2021年3月に観た映画②
☆『ノマドランド』
☆『ミナリ』
今年のアカデミー賞をにぎわせた2作品。幾つか共通するところがあったので二つ並べて語ります。
まずアジア系の監督の手による作品で、事実を基にしているらしいという点。主人公たちがあまり裕福でないため「車がおうち」という状況。熟年の名女優の演技がオスカーを獲得したというとこも一緒ですね。
これからも苦労しながらなんとか生きていくしかないんだろうなあ…ということを思わせながら、きっといいこともあるだろうとあるかなしかの明るさを漂わせて幕を閉じるところも似ております。主人公らが差別を受けそうな境遇なのに意外と周りの人々がみな親切だったりするのも同じでした。
ただ『ノマドランド』が「流浪」をテーマにしてるのに対し、『ミナリ』は「定住」を目指す話な点は対照的でした。日本人はどっちかというとひとつところに落ち着く農耕民族だと思うのですが、その立場から色々考えさせられました。
『ミナリ』はわたしの母方のおばあちゃんもこんな風にガラッパチで暖かい人だったな…ということを思い出させてくれたことに感謝してます。
『ノマドランド』はジャック・ロンドンの小説的世界を期待して観にいったのですが、もう少し生活感の濃いシビアなお話でありました。それでもやはり「ノマド」たちが旅して求めるアメリカの美しい風景には心和ませられました。
コロナの影響でアジア人に対するヘイトも増えているとのことですが、映画業界では評価が高まっているようで不思議であります。『ミナリ』のリー・アイザック・チョン氏は『君の名は。』リメイクを、『ノマドランド』のクロエ・ジャオ氏はマーベルの『エターナルズ』を次に手がけるとのことでそれぞれ楽しみにしています。
3月後半にもう1本観たのは
☆『モンスターハンター』
ゲームはやったことありません。まあぶっちゃけちゃうとゾンビが怪獣になった『バイオハザード』ですね。スバらしい!!
今年上半期はこういういい意味でアホらしい大作洋画がほとんど入ってこなかったので、やっぱり世の中こういう映画も大切だよな…というありがたみをひしひしと感じました。永遠の中学二年生としては交差させるとジュッと赤熱化する剣や、巨大モンスターに蛮刀一丁で真正面からつっこんでくミラ・ジョボビッチさんにしびれました。ミラさんと言えば最初に脚光を浴びたのが23年前の『フィフス・エレメント』でしたが、そのころから変わらずアクション女優まっしぐらで、なお現役なことにひれ伏さざるを得ません。
続編を意識してるのか思いっきり「俺たちの戦いはこれからだ!!」で終わるところがまことにポール・W・S・アンダーソンらしくてほほえましゅうございました。
次回は『ガンズ・アキンボ』『パーム・スプリングス』『ザ・スイッチ』について書こうかと思います。
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