2022年7月後半に観た映画
☆『炎のデス・ポリス』
『THE GREY』『コンティニュー』などのジョー・カーナハン監督作品。彼の映画が好きなのでただそれだけの理由で観ました。砂漠の孤立した刑務所にサイコ犯罪者が集結。モブの警官たちはサクサクやられてしまい、血の気の多い女子ポリスのみがほとんど独力で彼らと戦うことになります。サイコさんたちは比較的信用できそうな詐欺師(フランク・グリロ)、絶対信用できなさそうな殺し屋(ジェラルド・バトラー)、会話が成立しないサイコ中のサイコ(トビー・ハス←知らない人)の3名様。最後の一人は完璧に無理として、便宜上詐欺師と殺し屋のどちらかとは手を組まなきゃならない。だけど基本的にどっちにも勝ってもらっては困る… そんな『エイリアンVSプレデター』のようなジレンマが面白かったです。どっちかというと前作『コンティニュー』の方が好きだけど
☆『ミニオンズ・フィーバー』
ご存じ大人気シリーズ『怪盗グルー』スピンオフの第二弾。グルーと出会ったばかりのミニオンたちの活躍が描かれます。正直言うとスピンオフの方はグルーは切り離してミニオンだけのお話にしてほしかったような。前作『ミニオンズ』がそんな感じで滅法面白かったので。でもまあこれはこれで水準の面白さは保っておりました。どう見てもイーストウッドのような老ギャングとグルーの世代を越えた友情は微笑ましかったですし。
あとは70年代的なミュージックシーンとか、カトリックに怒られそうなエクソシスト・シスターとか、唐突に始まる燃えよドラゴンオマージュとか… 私は世代的にちょっと後ですけど、大人たちは当時を懐かしみながら観てもよいかも。最後のはっちゃけぶりも楽しませてもらいましたが、色々後発の『ソニック2』や『スーパーペット』とかぶってしまったのはなぜなんだろう。
☆『キングダムⅡ 遥かなる大地へ』
大ヒットコミックの映画版『キングダム』の続編。王宮の陰謀を阻止した奴隷の少年・信は、いよいよ大将軍への夢をかなえるため、初陣となる戦場へ赴くことになります。今回は原作の6~8巻あたりでしょうか。最初から最後まで秦と魏の合戦のみが描かれます。だから話としてはすごくわかりやすい。自分前作は年間2位にしたくらい好きな映画なんですが、それでも邦画にありがちな欠点…とにかくキャラが絶叫する等…が多かったことは否めません。ただ今度は広い平原で殺し合ってる話なので、むしろ絶叫してる方が自然だったり。そんなわけでややくどさが抑えられたような印象があります。あとやっぱり古代の戦車戦って滅多に見られないだけに燃えますね。『マッドマックス 怒りのデスロード』のオマージュ的なものも感じました。
特に好きなのは予告でも使われてた信とキョウカイの別れのシーン。かっこよく拳を突き出し合って決めるのかと思ったら…w そのあとキョウカイの笑顔がまたよかったです。
早くも来年第3作が公開予定。全編映画化するのは確実に無理なので、ドラマ化するか『ちはやふる』のように映画で独自に上手に終わらせるしかないと思います。
☆『神々の山嶺』
夢枕獏の小説を谷口ジロー氏が劇画化し、それをさらにフランスのスタッフがアニメ化した…というややこしい経緯のアニメ。小説の方は『エヴェレスト』の題で実写映画化されたこともありますね。伝説のアルピニストを追う雑誌ライターが、彼の足跡をたどるうちに共にエベレストを登ることになる…というストーリー。日本の70~80年代くらいの懐かしい街の景色がフランス風のお洒落なタッチで再現されていたのは、なにやら不思議な感覚でした。懐かしいのにどこが違う…みたいな印象。実際の70年代日本の映像にある、雑然として垢抜けないような空気が抜けちゃってるんですよね。それはそれでひとつの映像美として楽しみました。雄大な山々の風景に関してはただただ圧倒されるばかりでした。
で、この映画時々ホラー的な演出もチラチラ入るんですよね。それくらい登山には怖い一面もあるわけです。なぜそんな怖かったりしんどい思いをしてまである人たちは山に登りたがるのか。その結論を「わかんない」で〆ていたのは大変すがすがしかったです。
「友を死なせた悔い」「極限への挑戦」「次世代への継承」そして「こういう生き方しかできない」という愚直な主人公像などは今大ヒット公開中の『トップガン マーヴェリック』にかなり近かったです。
☆『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
1993年から続く『ジュラシック・パーク』シリーズの完結編(前にも1回終わってたけど)。恐竜が人間社会に出現するようになってしまった世界で、新旧三部作の登場人物たちが新たな陰謀に挑みます。以後、完全ネタバレなのでご了承ください。
このシリーズをきれいに終わりにするとしたら、「人類が恐竜に淘汰される」「恐竜がまた世界から姿を消す」「今度こそ完全に安全なジュラシックパークが建造される…」というあたりかと思うんですが、そのどれでもありませんでした(笑)新三部作の主人公たちが家族として結ばれた…というとこだけなんとなく完結編っぽかったです。
今回の作品に期待したのは我々の身近な都市部でいろんな恐竜が暴れる映像。前半のヴェロキラプトルとのチェイスシーンは見事にその期待に応えてくれましたが、後半に入ったらまたいつもの研究施設内で右往左往する流れになってしまい… ただ恐竜の活躍が見られる映画ってほぼほぼこのシリーズしかないので、それでも貴重といえば貴重なのです。
新三部作の製作も務めたコリン・トレボロウ監督は「これで僕の役割は終わり」と言ってますが、ジュラシックパークでも他の映画でもいいので数年に一度は恐竜をスクリーンで拝みたいところです。
次回は『劇場版 Gのレコンギスタ』『三谷かぶき 風雲児たち』『ソニック・ザ・ムービー2』『バッドマン』『がんばれ! スーパーペット』などについて書きます。
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