面白かったhappy01
・・・・そんな映画です。

今回はもうあんまり小理屈とかこねたくないのです。極上の料理を食べた時、胸がいっぱいになって何も言えなくなる・・・・ ちょうどそんな感覚と似ています。

好きな場面を上げるとするとキリがありませんが、とりあえず一つだけ。
序盤で村の天井を怪物ごと押し上げて突破するところで。それまで恐怖に歪んでいたシモンの口元が、やがて「へやっ」と不敵に微笑む。ここだけでわたしにとっては普通の映画三本分くらいの価値がありました。
あと自分は「やせがまん」とか「魂の継承」というものに、本当に弱いんだな・・・ということをつくづく思い知りました。
またテレビ版を観ている時には気がつきませんでしたが、半裸の男たちが無謀ともいえる勇気を武器に、圧倒的に巨大な存在に戦いを挑んでいく・・・ このテイストは黒澤明を意識しているのかもしれません。というのは、脚本の中島かずき氏がこないだリメイク版『隠し砦の三悪人』も書いてたからなんですが。

080923_234539完結編となる?螺旋編は来年GW公開予定。『エ○ァ』の続報が一向に入ってこないことを考えると、この「螺旋編」も予定通りできるのか一抹の不安が感じられます。
でも・・・わたしは信じます! ガイナを信じる自分を信じます!!

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September 08, 2008

ともだち募集中 ロマン・カチャーノフ 『チェブラーシカ』

20060728214540それはいつ、どこで生まれたのか誰も知らない(こんな文章、こないだも書いたな)・・・・ とある果物屋のミカン箱からひょっこり現れた謎の生き物(サル系)。虚弱体質なのか、すぐにぶっ倒れてしまうためチェブラーシカ(ばったり倒れ屋さん)と名づけられたそれは、玩具屋さんのウィンドウで働かされることになります。ある日チェブラーシカは街で「ともだち募集中」と書かれた貼り紙を発見。書かれた先で彼を迎えたのは、ゲーナという寂しがりやのワニさんでした・・・・

1969年から83年にかけて旧ソ連で製作されたコマ撮り人形人情アニメ。現在ひっそりと全国でリバイバル上映中であります。大人気でありながら、14年の間に製作されたのはたった4本73分。コマ撮りアニメって作るのに死ぬほど時間かかりますからね・・・ あるいは原作(絵本)のストックに限界があったのか。
タイトルを順に書きますとチェブとゲーナの出会いを書いた第1話「ワニのゲーナ」(1969)、二匹がエリート少年団に入ろうとがんばる第2話「チェブラーシカ」(1971)、旅行中、意地悪ばあさんに悩まされる第3話「シャパクリャク」(1974)、チェブラーシカのお入学を描いた第4話「チェブラーシカ、学校へ行く」(1983).。
ただし今回のリバイバル版では1→4→2→3の順番で上映。理由としては4話が一番短くてとてもあっさりしてる
からということと、設定上の矛盾を回避するため、ということが考えられます。

最近の『ウォレスとグルミット』などと比べると、素朴で哀愁を帯びた味わい。ゲーナが奏でるテトリスのテーマがまた物悲しい。どの話も最後はハッピーエンドなんですけどね。メインはチェブラーシカとゲーナの二匹なんですが、この友情にチャチャを入れるのがシャクなんとかという意地悪ばあさん。様々なイタズラの駆使し、二匹を苦しめます。
ところがそんな目にあわされても全然ババアを恨まないチェブ&ゲーナ。キミたちは仏か? 仏なのか? 
「人間、空よりも広い心を持たなきゃダメだよ!」 彼らにそんなことことを教わった気がしました(笑)

