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December 30, 2024

2024年、この映画がアレだ!!

当ブログもいつのまにか始めて丸20年が経ってしまいました。最初の記事を書いたころに生まれた子がもう成人してるわけです。本当に俺は何をやってるんだろう…

ま、気を取り直して本年の映画ベストを考えます。まずはワースト、リバイバルから

☆ワースト部門:該当作なし

今年はめでたいことにれといってワーストと言える映画が思い当たりませんでした。わけわからん映画とか、あまりにもな低予算がにじみ出てる映画はありましたが、憎いとか腹が立つというほどのものはなく。まあわたしの心は元々宇宙より広いんで。

 

☆リバイバル部門 『名探偵ホームズ』

宮崎駿氏がまだいまほどメジャーじゃないころ作った「犬版」ホームズ。やっぱりもっと元気のあるうちに、こういう毒にも薬にもならないハチャメチャな冒険活劇をたくさん作って欲しかった。『この世界の片隅に』の片渕須直氏もけっこうがっつり関わっておられますね。次点に『男女残酷物語 サソリ決戦』

ではいよいよベスト発表。まずははっきり良かったけど惜しくもランク外となった13作品。

・ゴールデンカムイ

・カラオケ行こ!

・アーガイル

・リンダはチキンがたべたい!

・異人たち

・マッドマックス フュリオサ

・猿の惑星 キングダム

・潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断

・フォールガイ

・エイリアン ロムルス

・シビル・ウォー アメリカ最後の日

・ザ・バイクライダーズ

・クレイヴン・ザ・ハンター

 

続きましてベスト20、一気にガーッと参ります

第20位 『碁盤斬り』 大晦日に観返したくなる映画

第19位 『マダム・ウェブ』 主演が「出るんじゃなかった」とか言ってましたが、そういうこと言うなよな 

第18位 『ゼーガペインSTA』 えんたんぐる!! プラモ買いました

第17位 『侍タイムスリッパ―』 つい「タイムストリッパ―」と読んでしまう。いけないわ

第16位 『ラストマイル』 ア〇ゾンで買い物がしにくくなってしまった

第15位 『最後の乗客』 「カレンの復興カレンダー」とかあったね…

第14位 『十一人の賊軍』 白石和彌監督2本目。『仮面ライダーBLACK SUN』とはなんだったのか

第13位 『ロボット・ドリームズ』 バーディヤー これも一種の異類婚姻譚か

第12位 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデイ』 人は誰も寂しがり屋さん

第11位 『機動戦士ガンダムSEED FREECDOM』 結局ズゴックが全部もっていった気がする

第10位 『グラディエイターⅡ』 デンゼルさんがマッコールさんだったら勝ってた。あぶなかった

第9位 『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』 「つまらないけど嫌いになれない。むしろ好き」 とさんざん言われた映画。みんなひねてるなあ

第8位 『ルックバック』 漫画家残酷物語。『シャークキック』ってやっぱり『チェンソーマン』みたいな作品なんですかね

第7位 『クワイエット・プレイスDAY1』 久々の「泣けるホラー」の大傑作。猫も大活躍

第6位 『デューン 砂の惑星 PART2』 無事完結…とはならなかった。本年度IMAX映え大賞

第5位 『サユリ』 久々の「燃えるホラー」。霊に拳を。人には愛を

第4位 『コヴェナント 約束の救出』 ガイ・リッチーっぽくないけどガイ・リッチー最高傑作。つくづく『リボルバー』とはなんだったのか

第3位 『アイアンクロ―』 おじさんなのでこういうあまりにも悲しすぎるお話に漂う暖かさ・優しさに本当に弱い

第2位 『デッドプール&ウルヴァリン』 監督とライアン・ゴズリングの人脈により集められた超豪華メンバーが織り成すアメコミ・スラップスティック。わたしの青春の思い出となりつつある20世紀FOX版X-MEN。ずっと忘れないよ… たぶん

そして栄えある第1位は

☆『鬼平犯科帳 血闘』

でございました。これ脚本的にちょっと苦しいところもあるんですけど(原作の問題か?)今年一番泣かされてしまった映画なのでどうしようもないのです。興行的にアレだったのがまた泣ける。『侍タイムスリッパ―』の後だったらもう少し売れたのだろうか。来年は大河ドラマにも「鬼平」が出るらしいですが。

 

駆け足でしたが本年度マイベスト映画でございました。来年もMCU版ファンタスティック・フォーやアバター3,スーパーマンにJUNK HEAD続編、ポン・ジュノの新作など色々楽しみです。それでは皆様良いお年を

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December 28, 2024

第21回SGA屋漫画文化賞

この線香花火より存在感の薄い漫画賞、もう21回目なんですよね… なんというか、こう、アレですよね…

気を取り直していきましょう。仕事納めでヘロヘロで風呂入って酔っぱらいですが、がんばって書けるだけ書きたいと思います。

2024年わたしが読んで特に励まされた・感銘を受けた漫画作品に与えられる「SGA屋漫画文化賞」。例によって賞金も賞品もありません。

まずここ数年の間ずっとわたしの支えとなってくれている3作品をまとめて

 

