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June 17, 2024

2024年4月に観た映画

上半期終了が近づいてるのでいつもよりハイペースです(これでも)

 

☆『アイアンクロー』

上半期ベスト候補の1本。80年代米プロレス界で人気を博したフォン・エリック一家。父親のプロモートのもと息子たちは次々とスター選手となっていくが、まるで呪いのように彼らは次々と悲劇に見舞われていく。

「事実は小説よりも奇なり」と申しますけど、まさに現実は映画よりも厳しかったりします(映画では死んだ兄弟が一人省略されてます)。肉体を必死で鍛え上げるエリック兄弟。でも彼らが鍛えるべきは肉体よりメンタルだったのでは…? それともスターとしてのプレッシャーは強い精神力をも押しつぶしてしまうものなのか。

あまりにも残酷なドラマの果てに少しだけ語られる慰めと優しさ。そういうのを「感傷」というのでしょうけど、おっさんになるとどうにもそれに泣けてしょうがなかったのでした。

 

☆『落下の解剖学』

カンヌでパルムドールを受賞し、アカデミー賞でもフランス製作ながら外国語部門でなく作品部門にノミネートされた話題作。雪深い山荘で起きた不審な転落死。自殺なのか、事故なのか、はたまた不仲だった妻の手によるものなのか…

いささか『藪の中』的というか、真相ははっきり明示されず、受け手の想像に委ねられるような作りになっております。それとも自分が提示された答えに気づいてないだけなのか… ただ観た人のほとんどは、「この奥さん、たぶんやっちゃってるよな」という印象を抱くのでは。そういう人の断片的な情報から思い込みに走るような傾向も、この映画のテーマのひとつかと。

『アーガイル』はひたすら猫が気がかりになる映画でしたが、こちらは犬がとても心配になる映画でした。フランス語と英語がチャンポンで語られるのには何か意図があってのことだったのでしょうか。

 

☆『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

最近急に新作が連発されてる「ゴーストバスターズ」の5作目(他バースの作品を除くと4作目)。前作はGBというよりスピルバーグかスティーブン・キングのような趣がありましたが、今回は彼らの本拠地NYを舞台としていて本来の作風に回帰しておりました。といっても旧世代は引き立て役に徹し、新世代の子どもたちがちゃんと前面に出ているところは好感がもてました。

限りなく可も不可もない、毒にも薬にもならないさくっとしたエンターテインメント。でも仕事あとの疲れた体を引きずって観に行ったので、かえってそういうのがちょうど良かったです。

 

☆『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

前作が思ったよりヒットしちゃったので、ノリで続行することになった「モンスターバース」最新作。地中でのんびり暮らしていたコングさんを襲う、未知のエリアからやってきた謎の猿の軍団。不本意ながら前回共闘したゴジラさんの助けを借りようとするコングさんですが、相手はそうそう話の通じる相手ではなく…

正直あまり期待してなかったのですけど、今回は冒頭で歯痛に悩むコングさんがとても身近に感じられ、最後までどっぷり感情移入してしまいました。怪獣たち全く喋らない(喋れない)のに、彼らの考えが手に取るようにわかる。本当に見事な演技指導…じゃなくて演出力でした。猿系だけでなく様々な形の怪獣が出て来たのも高ポイントです。コングさんになかなかなつかないチビコングは、わたしの家にやってきたばかりの時のちび猫によく似てました。

しかし今回はこけると思ったけどな… モンスターバースの最高収益を更新したとか。やはりアメリカの猿愛、いやゴリラ愛の深さゆえでしょうか。

 

☆『リンダはチキンがたべたい!』

フランス製作の一風変わったアニメ(というか向こうから来るアニメは大体変わってます)。お肉屋さんが休みの日に、娘にチキン料理を作ると約束してしまったお母さん。困った彼女はなんと牧場から鶏を強奪、警察に追われる身となります。その追跡の最中、鶏も脱走に成功。果たしてチキン料理は完成するのか。

こんな風にどんどん収拾がつかなくなっていく展開が滅法楽しい映画でした。また生きた鶏を前にして主人公の女の子が情が涌くのかと思いきや、「あたしがぶっ〇す!」とやる気満々だったり、なかなか強烈なヒロイン像でありました。

吹替ではありましたが、お母さん役が去年3回未亡人を演じた安藤サクラさん。今回もバリバリの後家さんでした。こうなったら未亡人役を演じた回数で記録を更新していってほしいです。

 

やっつけではありますが、だいぶ感想が消化出来ました。残るは5月と6月。次回は『異人たち』『猿の惑星 キングダム』『鬼平犯科帳』『碁盤斬り』『関心領域』あたりについて書きます。

 

 

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