動物園、学校、優良少年団、電車内・・・・・ いろいろなところで締め出し&門前払いを食らってしまうチェブラーシカ。それもそのはず。彼は本来この世には存在しない正体不明の生き物なのだから。その度に「仕方がないね」とさびしくうなだれるチェブちゃん。やめてください! おじさんそういうのに弱いんです!!crying
だけどチェブラーシカは決してぐれたりせず、世のため人のためがんばり続けます。そうしていくうちに、いつしか周りも彼を受けいれていく・・・・ 意地悪ばあさんへの態度もそうだけど、本当に「強い」というのはこういうことを言うんじゃないかな、と思いました。

わたしが最初「?」と感じたのは、なぜ主人子のコンビが「ワニ」と「正体不明」なのかということでしたcoldsweats01。東欧だったらクマとかタヌキとか、かわいい生き物ほかにいくらでもいるじゃないですか。
そこでふと思い浮かんだのは、当時ロシアの人たちを西側の人々はどのように感じていたのか、ということ。厚いベールに包まれて何を考えているのかわからない彼の国方たちは、ちょうど「正体不明」のいかめしい「怪物」のように思われていたのかもしれません。ちょうど今の我々が北○鮮をイメージするかのように。

「でもベールをはぐったその先に住んでいるのは、あなたたちと同じ心優しいさびしがり屋さんなんだよ」
もしかしたらそんなことが言いたかったのな、と。

そしてボタン一つで世界がふっとぶかもしれなかった時代に、人に優しくすること、ひたむきにがんばり続けることを、こんなにも慎ましく訴えているところがとても素晴らしいと思いました。

080908_173724この『チェブラーシカ』、すでにDVDも発売されています。リバイバルはもうちょっと続くようですが、事情の厳しい方はそちらの方でぜひどうぞ。

画像は今日(!)たまたまシネコンで見つけたガシャポン。お花を抱えたバージョンですが、劇中にそういうシーンあっただろうか・・・・
ほかに「うれし顔」バージョン、「ミカン箱」バージョンなどがあります。

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September 05, 2008

パンタフル・ニャイフ 観察15日目

そのいち 北京五輪を振りかえって

15p1115p12 baseball

 sports
 
 tennis

 soccer


そのに 深刻な事態

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そのさん 続・深刻な事態

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そのよん 深刻な事態 完結編

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 snail

 chick

 penguin

 fish


そのご ニャア少佐:「赤い彗星」

15p5115p5215p53 cancer

 kissmark
 
 apple
 
 wine


そのろく 北京五輪を振りかえって(ワンモア)

15p6115p6212回目参照

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September 01, 2008

闇に隠れて70年 DCコミックス 『バットマン』あれこれ

080901_113323本国では『タイタニック』に迫る勢いながら、日本ではすでに沈静化し始めてるcoldsweats02劇場版『バットマン』最新作『ダークナイト』。
完全に静まってしまう前に、今日は『バットマン』についてダラダラ語ってみたいと思います。

バットマンの誕生は1939年。戦前ですcoldsweats02。以後約70年、多少の浮き沈みはありましたが、現在にいたるまでほぼ第一線の人気を保っている、バケモンのようなシリーズです。
特に重要な転換点となったのは、1986年に鬼才フランク・ミラーの手によって発表された『ダークナイト・リターンズ』。老境を迎えたブルース・ウェインの「最後の戦い」を描いたこの作品は、コミック界に大きな衝撃を与え、いまなお多くの作家・作品に影響を及ぼしています。
またこの作品が人気再燃を呼び起こしたことにより、1989年にはティム・バートン監督の劇場版が公開。大ヒットとなりました。その後ちょっと間が空いたこともありましたが、ほぼコンスタントに映画も作られ続けています。

今回は映画ファンが「そいつらだけは続編に出してくれるな!」というキャラをからめて、語ってみましょう。まず一人はスーパーマン。
映画しか知らない人はご存じないでしょうが、原作コミック『バットマン』においてスーパーマンはけっこう重要人物だったりします。というのは、スーパーマンがバットマンの個性を浮き立たせるのに非常にもってこいの存在だからです。
二人を比較してみましょう。

