2024年3月に観た映画
はやいもので2024年もぼちぼち上半期が終わろうとしています。ここらで当ブログもちょっとだけまいていこうと思います(気持ちだけ)。とりあえず3月に観た6本の感想をぱぱぱっと
☆『アーガイル』
マシュー・ヴォーン監督お得意のちょっと変わったスパイアクション。もういいおじさん・おばさんのサム・ロックウェルとプライス・ダラス・ハワードが恋にアクションにお笑いにバタバタ動き回る様子がとってもキュートでした。でもそれよりもっと可愛かったのは監督の愛猫でヒロインのペット役をつとめたニャンコ。これがけっこう危ない目にあいまくりで正直鑑賞中は猫が心配で心配で心配で、メインのストーリーにあまり注意が行きませんでした。
マシューさんはこれも「キングスマン」ワールドに組み込んでさらなる続編を構想してるとのことですが、あまり儲からなかったようですしこれ1本で終わってもいいと思いますよー
☆『ネクスト・ゴール・ウィンズ』
一筋縄ではいかないコメディ監督タイカ・ワイティティが挑んだ実録スポーツもの。国際戦で歴史的大敗をやらかした米領サモアサッカー代表が、アメリカを追い出された名監督と組んで初勝利を目指すというストーリー。これ、3か月前に観た映画なのにもうけっこう忘れている… でもけっこう見てる間は面白かった気がする…
暗めの映画にばかりに出てるミヒャエル・ファスビンダ―氏が嬉々としてお笑いを楽しんでる様子が微笑ましゅうございました。あとあんまり知らない米領サモアの風土の勉強になったり。
☆『デューン 砂の惑星 PART2』
2年半ぶりの『デューン』待望の完結編。原作やリンチ版で大筋は知ってましたが、ヴィルヌーヴの描く宗教画のような格調高い映像化をハイテンションで楽しませてもらいました。特に興奮したのはポールが巨大サンドワームに飛び乗って乗りこなすシーン。これ、どっかで観たような… そう、『アバター』でドラゴンと「絆を結ぶ」シーンとシチュエーション含めてよく似てます。でも一応原作はこちらの方が先なわけで… とりあえず『デューン』が色々な作品に多大な影響を与えていることを再認識いたしました。
一点しっくりこなかったのは、リンチ版はすごくすっきりした結末だったのに、こちらはなんだかモヤモヤした問題を残した幕となってしまったこと。ある意味より「深い」終わり方と言えなくもないですが。
どうやらヴィルヌーヴはまだ映画化されたことのない(ドラマ化はある)続編『砂漠の子どもたち』を第3部として公開するつもりのよう。十分な収益も出たのでほぼこのまま進むと見ていいでしょう。また3年待つのはしんどいなー
☆『名探偵ホームズ』
80年代半ばに登場人物を犬に置き換えてアニメ化されたシャーロック・ホームズ。そのうち宮崎駿が演出し、映画館でもかけられた4本のリバイバル。本当に今の宮崎作品と違って説教臭くなくてバカでわかりやすくて素っ頓狂でめちゃくちゃ楽しかった。楽しすぎた。そういう点では『カリオストロの城』にもひけをとりません。
若くて元気なうちにもっとこういうのいっぱい作ってほしかったなあ
☆『オッペンハイマー』
上半期最も感想を書くのが難しい作品。自分としてはこれまでのノーラン作品の中ではかなり異質な映画だと思いました。あの『ダンケルク』でさえエンターテインメントとして楽しめるところがありましたが、これは「楽しむ」ための作品ではないように感じられたので。自らを滅ぼす力を人類が手に入れてしまった世界で、どうやって生きていくか。その現実をつきつけるような映画です。
まず一点学べるのは、国家が禁断の手段を選んでしまう流れ。過去の例を反面教師として、こういう流れになることだけはなんとかして避けていきたいものです。大衆である自分たちにどれほどの力があるのか…ということはさておいて
あとオッペンハイマーはもちろん優れた物理学者ではありますが、恐らく彼がいなくても原爆は完成し投下されたことでしょう。そういう意味では彼は「重要な歯車」とも言える立場だったのかも。抜けても代わりはいたかもしれないけれど、マンハッタン計画において中心となる役割を果たしたという意味で。歯車としての役割を終えた後で、出来る限り個人であろうとした半生も描かれます。
「エンターテインメントではない」と書きましたが、物理学者の目から見える世界の描写や、アインシュタイン、ボーア、フェルミといったその道のビッグネームが続々と登場するところはちょっと楽しかったです。
☆『瞳をとじて』
『ミツバチのささやき』で知られるビクトル・エリセ監督の31年ぶりの新作。映画界から足を洗った一人の監督が、突如として現場から失踪した親友でもある主演俳優を探すお話。これが「昔の恋人」ではなく「親友」だったのが良かったなあ…となんとなく感じられました。
未完の映画をめぐる話でもあるのですが、この辺は構想の前半しか出来なかった自作『エル・スール』に対する思いも込められていたのでしょうか。主人公の監督はおじさんなのにさわやかで趣味人で女性から好かれるあたり、先日の『PERFECT DAYS』の役所広司と通じるところがありました。
この月は3時間越えの作品が3本あって膀胱と尻痛との戦いでもありましたが、なんとか耐えきりました。さすがオレ。
次回は『落下の解剖学』『アイアン・クロ―』『ゴーストバスターズ:フローズン・サマー』『ゴジラ×コング』『リンダはチキンが食べたい!』について書きます
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