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March 09, 2025

2025年1月に観た映画

ようやく今年の映画の覚書です。今年は去年以上に適当に行きます。

☆『はたらく細胞』

2年連続でウンコが漏れそうになる映画が年明けの1発目でした。そんなくだらない体内の細胞たちのドタバタと、後半の深刻な闘病ものとのギャップに当惑させられます。細胞たちの生命のサイクルが短いこともちゃんと描かれていて観終わったあと諸行無常的な気持ちになりました。こんなシュールで殺伐とした映画が興行収入60億突破ってすごい。

 

☆『ビーキーパー』

ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画。定食屋でほっと落ち着く「そうそう、いつものこの味…」的な作品です。ジャンル的には「なめてた相手が殺人マシンだった」系になるのかもしれませんが、悪者がなめる間もなくサクサクバタバタやられてった印象でした。

それにしても昨年の『シビルウォー』、本作品、『キャプテン・アメリカBNW』と最近の映画界の米国大統領は人でなしのような輩ばかりで、ハリウッドの政治不信の濃さがうかがえます。これらト〇ンプさんが就任前に作られてるはずなんだけど

 

☆『カルキ 2898-AD』

珍しいインド初の本格SF映画。ただSFに普通に『ラーマーヤナ』の神様の生まれ変わりがバンバン出てくるあたりが、インドのお国柄と言うか信心深さを感じさせます。日本で例えるならガンダムに天照大神とかスサノオノミコトが出て来ちゃうようなものでしょうか。

2時間48分飽きずに観てられましたが、こんだけ付き合わされたにも関わらずすごくキリの悪い所で「続編につづく」となります。ま、想定内です。

 

☆『室町無頼』

応仁の乱直前の時代を舞台に室町幕府にケンカを売った無頼たちの物語。これまた先の時代劇映画『十一人の賊軍』『八犬伝』と同じく山田風太郎テイストを強く感じました。武芸の才に秀でながらあっけらかんとした明るい主人公像は山風描くところの柳生十兵衛を彷彿とさせます。これを演じるのが大泉洋氏なのですが、意外に悪くなかった。今までで一番かっこいい大泉だったのでは

 

☆『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』

話題沸騰のガンダム最新作。TV版の先行上映ということでスルーでいっかな…と思っていたのですが「すげえびっくりする。ネタバレ厳禁」という噂を聞いて気が変わりました。ガンダム映画ってそんなネタバレを気にしなきゃいけないものだっけ…と頭の中に「???」を抱えながら鑑賞に臨みましたが、うん、普通にたまげました。うじゃうじゃ続編が作られたガンダムシリーズですが、まだこんなやり方が残っていたか…と感心することしきり。小説にしろ映画にしろすぐれた「古典」というものは大胆に翻案されたりするもので、まさに『機動戦士ガンダム』第1作が「古典」になった瞬間に立ち会えた気がします。あとTV版の先行でありながら十分IMAX映えする映像だったのもよかった。

4月から本格的に地上波放映が始まるとのことで非常に楽しみです。つか、全部映画館でやってくれても一向にかまわないんだけど。

 

次回は『トワイライト・ウォリアーズ』『アンダーニンジャ』『野生の島のロズ』『キャプテン・アメリカBNW』『ブルータリスト』について書きます。

 

 

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March 01, 2025

『べらぼう』を雑に振り返る 2月編

☆第5回「蔦(つた)に唐丸因果の蔓(つる)」

本屋たちへの仲間入りを拒否された蔦重は、なんとかして版元になる道をみつけようと奔走する。その裏で唐丸に近づく怪しい浪人の影があった。

蔦重のサイドキック…かと思われた唐丸が5話にしていったん退場。「何か隠してるだろ?」という蔦重の問いに何とも言えない表情をして「何もない」と答える唐丸。それを観ながら轟々と泣くワシ。なんだか大河ドラマというより山本周五郎の人情時代劇を観ているような気分でした。落ち込む蔦重を「楽しい想像をしようよ」と励ます花の井がまたよい。明らかに自分のせいじゃないのに「自分で高いもの買ったんでしょ」と言われて「うーん、オレなのかなあ」とつぶやいてる次郎兵衛兄さんがさらにまたよいです。

この回の『風雲児たち』ポイント:須原屋市兵衛来ました。『風雲児たち』ではぐるぐるメガネでしたが… 林子平も出るか?