バットマン:イメージカラー黒、陰気、日陰者、現実主義者、もっぱら夜活動する、遺伝子的にはホモ・サピエンス、普段の顔は大富豪、活動時はマスクをかぶる
スーパーマン:イメージカラー青&赤、陽気、人気者、理想主義者、もっぱら昼活動する、数々の超能力を有する宇宙人、普段の顔は勤め人、活動時は素顔丸出し

二人ともアメコミ黎明期から活躍している超メジャーなキャラでありながら、性質は何から何まで正反対。共通してるのはそれこそ正義を愛し、マントを羽織っている、ということくらいでしょうか。
最終目的は同じものの、方法論をめぐって対立することも多いこの二人。しかし手を組めばこれほど頼もしいコンビもまたなく、このコンビの活躍を描いた『ワールズ・ファイネスツ』なんていうシリーズまであります。
とりあえず付かず離れずという関係のバットマン&スーパーマン。果たして映画で共演することはあるでしょうか?
それにしても何の超能力も持たない身でありながら、スーパーマンをも恐れさせるバットマンとは一体何者なんでしょう。


もう一人?語っておきたいキャラはすでに劇場版にも登場しているロビン。もともと子供受けのために考え出されたキャラですが、こちらはこちらでいろいろ大変です。
実はロビンはレギュラーシリーズでは現時点で4名存在します。
初代はディック・グレイソン。サーカス出身で、現在ではナイトウィングという名で一人立ちしております。ブルースとは袂を分かたった時に多少のイザコザがあったようで、以後しばらく二人の関係は微妙なものになっておりました。
二代目はジェイソン・トッド。もともとは不良少年で度胸を見込まれてロビンとなりましたが、ほどなくしてジョーカーの手により爆殺。この事件はバットマンの心に深い傷を残すことになります。『HUSH』における「トッドが生き返るのなら何でもしようと思った」という言葉には胸をつかれるものがあります(最近悪役として驚愕の復活を遂げたそうですが・・・)。
三代目はティム・ドレイク。平凡な過程に育ちながら類まれなる推理能力を持ち、なかば押しかけでロビンの座にいすわります。父に正体がばれたことにより、一時引退。その後再びコスチュームを着ることになりますが、これまたバットマンと離れて単独行動を取っている模様。
四代目はステファニー・ブラウンという少女でしたが、命令違反によってすぐ解雇(笑)。その後大事件を引き起こしたり、挙句に殺されちゃったり散々な有様・・・・

大半のアメコミは『サザエさん』『ドラえもん』のように永久ループしているわけではなく、ゆっくりと時間が流れております。その線でいくなら第二次大戦に参加しているバッツなどはとうの昔にジジイになっているわけですが、そういう事態を避けるため、DC世界では今まで二度大きなリセットが行われてきました。
そんで前回のリセットから約二十年。いつまでも若いスーパーマンと違って、バットマンもいずれは弟子に跡目をつがせなければなりません。本来ならいつもバットマンの傍らにいるロビンこそが、そのコスチュームを受け継ぐにふさわしい。ところが上に書いたように、どうもこの襲名、なかなかうまくいきません。
実は一度ベーンというヴィランに背骨を折られたとき、ブルースはアズラエルという青年に本当にバットマンの名を明け渡したことがあります。しかしこのアズラエル、いささか情緒不安定なところがあり、荷が重かったのか、結局人口脊柱でよみがえったブルースに「バットマン」を返上しました。
まあDCさんがどこまで代替わりを本気で考えていたのかはわかりませんが、誰もブルース・ウェイン以外のバットマンなど見たくもないわけで。オリジナルアニメシリーズ『バットマン・ザ・フューチャー(原題はBATMAN BEYOND)』では、老ウェインの指示のもと活躍する若き二代目が主人公でしたが、あれは「番外編」だから許されたのだと思います。

