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November 29, 2021

2021年10月に観た映画①

気がつけば今年もあと一ヶ月ちょい。年々歳月が過ぎる速さが増してる気がする小生です。それはともかく本日は10月前半に観た映画についていまさらまとめてみます。

 

☆『アナザーラウンド』

つい『アンダーグラウンド』と間違えてしまう1本。さえない高校教師マーティンは、一杯飲んだ方が授業が盛り上がる!ということに気づき、仲間たちと能力の向上を図るため仕事中ガンガンアルコールを摂取し始めるが… 普通すぐバレるだろ。

そんな無茶な着想のお話ではございましたが、デンマークの素朴な人々の等身大のドラマにほっこりと胸があったかくなりました。トリアーとかレフンとか、デンマークの映画ってなんかえぐい印象が強かったのでその意外性も手伝って。

しかしほっこりするだけでなく、人生の秋を迎えた者たちが遭遇する様々な切なさ寂しさも描かれており、飲酒が全てを解決するわけではない(当たり前か)こともよくわかるようになっています。かつてはハンニバルとして不可能なことなど何一つなかったマッツさんが、家族との意思の疎通さえ満足にできないで涙する様子には胸が痛みました(『ファーザー』の時も同じこと書いてたわ)

デンマークでは15歳からお酒を飲んでいいというのは驚きでした。ポスターがさわやかで弾けてて印象的なんですが、いつこの絵が出て来るのかと待ってたらラストシーンだったのは減点です。

 

☆『キャッシュトラック』

春の『ジェントルメン』がまだ記憶にあたらしいガイ・リッチー監督の最新作。とある現金輸送会社の運転手にふらっと応募してきた男。試験では射撃の腕は平凡だったのに、いざ事件に見舞われたら無双とも言える戦いぶりを見せ… そんな「なめてたステイサムがいつものステイサムだった」とでも言うべき映画。時系列を行きつ戻りつしながら、主人公の動機と謎が少しずつ明らかになっていきます。

ガイ・リッチーといえばアクションの合間に軽妙なお笑いをまぶした作風で知られていますが、今回はそのコメディ部分を封印。主人公の怒りと不気味さを執拗に強調し、どのキャラにも感情移入が出来ないような作りとなっています。そしてバタバタと死体があふれた果てに迎えるENDの虚無感。こういうのも悪かないけど、やはりリッチーには普通にお笑いがほしいなあ。まあそれでもマイ・リッチー・ワーストの『リボルバー』よりは遥かに面白かったです。

 

☆『DUNE/デューン 砂の惑星』

ホドロフスキーが頓挫し、デビッド・リンチが大コケした伝説のSF小説の映画化を、少し前『ブレードランナー2049』で大赤字を出したばかりのドゥニ・ヴィルヌーヴがチャレンジ。正気か。ちなみに製作はかつて「客の観たいものより俺たちが見たいものを作る」と言い切ったレジェンダリー・ピクチャーズでした。

しかし今回は不思議なことにこういうSF叙事詩にみんな飢えていたのか、パート2の製作が決まるくらいにはヒットしました。そう、これシリーズ第1作の前半部分だけしか描かれてないのですね… ですからそこそこキリのよいところでバサッと終わっちゃいます。二時間半もあるのに。

ただ自分は秋に連発された長尺映画の中ではこれが一番好きです。なぜかというと怪獣が出てくるから(低偏差値)。あとタイムボカンに出てきそうなトンボ型飛行機がこれまたよかったです。

そしてこれの後にリンチ版を見ると、30年の技術の差がよくわかってとても面白いんですよね。パート2より先に結末がわかっちゃいますけど、ぜひ2バージョン合わせての鑑賞をおすすめします。

この作品は湘南のIMAXで観ました。映画の前に同じ施設のガーリック料理専門店でたらふく食べたら半端ないニンニク臭を放っていたようで、周りのお客さんたちに多大なる迷惑をかけてしまいました。反省してます。

 

☆『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

結末に思いっきり触れてるので未鑑賞の方はご了承ください…

 

 

今回主演も試写会組も「終わり終わり」と未だかつてないくらい完結を強調してた007。「いくら終わり言うてもまさか死ぬこたないだろー」と思ってたのですが、普通に亡くなられましたね… これじゃタイトルに偽りアリじゃないですか!! 絶対ラストで『怪傑ズバット』みたく「実は生きてた!?」ことを匂わせて幕だと予想してたのですが。

ダニエル・クレイグ氏の007は当ブログを始めて間もないころからずーーーっとつきあって来たので、さすがに感慨深いものがあります。前作『スペクター』よりは確かに感動したけど、あそこで終わっておけばボンちゃんも幸せなままフェードアウト出来たのになあ。

そんなわけで無理を承知で次作もダニエル・クレイグ続投でお願いします。エンドロールの最後にも「ジェームズ・ボンドは帰ってくる」って書いてあったし。リブートととか仕切り直しとかそういうのは認めません。自分は頭がかたいので。

 

 

なんとか年末ベストをまとめる前には少しずつでも前作の感想を書いておきたいものです。次は主に10月後半に観た『ジュゼップ 戦場の画家』『最後の決闘裁判』『燃えよ剣』『G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ』について書きます。

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