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October 16, 2022

2022年8月に観た映画

今年もあと二か月半で終わりとか本当に恐ろしいことでございます。とりあえずまたしても今頃ではありますが、夏の盛りに見た映画について覚え書くとします。

☆『劇場版 Gのレコンギスタ』

放映時見そびれてた富野由悠季監督の最新作が、劇場版5部作が完結するころになって盛り上がってきたので慌てて1~3部をアマゾンプライムで予習、4・5部を映画館で観てきました。

富野監督というとやはりガンダム・イデオン中心の重厚なイメージで語られることが多い方ですが、『ザブングル』『ダイターン3』のような力の抜けた元気いっぱいの作品も作れる人。この『Gレコ』はそこまでくだけちゃいないけど、「重富野」と「軽富野」の中間くらいのムードになっておりました。かつてにくらべると丸くなったな…という印象がある反面、若かった時の「元気」は衰えていないようで頼もしい限りです。

今までのガンダムもそうなんですが、こういう近未来SFというのは異なる二つの勢力の争う単純な構図になりがちなもの。しかし『Gレコ』では主に4つの国家が登場し、それぞれに和平派と好戦派がいたりします。各勢力から和平を望む者たちが寄り集まり、その集団が戦いを収束させていく流れが面白かったです。独特なセンスで描かれた宇宙建造物も見応えがありました。

 

☆『三谷かぶき 月光露針路日本 風雲児たち

マイBESTコミックである『風雲児たち』で最も好きなパート「大黒屋光太夫」編を、同作のファンである名脚本家三谷幸喜氏が歌舞伎化。それをさらに「シネマ歌舞伎」として映画館用にアレンジした作品。

まあこれ当たり前のことなのかもしれませんが、原作の大事なところはおさえつつも、漫画の忠実な舞台化というよりは、これはこれでひとつの「三谷幸喜作品」になっておりました。代表的な漂流民のキャラクターも微妙に性格が違ってたりしてて。あと歌舞伎というより新劇に近い印象。

現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』といっぱいかぶっていたのが楽しかったです。やはり三谷さんの歴史劇って「みなもと太郎メソッド」をお手本にして作られてるんだな…と改めて思いました。少し前亡くなられたみなもと先生の絵が、冒頭でスクリーンいっぱいに動いていたのにも感動しました。

 

☆『ソニック・ザ・ムービー ソニックVSナックルズ』

コロナ禍でありながら早くも続編を作ってきた『ソニック ザ・ムービー』の2作目。はっきり言うと「今回も面白かった」くらいしか感想が浮かんでこないという… それでもひねり出してみると

・『鎌倉殿の13人』で活躍中だったイケメン・中川大志君の吹替がめっちゃうまい

・なぜ宇宙からやってくるエイリアンがそろいもそろってモフモフの可愛い動物なのか(可愛いからゆるす)

・ロシアでのダンスバトルが楽しかったが今の情勢を思うと悲しい。

あと今夏観たキッズムービー三作品、クライマックスがなぜかみな怪獣映画でした。『ゴジラVSコング』ヒットの影響でしょうか。

 

☆『バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー』

フランス発のアメコミヒーローパロディ映画。さえない俳優が主役に抜擢された作品『バッドマン』撮影中に事故にあい、自分を本物のバッドマンだと思い込んでしまうお話。ポスターはアベンジャーズ風ですが、どっちかというと中心になってるのはバットマン。ただ一応マーベルのネタも色々入ってます。

監督が海外版『シティハンター』の人ゆえか、恐ろしく下ネタが多く、そういうのあまり気にしない私でさえ「これどっかから叩かれないだろうか」と心配になりました。今やアメリカよりも欧州の方が下ネタに寛容なのでしょうか。なんとか料金分くらいは楽しみましたが、これスクリーンよりうちで寝っ転がって観た方が楽しいかも。

 