080901_113503今後深刻な人気の危機でも訪れれば、また代替わりが検討されることもあるかもしれません。とはいえ70年トップを走り続けてきた『バットマン』。そんな事態はまだまだ先のことだと思われます(笑)。

ついでに今まで書いたバットマン関連のリンクを貼っておきます。
気が向いた方はごらんください。
コミック:
『キリング・ジョーク』
『イヤーワン』
『『JLA リバティ&ジャスティス』
『アストロシティ:コンフェッション』
映画:
『バットマン・ビギンズ』
『ダークナイト』

「自分で買って読みたい」という方は、JIVE AMERICAN COMICSのHP(http://amecomi.jive-ltd.co.jp/)へどうぞー


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August 13, 2008

悪ション仮面VSブリブリ帝国 谷口悟朗 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』 世界の終わりにはまだ早い編

20080813201117内紛に乗じて中華連邦と協力関係を結んだ黒の騎士団。これによりルルーシュ=ゼロはなんとか父・ブリタニア皇帝に抵抗しうる戦力を持つことになった。ギアス能力を研究する「教団」をも壊滅させたルルーシュは、いよいよ日本を取り戻すべくブリタニアとの決戦に挑む。ことは順調に運んでいるように見えたが、その過程において、シャーリィとスザクへの信頼を失ってしまったルルーシュ。そしてトウキョウ決戦が激化する中、彼に最大最悪の衝撃が臨むことに・・・・


現在までに第18話までを消化した『コードギアス 反逆のルルーシュR2』。あしかけ二年に渡ったこの物語も、いよいよクライマックスが目前となってまいりました。今回はこのアニメのテーマや、残された謎、今後の予想みたいなものをあれやこれや書いてみます。

まずこのアニメのテーマ。終わりも近づいた今になってようやく気づいた次第でございますが、恐らく「ウソをついている人間を、それでも信じられるか」ということだと思います。
周囲のありとあらゆる人間にウソをつきまくっているルルーシュ。ここまでウソまみれな人間は、それこそ夜神月くらいなもんでしょう。第1部ラストにおいて親友スザクにウソがバレ、二人の関係は徹底的にこじれてしまいました。第2部に入るとやや緩和された感もありましたが、級友であるシャーリィの死をきっかけに、再びスザクはルルーシュに疑惑をむけます。そしてまたしても暴かれたウソ。しかし今回のスザクの反応は、以前とはやや異なるものでした。(自分に罰を与えている目だ・・・・)
前回はユーフェミアを失ったばかりということもあって心に余裕がなかったスザクですが、妹のために土下座までしたルーを見て、やっと彼が何のためにウソをつきまくっていたのか悟った様子。修復するかに見えた二人の絆ですが、余計な茶々が入ったために元の木阿弥に。さらに第二次トウキョウ決戦において起きたある悲劇により、前よりも壊滅的な状況になってしまいます。
残りあと7話か8話。果たして二人の間に友情はよみがえるのか。色んな要素がてんこもりな『コードギアス』ですが、最終的にはその辺が核になっていくと思います。


残された謎に関して。主なものをあげると
①学校(主に生徒会)のみんなの記憶はどうやって改竄されたのか
②ギアスとは結局なんなのか
③ルルーシュの母、マリアンヌ殺害の首謀者は。その動機は

①はもうどうでもいいなあ(笑) 皇帝がこっそり学校に視察にでもきてたんでしょう
②超能力。おしまい
・・・・まあ人間って生きてる間に脳みそをわずか数%しか使ってないそうなので、全部使えたらもっといろんなことができるのでは?という発想なんじゃないかと。古代人はその引き出し方を知っていたのでしょう。んでその秘儀を伝授・・・というか植え付けられたのがCCやVVのような人間と
ただ教団の島にあった異次元空間のようなものについては、さっぱりわかりません。やっぱり超古代文明の遺産か何かなんでしょうか
③順当に考えるならやはりシュナイゼルお兄様が一番怪しい。ただ気になるのはマリアンヌが襲撃の直前、自ら護衛を退かせたという証言。自ら死を望んでいたのでしょうか? 動機は転生による若返りのため?
ただそれだったらナナリーが思い切りとばっちりを食らってるのが腑に落ちない。なにか誤算でもあったのでしょうか。


