February 03, 2020

年末アニメ祭り②白と黒の衝撃 『ひつじのショーン UFOパニック!』『羅小黒戦記』

Farmageddon_20200203204601 まだ年末の話が終わりません… 2019年はどん詰まりに来て年間ベスト級のアニメ映画が立て続けに公開されて大変困りました(いや、別に困ることはないか)。1本目は『ひつじのショーン UFOパニック!』。英国ののどかな農村を舞台にしたTVシリーズの劇場版第二作。今回はETよろしく地球にやってきた迷子のエイリアンをめぐって町全体…どころか宇宙規模の大騒動が巻き起こります。恐らく『ひつじのショーン』最大のスケールかと思われます。が、中心となるのはあくまでいつもの農場。このギャップがなんともいえません。

そして特筆すべきは前作 と同じように「フゴフゴ」「フガフガ」という意味不明語のみで1時間半押し通すこと。それでいてちゃんと話は通じるししかも面白い。これね、相当な離れ業ですよ… まあ正直言うと前半は「標準くらいの面白さだな」と思いながら観てました。ですが中盤くらいでさすがにこれは我らがショーンでもどうにも出来まい…という大惨事が生じてしまいます。しかしそれでも普通に解決しちゃうんですよね、ショーンは。一介のひつじであるのにおおよそ不可能なことはないという恐ろしいキャラクターです。でも本人?の頭にあるのは日々を楽しく過ごし、愉快な遊びを探すことだけという。こんな兄貴分いたらいいなあ…と思わずにはいられません。ひつじだけど。

もう1本の『羅小黒戦記』もかわいらしい姿なのに、実は無敵な小動物が主人公のアニメ。住処の森を追われた黒猫の妖精「小黒(シャオヘイ)」」が、人間界と妖精たちの争いに巻きこまれていくというストーリー。『平成狸合戦ぽんぽこ』に異能力バトルを混ぜ合わせたようなスタイルなのですが、この作品の魅力はなんといっても小黒のキュートなデザイン。特に猫好きにはハートを錐で突き刺すくらいの威力があります。だからもう小黒が悲しい声を出せば泣きたくなるし、嬉しそうにしてると鼻水が垂れ流れてきます。ただ先にも書いたようにこの小黒、かわいいだけでなく実はとんでもないパワーを秘めた言わば「神」に近い存在。だのに本人?はいたって無自覚というところもショーンに通じるものがあります。

この2本そんな風に似てるところもありますが、作品のベクトルは好対照です。『ひつじのショーン』はそれはもうすがすがしいくらいに、人を笑わせ、楽しませることを目的とした作品。観終わったあとそんなに心に残るものはないかもしれませんが、それはもう清々しく幸せな気分に包まれます。一方で『羅小黒戦記』はやはりエンターテインメントでありながら、現代中国の抱える問題をやんわりと風刺しております。お堅いかの国でもこういう映画が作られ、しかもそれがヒットしたというのは喜ばしきことですね。そしてこちらはこちらで鑑賞後ほっこりとした暖かい気持ちにさせられます。

個性と完成度の優れたこの2作品ですが、日本ではあまり注目を浴びなかったり上映館が少なかったりするのは残念なことです。配信・発売が開始されたら一人でも多くの人に見ていただきとうございます。また『羅小黒戦記』の方は阿佐ヶ谷の小さな映画館「ユジク阿佐ヶ谷」にて未だに満席のロングランを続行中。お近くにお住まいで興味をもたれた方はぜひスクリーンで小黒に会いに行ってみてください。

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January 28, 2020

年末アニメまつり①さよならは別れの言葉じゃなくて 『アナと雪の女王2』『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

Olaf_getty まだ年末の話をします。昨年の暮れはそっち方面の注目作がいっぱいあったのでアニメ映画ばかり観ておりました。本日はその中の3本をほぼネタバレ大全開で語ってみます。

ひとつは今もなお大ヒット公開中の『アナと雪の女王2』。世界的、とりわけ日本で記録的興行を打ち立てた新時代のディズニープリンセス映画の続編。絆の力で試練を乗り越えた姉妹の前に、新たな危機が訪れます。

Sakuhin017589_1 ふたつめは『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』。たれぱんだ、リラッくまなどで知られるサンエックスがまたしてもど派手にあてたかわいらしいキャラクターたちの劇場版。わたくし全然知らなかったのですが、ツイッターで「なんか映画版はすごいらしい」「まどか☆マギカを彷彿とさせる」という評判を読みつられて観にいっちゃいました。

5549_item01 みっつめは『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』。2010年に日本公開され、大人の事情で2作目が劇場スルーされたシリーズが奇跡的にスクリーンに帰ってきました。わたしの知る限りこんな例は他には『トリプルX』くらいしかありません。多くの冒険を繰り広げてきた少年と竜のコンビが、竜のハンターたちや移住問題と戦います。

