『べらぼう』を雑に振り返る 11月編
前回の更新で年内の大河レビューは最後にしようと思っていたのですが、先のラス前回でなんか熱くなってしまったのでもう一回行きます。そんなわけで11月編。
☆第41回「歌麿筆美人大首絵」
歌麿と共に新たなプロジェクトに取り組み、活気を取り戻す蔦屋。そんな中、重三郎の母つよが病の床に臥せるようになり…
この回からしばらく「歌麿愛憎編」が続きます。歌麿というひとも写楽に負けず劣らずわからない点が多いそうで、作家さんからしたら創作のしがいがある人物ですよね。で、今回は昔から蔦重へ秘めた思いを持っていた青年として描かれております。それにしても「二刀流」っていうとかっこいいのに「両刀」っていうとポッとしちゃうのはなんでなんでしょう。
さびしげに蝉の抜け殻を見つめる歌麿。『鎌倉殿』でこれが好きなキャラがいたよな…とか思ってたらあのドラマの小道具をそのまま使ってたそうで。物持ちがいいですね。
蔦重の母つよはここで退場。彼のためを思ってわざと憎まれるよう仕向けた…というのはいかにも江戸っ子ですね。しかし実の父は毛ほども出てこないがどうなったんだ。なんか言及されてたかもしれないけど記憶なし。
この回の『風雲児たち』ポイント:『海国兵談』と林子平(名前だけ…)
☆第42回「招かれざる客」
おていが懐妊し、うかれる蔦重はさらに儲けるべく歌麿への無茶ぶりを繰り返す。彼の心が自分から離れつつあることも知らずに…
史実でも蔦重と歌麿は途中で疎遠になってしまったそうで。このドラマできっかけのひとつとなるのが西村屋親子。鱗形屋に鶴屋に忘八の面々と、どんな難物も落としてきた(言い方)蔦重が、唯一味方に出来なかったのがこの西村屋さん。よほど蔦重がタイプではなかったのか。
難色を示す歌麿に「ガキが生まれるんだ」と泣き落としで説得する蔦重。先月あたりから徐々に下がって来た彼の好感度が、とうとうどん底に落ちた瞬間でした。最終回も間近なのに大丈夫か主人公。
この回の『風雲児たち』ポイント:ラックスマンと大黒屋光太夫。またしても名前だけ… まあこの辺じっくりやってたら完全に横道にそれますしね。
☆第43回「裏切りの恋歌」
ついに決裂の時を迎えてしまう蔦重と歌麿。追い打ちをかけるようにおていは予定よりも早く産気づき、母子ともに命の危機に…
先回「バチが当たればいい」とか言われまくった蔦重ですが、この回ではあまりの不幸ぶりにネットでは「そこまでしろとは言ってない」と手の平を返したような同情ぶりでした。
そしてひとまずの決着を見た歌麿の恋心。同性の親しい人に恋心を抱いても、絶対にそれを打ち明けなかったり(『詩歌川百景』)手紙で相手を想いやりながら別れを告げたり(『BANANA FISH』)と、なぜか吉田秋生オマージュ(なのかどうか知らんけど)が随所に光っておりました。
果たしておていさんと赤ちゃんはどうなったのか。それは明かされぬまま仏壇に手を合わせる蔦重の姿で次回に。ひどい。
☆第44回「空飛ぶ源内」
子どもを失い悲嘆に暮れる蔦重夫妻の元に、1人の奇矯な男がやってくる。後の十返舎一九であるその男は、なんと源内が生きているという噂を話すのだった。
人はどうしようもなく悲しい時に「さすがにそれはないやろー」みたいな話に希望を見出すことがあります。蔦重にとってのそれが源内生存説だったというわけ。『風雲児たち』でもちらっとそれを匂わせていたので、もしかするともしかして…と思いましたが真相は別の方向で意外でした。果たして越中様はどんな顔してあの戯作を書いてたのでしょう。きっとニッコニコでやってたと思います。期待外れだった蔦重は「お前かよー」という失望を隠せていませんでしたが。
物をたべられなかったおていさんがふじさんが持ってきてくれたお菓子をようやっと頬張るシーンにはホロリと来ました。
この回の『風雲児たち』ポイント:源内先生が描いたという蘭画。玄白だか良沢だかに「へたくそ」とか言われてました
というわけで今度こそ年内最後の大河レビュー。最終回まであと5日…


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