2022年4月後半に観た映画諸々
6月終わる前に上半期観た映画の短評をまとめたかったんですが、なんか無理っぽいですね(諦めが早い)
悪あがき的に4月見た作品の感想だけでも仕上げておきます。
☆『アンネ・フランクと旅する日記』
製作国がベネルクス3国にフランス・イスラエルも加わった実に5か国共同製作アニメ。現代の少女がアンネの生涯を追いかけて旅をする…という内容かと予想していたら、なんと彼女が愛用していた日記が付喪神?となって21世紀に蘇るというなかなかファンタジックな作品でした。
監督は『戦場でワルツを』や『コングレス』のアリ・フォルマン。その2作と比べるとややメロウというか少女漫画チックな作風ではありましたが、これはこれでいいんじゃないでしょうか。
印象的だったのはアムステルダムのいたるところにアンネの名を冠した劇場やら図書館やら博物館やらが乱立してること。もしかしたらいまだに世界で最も著名なオランダ人は彼女なのかも。アンネさんは有名になることより、市井の女性として普通に生きることを望んだでしょうけどね。
☆『ファンタスティックビーストとダンブルドアの秘密』
ハリー・ポッター前日談第3弾。1作目はけっこう好きでしたが2作目でキャラが入り乱れてよくわからなくなり…というところでの最新作。また「つづく」で終わったらやだなあ、と思ってましたが、以外にも色々解決して幕となったのでよかったです。興行的に微妙なところらしく、全5作予定ということでしたが、さらに続くかどうかは五分五分のところらしいです。
正直言うと直前に昼飯をがっつり食べてしまったために序盤は割とウトウトしてましたが、ニュートさんとお兄さんが懸命にカニ歩きしてるところでシャキッと目が覚めました。あとタイトルにダンブルドアの名前が冠されてますけど、今回も一番光ってたのは太っちょのジェイコブ氏。彼に改めて惚れ直す約二時間でした。自分もあんなおっさんになりたい。体型だけは近いです。
☆『TITANE/チタン』
フランスの新鋭ジュリアーノ・デクルノーがメジャー2作目にしてパルムドールをもぎ取っていったという話題の作品。…なんだけど、生理的にじくじくと痛いシーンが多くちょっと苦手な作品でした。
あらすじは幼いころ事故で体に金属を埋め込まれた女の子が、成長して車に欲情するようになり、ついでになぜか殺人衝動まで抑えきれなくなってしまうというぶっとんだもの。うーん、カンヌよくわかんないね! さらには車とセックス(これが本当のカーセックスか)した結果謎の子どもまで宿してしまうという、罰当たりなマリア様のお話でもあります。
彼女を息子と勘違いして保護しようとするおっさんもよくわからない。少し前の『ロボコン』なみに「そうはならんやろ」のオンパレードで構成されています。これがデビュー作となる主演女優さんには「もっち自分を大事にしてください」という思いでいっぱいになりました。アート作品に造詣の深い評論家の解説が読みたいところであります。
☆『オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』
昨年配信され絶賛されたアニメシリーズの劇場版。というかむしろアニメ本編の感想を。
小戸川は無愛想なタクシー運転手。彼の周りに引き寄せられるようにして集まってくるチンピラ、不良警官、ネット配信者、謎めいた看護師、仮面アイドル、拳銃魔といった不穏な者たち。そして彼らがすれ違うことで偶発的な事件が幾つか生じ、やがて大がかりな犯罪計画が持ち上がることに。
まるで『傷だらけの天使』か大沢在昌の小説のようなハードボイルドなストーリーですが、問題?はこれが全て動物キャラとなっていること。小戸川はセイウチでチンピラの「どぶ」はマンドリル、不良警官はミーアキャット…という具合に。これ何の意味があるのか? それとも意味なんてないのか?と思いながら観てましたが、その答えはというと(略)。
まあ動物になっているせいでどんな問題児もそれなりにかわいらしいというか、にくめなくなってる効果はありました。
特に評価したいのは最終話。それまでの伏線が見事に実を結んでいき、ラスト数分で最大の謎が明らかにされます。そして………な幕切れ。
劇場版ではその後も描かれるということで完全に釣られて観に行きました。非常にすっきりしました。これ、「映画からでも楽しめる」と宣伝されてましたが、やっぱりTVシリーズを愛した人たちへのご褒美みたいな映画だと思いましたよ。
次回は『ドクターストレンジMoM』『スパークス・ブラザーズ』『バブル』『犬王』などについて書くか、『シン・ウルトラマン』で1本書くか、というところです。
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