 

☆第6回「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」

癪には触るが鱗形屋に頭を下げ、のれん分けをしてもらおうと企む蔦重。だが彼の下で働いているうちに犯罪の証拠を見つけてしまい…

この回は当時本の種類に「赤本」「青本」なるものがあったことを学びました。赤本は子供向けの絵本、青本は字主体だけど絵も入ってる物語。当時青本は人気がなく、面白いものをこさえようとストーリーを練る蔦重と鱗形屋のやり取りが、漫画雑誌の編集会議のようで本当に楽しそう。しかし鱗形屋は蔦重を食い物にすることしか考えてなく、因果応報的な顛末が彼を待っています。いやあ、この頃から海賊版ってあったんですね。

意外に早く再登場を果たした長谷川平蔵。カモ平から少しずつ鬼平にシフトしている様子がうかがえます。自分にとって良い結果になったにも関わらず、罪の意識を感じて浮かない蔦重。こういうこずるいところもあるけれど、人並みの良心も持ってる人物造形が身近で好感が持てます。

この回の『風雲児たち』ポイント:池に捨てられた佐野善左衛門の家系図。ああ…

 

☆第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」

鱗形屋不在を幸いとばかりに、本屋連中に自分の仲間入りを認めさせようとする蔦重。その条件として、「倍売れる売れる細見を作る」と大見得を切るが、果たしてその勝算やいかに。

前回は面白い娯楽本を考える話でしたが、今回は使いやすいガイドブックを作ろうとする話。それには持ちやすく、薄い本を…をとアイデアを絞る様子が面白い。それに付き合わされるのが源内先生のお弟子さんの新之助さん。何度も作り直しをお願いされてしまいにゃ相当キレてましたが、恋人に会うお金を工面するために耐えておられました。

あとこの回で爆笑したのは最初断ってたのに吉原への宴会をエサにされたらパタッと手の平を返すダチョウ俱楽部肥後さんとか、『鎌倉殿』でもジェラシーに身を焦がしてた芹澤興人さんとか。いつもよりお笑い要素50%増し、みたいな回でした。

そして怖かったのが鶴屋喜右衛門を演じる風間俊介君。顔は笑ってるんだけど目が笑ってない。失礼ながらサイコパス役とかけっこうはまりそうな気がします。

 

☆第8回「逆襲の『金々先生』」

軽装版細見の評判は上々で、蔦重にもいよいよ本屋の仲間入りの道が開けてくる。だがその道の前に本屋のリーダーである鶴屋喜右衛門と、意外とあっさり帰ってきた鱗形屋がたちはだかる。

最初「絆の強い兄妹」みたいな関係なのかな…と思っていた蔦重と花の井(瀬川)ですけど、花の井の方はガッツリ蔦重のことが好きだったようで。そんな思いも知らずに「金持ちに身請けされるといいな」とのたまう蔦重に綾瀬はるかはじめ全国の視聴者が「馬鹿! ニブチン!!」とつっこんだ回でした。ただ花の井は蔦重のああいう博愛主義的なところに惹かれたんじゃないかな…とも。

1話では親方衆から階段落としを喰らっていた蔦重。ところがこの回では蔦重との約束を反故にした鶴屋が階段落としを喰らいます。いつの間にか忘八たちから一目置かれていた重三郎。そんな立場の変転が印象に残りました。もうひとつ印象深かったのは金貸しなのに気配だけで相手の感情を察する武闘家のような検校(演:市原隼人)。『鎌倉殿』からの共通キャストもこれで4人目くらいかな

鱗形屋が出した青本の進化系「金々先生」は、後に「黄表紙」と呼ばれるものの先駆けだそうで。「金八先生」ってここから名前取ったのかな?とも考えたのですが、さすがに関係ないようです。

 

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