最後に不謹慎なネタを「『ギアス』誰が生き残るのか? 大予想」

確実にお亡くなりになるであろう方々:シャルルパパン ロロ坊 VV(ってかもう死んでるの?)

なんとなく亡くなられるのでは、という方々:CC シュナイゼル ニーナ ブロガー ナイト・オブ・ラウンズの名も無き方々の半分くらい オレンジレンジ ヴィレッタ先生 オーベルシュタインじゃなくてディートハルト 奇跡の藤堂 玉ちゃん 紫龍さん

たぶん生き残るであろう方々:コーネリア姉さん 扇さん カレン ジノンボーイ 愛子さま ドロンジョ博士

確実に生き残るであろう方々:ザク ナナリー リバルくん 元会長 アーサー ロイド伯爵と助手 天主さま


ナナちゃんはこないだ消滅してましたけど、たぶんあれは演出上のハッタリでしょう。わたしはまちがいなく生きてると確信しております。
そして主人公たるルーはどうなるのか?

20080813201058最終決戦において深い重傷を負い、記憶の一切をなくしてしまったルー。
「まいったな。またカンザクに笑われちゃう」
「さようなら・・・ シン・・・・」
そんな『エリア88』的ENDになるのでは、と勝手に想像してます。

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August 05, 2008

世界のミヤザキをおおざっぱに語ってみる 宮崎駿いろいろ

20060729070328現在ジブリの最新作『崖の上のポニョ』が絶賛公開中・・・ですが、まだ観てません(笑)
その代わりってわけではないですけど、今日は「世界の宮崎駿」監督についての私論などかましてみたいと思います。

映画監督としての宮崎さんの転機は、三作ごと、十年周期くらいで訪れていると考えます。すなわち
①オタク(赤字かトントン)時代:『カリオストロの城』『ナウシカ』『ラピュタ』
②作家(なんとか黒字になってきた)時代:『トトロ』『魔女の宅急便』『紅の豚』
③巨匠(もうかりすぎて笑いが止まりまへんなあ:)時代『もののけ姫』『千と千尋』『ハウル』
こんな感じかと。順を追って説明しましょう

①オタク時代
このころの宮崎さんは、アニメファンにとって、とても身近な存在でありました。「メカ・冒険・お姫様」という彼らが好きそうなものをよく題材にされていたからです。時々インタビューなどで見ても、今のようにいかにも「巨匠」といった感じではなく、その辺の職人のオッサンといった風で「またこんなダメなもの作っちゃって・・・・」とボソボソと答える。そんなところにとても親近感を覚えました(笑)
とりあえずこの時期宮崎さんの名を知るのは、まだ熱心なアニメファンくらいしかいませんでした。
この時期の作品を語る上ではずせないのが、テレビシリーズ『未来少年コナン』。このアニメには『カリオストロ』『ナウシカ』『ラピュタ』の元となるアイデアが、たくさん詰まっています。
わたしが好きな作品も大体このあたりに集中してます。TVアニメ『名探偵ホームズ』も忘れがたい作品のひとつ。宮崎さんがてがけたのは全部で6話だけですが、そのどれもが痛快極まりない冒険活劇となっております。

