だいたい2025年7月に観た映画を振り返る
この月はアメコミ映画とアニメ映画ばかり観てました。アメコミ映画を観ることは自分にとっての義務なので…
☆『かたつむりのメモワール』
2011年マイベスト作品であった『メアリー&マックス』のアダム・エリオット待望の新作。今回も一人の悩める少女が、自分の繊細な内面と厳しい現実をどうやって渡り切っていくか…という話。しんどい内容を柔らか味のあるコマ撮りアニメで、お笑い混じりに語っていくスタイルも一緒。
ただ今回は精神疾患や変態性欲に関するエピソードも出てくるので、ギリ子どもも観られたであろう前作と比べると若干えぐみがきつい気がしました。えぐみが増したのはモノクロだった『メアリー~』にくらべ、今回は淡いながらもフルカラーだったせいもあるかも。
それでもまあ彼女の苦労が報われる優しい結末には大層ほっこりいたしました。今年度のアカデミー賞長編アニメ部門にもノミネート。
☆『スーパーマン』
新DCユニバースの第1弾となる作品。既に何度か映画化されてるキャラということもあり、今回はオリジンはすっ飛ばしてもう地球に色々超人たちがはびこっていて、スーパーマンも活動して何年か経っているところから始まります。
異国の紛争といえど人命が関わっていたなら立場に関わらず救助に行くべきでは?という現在の世界情勢を反映したような内容になっていますが、脚本が書かれたのは恐らく数年前のことなのでここ最近の中東の事情を意識していたのかというとやや微妙であります。
あと『ドラゴンボール』の悟空の出自はスーパーマンを模倣したようなところがあるのですが、今回は「元々地球を征服するための先兵だった(かもしれない)」というあたりはもしかしたら逆に『ドラゴンボール』をオマージュしているのかもしれません。出自はどうあれ、育った環境と本人の資質でいくらでも「ヒーロー」になれるというお話は気持ちよかったです。
あと犬と無駄にムーディーな異次元クラゲがお気に入りです。
☆『ヘルボーイ/ザ・クルキッドマン』
4度目の映画化、2度目のリブートとなる「ヘルボーイ」。北米では配信限定だったのに、なぜか日本では小規模ながらも劇場公開してくれてありがたい限りです。
原作ヘルボーイは長編と短編があり、長編がスペクタクル調なのに対し短編は『ゲゲゲの鬼太郎』のような民話テイストの作品となっております。で、今回は短編の方のカラーを再現していて、「オバケはヨモギを焚くと逃げる」みたいな民話のシュールな部分が大事にされています。
なのでこういう世界が好きな方にはたまらないでしょうが、そうでない人にはこぢんまりした印象を受けるかも。自分は嫌いじゃないですが、全体的に暗めのシーンが多いので少々眠くなりました。
☆『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
もう知らない人はいないくらいの超絶大ヒット作品。先日『千と千尋』も越えたそうですし、日本の歴代の興行成績のワンツートップを「鬼滅」が占めることになりました。おそろしや。
ここ最近映画館でかかった「遊郭編」「刀鍛冶の里編」が「無限列車編」と比べるとまったくパッとしない成績だったゆえに、「鬼滅ブームもだいぶおちついたよな」とか思ってたんですが… やっぱり「TVの再編集」と、「劇場でしか観られない」の違いでこんなにも差が出るということなんでしょうか。
改めてこの作品って教訓的というか、この歳でも学ばされたり共感する言葉が多いです。「幸せの箱云々」とか。あと原作もそうでしたが激しいバトルの応酬の後に山本周五郎になるところが好きです。
エンドロール後に当然第2章の予告があるかと思ってたら何もありませんでした。こりゃ続きは当分先になりそう… 無限城のCGはそりゃすごいですけど、あれでべらぼうに時間がかかるのであればもっと手を抜いてもいいんですよ!