●常連部門

萩原天晴・上原求・新井和也 『1日外出録ハンチョウ』

コージィ城倉(原案:ちばあきお)『キャプテン2』

☆丸山恭右 『TSYYOSHI 誰も勝てない、アイツには』

去年とまーーーーったく変わらないラインナップですね。今年も辛い時苦しい時癒しとなってくれてどうもありがとうございました。終わってしまったら確実に生きる気力が数%失われてしまうので、永遠に終わらないでほしい。つか、わたしが死んでから終わってください。

今年『キャプテン2』では実に『プレイボール』連載開始から51年かけてとうとう墨谷高校が甲子園出場を果たしました。本当におめでとうございます。

 

●ヒューマン部門

☆鍋倉夫 『路傍のフジイ』

旧Twitterというか現Xのプロモで流れてきて、つい気になって全話読んでしまった作品。主人公フジイ君は多く人から「つまらないやつ」と思われております。自分もつい誰かことを「退屈な人だ」と思ってしまうことがあります。でもそれはその人いいところがわかってないだけでは? そして自分はそんなことが言えるほど面白い人間なのか? そもそも人の真の価値は「面白い・つまらない」で測れるものなのか…とこの漫画を読んでると色々考えてしまいます。ことしを代表するクリエイターである横槍メンゴ先生・吉田恵里香先生も絶賛されてました。

 

●グルメ部門

☆久部緑郎・河合単 『らーめん再遊記』

わたしこのシリーズの前作である『らーめん才遊記』も全部読んだですが、そちらは本当に良くも悪くも「ふつーに面白い漫画」という印象でした。ところが続編のこの作品は明らかに前作よりもべら棒に面白い。それはたぶん自分がゆとりちゃんのように夢や希望にあふれたキラキラした若者ではなく、今作の主人公芹沢のような少し人生に疲れたおっさんだから…だと思います。彼のような才能や人脈はないですけれど(髪はある)。ねじりん棒のようにひねくれまくった芹沢が縁もゆかりもなかった人たちとつかの間触れ合い、ささやかな笑顔と共に別れていく。そんなストーリー構成はまさしくラーメン・ハードボイルドと言えるかもしれません。

 

●スポーツ部門

☆蒼井ミハル 『クレイジーラン』

『明日私は誰かのカノジョ』が終了し、『TSUYOSHI』くらいしか読むものがないな…と思っていた「サイコミ」で突然グン!と存在感を増してきた陸上漫画。陸上ってそもそも漫画の題材にするのが難しそうなスポーツ(思い浮かぶのが『スプリンター』と『奈緒子』くらいしかない)ですが、団体競技である「駅伝」にスポットをあてることによって一癖も二癖もあるキャラたちの群像劇として『ちはやふる』や『帯をギュッとね!』みたいな痛快作に仕上がってます。どっちかというとずっとギャグ>燃えみたいなムードでしたが、最新エピソードである競技大会のくだりは嘘のような盛り上がりというか燃え上がりを見せてくれました。経験者による解説もいちいち興味深いです。

 

●新星部門

☆葉月セン 『一月の白魔』

このブログも旧Twitterもそれなりに長くやっておりますが、フォロイーさんが連載を始められて単行本が世に出る…という体験をしたのは初めてでございました。

太宰治を彷彿とさせるペシミスティックな世界観と、柔らかく繊細、かつスッと突き刺さりそうな画風が見事にマッチ。つぶやきのひょうひょうとした先生の人柄からは想像もつかない人間の暗部がまざまざと描き出されていて、それがまた意外すぎて興味深い。この辺ちょっと山岸涼子先生と似たところも感じられました。

寒い夜コタツでぬくぬくしながら、しんしんとした恐怖を味わいなおしたい1作でございます。

 

●アニメ部門

☆大張正己 『勇気爆発バーンブレイバーン』

今年は年明けからこいつのインパクトに思いっきりやられてしまい、そして結局この衝撃を越えるアニメがなかったというね… さんざん視聴者を当惑させておきながら1クールですっぱり終わり、我々を置いてけぼりにしていったひどい作品でございました。でも勇気をありがとう、イサミ。そしてブレイバーン。バンバンババンバババババババ ブレイバー―――――ーン!!! (間奏) この星の嘆く声を聞(略)

 

●大賞

☆芥見下々 『呪術廻戦』

『僕のヒーローアカデミア』『推しの子』とメガヒット作が次々と完結していった2024年。異論はありましょうが、その中で一番見事なクライマックスを描ききったのが本作品かと思います。絶対的な拠り所であった師匠の死→絶望的な状況から綱渡り的に繰り出される「奥の手」の数々→「最強」を手に入れながら「最悪の敵」に慈悲を忘れない主人公… といった大河バトルのお手本のような幕引きでした。この漫画は『鬼滅』と違ってまた続編なりスピンオフなど作れそうですけどね。

それにしてもこう次々とビッグタイトルが終了してしまうと、今後の漫画界の隆盛がちと心配です。次なる人気作が生まれればいい話ですが、空いた穴がちょっと大きいなあ…

 

