2023年10月に観た映画
暦の上ではディセンバーとなりました。今年の記録、今年のうちに…ということでまず10月に観た映画の覚書です。
☆『キングコング対ゴジラ』
1962年公開作品。秋に行われた「熱海怪獣映画祭」にて鑑賞。シリアスなムードだった前2作と比べてややのんきなムードが漂う映画です。たぶん人間たちがゴジラを倒すのをキングコングさんに丸投げしちゃってるのでどこか他人事感があるんでしょうね。割り切って観ればなかなか楽しい作品です。
ゲストに4K版修復を行われた方が来られたのですが、お話によると状態のいいフィルムをあちこちからパズルのようにつなぎあわせ、「これが限界かなあ」というところでまたどこかから欲しかった部分が見つかり… そんなことの繰り返しだったようです。ドラマですね。
企業の新発明が解決の糸口になったり、最後ゴジラが相模湾に沈んでくところは現在公開中の「マイナスワン」へのオマージュかもしれません(可能性薄)。
☆『イコライザー THE FINAL』
元秘密工作員のマッコールさんが必殺スキルでボランティアにいそしむシリーズ第3作。今回は舞台が風光明媚なイタリアの漁村となっております。アクション映画なのにあえてカタルシスよりも情緒を優先してるようなところがあり、そこが評価の分かれ目かと。自分はもちろん肯定派です。
これまでもちょっと怖い所があったマッコールさんですが、今回は正義の味方であることは変わりないもののサイコパス的な部分がだいぶ前面に出てきてびびります。ただそんなマッコールさんを村の人が普通にうけいれちゃうのが心和みます。わたしもこれくらい広い懐を持ちづづけていたいもの。
先の『ジョン・ウィック』シリーズに比べればこちらは「FINAL」とついてるものの一応続編が出来そう。フークア監督によれば「デンゼルがやる気になることがあれば」とのことです。
☆『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マーティン・スコセッシ渾身の3時間30分作品。1920年代、油田の利権がらみで起きたネイティブ・アメリカンの連続殺人事件が題材となっております。予告からネイティブの女性とディカプリオの『ロミオとジュリエット』的な悲恋物語を想像してたのですが、全然違いました。むしろ調子こいた男が犯罪に手を染めてだんだん転落していく、松本清張的なお話であります。そういう暗い話を長時間観ているのは辛くはありましたが、つまらなくはなかったです。自分、この時代のアメリカの風景・風俗が好きなもので。あと尿意も大丈夫でした。
それにしても前作『アイリッシュマン』(配信作品)も長尺だったゆえ「最後まで視聴した人が全体の18%しかいなかった」という結果が出たにも関わらず、全く懲りずに同じ尺の映画をぶっこんで来るスコセッシはさすがだと思いました。引き続きお元気で。
☆『ザ・クリエイター/創造者』
ウェットなSFドラマを得意とするギャレス・エドワーズ監督最新作。AIを仲間と信じるアジア系と、人類の敵とみなす北米系の勢力とでいつ果てるともわからぬ戦いが続けられている近未来。その戦いで傷を負った主人公が、AIたちの救世主と呼ばれる存在の捕獲を命じられて…というストーリー。欧米では基本的に人工知能というのは「得体の知れないモンスター」ととらえられてるフシがありますが、アジアではド〇えもんひとつとっても「愉快なお友達」というポジションなんですよね。なぜそのような違いが生じるのか… 一考してみようかと思いましたが面倒くさいのでやめます。
ギャレスさんってこう、その場その場の思い付きでストーリー進めてるんじゃないか?という傾向がありましたが、この作品では伏線とか小道具の使い方が突然うまくなっていて感心しました。あと同時期にシネコンで親子主演の作品がかぶっていた(デンゼルさんが『イコライザー』で、ジョン・デイビッドがこちらで)のは珍しい事例だと思います。
☆『SISU/シス 不死身の男』
幸福度の高いフィンランドでロッテントマト満足度98%をたたき出したバイオレンス・アクション。終戦間際の彼の地でナチスに狙われたおじいさんが何度も何度も殺されかけるのですが、これがなぜかどうやっても死なない。超能力とか持ってるわけでもないのに… ある方が『装甲騎兵ボトムズ』のキリコに例えていましたが、まさにそんな感じです。
自分、監督の前作『ビッグゲーム』をたまたま観ていたのですが、あちらは子供が主人公なせいかアクションなのにだいぶソフトな印象でした。その時色々やりたりなかったんでしょうか。今回は人体バラバラがほぼ一時間半切れ目なく続きやりたい放題でした。また前作の主人公の男の子が非常にしょぼい役で出ていてちょっと複雑な気持ちになりました。
☆『ドミノ』
ロバート・ロドリゲス監督、ベン・アフレック主演のSFがかったサスペンス作品。予告からとにかくかく「どんでん返し&どんでん返し! あなたは絶対だまされる!」ということが強調されていたのですが、本国での評判が芳しくないあたり、「意表を突く展開を連発したはいいけど着地に失敗した感じかな」と予想しておりました。大体そんな感じでしたw これ、20代の頃の自分だったら「すげえ映画だ! 面白過ぎる!」と驚喜したと思うのです。おっさんになった今では「うん。なかなか面白かったし頑張ったよね」という感じ。おっさんっていやですね。あと何気に今年ベンアフレック3本目でした。
次回は11月に観た『ゴジラ-1.0』『オオカミの家』『マーベルズ』『キリエのうた』『鬼太郎誕生』『スラムドッグス』について書きます。
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