2021年7月に観た映画その1
先々月は色々大変だったのですが、今年でいままでのところ最も多く映画館に行ってました(12本鑑賞)。なぜだ…
ともあれ本日は7月前半に観た作品の覚書をば。
☆『ゴジラvsコング』
今年最も待望していた映画のひとつ。内容は…内容はないな! うん!
公開が遅れたためにあの怪獣登場のネタバレが出ちゃったりとか、監督が「今回は決着でどっちかが死ぬ」とか言ってたのが大嘘だったりとか、ちょっと残念だったり騙されちゃったりということはありましたが、観たいものは十分見せてもらったのでOKです。
2014のシリーズ開始の時は妙に格調高いというか小難しいところがありましたけど、結果的に見事なバカ映画でいったん一区切りついてしまったモンスターバース。ただ前作『キング・オブ・モンスターズ』のマイケル・ドハティ監督が情熱の赴くままに狂っているのに対し、本作品のアダム・ウィンガード監督はそれなりに計算しておバカをやっているように感じられました。
最初に述べたようにこの映画を見た翌日すぐ近所でけっこうな惨事があったのですが、それはまた別の話。
☆『ブラック・ウィドウ』
今年最も(略)。コロナ禍のため1年以上お休みとなってしまったMCUがようやっと銀幕に帰ってまいりました。宇宙や異次元をも股にかけるMCUですが、今回はかなり現実寄りの世界観。まあそれがこのキャラには合っているんじゃないでしょうか。
わたくしこの作品でナターシャ・ロマノフ復活の希望みたいなものが語られるんじゃないかとちょっと期待してたんですけど、どうもそれはなさそうですね… 演じるスカーレット・ヨハンソンもきっぱり「卒業」とおっしゃってましたし。ただコミックではヒーローが死んだり生き返ったりということは本当に日常茶飯事なのでいつでも軽率に帰ってきていいと思います。
二代目と思しきフローレンス・ピューさんも大活躍。ナターシャ姉さんに愚痴ったりケンカしたりをさんざん繰り返した後に、笑顔で別れを告げてマシンに突っ込んでいくシーンなどはおじさん鼻水駄々洩れでした。
『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンターソルジャー』といったMCUのドラマ群ももちろん面白いんですが、やっぱ「映画」は自分にとって別格だなあ…ということを再確認。
☆『東京リベンジャーズ』
今大人気の少年漫画の映画化。ちょっと懐かしいジャンルになってしまった「ヤンキーもの」に時間SFの要素を取り入れたのが中々面白いコンセプトであります。
主人公の花垣武道君はしょぼかった学生時代で青春をやりなおし、そこで関羽・張飛みたいな豪傑に見込まれて共に戦うことになるわけですが、もちろんそれで急激にケンカが強くなるわけではありません。それでも弱いなりになんとか事態を打開しようとするあたりに手に汗握って応援させられてしまいました。
主演が北村匠海君で漫画原作で東京の底辺の若者たちを描き、ヘナチョコの主人公がどん底に落ちてから一年発起して立ち上がる…と昨年の『とんかつDJアゲ太郎』と重なるところが多々あります。だのに売り上げで大幅に差がついてしまったのはなぜなんだろう…
☆『夏への扉 -キミのいる未来へ-』
こちらはロバート・A・ハインラインの名作を日本に置き換えての映画化。『東京~』と同じ日に観たので図らずもイケメン主演のタイムスリップ映画をハシゴすることになりました。
原作はだいぶ昔に読んだのですけどもう細かいところはだいぶ忘れておりまして。それだけに新鮮な驚きと共に味わうことができました。あとで調べたら舞台設定以外はけっこう原作に忠実に作られていたようです。付け加えられた要素としてはどう見ても藤木直人のアンドロイド君。このアンドロイドのずれた会話や、私たちと同じ世界のようでちょっと科学が進んでいるパラレルワールドの描写がいちいち楽しゅうございました。