この3本どれも楽しく鑑賞させてもらいました。で、気づいたのはどれも最後に「お別れ」が待ってるということでした。夏にやってた『トイ・ストーリー4』、昨年の『シュガーラッシュ・オンライン』もそうでした。そういえばわたしが子供のころなじんでた名作アニメにはそういう切ない話が多かったなあ。『銀河鉄道999』『ルパン三世 カリオストロの城』『ドラえもん のび太の恐竜』『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』などなど。ただ昔の作品の場合は「もう二度と会えない」的な胸にツーンとくるものが多かったのですが、最近のものは「会おうと思えばたまには会える」的なものが多いですね。

あとそれぞれのお別れも似てるところもあれば違うところもあり。『アナ雪2』の場合は「え!? そんなにあっさりでいいの!?」というくらい淡白でしたが、この作品と『ヒックとドラゴン』は「お互いの種族のために最善の道を選ぼう。離れていてもこころはひとつ」という感じでした。クリエイターとしては「いつまでも一緒にべったりだと共依存になってしまう。絆を保ちつつそれぞれ自立しなければいけない」ということを訴えたいのかなあ。ただ『ヒクドラ』1作目の結末が好きだった者としては「ずっとずっと隣にいたっていいじゃねえかよ!」と思ってしまうのでした。いいとしこいて独りもんだからでしょうか。

対して『すみっコぐらし』は「一緒にいたいのに生まれもった性質ゆえにそうできない」というハートがキリキリするようなものでした。小さなお子様も観るだろうになんと容赦ない… それはともかくメインキャラである「すみっコ」たちがほとんどしゃべらず、ナレーター二人の語りだけで進行していくスタイルはなかなか独特でした。

やっぱりなにもかもがハッピーエンドの作品よりは、切ないお別れ的な結末の方が心に残るものです。 だからといってそちらの方が優れているというわけでもなく… 結局おれは何が言いたいんだ! ふんがーー!!(飲酒中)

次は年末アニメ祭り後編として『ひつじのショーン UFOフィーバー!』『羅小黒戦記』について書きます。

 

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December 29, 2019

第16回SGA屋漫画文化賞

今年も残すところあと2日。誰も存在を知らないこの漫画賞の発表でございます。例によって賞品も賞金もありません。むしろ欲しい。では参ります。

Photo_20191229222601 ☆少年漫画部門:板垣巴留 『BEASTERS』

お友達の激押しに動かされて読んでみた作品。少年誌において動物が主人公の学園ドラマという恐ろしく挑戦的な内容。にも関わらず人気を博しアニメ化までされました。わたしゃまだ3巻までしか読んでませんが、高校生ながら優しくハードボイルド道を突き進むルゴシ君のキャラクターに惹かれます。

51rs9e4rd2l__sx345_bo1204203200_ ☆少女漫画部門:帳六郎 『千年狐』

中国の志怪小説集『捜神記』をベースに、妖怪と人間の交流をキュートに描いた作品。作者のモフモフ描写にはなみなみならぬものがあり、見ているだけでその柔らかさが手に伝わってくるようなタッチ。ギャグ調でありながら泣かせるところはしんみり泣かせてくれます。

91nsc3ncyul ☆青年漫画部門:原泰久  『キングダム』

もうこれはいまさら紹介するまでもありませんが、『プレイボール2』『ハンチョウ』と並んで今年も最も多く元気をもらった作品なので。年末ギリギリのところで大一番的な激闘が繰りひろげられ、大変ヤキモキハラハラさせられました。映画版も大ヒットしめでたいことであります。

9784065177259_w ☆中年漫画部門:萩原天晴・上原求・新井和也 『1日外出録ハンチョウ』

そういうわけでオヤジ部門は当然この作品です。というかこの漫画が終わるまでこの部門は自動的にこれが受賞する感じです。最新第7巻では「上野科学博回」と「筋肉自慢回」が特にツボでした。福本ワールド関連では『新・黒沢』も盛り上がりました。

Photo_20191229225801 ☆ギャグ漫画部門:野中英次・井野壱番 『クロマティ高校職員室』

なんとあの脱力ギャグの金字塔『クロマティ高校』が約13年の時を経て復活。作画こそ別の方ですがムードも面白さも全然変わって無くて嬉しくなっちゃいました。「続編だかスピンオフだか決めてないのでスピンオフ続編ということにしてください」とそんな投げやりなところもクロ高らしい。

Kvteaser3 ☆アニメ部門:今石洋之『プロメア』

2019年は国内だけでも意欲的なアニメ映画がいっぱい公開されましたが、わたし的ナンバー1はこれ。今石広之&中島かずきの『グレンラガン』コンビ最新作と来たらこれが燃えずにいられましょうか。堺雅人氏演じるクレイのぶち切れたシャウトは各界で絶賛を浴びました。

