『鎌倉殿の13人』を雑に振り返る②2月編
『鎌倉殿の13人』も本格的に戦が始まり、だいぶ大河ドラマらしくなってきました。そんな5~8話を振り返ってみます。
第5回「兄との約束」
平家方の代官・山木兼隆の襲撃に成功し、初戦を勝利で飾った頼朝軍。だが次なる相手・相模の大庭景親は数で勝る上に挑発合戦でも上を行き、源氏勢は敗走を強いられる。そしてふてくされた頼朝の命で単独行動を取っていた義時の兄・宗時に、不気味な影が迫っていた。
頼朝軍が最大のピンチを迎える「どん底編」の前編。お話が深刻になっていく中、源氏方には申し訳なかったのですが、この回はわたしのご近所の出番が多く大変はしゃいでおりました。特に政子たちが避難する「伊豆山権現(現・伊豆山神社)」は本当に家から近くで、そういえばむかーしの大河ドラマ『草燃える』でもロケに使われてたことを思い出したり。明治までは寺も兼ねてたそうで今は神社なんですけど、ドラマではお坊さんがちょろちょろうろついてましたね。
そして先週予告から死亡フラグを立てまくっていた片岡愛之助氏演じる北条宗時。頼朝とは別の方向で「調子のいいやつだなあ」と思っていましたが、胸の底では熱い思いを抱いていた人だったのですね… そして図らずも最後に交わした言葉が以後の義時のモチベーションになっていきます。
この回のそこそこ重要なアイテム。佐殿が髪飾りに使っていたミニチュア観音
第6回「悪い知らせ」
敵のはずの梶原景時に見逃してもらったりして平家の追撃を振り切り、なんとか安房までたどりついた頼朝たち。生き残っていた郎党たちも三々五々、その地に集まってくる。だがいつまで経っても宗時は姿を現さない。そして散々な目にあった頼朝はすっかり戦へのやる気を失っていた。
引き続き地元にスポットがあたっていた「どん底編」後編。佐殿たちがたどり着いた海岸もよく知ってるとこなんですが、あそこから千葉県まで小舟で渡っていくなんて到底無理な話です。それでも必死にこぎまくって渡り切ってしまう坂東武者たち。昔の武士の体力がすごいのか、命がかかっているから超人的な力をひねり出せたのか…
そんなドタバタ劇の最中描かれる、二組の子を失った親の姿に胸が締め付けられました。自分も今度千鶴丸のお墓探して弔ってきますかね…、いや、たぶんもうないか、「伊豆山神社に作った」というのはこのドラマの創作なんでしょうけど。
義時の説得に胸打たれ、思い直して再起を誓う佐殿。それを晴れやかに見つめる法皇様の生霊w 成仏したのか(生きてる)生霊コーナーはこの回でひとまずおしまいとなりました。
この回の重要でないアイテム:政子さんが八つ当たりに蹴っ飛ばしたバケツ
第7回「敵か、あるいは」
この辺からアニメ『平家物語』にどんどん追い抜かれていきます。まあちらは全11話なので… 巻き返しを図るには安房の豪族・上総広常を味方に引き入れることが必須と考えた頼朝は、義時と脳筋の和田義盛を使者に使わす。しかし大庭景親もそのことには気づいていて、一足先に梶原景時を広常のもとに送っていた。屋敷で鉢合わせした二組の使者は広常を自分の側につけるため知恵をめぐらす。
傲岸不遜そのものの上総広常を演じるは、三谷ドラマの常連佐藤浩市さん。まんま『新選組!』の芹沢鴨でございました。結局策をめぐらすのではなく、真正面から「面白いこと一緒にやりましょうよ!」と説き伏せる義時君。お兄ちゃんもあの世から喝采を送っていたことでしょう。
そしてこの回から変に神がかってくる佐殿。刺客の襲来を間男してたことで切り抜けたのには爆笑ものでした。そしてキャバクラ戦法では不興を被ることに気づいたのか、逆に一喝することで広常を感服させます。やはりこの男、「何か持ってる」と言わざるを得ません。
