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November 15, 2021

2021年9月に観た映画

あっとまた一ヶ月放置してた… このごろ講習やら接待やら色々ありまして。そんなわけでようやく先々月に観た映画のまとめです。

 

☆『モンタナの目撃者』

『最後の追跡』、『ボーダーライン』2部作、『ウィンド・リバー』に続くテイラー・シェリダンのアメリカ辺境シリーズ第5弾。今回は社会風刺的要素は見当たらず、純粋に追跡劇とモンタナの大自然がメインとなっております。

悪者コンビが腕利きらしいのに度々ドジを踏んだり、本格的にアクションが始まるまでに時間がかかったり…とあえて娯楽作品の定型を崩してるようなところがあるんですが、それも彼の持ち味でしょうか。

シェリダン関連では3回目の当番となるジョン・バーンサル氏はこれまで最も出番が長く、しかもいい役でした。よかったですね! ただ幸せかというと(略)

 

☆『シャン・チー/テン・リングスの伝説』

本格的にエンジンがかかってきたマーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ4第2作。わたしマーベルのキャラはそれなりに知ってるつもりでしたが彼に関しては映画化が決まるまで聞いたことがなく。だのにそれなりに歴史の古いヒーローだと知って驚きました。本当に底が知れない世界です。予告編を観ると単に腕っ節の強い兄ちゃんが都会で大暴れする、くらいのストーリーに見えます。ところがどっこい後半からはこちらの想像を越えて中国神話のファンタジックな世界が展開されていきます。ですからはここはあえて後半を全く写さなかった予告編をほめたい。

そしてわたしがなによりツボだったのがこのモーリスという生き物(画像参照)

Hundun 頭がケツみたいな実に奇怪な生き物ですが、これがまたなんとも愛らしい。ポケモンからインスパイアされたと思いきや、これ古の史書にちゃんと書かれてる「混沌」という由緒正しき神獣なんだとか。このモーリスだけで1億点差し上げたいと思います。あとシャン・チーの輪っかをスプリングや玉すだれみたいにして操る武術も独特で楽しゅうございました。

 

☆『ドライブ・マイ・カー』

村上春樹の幾つかの短編を1本の映画に再構成・アレンジしたもの。村上さんは正直よくわからんのですが、この映画は面白かったです。

序盤はとてもインモラルというか他人の秘密を覗き見してるようなイケナイ気分にさせられます。しかし中盤過ぎからは地方の演劇祭の話になり、これが実にまったりと癒されるムードで、傷ついた主人公・家福と同様心がだんだんあたためられるような気持ちになっていきます。そんなムードに水を刺すのが不穏を具現化したような岡田春生君。彼が家福の再生をまたぶち壊しにしてしまうのでは、とハラハラしながら観てました。

印象的だったのが、極力感情をこめずに行うセリフの練習や、幾つかの言語が入り混じった状態で行われる演劇の様子。そうした要素はすぐ目の前で普通に会話していて、お互い意思が通ってるように思えても、実は全然わかりあえてないかもしれないコミュニケーションの難しさを表わしていたのかな…と。

あともう一つ重要なモチーフにドライブ・車があります。運転というのは免許と車があれば自分ひとりでもできるものですが、時には誰かに乗せてもらって周囲の景色を眺めるのもよいもので。たまにはそんなドライブもしてみたくなりました。運転手募集中。

 

 

☆『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
1995年に公開されその後映像作品に多大な影響を与えたマイルストーン的なアニメ映画。この度のリバイバにより初めて「ああ、こういう話だったのか」と。

この少し前に大都市を舞台にしたSFアクションとしては『AKIRA』があるわけですが、そちら…大友作品が肉体にこだわるのに対し、こちらの押井作品は肉体と実存の不確かさがひたすら強調されてた気がします。

主人公が警察の特殊部隊で、正体不明のテロリストを追うとなれば当然最後は両者の激しい対決が待っている…と思いますが、予想を裏切り両者が同調してどこかへ旅立ってしまうというのはなかなか驚愕の展開でございました。

それにしてもWindows95くらいしかなかった時代に既にネット社会の発達をここまで予期していた押井・士郎両先生の炯眼には恐れ入ります。

 

 

☆『レミニセンス』

これまた近未来サイバーSFか…と思いきや科学的なガジェットは「記憶再現装置」くらいで、全体的には古めかしいハードボイルドかフィルムノワールのような雰囲気が濃厚に立ち込めております。半ばを世を捨てているような主人公のもとに突然訪れるファム・ファタール。運命にたぐりよせられるように彼女を巡る陰謀に巻き込まれていく探偵。実にコテコテのパルプフィクションでありました。

あと印象に残るのはやはり記憶再生装置。自分の思い出を3D映像に再現してくれるという優れもの。劇中の警察では予算が無いため2D版しかない、というくだりがあって笑いました。それはさておき年齢が上であればあるほど、この装置使いたくなるのでは。自分はこれで亡くなった先代の猫2匹に会いたくなりましたねえ…

町が水に沈みかかってるアフター『天気の子』みたいなビジュアルもよかったです。

 

 

☆『クーリエ:最高機密の運び屋』

米ソの対立が激化しつつあった1960年代。東側からの情報をえるためCIAとMI6がかの国に送り込んだのは一人の平凡なセールスマンだった。

これはすごい話でした。『クレヨンしんちゃん』のヒロシさんみたいなお父さんが、世界の命運を賭けた重要任務を任されてしまう。しかも実話。任せるやつらも任せるやつらだと思いますが、実話なんだからしょうがありません。

実話ゆえにつらいのはフィクションだったら全てめでたし、よかったね…で終わるところがそうはならないところですね… 少々ネタバレになりますがずっとビクビクしてたヒロシさんが、異国の地での友人を救うために勇気を振り絞るシーンは本当に胸が熱くなります。しかしいつでもその必死の勇気が報われるとは限らないのです。泣けます。

『シャーロック』では完全無欠の超人を演じていたベネディクト・カンバーバッチさんがこちらでは肝の小さい小市民を好演。本作品では製作総指揮も努めておられるのでこの題材に並々ならぬ思い入れがあったようです。

 

 

なんとか9月の分まとめ終わりました。次回は10月前半に観た『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『アナザーラウンド』『キャッシュトラック』『DUNE』などについて書きます。

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