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March 21, 2022

2022年2月に観た映画

☆『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

これは早くも記憶が薄れつつあるな…w 数年前全員女性キャストでリブートした『ゴーストバスターズ』ですが、今回は80年代のオリジナル版と直結した続編となっています(ややこしい)

これまでは大都会でドタバタお化け退治をする話だったのに対し、今回はさびれ気味の地方の町で、時にしんみりしながら子供たちががんばる話になっています。ぶっちゃけちゃうと「ゴーストバスターズ」というよりスティーブン・キングっぽいんです。その辺は親子の間柄ながらエンターテインメント職人で1・2作目を手掛けたお父さん(アイヴァン・ライトマン)と、等身大の人間ドラマを得意とする息子さん(ジェイソン・ライトマン=今回の監督)の資質の違いからくるものでしょうか。

この作品にとって不幸だったのは、ここ2,3年くらいの間にシリーズ総決算的な作品が続いたもんで、それらに比べると微妙に影が薄くなってしまったこと。少し前にも『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』や『マトリックス レザレクションズ』がありましたし…

個人的にツボだったポイントは専用車両から銃座がガコーン!と飛び出してくるギミック。あれはいい。

 

☆『大怪獣のあとしまつ』

これはちょっと感想が書きづらいな…w 突然死してしまった大怪獣の処理をめぐり日本政府が右往左往するお話です。監督が三木聡氏という時点でふざけた作品になるだろうと予想していたのですが、その独特のお笑いセンスにいら立った方が続出し、公開するやいなやネットでは怒りのコメントが殺到することとなりました。

ただまあわたしは料金分くらいは楽しみました。やっぱり大怪獣は大スクリーンで観た方がいいので。たとえ登場時から死んでいたとしてもです。

以下結末までネタバレで。

 

 

恐らく監督さんは「きちんと後片付けするウルトラマン」を描きたかったのかと憶測します。ウルトラマンっていつも怪獣倒したら速攻で帰っちゃいますからね。ただ最初から変身してさっさと後片付けすりゃいいのに、ラストまでそうしない。これはたぶん「人間体であらゆる努力を尽くしてからでないと変身できない」、『帰ってきたウルトラマン』(通称「新マン」)オマージュなんだと思います。だから主人公の名前が「アラタ」なのでは。どうでしょう。

 

☆『鹿の王 ユナと約束の旅』

東洋的ファンタジーの名手、上橋菜穂子先生の小説のアニメ映画化。『もののけ姫』に関わったスタッフの作品ということで、なるほど背景や美術は目を見張るものがありましたが、この個性的な世界観に入り込むのにいささか努力を要しました。これはいい悪いというより、私個人の好みに負うところが大きいかも。あるいは先に原作を読んで作品世界になじんでおけば、もっとすんなり没入できたのかな? …と言いながら、最後の方ではヒロイン?のユナが泣きじゃくる様が下の姪っ子とよく似てたので、ちょぼちょぼ鼻水が垂れたりしました。あと主人公ヴァンの岩壁のような顔面と、ユナの歯の抜けたキャラデザは割と好きです。

 

☆『さがす』

新鋭の片山慎三監督作品。「凶悪犯を見つけた。捕まえて懸賞金をもらう」と言って、姿を消した父。残された娘は父を懸命に探し求めるが。

力作でございます。ストーリーテーリング、脚本の構成・伏線、キャストの鬼気迫る演技、ラストに残された余韻、全てに深いため息をつかされました。もちろんがっかりして、ということではなく、しみじみ感じ入って…ということです。特にいつも福田雄一作品なのですっとぼけた姿を見せている佐藤二郎氏が苦悩したり闇を見せたりする場面などは、失礼ながら「こんなことも出来るんだ」と感服させられました。

監督はポン・ジュノ氏の助監督をつとめてたこともあるそうで。そのせいか近年の韓国ノワールに近い空気を強く感じました。一方で非情になりきれない作風に慰められたりもしました。

偶然にも『ドライブ・マイ・カー』と共通するところも幾つかあり。妻に先立たれた男が、娘(あるいは娘に似た存在)に救われたり、血の匂いのするイケメンに振り回されたり…などなど。

趣味の悪いところもあるので、そういうのが苦手な人にはすすめられませんが、もしかしたら今年はこれを越える邦画には出会えないかも。

 

