2023年2月に観た映画を振り返る
いまごろ3ヶ月前に観た映画のことを書くとか、このブログもいよいよ末期だな…と感じるこの頃です。でもあがくだけあがいてみましょう。
☆『鬼滅の刃 上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』
ご存じ『鬼滅の刃』の劇場版…というかTV放送の特別上映。『遊郭編』のクライマックスと『刀鍛冶の里編』の第一話を強引に1本の映画にした構成となっています。
ただやはりufotableさんの超作画は大画面でこそ生きてくるものなので、本来この状態で鑑賞するのがふさわしいのかもしれません。あと妓夫太郎&堕妃の最後のくだりは、TV放送の時は泣きませんでしたが映画館で観たらけっこう鼻水が垂れました。ちょろいです。
☆『仕掛人・藤枝梅安』(1作目)
池波正太郎生誕100年記念の映画化プロジェクト第1弾。『藤枝梅安』シリーズは何度か映像化されてきましたが、これまでで最もけれんみを排し、リアルにこっそりと暗殺を遂行する描写に力が入れられてます。
もう一点力の入ってるところは、池波作品特有の江戸グルメ。そんなに凝った料理は出てこない(肉禁止の世ですし)んですが、どれもシンプルながらめちゃくちゃおいしそう。そんな描写から梅安さんと一緒に江戸で生活してるような気分を味わえます。
プロットが偶然に頼りすぎるところが玉に瑕ですけど、これは原作がそういう話なんでしょうがないといえばしょうがない(笑)
それにしてもこの日たまたまチョイスした二本が両方とも「貧困ゆえに哀しい運命に見舞われる兄妹の話」だったのはちょっとびっくりでした。
☆『バビロン』
デミアン・チャゼルによるハリウッド草創期の青春物語。監督の代表作『ラ・ラ・ランド』とテーマは同じなんですが、こちらの方はかなり趣味が悪いです。これまでチャゼルさんの作品は上品というかお洒落嗜好が強かったのに、一体何があったのでしょう。
ともあれ、序盤の無声映画の撮影シーンなどは何でもありの時代ゆえのでたらめさがべら棒に楽しい。で、その後トーキーが導入されたことで登場人物たちが、どんどん追い詰められていく様子がしんどい。つまり全体の2/3はしんどいパートなのがしんどい映画でした。でもまあこういう失われた青春をしみじみ思い出す話は嫌いになれないんです。あとトビー・マグワイア、なかなかの怪演でした。
☆『アントマン&ワスプ クアントマニア』
MCUフェイズ5の第一弾。超ミクロの量子世界に迷い込んだアントマンと仲間たちの活躍が描かれます。自分としては「ぷにぷにした量子世界の風景・生物」「さばけた性格になったダレン」「メタルヒーローみたいな3アントマンそろい踏み」「クライマックスの蟻とジャイアントマン大暴れ」など十分に楽しませてもらったのですが、世間的には評価はイマイチみたいで。前二作みたいな現実世界のこぢんまりした期待されたということでしょうか。
とりあえずラストの「オレ、もしかしてやらかした…? でもいまんとこ大丈夫だし大丈夫だろ♪」的なマインドは大いに見習いたいものです。
☆『BLUE GIANT』
「なんかすごい熱くて感動するらしい」という評判だけで鑑賞を決めたアニメ映画。ジャズに情熱を燃やす三人の若者のお話(漫画原作)。ジャズのことなど何もわかりませんが、「一見さんに魅力を伝えたい」という作品のポリシーのせいか、「なんかすげえな」ということはよく伝わって来ました。上原ひろみさんが監修されてるだけのことはあります。あとやはり原作あっての映画なんでしょうけど、「本当に音が聞こえてくる」というのは漫画にはない強みだと思います。
三人のうち主人公の大は最初から最後まで全くブレないのですが、脇の二人が色々葛藤するというのが独特です。特にずぶの素人からドラムを始める玉田君は我々凡人に一番近いキャラなので共感させられることしきり。また、田舎から出てきた若者が貧しいながらも東京に馴染んでいくあたりは先ごろ完結した『イチジョウ』を思わせてほっこりしました。
気力が持てばこのあと続けざまに3月観た映画のまとめも書きます。もつかなー
Comments