平行して登場する佐殿の二人の弟。一人は怪しげな妖術が不発に終わった全成(今若)。そのうち成功してくれることを願います。もう一人の弟はご存じ日本史きっての大スター・源義経。ちなみにこの時点で頼朝(三男)の兄弟は長男・次男・四男・五男が死んでいて、六~九男が反平家軍に加わることになります。
この回の重要でもないアイテム:和田義盛が剃ろうとした眉毛
第9回「いざ、鎌倉」
急激に膨れ上がった軍勢をひきつれ、本拠地と定めた鎌倉に乗り込んだ頼朝軍。すっかりいい気になった佐殿は前回知り合った亀の前といちゃつきまくり、郎党から「調子にのってね?」と心配される。そのころ兄の軍に加わろうと南下していた義経とその一党は、ついつい観光地に立ち寄ったりでなかなか合流できないでいた。
「なんかもってるわ」ということで勢いを増していく源氏側。梶原さんやイケメンの畠山重忠、これまでごねてた武田信義までその傘下に加わります。わずか一回でガラッと形勢が逆転してしまうのですから、現実というか歴史は怖いですね… 敵ながら大庭景親や伊東のじさまが気の毒になります。
これまでと違った視点で、しかも説得力ある人物像を描くのがテーマ(のような気がする)の三谷歴史劇。梶原景時などは義経を陥れた卑怯者…というイメージでしたが演じる中村獅童の迫力もあり、なかなか風格あるキャラクターになってます。『新選組!』の時はえらいかっこ悪かったので、その点佐藤さんとは対照的ですね。
そしていよいよ本格登場の九郎君は良くも悪くも空気を読まない衝動的な青年として描かれております。ウサギ一匹のために猟師をコロッとだまし討ちにしたり… Twitterでは「『火の鳥 乱世編』の義経を思い出す」と評判?でした。一方でその天真爛漫さが憎めなかったりもします。源氏と平家、政子と亀の前の激突を予感させてお話は次回へ。
この回の重要のような気がするアイテム:かの山で追われていたウサギと里芋の煮っころがし
そういえば平家の面々まだほとんど出てきませんね。3月はその辺を期待してます。
Comments
まいど。待ってたよ、続き
>本当に家から近くで
だと思いました。私も縁もゆかりもないが
「この世界の片隅で」では当時、
広島詣やってたので何とも
ノリノリだったなぁ~。
>そこそこ重要なアイテム
まだあるよ。
洞窟に逃げ込んだ時に頼朝の鎧の袖に刺さっていた
矢(名前書かれてたよね)。
・・・・・・・・・ちゃんと伏線回収して欲しい(笑)
なんせ自分を置き去りにした時政にも
恨み事言ってるからなぁ~。
今回の頼朝は根に持ちやすい・・・・・。
>間男
襲ってきた連中同士で・・・・・・・
何というタナボタ(?)戦法。
>火の鳥 乱世編
中の人が中の人だけに・・・・・・・
・・・・・実は俺も同じことを考えていた。
梶原景時の俗評は所謂「讒言魔王」だったけど
獅童さんの演じるのは何とも寡黙で剛直な感じ。
ウソ法力な全成兄さん共々・・・・・・
変な意味で楽しみだ。
Posted by: まさとし | March 03, 2022 07:15 PM
>まさとしさん
いつも遅くなってすいません…
近所の神社、地元から離れてはやくも数回経つせいか、すでに人影も少なくなってます。隣町の頼朝が隠れてた洞窟はまだそれなりににぎわってるとか
頼朝の問題児ぶりは相変わらずですね。演じる大泉さんのキャラでだいぶ黒さが薄らいではおりますが
問題児といえば義経の方もなかなかのもので。ネットでは憎まれ役の梶原さんの方がまともでは?という感想もよく目にします。まあいろんな点でこれまでのイメージを覆そうという意気込みを感じます
Posted by: SGA屋伍一 | March 21, 2022 02:09 PM