☆『アンチャーテッド』

人気ゲームの映画化。これまた記憶がぼちぼちおぼろげ。そんなのど越し爽やかな生ビールのような作品です。

財宝を追って姿を消した兄を追い、トレジャーハンターの青年が怪しげな美術商のおっさんとコンビを組んで、冒険したりバトルしたり…という内容。前半はあまりにも『インディ・ジョーンズ』のそっくりで「もう少しひねろうよ」と思いましたが、クライマックスのシーンでは今まで見たことがないようなビジュアルを披露してくれて興奮いたしました。

 

☆『シラノ』

これまで何度も映像化されたり翻案化されてきた『シラノ・ド・ベルジュラック』の最新バージョン。先に上演された戯曲が元になっていて、シラノと言えば「鼻がでかい」というのが特徴だったのに、今回は小人症という設定になっております。主演は舞台版も務めたピーター・ディンクレイジ氏。様々な作品で名バイプレイヤーとして活躍されてきましたが、メジャー映画で堂々たる主役というのは初めてでは。その点でなにやらほっこりとさせられました。あとあの体でチャンバラとかできるのかな…と思ってましたがこれまた見事にアクションをこなしており、これまた心配ご無用でありました。

ジョー・ライト監督お得意の静謐で美しい舞台背景も堪能。今年のアカデミー賞では衣装デザイン部門にノミネートされています。

 

☆『ナイル殺人事件』

2017年に公開されたアガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』の続編…というか同じシリーズ。冬景色の列車旅行から、今回はトロピカルなエジプトの船旅を楽しむことができます。もちろん連続殺人込みで…

「背景があまりにもCGっぽい」という意見もありますが、こちとら合成ラインが浮きまくってるような特撮で育った世代なので、そういうのは全く気になりませんでした。むしろ少し前にプレイした『アサシンクリード オリジンズ』を思い出してワクワクさせられました。

探偵というのは基本傍観者・観察者であり、こちらの名探偵ポアロも前作ではそうだったのですが、今回は親友が事件に深く関わってしまったこともあって強い葛藤に苦しめられたりします。また、容疑者らの愛の情念を見せつけられて自身のつらい過去を思い出してしまったり。自分はそういう人間味の濃いポアロの方が好きですけど、そのために今回は色々傷ついてしまったようで何やら気の毒でありました。

ちなみに犯人ですが、見事に意表をつかれました。前作『オリエント~』の犯人はあまりにも有名なのでサプライズがありませんでしたが、今回は普通に驚かされました。ただひとつ犯人につっこませてもらえるならば、どうしてポアロを同じ船に乗せちゃったのかと言いたい。自分たちの計画に相当自信があったのかもしれませんが、「世界最高の探偵」を同行させちゃったらどうやったって真相を暴かれちゃうでしょうよ…

 

3月は『名付けようのない踊り』『ドリームプラン』『ザ・バットマン』『仮面ライダーオーズ』『SING ネクストステージ』と観ました。あと『ナイトメア・アリー』『ベルファスト』を鑑賞予定なので。次はその辺の感想を。

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Comments

アンチャーテッド
題名が「あんちゃんはテッド」と言うのだから、次回当たりマーク・ウォールバーグの親友として古代魔術で熊のぬいぐるみの中に封印されたあんちゃんが出てくると踏んでます。

Posted by: ふじき78 | March 25, 2022 10:00 PM

シラノ

鼻がでかくないんですよ。こんなシラノは知らんのう。

Posted by: ふじき78 | March 25, 2022 10:03 PM

>ふじき78さん

>アンチャーテッド
うまい。トムホ君が下ネタで汚されてしまう予感

>シラノ
ご存命ならハナ肇氏にも演じてほしかった…

Posted by: SGA屋伍一 | March 30, 2022 09:37 PM

「さがす」
真面目な佐藤二朗氏はなかなかいいです。「宮本から君へ」でも、出番は少ないけどマジな役でよかった。ギャップだよねえ。

Posted by: ふじき78 | April 24, 2022 12:56 AM

>ふじき78さん

よかったですね。あの後親子は普通の暮らしに戻れたのかな…とついつい考えてしまいます

Posted by: SGA屋伍一 | April 25, 2022 09:42 PM

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