そして栄えある大賞は

565712w300☆『バットマン ディテクティブ・コミックス』

邦訳部門と合わせてダブル受賞です。今年はバットマンが「発明」されてからちょうど80年という大変記念すべき年でした。画像の「ディテクティブ・コミックスはそれにあわせた通算1000号。2019年は映画的にはさびしいバットマンでしたが、代わりに宿敵の作品『ジョーカー』が予想を覆して大ヒットしましたのでそれで良しとしておきましょう

明日は姪っ子たちが来る中隙を縫って映画ベストの記事を書きます。それをもって2019年のブログ締めといたします。

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October 30, 2019

北極点に進路を取れ レミ・シャイエ 『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』

こないだから子猫を引き取ってしまったので更新が滞りがちです… 今回は名だたる賞に輝きながら3年もの間日本未公開だったアニメ映画『ロングウェイ・ノース 地球のてっぺん』ご紹介します。

19世紀ロシア。北極点を目指して消息を断った探検家の祖父を追い、貴族の少女サーシャは北の海へ旅立つ。世間知らずの身ゆえ苦労を重ねながらも、サーシャはようやく目的を果たすための船と乗組員を手に入れる。だが行く手には荒海と極寒と氷壁が待ち受け、さらに果てない苦難が少女たちを襲うのだった。

まず帝政末期のロシアが舞台というのがアニメでは珍しい(他は『アナスタシア』くらい?)。ほんでもって制作はデンマークとフランス。丸っこいキャラデザと淡い色調は『ソング・オブ・ザ・シー』などで知られるトム・ムーア作品を思い出させます。あちらよりはまだ頭身が伸びやかではありますが。

映画を観る前はサーシャちゃんは根っからのお転婆娘なのかと予想していましたが、実際はかなり育ちのいいお姫様でございました。そんな箱入りのお嬢さんがおじいさんのために慣れない仕事をがんばってこなし、ついには荒くれどもも舌を巻く冒険家になっていくのですが、その成長ぶりにおじさんはただただ感心するばかりでした。

一方で男どもはどいつもこいつも問題児ばかり。一番人格者の船長さんでさえ堅物すぎるところがあるし、その弟は悪いやつじゃないんだけどチャランポランな野郎であります。サーシャを慕う下っ端の少年も肝心なところで彼女を責めたりします。でもまあダメンズたちもそれぞれに反省し、最後には一丸となって目的を果たそうとがんばる姿は微笑ましゅうございました。

児童文学と冒険小説を見事に融合させたようなそのストーリーはどこまでもまっすぐで、ひたすら気持ちがよかったです。これからロシア貴族たちは大変な時代を迎えるわけですが、サーシャさんならば気丈にその激動を乗り越えていけることでしょう。

このアニメは普通の映画館ではなく恵比寿の写真美術館というところで鑑賞いたしました。こちらとすぐ近くの恵比寿ガーデンシネマ、そして阿佐ヶ谷のユジク阿佐ヶ谷の3館はがんばって欧米の個性的なアニメを上映してくれてるので地方の身ながら感謝しております。『ロングウェイ・ノース』も写真美術館では公開が終わってしまいましたが、ユジク阿佐ヶ谷でひきつづき上映が決まっておりますので気になった方はそちらでごらんください。

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October 10, 2019

ベル・エポックを君と ミシェル・オスロ 『ディリリとパリの時間旅行』

『キリクと魔女』『アズールとアスマール』などで人気の高いフランスのアニメ作家ミシェル・オスロ氏の最新作。本日は19世紀末のヨーロッパで元気な女の子が冒険を繰り広げる『ディリリとパリの時間旅行』について書きます。

パリの万国博覧会で故郷を紹介するためにニューカレドニアからやってきた少女ディリリは、会場で郵便配達の少年オレルと知り合う。パリについてもっと知りたいと願うディリリは、オレルに頼んで町の様々なところを訪れ、数多くの研究者・芸術家と出会う。折りしもそのころ世間では少女の誘拐事件が続いていた。さらわれた女の子たちを助けるため、ディリリとオレルは犯人グループの所在を突き止めようと奮闘する。

オスロ監督といえば民話や昔話のアニメ化をずっとてがけておられましたが、今回は近代と現代の境目あたりの、かなりわたしたちに近い時代のお話となっております。「時間旅行」とありますがタイムマシンが出てくるわけではありません。21世紀のわたしたちをいわゆる「ベル・エポック」の時代に連れて行ってくれる、というわけでこのような邦題がついたものと思われます。キュリー夫人からピカソにプルースト、ロダンにギュスターブ・エッフェルなど、わたしでさえ知ってるような歴史上の偉人が次々と登場。まさに「石を投げれば有名人に当たる」状態。歴史ファンにはたまらないものがあるかと思われます。パリ万博が舞台で黒人の女の子が地元の少年とレトロな乗り物で追跡劇を展開するあたり、おっさんのアニメファンとしては『ふしぎの海のナディア』第一話を思い出したりしました。