☆『DC がんばれ!スーパーペット』

DCの数あるキャラクターの中でも、まず映画化されなさそうなスーパーヒーローたちのペット、特にスーパーマンの飼い犬「クリプト」にスポットをあてた物語。一発ネタ的映画かと思いきや、これがなかなか人間関係における重要な教訓が含まれていて深い内容となっておりました。例えば一人の友達にべったり依存しすぎちゃいけない、他にも等しく親しい友人を何人か作っておいた方がいい…とか。実際にすんなりそうできたらなんも苦労はないわけですが。

他にもクリプトのよき理解者となるバット犬エースの悲しい過去とか、モルカーをほうふつとさせる珍妙スーパーモルモット軍団とか、クリプト決死の最終奥義とか、動物たちの見どころがあまりに多く、本来なら一番目立ちそうなジャスティスリーグの面々がちゃんと脇固めになってるところがなかなかすごい。

自分的には年間ベストの一本に入るくらいお気に入りの作品となりましたが、日本では壮絶にぶっこけてしまったのが悲しい。本国ではきちんと売れてるようなのがせめてもの救いです。

 

次回は9月に観た『NOPE』『この子は邪悪』『ブレット・トレイン』『ハイ&ロー ザ・ワーストX』などについて書きます

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Comments

ソニック

> なぜ宇宙からやってくるエイリアンがそろいもそろってモフモフの可愛い動物なのか(可愛いからゆるす)

ロボトニックさんがモフモフになったらよかったのかも。まあ、エイリアンではないからね。ジャミラみたいになられても可哀想だけど。

Posted by: ふじき78 | October 16, 2022 10:09 PM

バッドマン

ジョーカーもどきの名前が「ピエロ」っての脱力したなあ。

Posted by: ふじき78 | October 16, 2022 10:15 PM

まいどです。このところ長時間残業続きでアクセス出来ず
申し訳ないです。鎌倉殿は・・・・・しばし待て。
>Gレコ
動画チャンネルで「エルガイム」見返しているせいもあり気付いた点。
ご飯を食べるシーンをしっかり書いていますね、Gレコ。
ビーナスグローブの魚とか・・・・・・・・・
あと、この話は基本、各陣営がヘルメスの薔薇の設計図によってもたらされた「兵器」にはしゃいでしまう話なので、
殺伐とした復讐とか、遺恨が少な目?
だからこそ、ルイン(マスクな)がなんでベルリに突然、マスクを着けて
以降、敵対心を抱き続けた動機付けが正直、未だによくわかんない。
「エルガイム」のダバとギャブレーの敵対関係の方が分かり
易いぐらいだ(おい
実はあのマスク付けたせいで実は勝手にマインドコントロール?(爆)。
>風雲児たち
実は11月5、6日辺りに白子の近くにある塩浜という土地で
近鉄電車の車庫イベント参加登録したので
そのついでに「大黒屋光太夫記念館」を
10年以上ぶりに訪ねてみたいと考えています。
月曜日の勤務予定の兼ね合いで行けない可能性もありますが・・・・・
それでもいずれは行く予定。

Posted by: まさとし | October 22, 2022 08:17 PM

>ふじき78さん

>ソニック
偶然もありましょうがあんな状況で普通に地球に帰って来られるこの博士、普通にすごいと思います

>バッドマン
ポリコレ系だけでなくDC,マーベルからも怒られそう。DCはこういうの寛容そうだけど

Posted by: SGA屋伍一 | October 30, 2022 03:43 PM

>まさとしさん

忙しいんですね~ お疲れ様です

>Gレコ
たしかにマスクさんの急なキャラ変ぶりは謎でしたね。最初は気のいい先輩風だったのに。マスクの彼女の子の気持ちはなんとなくわかりました

>風雲児たち
光太夫記念館というとやはり三重にあるのかな。わたしもいつか行ってみたいけどなかなかあちらは遠い… 行けたらよいですね

Posted by: SGA屋伍一 | October 30, 2022 03:46 PM

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