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November 26, 2020

2020年8月に観た映画の振り返り

というわけでコロナも夏も真っ盛りだった8月の映画について。ハリウッドの新作供給が乏しかったから仕方ないんですけど、アニメを除けばアジア映画ばかり観てた月でした。

☆『ドロステの果てでぼくら』

とあるカフェの店長が2階の自室でくつろいでいると、突然モニターから話しかける声が。その声の主はほかならぬ店長自身で、彼は2分後の未来から語りかけてるというのだが…

いやー、この脚本には本当にうならされた。タイミングとチャンスさえあれば一昨年の『カメラを止めるな!』に匹敵するほどのブームになったと思うのですが、コロナ下であったのが不幸というほかありません。というわけでそのうち配信されたら多くの人にぜひ見てほしい一本です。ちゃんとアイデアの元ネタについて劇中で言及してるのにも好感が持てました。

 

☆『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』

7月にファースト3部作を制覇した後、折りよく4DXでリバイバルされたので観てきました。これも劇場では初観賞。これ、間に『Z』『ZZ』を挟まないほうがシャアとアムロ二人に焦点が絞られてすんなりつながる気がします。

二十年ウンぶりに見返して特に印象に残ったのはシャアの老獪な政治手腕とか、主要キャラたちの超あっさりした死にっぷりなど。特にこれで死亡したことにされてる主役二人ですが、突然ぴかっと光ってそのままエンディングになってしまうのであれじゃ何がどうなったんだかよくわかりません。

前の記事にも書きましたが、これはやっぱりファーストの後の「幾つかある未来のひとつ」として考えたいなあ。ちなみに一番感動したのは最後に流れ出したTMネットワーク主題歌「BEYOND THE TIME」でした。

 

☆『イップマン 完結』

香港製。ドニー・イェン氏がハマリ役を演じた人気シリーズ、今度こその完結編。愛妻を看取ったイップ師匠に残された最後の試練はドラ息子の更正。師匠は彼に広い世界を見せるべくアメリカへ留学先を探しに行きます。

世界中どこででもチャイナタウンをこしらえてしまうたくましき中国人。でもそれにはやっぱり色々な苦労があるんだなあ…ということがわかります。本当ならイップ師匠この映画の時点で70代なんですが、「異様に若作りだった」と考えて見過ごすことにします。

特にテンションが上がったのは序盤のブルース・リー大活躍のシーン。4部作どれも面白かったですけど、自分はやはり最初の2本がお気に入りです。

 

☆『2分の1の魔法』

春から公開を待たされていたピクサー最新作がようやくお目見え。妖精たちが魔法を忘れ、科学文明の元で暮らす世界の物語。『ロード・オブ・ザ・リング』の未来の話…とも見られなくもないですが、人間だけが登場しません(絶滅したのか?)

これの予告で「父さんは二度と生き返れない!」というセリフを聞く度、「いや… 普通はいっぺんだって生き返れねーだろ」とつっこんでました。が、本編を見るとだいぶ印象が変わります。「せっかく生き返ったのに24時間限定なうえ、下半身しかない」という実に面白絶望的な設定なんですね。そんなわけでリミットが来る前に上半身も蘇らせようとする妖精兄弟の奮闘が描かれます。

あんまり期待してなかったんですけど、それも手伝ってラストの意外な決着には大変感動いたしました。慣れない魔法を少しずつ使っていくうちにだんだん上手になっていく過程も面白かったです。

 

☆『悪人伝』

韓国製。いまをときめく筋肉スター、マ・ドンソクが、犬猿の仲の悪徳刑事と手を組んで、自分を襲ったサイコキラーをふん捕まえようとする話。

普通サイコキラーというのはか弱い女子供を狙うものですが、この映画では地球最強といってもいい男をしとめようとするあたりイカレっぷりが天元突破しています。刃物をがあれば何とかなると思ったのかな?

これまた大変面白い映画でしたが、なぜか覚えてることがあんまりありません。あ、終盤の二転三転ぶりはなかなか巧みな脚本でした。

 

☆『狂武蔵』

日本製。日本で有数のアクション俳優坂口拓氏が、宮本武蔵最大の死闘である「一乗寺下り松の決闘」を映画化。武蔵が100人以上の相手をほぼワンカットでバッタバッタと切りまくるのですが、観ている内に坂口さんも観客もどんどん疲弊していきます。えー… とりあえず坂口さんお疲れ様でした! 以上。

 

次は9月に観た映画と7月から続いていた「ノーランIMAX祭り」について適当に書きます。

 

 

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November 19, 2020

2020年7月に観た映画を振り返る

本日はコロナがちょっと落ち着いたころの7月に観た映画について書き記してみます。

☆『ドクター・ドリトル』

ホームズ、アイアンマンと演じてきたロバート・ダウニーJr氏が3度目に挑んだ天才は、動物の言葉を解するドクター・ドリトル。おそらくこれまででで最も子供向けの作品かと。

謎の病に倒れた女王陛下を救うため、引きこもり気味だった先生は一念発起してゆかいな仲間たちと特効薬を探す旅に出ます。これ、普通に楽しかったんですがあんまし印象に残ってるものがありません。強いてあげるならシャアの声でゴロニャンする虎とか、一度撃たれかけてPTSD気味になってるリスくらいでしょうか。あと水槽の中だけで事件解決に貢献してたタコもよかった。

 