②作家時代
それまではオタクのカリスマであった宮崎さんですが、『となりのトトロ』が数々の映画賞を受賞したことにより、社会的な知名度がぐっと上がってきたのがこのころ。実力のある「映画作家」として広く認知されるようになります。
この時期の作品では先の「メカ・冒険・お姫様」はなりを潜め、代わりに「自然・日常・等身大の女の子」がよく扱われています。「娯楽アニメ」というよりも、行儀よく情緒豊かな「映画作品」といったほうがふさわしいような。
シュールで不条理な設定が目だってきたのもそう思わせる理由のひとつ。魔女が空を飛んでいても、男がブタに変わっても、周りの人はそれほど不思議がらずに接していたりします。「猫バス」というのもすごいアイデアです。あれは一体なんなんでしょう。妖怪にしてはモチーフがやけに近代的だし・・・ ま、考えても始まんないんでしょうけどね
世間での評価が高まっていくのと裏腹に、わたしが一番興味をなくしていたのもこのころ(笑) 「俺たちオタクを切り捨てるのかよ!?」 そんな自分勝手な思いにとらわれてましてcoldsweats01 『紅の豚』にはわりと期待してたんですけど、かつての破天荒な作風に親しんだ身としては、いまひとつ物足りないというか、やはり「行儀のいい」ものに感じられました。

③巨匠時代
なにを思ったか突然弾けまくった作風の『もののけ姫』が日本の興行収入を塗り替えたことにより、宮崎さんは国内で随一の映画監督として知られるようになります。続いて『千と千尋』はさらにその記録を塗り替えた上、ベルリン映画祭で金熊賞を受賞。また『ハウルの動く城』もベネチア国際映画祭・栄誉金獅子賞を受賞し、ここにいたりオタクのカリスマはとうとう「世界でも有数の実力を持つ映画監督」へと出世してしまいます。
この時期の特徴は、それまでに培った芸術センスも保ちつつ、かなり自分の趣味・欲望に忠実に映画を作ってることでしょうか。一応建前ではご立派なことをおっしゃってますが、粘液や血液がビュービュー飛び出たり、いたいけな女の子をしつようにいたぶったりする趣味の悪さは、「作家時代」にはほとんど見受けられなかったものです。
まあ個人的には行儀のよい作品よりも、こういう自分に正直な映画の方が見ていて楽しかったりするわけですが。興味深いのは『もののけ姫』のラストでかつての『未来少年コナン』とは正反対の行動主人公にとらせていること。どう違うのかはくどいようですがこの記事をご覧になってください。

で、この度の『ポニョ』。わたしの説が正しいとすれば、宮崎さんはまた新たなるステージに立ったことになるわけですが、その辺は実際に見てみないとなんとも言えません。

彼を創作に駆り立てるエネルギーのひとつは「対抗意識」のようです。「わたしはいつだって一番だったことはないんだ」・・・・というのは、確か『もののけ姫』のころの発言。
作家時代彼が対抗していたのは、恐らく長年コンビを組んでいた高畑勲氏であると思うのですが、『もののけ姫』の時意識していたのはかつての弟子が作った『エヴァ』だったのでは、と推測します。ご本人は「まったく見てない」とおっしゃってるそうですが(笑)、色んなところから「『エヴァ』はすごいよ~」という噂を聞いて、「じゃあオレはもっとすごいものにしてやる!」と燃えまくったんではないでしょうか(笑)。

20080322091824『ポニョ』をやる気になったのも、ジブリで『ゲド戦記』を作ってる時、社内でどなたかが「いや~、これで巨匠が引退してもなんとかなるわ」と言ったのを耳にしたからだとか。これまた私見ですが、ピクサーに対するライバル意識なども見受けられるような。

最近では一作ごとに「もうこれでおしまい」といい続けている宮さん。彼にずっと映画(アニメ)を作ってほしいのであれば「宮崎なんて大したことないね。××の方が断然いいよ」と言い続けましょう(笑)
さすれば巨匠は幾つになっても創作への情熱を失わないと思います。

