『べらぼう』を雑に振り返る 7月編
☆第25回「灰の雨降る日本橋」
あきらめかけた日本橋の店が、ひょんなことから蔦重の手に入ることに。そんな折浅間山が噴火。江戸の町に灰が振り始める。
前回から続く蔦重結婚編の中編。これまでのベストエピソードのひとつでした。
日本橋に異様な風体でやってきた蔦重が、次から次へとアイデアを繰り出して、カチコチ頭だった人たちを次々と虜にしていくあたりがめちゃくちゃ痛快。その活躍ぶりにまずメガネ女子のおていさんが落ち、ついで難攻不落だった鶴屋さんがついに陥落。蔦重の婚宴にお祝いの品を持ってきて「歓迎します」とおっしゃってたくだりには劇中の面々同様こちらもアホみたいに泣いてました。
この回の『風雲児たち』ポイント:浅間山噴火の様子。天明年間は災害が多かったようで。
この回の使える中国史ポイント:陶朱公 は確か呉越の興亡に出てくる人物。『キングダム』のもっと前の時代ですね
☆第26回「三人の女」
晴れて夫婦となった蔦重とてい。だが二人はまだ色々とぎこちなく… そこへ蔦重を捨てた実の母がひょっこりと飯をあてに戻って来る
蔦重結婚編完結編。自分に価値がないと思ってた人が「そんなことはない!!」と力説される話に弱いものでこの回も号泣でございました。おていさんが蔦重をどんどん見直していく過程が小説版ではもう少し詳しく描かれています。
蔦重の実母役を演じるは高岡早紀さん。昔はそれなりに憧れたことがあったような… 「ババアババア」と連呼されるのがちょっと悲しい。いまやすっかり貫禄ある名女優となりました。
この回の使える江戸知識:江戸時代の人々はお数が少ないせいで米ばっかり食ってたとか。鬼平犯科帳とはちょっと違うイメージ
☆第27回「願わくば花の下にて春死なん」
互いの仲を深めていく誰袖と意知。蝦夷地への方針も進み順風満帆だった意知に、突然の凶刃が迫る。
意知レクイエム編前編。田沼意知殺害に向けてばらまかれていた伏線が、この回のクライマックスで一気に結実していきます(しなくていいのに)。
その下手人となる佐野善左衛門、『風雲児たち』ではひたすら身勝手で勘違いなアホ野郎として描かれていましたが、『べらぼう』では不器用で父親思いだったところを一橋側に上手に利用されて…という風になってました。この辺に森下先生の優しさが感じられます。お互いを想う二組の父子の対照的な様子が印象深い回でした。
意知に刃が降りかかる直前で「次回」のテロップ。そして次週は参院選のためこの状態で2週待たねばならなかったという…
☆第28回「佐野世直大明神」
田沼意知、江戸城内にて切り付けられ、ほどなくして死去。若すぎる死を悼む人々をよそに、田沼をさらに追い詰める陰謀が進んでいた。
この回はやはり大切な人を失って慟哭する意知と誰袖の姿が辛すぎました。前回があまりにもハッピームードだったゆえに…
善左衛門の凶行の流れは『風雲児たち』とほぼ一緒。江戸城内では刃傷沙汰が幕政が続いた期間7回もあったそうです(城外付近を含めればもっと)。これを「あり過ぎ」と考えるべきか、「2百数十年も続いたんだからこれくらいは」ととらえるべきか。
意知の葬列に石が投げられるくだりも『風雲児たち』にありました。政治は庶民が中心でなければなりませんが、とかく庶民というものは扇動に操られやすい。自分も庶民の一員として気をつけていきたいです。
陰で暗躍する「丈衛門だった男」。『鎌倉殿』の善児を彷彿とさせます。演じるは『キングオージャー』で目的のため悪者のふりをしていた「ラクレス様」こと矢野聖人氏。こちらでの結末は果たして


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