2025年4月に観た映画
二ヵ月遅れの映画感想。この月はなぜかアクション系の映画ばかり観てました。
☆『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』
そんな中、これは唯一ほぼ戦ってない映画。あの『レゴ・ムービー』シリーズ久々の最新作(なのか?)ということで観てきました。タイトルのファレル・ウィリアムスさんについてはほとんど知らず。でも劇中でかかってた超有名な曲「HAPPY」はさすがに聞き覚えがありました。
実在ミュージシャン映画の定型どおり、ファレルさんもサクセスして後、売れないころとはまた別の悩みを抱えることになります。お金目当てのビジネスマンたちに取り囲まれてしまうのですね。ただファレルさんの人柄かレゴで再現されてるゆえか、他のミュージシャン映画ほどには落ち込みパートがエグくありませんでした。その分いまいち印象が薄くなってしまったり。難しいですね。
☆『アンジェントルメン』
ここんとこイマイチ話題にならないガイ・リッチー監督の1年遅れの公開作(自分『コヴェナント』とか大好きですけど)。第二次大戦中スパイ活動に従事し、後にMI6の基礎を築いたメンバーの「実話に基づいた話」ということですが、確実に特盛くらいにお話を盛ってるものと思われます。
ベテランのガイさんの作品なので、全編普通に楽しい。問題は一番楽しくて気持ちよかったのが冒頭のパートだったというところです。あとナチスドイツ兵の命が紙切れよりも軽い。まあナッチだから仕方ないか…とは思いつつちょっとかわいそう。
☆『サイレントナイト』
ジョン・ウー久しぶりの公開作(そしてこちらは2年遅れ…)。ギャングに愛息を殺された男が決死の復讐に挑む物語。珍しいのは主人公が声帯をやられてしまったゆえか、全編ほぼセリフがないという。ただストーリーがこれ以上ないくらいどシンプル(よく言えばわかりやすく、悪くいえばよくある話)なので、言葉がなくても普通についていけます。
ジョン・ウーといえばグラサンにコートでキメキメの主人公が華麗に銃をぶっぱなし、ついでにハトも飛んだりする作風で知られてますが、この映画はあまりそういった「ウースタイル」が見かけられず、もっと泥臭く痛々しい仕上がりになってます。ウー監督ももう79才ということですが、そんなお年になってもこんなぎらついた映画が作れるのはすごい。
不満は去年の『モンキーマン』もそうですが、(白字反転)ラストで復讐を遂げたあとに自分も死んでしまうところ。多くの人を巻き込んだのだから彼もまた罪の報いを、ということなのかもしれませんが、可哀そうな目にあったんだから安らかな余生をあたえてあげましょうよ。
☆『アマチュア』
これまた主人公が組織に対し単身復讐を挑む話。本当に最近そういうの多いっすよね… ただ各作品さすがにその辺わかってるのか、自分たちなりの特色を打ち出そうとしています。この『アマチュア』の場合、ヒーローが腕っぷしはてんで弱いもののIQとIT技術が超人的で、計算とその場その場の機転でピンチを切り抜けていくところが痛快でした。
ほんでこの映画も『サイレントナイト』と同じく泥臭いところがあって、「みんなぶっ殺したるわー!」と息巻くものの、こないだまで一般人だった人間がいざ殺しに関わってしまうと、やはりとてつもない負担が胃に来る描写などありました。うん、そうよ… やっぱり復讐は何も産まないのね… でもフィクションでは割り切ってスカっとさわやかにやり遂げてほしいわ…
主演が『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック氏だったせいか、この時期のアクション作品が興行的にどれもパッとしなかった中、この映画だけはそこそこヒットしました。
☆『プロフェッショナル』
ここんとこ主演のアクション作品がトマトで低スコアを連発していたリーアム・ニーソン。でもこの映画は久しぶりになかなかの高評価となっています。舞台はIRAの活動が盛んだったころのアイルランドの小さな村。殺し屋を引退して静かな生活を送ろうとしていた主人公。しかし村にテロリストのグループが隠れ住むようになったことから彼の望みに暗雲が垂れ込めて来ます。
この作品の特色は一応アクション映画ではあるものの、あえてカタルシスを弱めてある点。リーアムさんはベテランの殺し屋だけど決して無双な人ではないし、敵対するIRAの女リーダーもいかん人ではあるけれど、罪の意識や可哀そうな過去があったり。
色々とやるせない話ではあるのですが荒涼としつつも穏やかな村の風景や、幕切れがとても爽やかだったこともあって後味は良かったです。『ゲーム・オブ・スローンズ』でひどい役を演じていたジャック・グリーソン君が、こちらでもいけすかない主人公の同僚を役をやっているのですが、彼とリーアムさんの交流にもホロホロと泣かされました。
というわけで今月の「男がほぼ一人で組織に戦いを挑む系」の映画、お気に入り順に並べると プロフェッショナル>アマチュア>サイレントナイト となります。ほんでこのジャンル、来月も『Mr.ノボカイン』があり、公開未定のものも含むと『ザ・コンサルタント2』『Mr.ノーバディ2』『ワーキングマン』などが続きます。USAの人は本当にこういうの好きですね…
次回は『サンダーボルツ』『マインクラフト ザ・ムービー』『パディントン 失われた黄金郷の謎』『今日の空が、まだ一番好きと言えない僕は』『ミッション・インポッシブル ファイナル・レコニング』について書く予定です。
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