☆『F1』
こちらはぐっとシンプルなタイトル。文字通りF1を題材にした映画。20世紀末活躍したF1ドライバー(セナとかシューマッハと同年代?)が、友人に請われ心残りを解消するためもあって、低迷を続けるチームに加入するというお話。
モータースポーツものって力作・傑作が多いですけど、日本ではいまひとつヒットしないことが多く。ところがこちらは珍しく20億円という大健闘。ブラピ主演だから?…とも思いましたが彼主演でも伸びなかった作品はいっぱいあるし。それとも「『トップガン マーヴェリック』のスタッフ」というところに惹かれた人が多かったのか。いずれにしても迫力・ストーリー・カタルシス共に申し分ない作品でリピーターもいっぱいいた模様。
自分としてはどんなにひどいことを言われてもヘラヘラしてて熱血漢とは程遠いのに、チームのこととなると激しく怒る主人公像が面白いな、と。あとジョセフ・コシンスキー監督は本当におじさん世代が若い世代に何かしら継承させていく話が好きですね。
☆『ファンタスティックフォー ファーストステップ』
これまた4度目の映画化で2度目のリブート。そしてMCU最新作。特色としてはこれまでのマーベル世界とは別の並行宇宙であり、レトロチックな60年代の世界を舞台にしているところ。自分が生まれる前の古いながらも心安らぐ風景を、当時の作家が考えたような「未来メカ」が活躍する映像が好みでした。
また2作目でモヤモヤしたエネルギー体のように描かれていたギャラクタスが、今回はちゃんとリアルな大巨人になっていたのがよかった。終盤彼がNYを蹂躙するシーンは怪獣映画のようで興奮いたしました。そんな星をも食うような巨人をどうやって退けるのか。この辺をFFの面々が苦しみながらも考えだしていくプロセスも興味深かったです。
赤ちゃん一人を救うために地球を丸ごと危機にさらしてもよいのか…というテーマもあります。現実的にはまずありえないながらも、だからこそ世界の人々が彼らを応援するくだりにはしんみりしたり。
アメコミ映画としてはスーパーマンの直後で、映画館的には鬼滅ブームの真っ只中で影が薄くなってしまったのが悔やまれます。
次回は『告白』『星つなぎのエリオ』『ジュラシックワールド 復活の大地』『クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』『劇場版タローマン』について書きます。


Comments
「スーパーマン」
DBもそうですが、ガンさんが2019年に製作してる「ブライトバーン」に引きずられてる気がしますね。あれはスーパーマンが異質な得体のしれないものって事もあるよねって話だったけど、父ちゃんが得体のしれない考えって事もあるよねって話な訳で、あと、犬が狂犬病とかになったら一番怖いと思う。あの犬、注射打てないだろうし。
Posted by: ふじき78 | September 15, 2025 11:06 PM
ヘルボーイ
クルキッドマンがかっこ悪くて、強そうに見えないのに、そこそこ強いのが見ててストレス溜まる。強さに理由がないと、倒される事が時間が来たから負けたみたいに見えちゃうんですよね。
Posted by: ふじき78 | September 15, 2025 11:24 PM
「鬼滅の刃あかざ」
映画館で最初から一通りやり直ししてて、あれは一週縛りだったから、大きな記録にはならなかったけど、用意してあるキャパシティーほぼ満席近く埋まってたので美味しい興行だったと思います。TVでやった奴の再映でもあるけど、あかざがやる前にかかる刀鍛冶編とか劇場に掛かるより前にTVで再放映する事が告知されるとかメチャクチャだった。でも、劇場で見ると盛り上がるからよし。早く次が見たいなあ。
Posted by: ふじき78 | September 15, 2025 11:40 PM
「F1/エフワン」
ファンタスティック1、ミスター・ファンタスティックだけかよ。びよーんと伸びてもレースにあまり勝てそうにない。
興行は映画が面白かった事もあって、口コミで広まったのもあるみたいですよ。「国宝」もそうだけど、口コミは大事。だけど、最初がそれなりに入らないと、どんどん劇場規模(大→小)、回数が減らされてしまうから、一番最初の興行規模が小さいとそれも難しいので、「タローマン」はよくやってるけど、信じられないくらい入らない。最初から「そこそこ入りそう」と思われない映画はどんどんドツボにはまっていってしまうのだ。ちょっとズルい気がする。
Posted by: ふじき78 | September 15, 2025 11:55 PM
「ファンタスティック4」
「スーパーマン」同様、いきなり話が始まっているのに(ヒーロー達は既にそこにいるのに)、「スーパーマン」のように話題にならない所に、横綱と小兵の違いみたいなのを感じて寂寥感漂った。なんか「妖星ゴラス」みたいな話だなあと思って見てた。
Posted by: ふじき78 | September 16, 2025 12:02 AM
>ふじき78さん
いっぱいコメントありがとうございます。
>スーパーマン
ブライトバーン、ありましたね。あの胸糞悪い話と好対照をなしているのが同じ製作者と思えないというか、そこが面白い
>ヘルボーイ
もうクルキッドマンの姿がうろ覚えなのですが、ちょっとやせほそったリンカーンのようでありました。まあ確かに強くは見えない
>鬼滅の刃
次早く観たいですよね。原作でもう何べんも読んじゃってるけど。読まずに我慢してる人はすごい
>F1
口コミというか、いまはネットコミになるのか。タローマンもネットコミはそれなりに広がってましたが、何が違ったのか
>F4
と書くと花より男子みたい。妖星ゴラス作戦豪快に失敗してましたね。まああれが成功してたらもりあがらない
Posted by: SGA屋伍一 | September 21, 2025 05:49 PM
ご無沙汰です。
ようやく現職場にて正社員となれました。
現在は製造ラインに戻りましたが高野山が見えるトコの
工場にシフト勤務してます。
>F1
最近映画見に行ってないけど・・・・・・今みるなら多分これ。
実は「この世界の片隅に」見に行った際、
茶屋町のテアトル梅田(閉館した)のこじんまりとしながら
リラックス出来る印象が強すぎて・・・・・・
人多すぎなシネコンとかに拒絶反応示してるようです。
地域は関係ないから、お勧め映画館教えてください。
Posted by: まさとし | October 04, 2025 08:36 AM
>まさとしさま
こちらこそご無沙汰です。正社員就任おめでとうございます。
高野山かあ… 空海師匠のお膝元ですね
F1はまだやってるかな? ブラピもだいぶいいおじさんになりました。
おちつく小ぢんまりとした映画館というと、湘南のあたりですがパン屋さんと並行してやってる「シネコヤ」というところがおすすめです。小さいんですがそこがまたほんわかして落ち着くのです
Posted by: SGA屋伍一 | October 12, 2025 08:48 PM