2021年、この映画がアレだ!!
はい、アレです。今年スクリーンで鑑賞した映画のうち上位30本とその他少々を振り返ってみます。まずは順序良くどん尻から。
☆ワースト:『ビバリウム』
この映画が公開された時期は何本か主人公たちが無理ゲー的状態に追い詰められる作品があったのですが、それらには大体登場人物への「愛」がありました。対してこの映画には全くそれが感じられません。作品の出来や美術はともかくそういった意地悪極まりない視点が嫌いです。
ワーストで思いつくのはこれくらいかな…
つづいて特別賞
☆リバイバル部門 川本喜八郎・岡本忠成特集上映
人形アニメーションのレジェンドお二人のそれぞれ没後10年・30年を記念し、4K修復された作品群の特集上映。特に岡本先生の『チコタン』は改めてトラウマを刻みなおされ、『おこんじょうるり』は涙と鼻水を搾り取られました。本当に(いい意味で)ひどい。企画スタッフに感謝でございます。
では上位30本を下から順に
第30位 『夏への扉』 今年の猫映画ベスト
第29位 『ジャスト6.5 闘いの証し』 麻薬はイラン!
第28位 『モンスターハンター』 君たちの戦いはこれからだ!
第27位 『燃えよ剣』 試衛館から五稜郭まで2時間半1本勝負!
第26位 『ゴジラvsコング』 ウホッ いいゴジラ! 豪雨の中ビビりながら観に行きました…
第25位 『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』 風間くん、まだ生きてる!
第24位 『アイス・ロード』 リーアム・ニーソン寒冷地三部作完結編(かどうかは知らない)
第23位 『キーパー ある兵士の奇跡』 奇跡のあとはトラウマが待ってます…
第22位 『ガンズ・アキンボ』 ハリー・ポッターと死の遊戯
第21位 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』 デッドショットさんのことも時々は思い出してください
第20位 『とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー』 ♪ぷいぷい~ かけまわれ~ ぷいぷい~ べそをかけ~
第19位 『クーリエ 最高機密の運び屋』 あの雑誌とは関係ありません
第18位 『ノマドランド』 本年度アカデミー作品賞受賞作。競った『ミナリ』も車がおうちの話でした
第17位 『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』 現場で足場を壊されると大変困ります!
第16位 『コンティニュー』 バトル・アクションとタイム・リープの見事な融合
第15位 『ドライブ・マイ・カー』 観ておいて、よかったとは思っているよ。やれやれだ
第14位 『東京リベンジャーズ』 ヤンキー・アクションとタイム・リープの見事な融合(またか) 日本でタイムリープすると大体青春が絡んできますね
第13位 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 2部の予定、はよ!!
第12位 『返校 言葉が消えた日』 かえってきた『ク―リンチェ少年殺人事件』。台湾も昔から和やかな国ではなかったという…
第11位 『シャン・チー』 つかもうぜ! ドラゴンリング!!