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July 16, 2008

社長・島鋼鉄 マーヴル・コミックス 『アイアンマン』

20080716175057本日は映画化で話題沸騰中(か?)のアメコミヒーロー『アイアンマン』、その背景についてご説明いたします。ちなみに「IRONMAN」で検索するとボディビルの雑誌が最初にヒットします。お間違えのないよう。

アイアンマンの誕生ははるか昔の45年前、ベトナム戦争の時代にまで遡ります。富豪にして発明家のトニー・スタークは、兵器開発のためベトナムを訪れていた際、うっかり地雷を踏んでしまい重傷を負います。そのままゲリラたちに拉致監禁されてしまったトニーでしたが、驚くべきことにそんな状況にありながら、こっそり無敵のハイテクアーマーを開発することに成功します。ゲリラの基地を壊滅させたトニーは本国へ戻り、「アイアンマン」としてヒーロー活動を始めます。そして志を共にするキャプテン・アメリカ、マイティ・ソーらとヒーローチーム「アヴェンジャーズ」を結成します。
当初は「アーマーが生命維持装置としての役割も果たしているため、一生脱げない」という「夏場はどうするんだ!?」的な問題もありましたが、現在は改良されたため一応着脱が可能となっております。

「富豪でヒーロー」というと、バットマンを思い浮かべる方も多いことでしょう。しかしアイアンマン=トニーがバットマンと違うのは、その心のもろさ。
すでに故人である父の影に怯えたり、ストレスのあまり酒に溺れてアル中(!)になったり、ダークサイドに堕ちて過去の自分に消滅させられたり(!?)、さらに一昨年のクロスオーバー『シビル・ウォー』では「ヒーローたちは全員正体を明かして政府の保護下に入るべきだ」と言い出してかつての仲間たちから大ひんしゅくをかったり・・・・
「こんなヤツがヒーローなんかやってていいのか?」と思わずにはいられないほどの不安定ぶりです。

そんなトニーの前に立ちはだかるのが、かつてのチームメイトで、マーヴルユニバースで最も尊敬されているヒーロー「キャプテン・アメリカ(通称キャップ)」。
こちらは第二次大戦中(!!)、政府が開発した超人血清の力によって驚異的なパワーを得た・・・という設定のヒーロー。戦時中は前線において、無数のジャパ・ナチを地獄に叩き落したという右翼臭漂うキャラクターですが、60年代以降は世相を反映してか、大国の欺瞞に嫌気がさして政府と対立する、なんてエピソードも出てきます。
何かと悩むことの多いマーヴル・コミックスのヒーローたち。キャップとて例外ではありません。しかしどんなに苦しもうと、心の底にある信念と理想は揺らぎません。少なくともトニーのように酒に頼ったり周りに当り散らしたりはしません。
トニーにとってキャップはまぶしくもあり、強いコンプレックスを抱かせる相手でもあります。永遠に越えられない偉大すぎる父親のような存在でもあります。

『シビル・ウォー』はキャップの暗殺という最悪の結末で幕を降ろしました。その悲劇はトニーの心にどのような影を残していくのか。残念ながらわたしの知っている情報はここまでです(涙)。もう本当にどこでもいいので翻訳のほうなんとかしてください。

20080716175014劇場版は日本では9月末に公開予定。主演はロバート・ダウニー・Jr.。わたくしこの人「クスリでつかまった」ってことくらいしか知らないんですが、そんな心の弱そうな彼にこそトニーの役はうってつけかもしれません(笑)

すでに本国では大ヒットを記録。予告映像ではかなりいい感じだったので、9月末を心待ちにしております。わくわく

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July 14, 2008

ゴースト フィラデルフィアの幻 M・ナイト・シャマラン 『シックス・センス』

20080714174411本日は異色ホラーの傑作『シックス・センス』について語ろうかと思います。
なぜいま『シックス・センス』かと申しますと
①旬の映画ネタが尽きた
②夏なので怪談話でも
③もうじきシャマランの新作『ハプニング』が公開されるので