「ヨーロッパのアニメだなあ」と強く感じたのはヒロイン・ディリリの奇抜なヘアスタイル(下画像参照)。当時のニューカレドニアの平均的な髪型だったのでしょうか。まるで幅広のリーゼントのようです。ただ一生懸命ぴょこぴょこ動いているディリリちゃんを見ているうちにかわいく見えてきました。大人にもはっきりと意見を述べる一方、誠実に向き合ってくれる人にはドレスの両端をつまんでおじぎする姿が大変キュートでした。レジェンドたちと対面するたびに「研究者になる!」「芸術家になる!」「発明家になる!」と触発されまくるのですけど、「君なら全部なれるよ…」と励ましてやりたくなりました。

そんないたいけな少女を狙う誘拐集団の目的・手段がなかなかにエグくて、この辺は正直ひきました… けれど過酷な仕打ちをうけながらもまっすぐなこころをうしなわないディリリちゃん。ますます応援したくなるのでした。

これまでのミシェル・オスロのスタイルを踏襲しながらも、さらに作り込まれた美術も堪能させていただきました。華やかなパリの街がきめ細かく精密に書き込まれていて、実写なのか絵なのかわからない背景も多々ありました。たぶん絵だと思うんだけど… またクライマックスで夜の街を滑空する飛行船の描写も息を呑むほどに美しゅうございました。

『ディリリとパリの時間旅行』はかれこれ一月ほど前に見たのですが、まだ今月下旬まで恵比寿ガーデンプレイスで上映中。その後もぽつぽつと各劇場を回るようです。今年は小規模ながら、『ロングウェイ・ノース』『アヴリルと奇妙な世界』『ブレッドウィナー』と勇ましい少女を主人公とした欧州アニメの公開が続いております。『ロングウェイ・ノース』も見てきたので近々レビューいたします。

あとどうでもいい話ですが、この映画見た日台風が関東を直撃して、家まで帰るのにけっこう苦労しました(笑) みなさん、明日からの大型台風にどうぞお気をつけくださいー

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August 20, 2019

傷だらけの… 新海誠 『天気の子』

『君の名は。』でジブリに匹敵するほどのブレイクを成し遂げた鬼才・新海誠。言うまでもありませんけど、その待望の新作が現在公開中であります。『天気の子』、紹介いたします。

わけあって離島から東京へ家出してきた少年・帆高。ネカフェ難民として苦しいくらしを続けた後、彼は怪しげなフリーライター須賀に拾われ、怪しげな都市伝説を調査する仕事を見つける。なんとか仕事も板についてきたころ、帆高はチンピラにつきまとわれていた少女陽菜と出会う。彼女はなんと帆高が取材の際うわさを聞いた「空を晴れさせる能力を持つ少女」だった。

前作のあまりの大ヒットぶりに置いてかれた元からのファンが、「おれたちの新海が帰ってきた!」と喜んでいる本作品。たしかに『君の名は。』よりも直情的というか、作家性が強く表れた映画となっていました。でもやっぱりこの二作で新海監督は大きく変わったと思うんですよね(自分はまだ未鑑賞作品もあるなんちゃって新海ファンですが)。以下にその理由を述べます。

以前の新海作品の主人公はすかした感じのかっこつけた少年がほとんどで、心の中はともかく表面上はエッチなことなど全く考えてないようでした。が、帆高くんと瀧くんは普通におっぱいに興味があるようです。そのことを指摘されて真っ赤になって否定するシーンもあったり。こんなにかっこ悪い姿を以前の新海作品の主人公が見せることはなかったように思います。

もうひとつは「ムー」です。まさか二作続けて新海さんがこの雑誌をキーアイテムとして用いて来ようとは夢にも思いませんでした。胡散臭さの点では東スポに匹敵する「ムー」(すいません)が恋愛ものの小道具として用いられた例は、わたしは他には『ぼくの地球を守って』しか知りません。ちなみに監督は地方の建設会社の御曹司で「ムー」の愛読者だったそうなので、キャラ的には『君の名は。』のテッシーに近いようです。

さらにもう一点ありますが、それは後に回します。

『天気の子』ではこの作品独自の要素も幾つかあります。新海作品といえばキラキラピカピカしたビジュアルが特徴ですが、本作品ではそれよりむしろ薄暗くドバドバ降り続く雨のシーンが多い。それでもかびくさい感じはせず、清潔感・透明感にあふれているのが彼らしいですけど。

あと貧乏描写もこれまでには観られなかった点です。前作でがっぽがっぽ稼いだはずなのに、なぜこれほどまでにジャンクなご飯描写が真にせまっているのでしょう。「貧乏」といえば、実は自分がこの映画にとりわけ感心をひかれたのは、懐かしの名テレビドラマ『傷だらけの天使』のオマージュなのでは?と思うところが幾つかあったからでした。まず『傷だらけ~』の舞台であった代々木会館がこちらでも重要な建物として登場します。また、主人公たちは無垢な人たちのために奮闘し、貧乏でありながら安い食べ物をおいしそうに食べ、明るい未来が全く見えない中でも懸命あがきつづける、そういう姿も通じるものがあります。さらに『傷だらけ~』のオサムと同じく『天気の子』の須賀には離れて暮らす幼い子供がいたり。明確なソースはございませんが、監督はけっこう意識してたのでは、と思い込んでおります。