ネガティブな締めになってしまいましたが、来年もまた良い漫画に巡り合えますように~

 

 

 

 

 

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December 22, 2024

2024年11月に観た映画

年の瀬ですなあ… 11月に観た映画のまとめ記事です。

☆『ヴェノム ザ・ラストダンス』

スパイダーマンの出てこないソニーのスパイダーマンユニバース第五作にして、『ヴェノム』シリーズの完結編。シンビオートの創造主であり最大の敵であるヌルが覚醒。その追っ手を振り払うべくヴェノムとエディは東海岸まで旅に出る。

思ったのですが、このシリーズってアメコミの中でもとりわけ藤子不二雄作品に近いところがあります。エディというのはいいおっさんでありながら、いまだにちゃんとした大人になりきれてない男。ファンとしては一人と一匹の愉快な活躍をいつまでも観ていたいところですが、少年が一人前になるためにはいつかはドラえもんなりオバQなりとお別れしなくてはいけないのです。

といいつつも今回の映画のヴェノムはよくできたキャラだったのでお別れはやっぱり寂しいし、このまま退場はもったいない。またそのうち復活してくれることを望みます(そういうことを言ってるからいつまで経っても自分はこどおじなのでしょうか)

 

☆『十一人の賊軍』

☆『八犬伝』

時代劇を2本まとめて。両者とも2時間半の大作でしたが、あまり長さは気になりませんでした。

前者は幕末の新発田藩で起きたあるエピソードを膨らませ、捨て石とされた身分の低い者たちが決死の作戦に挑む姿を描いた作品。この決死隊の戦いが上り調子の時はまことに観ていて痛快なのですが、後半になると話が「こうなりませんように…」という方へどんどん進んでいきます。

ですので鑑賞直後はやや微妙な気持ちだったのですが、よく考えたらこれわたしの好きな山田風太郎の黄金パターンでございました。権力者のいいように利用された者たちが、最後に人としての誇りを見せて一矢報いて散っていく。そしてあるかなしかの小さな希望を残していく。それを思い出したらなんか「これはこれでいいか」という気分になりました。いい加減なものです。

 

後者はもとから山田風太郎原作。有名な『八犬伝』のダイジェストと曲亭馬琴の半生がザッピングしながら語られていきます。原典を読むのがハードルが高いのでいまいち全貌を知らなかった『八犬伝』ですが、この映画のおかげで大体どういう話かわかりました。

こちらで山風テイストを感じたのは馬琴を鶴屋南北や渡辺崋山といった、当時の著名人とすれ違わせるあたり。特に「悪」「リアリズム」を重んじる南北との対話にはワクワクドキドキしました。悲惨なニュースばかりで気が滅入るこのご時世に、ニチアサヒーロータイムが存在する意義とは…を問うた作品でもあります。

 

☆『グラディエイターⅡ 英雄を呼ぶ声』

2000年の名作『グラディエイター』の実に24年ぶりの続編。数奇な運命に弄ばれた前作主人公マキシマスの息子が、父同様剣闘士としてローマに戻ってくるお話。なんというか作中のキャラ達も作り手の心情も本当にみんなマキシマス大好きなのね…ということがビンビン伝わってくる映画。脚本的にはローマ憎しだった主人公がコロッとローマ立て直しに転じたり、ラスボスであるデンゼルワシントンの行動に疑問を感じたりと、ひっかかるところが幾つかあるのですが、あのエンヤみたいな前作の主題曲を流されてしまうと強引に感動させられてしまうというか。適当なものです。

あとやっぱり剣闘士の映画ってなかなかないのであるだけ貴重です。

 

☆『最後の乗客』

『侍タイムトリッパ―』の好演で注目されてる冨家ノリマサ氏が、やはり異常な状況に巻き込まれて…という内容。世界の映画祭で幾つも賞を取っているということで全編55分というのに固定料金1600円というストロングスタイル(夏の『ルックバック』を思い出します)。果たしてその価値はあるか…と思いながら鑑賞に臨みましたが、料金以上の価値がありました。

このブログ基本感想を書く時はほぼほぼネタバレでやっていますが、この映画に関しては内容には触れないことにします。興味を持たれた方は観る機会が訪れた時にご自分の目で確かめてください。

 

☆『リトル・ワンダーズ』

最近のアメリカ映画なのにどこか一昔前のヨーロッパ映画のような雰囲気が漂う作品。子供ながら欲しいもののためには手段を選ばない「不死身のワニ団」の3人は、手に入れようとした玉子を先取りした男からそれを奪うことを計画。しかし男はプロの犯罪者集団の一員だった…という物語。ある種の児童文学と言えないこともないですが、とにかく主人公の少年たちの行動が教育的に悪すぎる。ですので児童向けというより、悪ガキの活躍が好きな大人向けの作品です。

年端もいかない子供たちが銃を扱う大人集団を敵に回すのでちょっとだけハラハラするのですが、全体的にゆるいムードなので「そうひどいことにはならんだろう」という安心感がありました。本年度まったりうっかり大賞をさしあげます。

 

12月の映画感想は年間の漫画ベスト・映画ベストを書いたのちに上げます。

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