この辺は割と順位決め適当で特に16位~30位あたりは数日後考えたらまた順位変わってるかもしれません。
ではいよいよベスト10です。
第10位 『マトリックス レザレクションズ』
色々ロングシリーズが終わった2021年。これもその1本…というか18年前に一応終わってたんですが、ひょっこり付けたしのように戻ってこられました。兄弟監督が姉妹監督になったり、そんで今回は姉のみが関わってたり、作風がずいぶん丸くなってたりするあたりに時の流れを感じました。
第9位 『エターナルズ』
今年を代表する監督を一人選ぶとしたらクロエ・ジャオ監督になるかと思います。オスカーを獲得した『ノマドランド』や『ザ・ライダー』とはだいぶ毛色の違った作品のようで、根底に流れている暖かな視点や雄大な自然を背景とする美術には確かに通じるものを感じました。アメコミ映画の新たなる可能性を切り開いた1本でもあります。
第8位 『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
2006年から始まったダニエル・クレイグの007もこちらで完結となりました。コロナ禍で1年延期になってしまいましたが、じらされた分かえってこの結末が一層感慨深くなってしまった気はします。アマゾン・プライムで配信中のドキュメンタリー『ジェームズ・ボンドとして』と併せて観るとさらにこみ上げてくるものがあるかもしれません。ボンド役に彼が決まった時、本当に非難轟轟だったのですね… それを実力で跳ね返しシリーズに革新をもたらした功績に拍手。でも次回作でもクレイグさん続投を希望します。この際CGでもいいです。
第7位 『DUNE/デューン 砂の惑星』
今年の秋は二時間半くらいのポンポさんが怒りそうな話題作が立て続けに公開されたのですけど、その中で自分が一番好みの作品を挙げるとするならこれかなあと。「続きは1作目の売上次第」という製作にもサンドウォームの襲撃と同じくらいスリルを感じました。またこれと併せて伝説の(笑)リンチ版も見たのですが、35年の技術の差と同じ話でこうも演出が変わるんだなあ…ということが感じられて大変面白い映画体験となりました。
第6位 『ブラック・ウィドウ』
約2年の空白の後、ついにスクリーンに帰ってきたMCU。その間自分がいかにこのシリーズに支えられてるか…ということがよくわかりました。これを皮切りに下半期はどやどやとアメコミ映画が公開されましたが、「おかえりなさい」の感動が大きかった本作品が今年のアメコミムービー第1位です。スカーレット・ヨハンソン(スカヨはん)も卒業おめでとう&訴訟お疲れさまでした。
第5位 『劇場版 呪術廻戦0』
昨日観たてホヤホヤの映画。それだけにまだ正式な評価があまり定まってない気もするのですが、今年の〆にふさわしい興奮と感動を与えてもらったので勢いで第5位。邦画お得意のジャンルにアニメ、純愛、伝奇アクション、ホラーがありますが、それらを全部混ぜ合わせてしかも面白い。原作既読の身でもそう感じました。
第4位 『ラーヤと龍の王国』
公開時TOHOとデ〇ズニーが大喧嘩したためあおりをくって注目をあびなかった不遇の作品。最近のD社の作品は土壇場で「いい人が実は極悪だった」と明かされるパターンが多いですが、こちらはそれを前提としてるという新しい試み。ラーヤが「わたしが一歩を踏み出す」というシーンは思い出すだけで鼻水が垂れます。おじさんこういうのダメなんです。
第3位 『竜とそばかすの姫』
本年度興行収益も第3位。細田監督の作品というのはいびつな部分も欠点もそれなりにあるんですが、不器用ながらもいま一番情熱と本音が伝わってくるアニメ作家であります。この作品を通じ中村佳穂さんの透き通る歌声にあえたのもよかったです。来年は新海監督の新作がスタンバイ。ジブリの衰退が著しい今、この二人に加えもう一人ビッグスターの登場が欲しい所です。そいで1年ごとにローテーションが組めたら理想なんですが。
第2位 『JUNK HEAD』
ポッコリーノ ペッコリーナ ポッコリーノ ペッコリーナ サーイ ナーイ タイカイ ゼー ダンボー! ビンビンパンパン ビンビンパンパン ビンビンパンパン ビンビンパンパン…
そして2021年度のトップです。
第1位 『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』
傷ついた友達さえ 置き去りにできるソルジャー…ってなかなかひどい歌詞ですよね。いや、そうじゃなくて。
やっぱりTVシリーズ1話からリアルタイムで観てた身からすると、このエヴァがちゃんと誰からも祝福される形で完結したというのが2021年の何よりもビッグイベントだったのでした。この25年間、「エヴァの完結編が微妙だった」という悪夢に何度悩まされたことか… 公開日の『エンドゲーム』以来の超殺伐としたネットの空気も懐かしく思い出されます。
『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』も控えている庵野監督。10年後くらいに『劇場版シン・シン・エヴァンゲリオン』でまたなつかしい面々に会えますように(やめましょう)
というわけで1~5位までがすべてアニメ作品になってしまいました。自分ももうかなりいい年ですしもう少し情操とか教養とか身に着けたいものです。
まだコロナウィルスが予断を許さないところではありますが、来年もいい映画、楽しい映画に出会えますように。では皆さまよいお年を。
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