・・・などの理由によります。ほぼネタバレしてるので、未見の方はできれば避難してください。
それではまじめにあらすじから。

児童心理学者として名高いマルコムの家に、ある日一人の男が押し入る。彼はかつてマルコムが担当した子供の一人であった。男は「なぜ救ってくれなかった」とマルコムを責めると、彼に向けて銃の引き金を引く。そして自分の頭をも吹き飛ばしたのだった。
それから数年後。マルコムはいまだ自信を取り戻せないでいた。妻とのコミュニケーションも、あれ以来うまくいっていない。そんな折、彼はコールという少年に出会う。いつもなにかにおびえているコール。マルコムは彼を助けようと懸命に努力を重ねる。最初こそぎこちなかったものの、やがて打ち解けていくコールとマルコム。そしてコールは自分が何に怯えているのかを打ち明ける。「ぼくは死んだ人が見えるんだ・・・・」

この映画が日本で公開されたのは1999年秋。恐怖の大王が降りてこなくてみんなほっとしてたころですね。わたしが最初に知ったのは夏ごろに、とある映画紹介番組(たぶん『シネマ通信』)で。幽霊の描写やそれに怯える少年の姿に、「こんな怖い映画、誰が観るかあああああああ!!」と思いましたcoldsweats01

ところがそんなに鳴り物入りでもなかったのに、公開されるやもっぱら口コミで大ヒット。噂を聞くとなんと「感動する」という。さらに映画冒頭には、ブルース・ウィリスからの「この映画にはある秘密があります、まだ映画を見ていない人には、決して話さないで下さい」というメッセージがあるとか・・・・・
(余談ですがこのころってまだネットもそんなに普及してなかったんですよね。もし今のような状況であれば、どっかでネタバレとぶつかってたかもなあ)
まあそんな風に噂を聞いているうちに、好奇心がムラムラムラムラと湧いてきたんですね。結局好奇心が恐怖心に勝ちました。でも鑑賞時はかなりびびっていたのをおぼえております(笑)。

で、観てみたらやっぱりなかなか怖かったですshock 一番怖かったのは、コールがいじめで曰くつきのタンスに閉じこめられてしまうところ。その手のモノが登場するシーンは全体からすれば本当にわずかなんですけど、基本的にBGMがほとんどなかったので、そうした「静けさ」にもかなり不安を掻き立てられました。

しかしコールの告白を聞いたマルコムが、彼を信じてともに問題を解決しようとするあたりから、いつの間にか恐怖は薄れ、心拍数も平常値に(笑)。そして心温まるシーンの後の例の結末に、見事にアゴをはずしてしまったというわけです。

『ミスト』の記事でも書きましたが、『驚愕の結末』とうたわれている映画で、本当にたまげる作品はごくわずかです。ちなみにわたしは作中の「秘密」というのは、「たぶん少年の言っていることが嘘八百(あるいは妄想)なんだろ」と勝手に決め付けていました(笑) ところが予想もしなかったような真相が待っていたので、さらにびっくらこいてしまったんですね。

そして『シックス・センス』が優れているのは、単に「おどろく」というだけではなく、観終わった瞬間にもう一度最初から確認したくなる、というところ。そんで見直していくと、まったく物事が変わって見える。こういう映画、いまんとこ他には今年の『アフタースクール』くらいしか思いつきません。

で、わたしの場合、一回目より二回目の方がより感動しました。
ラスト近く、ひとまず事件を問題を解決したコールはマルコムにこう言います。

「ぼくたち、もう会えないんだね」
「会えるフリをしようよ」

一回目の時は「別にまたいつでも事務所に訪ねていきゃいーじゃねーか」と思ったんですね。でも二回目の時は少年がなぜそう言ったのかわかりました。
幽霊がこの世にとどまっているのは、「遣り残したこと」があるからです。その「遣り残し」をクリアしたなら、幽霊はもうこの世にはいられなくな