『天気の子』は不思議な偶然というか、まさに今の時期にぴたりと合わせて公開されたような作品でもあります。ずっと長雨が続いてて、ようやく晴れたその日が公開日だったり、先の代々木会館が封切りからまもなくしてとうとう取り壊されたり。またこの映画の本当に直前に京都アニメーションの悲しい事件がありました。図らずもこの映画はその悲劇に対する鎮魂歌であり、亡くなった方たちの遺志を継ぐ決意表明となってしまった気がしてなりません。それなりに映画を観続けておりますが、こんなにも「時」に呼ばれてきたような例はちょっと記憶にありません。

以下は結末に触れてるのでご了承ください。

 

 

 

 

『君の名は。』以降で変わったな、と思った三つ目の点は、「ハッピーエンドに対するこだわり」です。前作も今作も物悲しい結末にしようと思えばいくらでもできたはずなのに、強引にベタなハッピーエンドに落とし込んでいます。でもそんな優しい新海監督の方が自分は好きです。ヒロインが『秒速5センチメートル』とおなじ「きっと大丈夫」というセリフをいうところに一抹の不安を感じないでもないですが…(あちらは全然大丈夫じゃなかったので…)

というわけで『天気の子』は予報通り現在大ヒット公開中です。前作には及ばないでしょうけど、おそらく本年度最高の売上を記録するのでは。今の時期は『トイストーリー4』『ライオンキング』『ワンピース』などもあり、ここ3年くらいで最も映画館に人があつまっている気がします。そんな盛況が嬉しいわたくしでございました。

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August 08, 2019

玩具の神様 ジョシュ・クーリー 『トイストーリー4』

Ts 本年度最速と言われるほどに収益を稼いでおきながら、ネットでは賛否両論大激突となっているシリーズ最新作。本日はそんな『トイストーリー4』について語らせていただきます。9年前に書いた前作『3』の感想はこちら。

長年の友アンディと別れ、新たな所有者ボニーのオモチャとなったウッデイたち。だがボニーはほどなくしてウッデイに飽き、自分がゴミでこしらえたフォーキーに夢中になってしまう。それでもボニーのためと健気にフォーキーの世話に励むウッディ。そんなある時ボニー一家がバカンスに訪れたあるレジャー施設で、ウッディは離れ離れになった恋人のランプ、ポーと再会する。

すいません… 今回もまたのっけからネタバレ全開で。以下は「絶対に観ない」「すでに観た」という方だけごらんください。

 

 

思えば何から何まで完璧だった『トイストーリー3』。まださらに続けると聞いた時、「それはいるのか?」とわたしも思いました。ただ前作でたったひとつ不安になったことをあげるならば、それは「ボニーが大きくなった時、ウッディたちはまた同じ悲しみを経験するんだろうな…」ということ。でもまあ、それはまだ先のことだろうと予想していたら、本作の冒頭で早くもウッディに飽きているボニー。(現実世界では9年の歳月が流れていますが)まあ、なんと残酷なお話を思いつくのでしょう。ですが、子供というのは本来ああいう飽きっぽい生き物です。アンディのように何年も同じオモチャに愛情を注いでる方が少数派でしょう。わたしたちも胸に手をあてて思い出せば、買ってもらった当初はお気に入りだったのに数日で飽きてしまったオモチャを色々思い出せるのではないでしょうか。そしてこの『トイストーリー』は1作目から一貫して、様々な形で「子供の残酷性」をやんわり描いておりました。

それでもボニーのために、隙あらばゴミ箱に戻ろうとするフォーキーを諭すウッディ。1作目でお気にいりの地位を奪ったバズを陥れようとしてたころから比べると、驚くほどの成長ぶりです。そんな風に同じことを繰り返しているようで、決してマンネリには陥らないのが『トイストーリー』の真骨頂であります。ウッディは今回「いずれ手放されると知りつつ所有者の元に戻るべきか?」という「2」と同じ選択を迫られるわけですが、以前とは違う決定をくだします。

「おもちゃであるのならば、やはり自分から持ち主の元を離れるべきではない」「それはウッディらしくない。『トイストーリー』らしくない」という意見もよく聞きます。しかしこの度は『2』の時とは状況が違います。あの時はウッディはまだアンディに愛されてたからあえて「戻る」決断をしたのでしょうが、今回は別にボニーに必要とされてるわけではありません。見向きもされなくなっても、おもちゃであるならばそれに耐えていかねばならないのか? すでに同じ悲しみを味わっている彼に、わたしはとてもそんなことは言えません。そりゃウッディは確かにおもちゃかもしれませんが、1作目からずっと映画館で観続けているわたしからすればもう彼は映画のキャラクターというより24年来の親友であります(これまた一方的な友情ではありますが)。

