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August 03, 2025

大体2025年6月に観た映画

このあたりはえぐかったりこわかったりする映画をよく見てました。そういうのむしろ苦手だったりするのですが

☆『サブスタンス』

先のアカデミー賞でヘアスタイリング&メイクアップ部門を受賞 …とは思えないくらい趣味の悪い映画。だいぶいい年になってしまった往年の人気タレントが、若さと美しさを兼ね備えた自身の分身を生み出すという話。『笑うせえるすまん』にいかにもありそうな。こんな底意地の悪い話よくおもいつくなあと。

確かに発想と展開は独創的で面白いんですけど、鑑賞中はひたすら不快でした。ただ一晩経って「もしかして壮大な冗談だったのかな?」と思えてきて、多少許せる気分になってきたりして。

 

☆『JUNK WORLD』

個性的なアートと作風で世界から高い評価を受けた『JUNK HEAD』の続編。というか前日談。1作目が寓話というか落語というかファンタジー味が強かったのに対し、今回は同じ世界観の話でありながらややシリアスでハードSF的な要素が強い感じでした。

その硬派なムードを粉々に壊してくれるのが2バージョンあるうちの片方の「字幕版」(もしくはゴニョゴニョ版)。未来の人間・生物がその時代の言葉でしゃべっている、という設定なのですが、「ガッテンショウ」とか「スイヨウドウデショウ」とか明らかにふざけまくった現代日本語なのでそっちに気をとられてしまって困りました。滅法面白いのですが…

自分は字幕版だけ見る予定でしたが、渋滞に巻き込まれた関係で冒頭が観られず、頭に来てすぐ次の吹替え版も観ました。こちらはすっきりストーリーと画面に集中できるので吹替→字幕という鑑賞がおすすめです。

 

☆『見える子ちゃん』

人気ホラー漫画原作。人に見えない幽霊がつい見えちゃうという困った体質を持つ女の子が、やばい霊につかれてしまった友人を救うべく奮闘する話。このヒロインが鬼太郎みたいなオバケとバトルする力とかもってるわけではないので、自前で色々調べて霊を追っ払おうとする姿が健気でした。

某名作をほうふつとさせるオチがあるのですけど、そのまんまパクってるのではなく応用を効かせて数パターン持ってきたあたりが見事でした。あと霊の怖さよりも原菜乃華さんはじめ若い女優さんたちのキラキラとしたまぶしさの方が勝っていました。

 

☆『Mr.ノボカイン』

無痛症の青年が強盗にさらわれた恋人を助けようとがんばる、いわゆる「なめてたやつが〇〇だった」ジャンルの変奏曲。ただ彼の持ち前の武器は「痛さを感じないこと」くらい。体がいくらズタズタのぐちゃぐちゃになっても戦うことをやめないので、観ているこっちが目をそむけたくなるという… 「痛さを感じないっていいな」と思いがちですけど、それはそれで大変なことがたくさんあり、痛覚の大切さや無痛症の苦労がよくわかる作品になっております。

脚本のひねり具合や、人生の渋みと甘味がバランスよく描かれてるところが好感が持てました。

 

☆『メガロポリス』

先のラジー賞で最低監督部門に輝いた名匠コッポラの最新作。古代ローマになぞらえられた未来都市を舞台に一人の建築家の苦悩が描かれる…という話だったんだろうか? 彼に時間停止能力があったり、未来が舞台ななのにそんなに現代と変わらなかったり、唐突にハッピーエンドになったりと、「???」となる要素が幾つかあります。

印象に残る映像もそれなりにあり、つまらなくはなかったのですが、途中ちょっと眠くなりました。

 

☆『罪人たち』

『クリード』『ブラックパンサー』などアフリカ系をよくテーマにするライアン・クーグラーの最新作。今回は人種差別と音楽と吸血鬼を無理やり1本の映画にぶちこむという実験に挑んでます。なんかこれ、明確な意図があるんやるか…とそれなりに考えて思いついたのは、アフリカ系アメリカ人とアイルランド人(吸血鬼)には

・陽気でさわがしい音楽が好き ・キリスト教はよそから植え付けられたもので微妙な感情もあるけれど、今となっては愛着の方が上

という共通点があることくらいでしょうか。

主人公が兄弟二人なんですけど、別々にキャスティングするのではなく双子という設定にして両方マイケル・B・ジョーダンにやらせるあたり、監督のMBJ愛がさらに強まってる…と感じました。そこまでくるとちょっと重くないか

 

次回は『かたつむりのメモワール』『スーパーマン』『ヘルボーイ ザ・クルキッドマン』『F1』『鬼滅の刃無限城編1章』『ファンタスティックフォー ファーストステップ』あたりについて書く予定です。

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Comments

サブスタンス

「美」がテーマなのに、トロマ映画みたいなので、後味悪い。「悪魔の毒々モンスター東京に行く」で関根勤の顔が鯛焼きでい抜きされたみたいな。あの後、あの人どうしたんだろうとか親身に考えちゃいかん作品なのだ。

Posted by: ふじき78 | August 03, 2025 11:01 PM

見える子ちゃん

怖いかどうかは別として気持ちいい映画でした。あの映画と同じオチはこの後、別の邦画でも使われるのですが、この映画の使い方の方が洒落てました。ちなみに原菜乃華-滝藤賢一は『ミステリと言う勿れ』でも親子です。

Posted by: ふじき78 | August 03, 2025 11:25 PM

ミスター・ノボカイン

スイーツ食べると死ぬかもみたいな話は気が付かなかった。が、そこはかとなくそんなに驚く無痛あるあるはなかった。次は、彼以上に無痛なマスター・ノボカインが敵だ。

Posted by: ふじき78 | August 03, 2025 11:34 PM

>ふじき78さん

>サブスタンス
トロマっぽいとは私も思いました。その影響で作られた作品がオスカー候補にまでなるんだからトロマも大したもんだ

>見える子ちゃん
前述のサブスタンスを見てもわかるように、ホラーで心地よい、さわやかになるってあまりないですよね。そういう点で貴重な作品。別の邦画ってなんだろう… 今年はホラー邦画多過ぎのような

>ミスターノボカイン
続編出来たら今度こそ彼死んじゃいそうな気がするのでそっとしといてあげたい。でも本国でけっこうヒットしちゃったんですよね…

Posted by: SGA屋伍一 | August 31, 2025 05:42 PM

「罪人たち」

> 主人公が兄弟二人なんですけど、別々にキャスティングするのではなく双子という設定にして両方マイケル・B・ジョーダンにやらせるあたり、監督のMBJ愛がさらに強まってる…と感じました。

次はマイケル・B・ジョーダンを起用して「おそ松さん」のリメイクだな。

Posted by: ふじき78 | October 26, 2025 09:50 PM

>ふじき78さん

こないだ観たプレデターではエル・ファニングが一人二役でした。流行ってんのかな、こういうの

Posted by: SGA屋伍一 | November 16, 2025 05:13 PM

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