あと『夏への扉』といったらなんといっても猫であります。その点でもこの映画よく出来てました。ピートを演じる猫さんの髭が垂れ下がってリところとか、家で前飼ってた猫を思い出してしんみりしてしまいましたよ…
この月は車でちょっと遠出して、鎌倉近くにある「シネコヤ」さんという映画館で人形アニメの特集上映も観に行って参りました。
1本目は「川村喜八郎」特集。作品は『花折り』『鬼』『詩人の生涯』『道成寺』『火宅』の5作品。
NHK人形劇『三国志』も手掛けておられた方なのですが、あの精巧な人形でドロドロした情念が鬼気迫る演技で描かれ、背中をおぞ気が幾度も走りました。今回唯一の絵アニメである『詩人の生涯』は原作安部公房ということもあり、シュールで想像もつかない展開にニヤニヤ笑っちゃったりもしましたが。
2本目は「岡本忠成」特集。こちらは『みんなのうた』の『メトロポリタンミュージアム』などで知られている方。今回は『チコタン』『サクラより愛をのせて』『注文の多い料理店』『虹を渡って』『おこんじょうるり』というラインナップ。
川本先生と比べると優し気な作風ですが、一部でトラウマアニメとして伝説的の語られている『チコタン』はやはり強烈でした。終了後館内の空気が凍りついたかのようでした。一方で『おこんじょうるり』は「ソフトな『ごんぎつね』」とでも言いましょうか。限りなく優しく、かわいらしく、そして切ない宝石のような作品。ぜひ後世に語り継いでいかなくてはなるまい…と心に誓いながら涙と鼻水とよだれにまみれて鑑賞いたしておりました。
次回は『竜とそばかすの姫』『スーパーヒーロー戦記』『映画大好きポンポさん』『返校』『モルカー』『サイコ・ゴアマン』について書く予定です。
Comments
「ブラック・ウィドウ」
> 宇宙や異次元をも股にかけるMCUですが、今回はかなり現実寄りの世界観。まあそれがこのキャラには合っているんじゃないでしょうか。
超人としては父ちゃんがキャップとボコりあった過去を誇りに生きてるくらいですが、あの人(父ちゃん)、普通ですよねえ。逆にウィドウさんが普通の人間なのに、これだけの事をさせられるので、007やミッション・インポッシブルが「ラッキー」で済まないような不可能へのチャレンジを底上げさせられて大変だと思う。
「夏への扉」
藤木がえらかった。
Posted by: ふじき78 | September 07, 2021 01:53 AM
伍一くん☆
私は前作のモンスター大集結よりしっかり楽しめました。
メカゴジラとマッドサイエンティストぶりは、あまりにあっさり退場でガッカリでしたが・・・
12本とは結構観ましたね~?
ところでご近所の惨事とは土石流の事でしょうか?本当にお気の毒でしたよね・・・
私はこの夏忙しくてあまり映画行けてないのですが、夏に自由にさせてもらいすぎて、一人で映画行っちゃうのも憚られて、結局秋になってもあまり行けてないです・・・(涙
Posted by: ノルウェーまだ~む | September 20, 2021 03:33 PM
>ふじき78さん
遅くなってすいません
わたしもすっかりおっさんになったので、今回一番感情移入しちゃったのがあの超人メタボさんでした。おなかの出っ張り具合も他人事とは思えず。あんな体形なのにアベンジャーズの娘さんと混じってよくがんばってたと思います
>藤木がえらかった
ふじきさんもがんばりましょう
Posted by: SGA屋伍一 | September 29, 2021 09:46 PM
>ノルウェーまだ~むさん
遅くなってすいません。マッドサイエンティストの小栗君、白目演技が監督大好評だったようですよ。本人は悔いが残ったそうですが
ご近所の惨事はまさにそれです。だいぶ平常には戻ってきましたが、世の中本当に何が起きるかわかりませんね
まだ~むはボランティアお疲れ様でした。そろそろほとぼりが冷めて映画いけるようになるとよいですね
Posted by: SGA屋伍一 | September 29, 2021 09:50 PM