とりあえずこれでウッディは「いつかは手放される」というオモチャの宿命から解き放たれたわけで。新たな門出に立った友達をわたしとしては心より祝福したい。残されたバズたちがちょっと心配ではありますが、ウッディの姿を見た仲間たちもしかるべき時にそれぞれ決断をくだすことでしょう。バズといえばこのシリーズはもともと「究極に面白いバディものを」という発想で作られた作品でしたが、バズとの出会いを始まりとし、別れで幕を閉じるとするならば1・2・3・4で見事に起・承・転・結に符号しておりました。

あととりわけ興味深かったのは、「おもちゃが誕生した瞬間」が見られたこと。新キャラクターのフォーキーはもともとは廃棄物でありましたが、ボニーがおもちゃとして作り上げた瞬間に自我が芽生え別の存在へと生まれ変わります。ここからこの世界ではメーカー製でなくとも、子供が遊ぶ対象として作られた時点でそれが「おもちゃ」となることがわかります。ただフォーキーは由来がゴミであるせいか、一生懸命ゴミ箱の中に戻ろうとするあたりに腹がよじれました。そんなフォーキーにウッディはオモチャとしての心得をこんこんと説きます。おもちゃというのはいつも子供たちに寄り添い、励まし、元気をくれる存在なんだと。こうなるとこの世界におけるオモチャは単なる物体の枠を越えてもはや守護天使といっていい存在にまで高められております。ただその愛情が必ずしも報われるわけではないあたり、あまりにも哀れな守護天使ではあります。

このフォーキーもそうですが、新キャラがいちいち魅力的すぎたり小ネタが充実しまくってるあたりも、「4」はまごうかたなき『トイストーリー』でした。特に忘れられないのはCMの演出が派手すぎたゆえに辛酸をなめることになったスタントレーサー、デューク・カブーン。変身ベルトを巻けば仮面ライダーになれると信じていたのに、現実はそう甘くなかったことを思い知らされた幼い日の記憶がよみがえります。射的ゲームの景品としてぶら下げられてた趣味の悪い色のウサギとヒヨコもシュールな漫才でにぎやかしてくれました。

大人たちはついあーでもない、こーでもないと議論してしまいがちですが、わたしが観た回でははじめてスクリーンでウッディやバズを観るお子様たちがおおはしゃぎで作品を楽しんでました。『トイストーリー』はおそらくこれからまだまだ子供たちに愛され続けるアニメとなるでしょう。おじさんも引き続き愛していきます。

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June 21, 2019

地球兄弟 五十嵐大介・渡辺歩 『海獣の子供』

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怪獣の次は海獣の話。文化庁メディア芸術祭漫画部門を受賞した五十嵐大介氏のコミックを、『鉄コン筋クリート』などのSTUDIO4℃がアニメ化。『海獣の子供』、紹介します。

海辺の町に住む少女琉花は夏休みに父の勤める水族館を訪れたことがきっかけで、海と空という不思議な兄弟と出会う。彼らは3歳まで主に海中でジュゴンに育てられたのだという。常識にとらわれない二人に翻弄されながらも、兄弟のことがどんどん気になっていく琉花。やがて彼女は海と空が「祭り」と呼ばれる地球規模の現象の中心であり、彼らに残された時が少なくなっていることを知る。

原作は未読なのですが、ぱっと見た限りとても動画にはしにくそうな絵柄。しかしSTUDIO4℃の超絶技巧によって、その繊細な線画が忠実に再現され、かつびゅんびゅんと動いておりました。また、その絵柄と調和して色合いも淡い水彩画のような趣があります。そんなタッチで描かれた海や星空、夕焼けの背景はためいきが出るほど美しい。元はといえば原作の絵なんでしょうけど、アニメを腐るほど観てる自分にもちょっと似たものが思いつきません。後半においてはさらに自然を超えたカタストロフィ的なヴィジュアルが暴走気味に展開されます。

恐らく評価が分かれるだろうな…と思うのはこのクライマックスの展開。中盤までの夏休みの雰囲気や、海辺で戯れる琉花たち、夏祭りや台風の風景などは現実感や郷愁が伝わって作品世界にじんわりひたれたのですが、そっからのぶっ飛ばし具合が半端ないもので頭の固いおじさんはちょっと振り落とされました(笑)。ま、こういうの日本アニメではありがちな流れですけどね。十代の少年少女の葛藤を描きながら、それが世界や宇宙にまでスケールアップしていき、抽象的で不可解な心象風景がぐるぐると描かれていくような。名作『エヴァ』や先の『プロメア』にもそういうところはあるのですが、これらは最初から非現実的な話とわかってたせいか普通についていけました。が、『海獣の子供』は現実の描写も極め細かすぎたゆえに、そのギャップがちょっと気になってしまいました。

でもまあ、本当に美術力という点ではものごっつい作品です。ジブリや新海監督ともまた違ったこのアート的なスタイルをSTUDIO4℃にはこれからも継続していってほしいものです。昨年の『ムタフカズ』 もアホらしくてクールでかわいくてとても好きなんですが、あまり話題にならなかったのが残念です。

ちなみにこの映画、先ごろ結婚で話題になった蒼井優さんも声優で出ておられます。だんなさんとうまくいってない奥さんの役でしたが、現実世界では円満な夫婦生活を送られてください!

