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March 30, 2025

『べらぼう』を雑に振り返る 3月編

☆第9回 「玉菊燈籠恋の地獄」

瀬川の身請けが決まりそう、という話を聞いてようやく彼女への恋心を意識する蔦重(おせーよ)。年季明けまでお互いを待とう…と秘かに約束を交わすが、やり手の松葉屋夫妻がそれを見逃すはずがなかった。

『べらぼう』ロマンス編の前編と言うか吉原地獄変。第1回以来がっつりと吉原がいかに「苦界」であるかか描かれており、五社英雄とか宮尾登美子が関わってそうなエピソードでありました。そんなきっつ~い地獄の後だからか、夢をあきらめた二人が本の感想に紛らせて別れを語るシーンがとてもさわやか。

モニターチェックの時?に「誰この妖怪ババアと思ったら自分だった」とコメントしてた水野美紀さんがおちゃめ

・足抜け失敗した新さんが切腹しかけて「あっ いて」とつぶやくのは、今までにない切腹描写でした。

この回の『機動戦士ガンダムジークアクス』ポイント:「間違いない… ありゃマブだよ!」

 

☆第10回 「『青楼美人』の見る夢は」

瀬川の身請けが確定。その卒業パレードの際に蔦重は豪華な錦絵本を作って彼女の旅立ちに花を添えようと決意する。

『べらぼう』ロマンス編の後編というか吉原夢幻編。史実によりますとこの時代鳥山検校という人がいて、瀬川という花魁を1億4千万相当の金で身請けしたことは確かなようで。その瀬川が錦絵本では書物を読んでる姿で載っている…この要素だけでこれだけのドラマをつむげる脚本家森下先生の才能に脱帽です。三谷幸喜先生が「大河ドラマは史実の間に『ドラマ』を作らなきゃいけない」みたいなことをおっしゃってましたが、まさにその言葉の通りだなあと。

先回鬼のようだった松葉屋主人が「本なら自分で渡せよ」と粋なところを見せます。人間ってやつは奥が深いですね。ラスト付近、朝焼けの吉原大通りをバックに、豪勢な衣装と華麗な足取りで行進していく瀬川=小芝風花さんがファンタジックで美しゅうございました。ただ彼女の物語はまだ終わらないようで。

 

☆第11回 「富本、仁義の馬面」

せっかく気合を入れて作った『青楼美人』ではあったが、高額のため売れ行きは伸びず。次の一手として蔦重は親方衆の意見も取り入れ、浄瑠璃のスター馬面太夫を吉原の「俄祭り」に招くことを企画する

今回のメインゲストは『鎌倉殿』の公暁こと寛一郎君が演じる馬面太夫。浄瑠璃の名手と言うのはこの時代の歌謡スターみたいなものだったようで。でも吉原の女郎たちはそれらのスターたちを噂でしか知ることができない。彼女たちに実際にその姿を拝ませてやろう、そんで吉原嫌いの馬面太夫の心もゲットしちゃおう…という蔦重の情と策士ぶりがみごとにフュージョンしておりました。

「男なら」「男ってもんだ」「男のすることか」と男の意義が問われた『魁‼男塾』的な回でありました。メイン忘八衆に反旗を翻す「若木屋」を演じる本宮泰風氏と山路和弘氏がにらみ合ってる図を観て特撮オタクとしては「ピーコックアンデッドと烏丸所長の再戦だ…!」と一人盛り上がってました。

この回の『風雲児たち』ポイント(久々):やっと出ましたのエレキテル

 

☆第12回 「俄(にわか)なる『明月余情』

俄祭り開催に向けて盛り上がる吉原。蔦重はその準備に奔走する間に朋誠堂喜三二という戯作者と出会い、彼に自分のところでも本を書いてくれるよう頼み込む。

第2回から画面の端々をうろちょろしてた尾美としのり。その正体がようやく明かされます。「吉原あげて…」の言葉に目を輝かせるも、義理人情のためその誘いをあきらめる姿が笑えて泣けました。

この回のクライマックスはピーコックアンデッド若木屋対チビノリダー大文字屋の100日耐久ダンスバトル。最後の最後にエールを交換して仲良くなるあたりは激闘の果てに友情が芽生える少年漫画みたいでした。そのさなかにそっと二人で姿を消すうつせみと新さん。「祭りは神隠しにつきもの」とうつせみを送り出す松ノ井ねえさんにホロリとさせられました。

ちょうど一昨日「100カメ」でこちらのメイキングが放映。いつになくかっこいい次郎兵衛兄さんを盛り立てようと演出を提案する流星君や、カムロ役の女の子がメイクされながら小芝風花への熱い推し愛を語る映像にほっこりしまくりでした。

この回の『風雲児たち』にはなかったポイント:『金金先生』を楽し気に読む定信君。この人はカチコチ真面目な印象がありますが意外にエンタメ好きな一面もあったそうで

 

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