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June 14, 2019

燃やしていいのは体脂肪だけ 今石洋之・中島かずき 『プロメア』

Pma2一ヶ月後の健康診断を控えひそかにジョギングを続けているわたくしですが、それとはまったく関係なく、本日は『天元突破グレンラガン』『キルラキル』のコンビが贈る劇場アニメ『プロメア』を紹介いたします。

精神により発火できる能力を持つ新人類「バーニッシュ」が誕生した近未来。世界ではバーニッシュによる被害を食い止めるため各地で特殊消防隊「バーニングレスキュー」が活躍していた。その一員である血気盛んな青年・ガロは、テロ集団マッドバーニッシュとの戦いの中で、彼らのリーダーである若者リオと出会う。激しくぶつかり合う二人だったが、やがてガロはバーニッシュたちの哀しい運命や自分が所属する都市プロメポリスの裏面を知り、葛藤するようになる。

まあやっぱり最初に思うのは「これ、『グレンラガン』の二時間版別バージョンじゃん」ということですね。そもそも主人公のガロが『グレンラガン』の主要キャラであるカミナによく似ている。他にも『グレン~』を思わせる要素があちこちに散りばめられておりファンとしては「たまんねえぜグへへ」という感じでした(品のない表現だなあ)。

ただこれまでの中島・今石作品と違うのはこれが1本に映画であるということと、恐らく実在の役者さんを想定して、それからキャラを膨らませていということ。三谷幸喜さんが好んで用いている「あて書き」というやつですね。メインの3人である松山ケンイチ氏、早乙女太一氏、堺雅人氏はそれぞれ中島かずき先生の舞台に出ておられたとのことなので、恐らくその時彼らの演技を見ながら先生は「こういうキャラが活躍するアニメを作ったら面白かろうな」と思われたのかもしれません。とりわけそれが爆発していたのが主役二人の前に立ちふさがる執政官クレイを演じていた堺さん。普段はニコニコ穏やかな表情を浮かべているのに、尻尾をつかまれた途端別人のようにブチ切れる様子が最高でした。普通悪者が居直るところってイライラしそうなものなのに、なんでかすごい爽快だったんですよね… そういえばドラマ『新選組!』の時に聞いた堺さんのエピソードで「最初は山南さんのようにソフトな笑みを浮かべながら飲んでいたのに、酔いが回ってきたらボロボロ毒を吐き出してきた」というのがありました。まさにこのクレイは堺さんにうってつけのキャラだったと言えるでしょう。

あと同じことを繰り返してるようで、少しずつ色を変えてるのが中島・今石コンビ。彼らの作品には少なからずダイナミックプロの影響があると思うのですが、その線で行くと『グレンラガン』は『ゲッターロボ』の、『キルラキル』は『キューティーハニー』のオマージュっぽいところがありました。そして『プロメア』は原作の『デビルマン』が根底にあったんじゃないか…という気がします。まあ途中あからさまに絵柄を意識してるシーンがありましたし。「怪物」と異分子を排除している政府が、実は怪物以上の怪物だったというあたりはまさに『デビルマン』でありました。威勢がよくワイルドなガロは不動明を、中性的でクールなリオは飛鳥涼をイメージしているようにも思えます。でもまあ『プロメア』はとにかく元気で世界の破滅も気合で吹っ飛ばすようなノリなので、その辺は『デビルマン』とは全然違いますね。

絵柄の特色はと申しますと、とにかく三角と四角が目立ちます。無数の角ばった図形が画面いっぱいを縦横無尽に駆け巡る映像暴力と申しましょうか。ここんとこのアニメ映画は美術的にも恐ろしく力の入ったものが続いていますが、『プロメア』はそんな痛快なキュビズムでもって炎と氷の戦いをこれでもかという感じで描き切って、観る者を翻弄します。

そしてロボです。予告を見た時、「今回はロボはどの程度出るのだろう。おまけ程度かな」と感じていたのですが、ドカーンとやってくれやがりました。今の日本で出来る最高峰のロボアニメでございました。先日の映画秘宝のインタビューで中島先生は「レオパルドンを出していたら『スパイダーバース』はアカデミー賞を取れなかっただろう」とおっしゃっていましたが、『プロメア』からは「賞なんかどうだっていいわ! わしゃ巨大ロボが好きなんじゃあああ!」という魂の叫びが聞こえてきました。信じてたぜ… かずき…(敬称略)。わたくしそろそろ中島先生には本腰入れてゲッターロボのリメイクをやってほしいと思ってるのですが、この願いどこかのお金持ってる会社に届きませんでしょうか。

『プロメア』は残念ながら日本全体ではそんなにヒットしてないのですが、都内近郊の良い設備の劇場では満席続出という局所的なフィーバーを巻き起こしております。この映画はたぶん伝説になる… ので観られるところにいる人は今のうちに観ておいたほうがいいぜ?

2019のアニメ映画フィーバーは現在公開中の『海獣の子供』、近日封切り予定の『きみと、波に乗れたら』『天気の子』と続きます。『プロメア』と違ってオミズ系の話が多いようで。

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May 28, 2019

猫の意趣返し 柏葉幸子・原恵一 『バースデー・ワンダーランド』

更新をさぼってるうちに公開が終わってしまった映画がまた1本… いまさらという気もしますがわたしが日本アニメ界で最も信頼を置いてる作家のおひとり、原恵一氏の最新作『バースデー・ワンダーランド』ご紹介します。

友達を上手にかばうことができずに落ち込んでいた小学六年生の女の子・アカネは、自分の誕生日にまだ若いおばさんのところへお使いにやらされる。アカネがおばさんが営む風変わりな雑貨屋でくつろいでいると、突然床下からヒポクラテスという紳士然とした男が現れる。ヒポクラテスは自分の世界が危機に瀕していて、それを救う力を持つアカネに共に来てほしいと懇願する。わけもわからぬままアカネとおばさんは不思議な世界に連れて行かれ、冒険の旅に出ることになるのだが…

いま非常にはやってますよね、「なろう系」っていうファンタジーのジャンル。平凡な主人公が異世界に転生したらチートな力を授けられて無双の活躍をするという話。ただこういうのってジュブナイルや童話などでもむかーしから原型があったりするので、別段目新しいものでもなかったりします。ちなみにこのアニメの原作は1981年に柏葉幸子先生が著した『地下室からのふしぎな旅』という児童文学。さっとあらすじを見たところ大筋は一緒のようですが、「世界を救う」とかそういう話ではないみたい。もうひとつちなみに柏葉先生は『霧の向こうのふしぎな町』という作品を書いておられるのですが、これがあの『千と千尋の神隠し』の原型になってるんだとか。

さて、本編のほうですが、さすがは原監督というか作品内の落ち着いた色彩の豊かさには目を見張らせられます。特に『カラフル』でも発揮させられた食い物描写には恐ろしいほどの吸引力を感じました。あともうひとつツボだったのが原監督にしては珍しい猫描写。異世界の猫は喋ったり立ったりするんですが、それでもいかにも猫らしいしぐさにいちいちなごませてもらいました。悪役の1人(1匹?)に「だもんね~」が口癖の黒猫がいるんですが、こいつがまた小憎らしいながらもかわいらしゅうございました。

ただ残念ながらとういうべきか、最も印象に残ってしまったのがメインの柱ではなく装飾にあたるその2点だったというのがちょっと物足りなかったような。原監督のこれまでの傑作というのはごくごくありふれた日常の世界の中に、異常な存在が介入してくるものが多いのですが、今回はそれが逆転していてまるっきり非現実的な世界に日常的な存在が迷い込むというコンセプト。それでなにか大きなインパクトとか、他の多くの異世界冒険ファンタジーと比べて傑出したところがあるかといえばあまり感じられなかったというのが正直なところです。強いて言うなら冒険のパートナーとなるのが気ままなおばさんというのが少し珍しいかな? 

と、ちょっとくさしてしまいましたが、お話のテーマは本当にまっすぐで、他の人を思いやる心の大切さとか、それにはちょっと勇気を出して前に踏み出すことが必要なんだ…ということはよく伝わって来ました。アカネと同じくらいの子供たちがこの映画を観て、そういうことを感じ取ってくれたらそれでいいんだと思います。問題はそういう子供たちが大体『名探偵コナン』や『名探偵ピカチュウ』にもっていかれてしまったことですね。主人公が探偵だったらよかったのだろうか…

ここ2,3年、ジブリの後を継げとばかりに作家性の強いアニメ映画が色々作られてますが、大体こけていて安定してるのは細田守監督くらいでしょうか。それでもなおも作られ続けているのがありがたいことでございます。2019年はひきつづき『海獣の子供』『君と、波に乗れたら』といった意欲作が待機中。『君の名は。』でメガヒットを飛ばした新海監督の『天気の子』も控えています。わたしの一押しは現在公開中の『プロメア』。これまた興行が苦しそうですが、現在の日本アニメの最高峰とも言える出来なので気の向いた方はぜひご覧くだされ~

 

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