☆『ソニック・ザ・ムービー』

SEGAの名物キャラクター「ソニック」を『E.T.』風味で映画化した作品。トレイラーのCGの評判があまりにもひどくて急遽作り直されたという曰くつきの映画だったのですが、これが意外とツボにはまりました。まあどう見てもソニックが漫画で縫いぐるみなんですけど、「今まで寂しかったんだ」みたいないじらしい事を言ったり、仲間のために傷だらけになったりしてると中年の涙腺はそれだけでズキューンと刺激されてしまうんですね(ちょろい)。ジム・キャリー演じる悪の博士(名前忘れた)もモラルのかけらもないトニー・スタークみたいで愉快でした。

ちなみにこの翌月に観た『2分の1の魔法』でも青い顔のキャラが「やりたいことリスト」をチェックしてたんですが、流行りなんでしょうか。

 

☆『WAVES/ウエイブス』

意欲作を次々と送り出しているA24スタジオ製作。フロリダを舞台に若い兄妹の青春と苦しみを描いた作品。ポスターを見ますといかにも純愛ストーリーみたいな感じですけど、これが中々の詐欺案件でした。前半は部活や恋人との関係がうまくいかない兄のストーリーが描かれるのですが、「こうなってほしくないなあ」という方向に面白いように進んでいきます。後半はその兄の犯した罪のために自分を責める妹がメインとなって語られていきます。この主人公が途中でスイッチする構成が独特ではありますね。

予告では「新たな音楽映画の傑作誕生!」とかうたわれてたんですが、お話があまりに重苦しくてスコアが全然頭にはいってきませんでした。ともあれ「犯罪者の家族」というものについて色々考えさせられる1本。

 

☆劇場版『メイド・イン・アビス ー深き魂の黎明ー』

つくしあきひと氏のコミックを原作としたアニメ映画。これに先立つ全13話のTVシリーズがあります。巨大な縦穴「アビス」が中心となっている世界で、アビスの底へ母を追い求め秘境に挑む少女リコと、その相棒のロボットレグの冒険が描かれます。

これが滅法面白くて感動するんですけど、同時に恐ろしく残酷で、とても作り手に人の血が通ってるとはとても思えません(すいません)。まずアビスの設定がどうしたって生きて帰れない地獄そのものであり、今回リコたちが相対する敵?ボンドルドは子供たちを研究素材としか考えてない筋金入りの人非人であります。その毒牙にかかった子供たちは数知れず。唯一の長所はすごい褒め上手で、自分の目的を妨げるリコたちでさえ「素晴らしい素晴らしい」と語彙の限りを尽くして褒めまくることくらい。

今大ヒット中の『鬼滅』映画が子供に見せるべきか、ということが議論されてますが本当に見せていけないのはこっち。というかPG15指定なので小さなお子様は見られません。

ちなみに原作がまだ絶賛連載中なので劇場版も普通に途中で終わります。この先またしんどい描写が待ってるんだろうけど続きが気になって仕方ないのでした。

 

この月は先月に引き続いて『機動戦士ガンダム』の劇場版ⅡとⅢも観ました。映画館では初鑑賞。子供のころから何度も観てるアニメではありますが、観るたびに新しい発見があり、同時にノスタルジックな気分にも浸らせてくれます。

今回改めて感じたのは、この「ファーストガンダム」は偶然居合わせた若者たちが衝突したり協力したりを繰り返して「家族」になっていく話だったんだな、ということ。実は最終決戦においてほとんどのメンバーは無理してついていくことないんですけど、苦労を共にした仲間を見捨てられず激戦地まで付き合うのですよね。ご存じのようにこの後もキャラクターたちの苦労は続いていくのですが、ここで世界が平和になってアムロたちが幸せに暮らす平行世界があってもいいよな~~~と思いました。ていうか、あれ。

 

二日連続更新に成功したのでなんとか年末までにまとめ切れるかな? 次は8月に観た映画について書きます。

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November 18, 2020

2020年5・6月に観た映画を振り返る

いやあ、ブログ書くの何ヶ月ぶりだろう… なんか緊張しますね! 今年もぼちぼち終わりそうなんで今のうちに記録を残しておこうと思います。とりあえずコロナ一波から映画館が再開した5月後半と6月に観た映画から。

☆『スピリット・オブ・ジ・エア』

『ダークシティ』『キング・オブ・エジプト』などで知られる鬼才アレックス・プロヤス監督のデビュー作。荒廃した地で飛行機作りに夢中になっている発明家と、その妹。ある日そこへなぞめいた風来坊がやってきて、二人の間に波風を立て始める…というお話。予算ゆえか今の監督のような派手さは全くなく、よくいえば詩的、悪く言えばあっさりした話。ただ独特の美術センスはこのころから光るものがあり、それが評価されたからこそ今の地位があるんだろうなあ…と思います。ていうかキンエジから4年経ってるんですけど次回作はまだですかね、プロヤス

 

☆『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』

実話。19世紀から20世紀にかけて、フランスの片田舎で郵便配達をしながらコツコツコツコツ33年かけて、アンコール・ワット風の宮殿を建てた男の半生。このシュヴァルさん、奥さんが亡くなった時でさえ涙もろくにこぼさないくらい感情に乏しい人なのですが、後妻が産んだ娘にだけはメロメロになっていて幼女って最強だなあと思いました。そしてその前にこさえた長男はとっとと丁稚にやられてろくにケアもしてないのですが、この長男がまた大変出来た青年でして。普通だったらグレますよ… それはともかくフランスの田園や自然の風景、徐々に風格を増していく「理想宮」が目を楽しませてくれる1本。

 

☆『盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲』

音感を高めるために盲目のふりをしているピアニストのアーカーシュは、ひょんなことから殺人直後の現場に立ち入ってしまう。「死体は見てないだろう」ということで犯人から口封じされずに済んだアーカーシュだったが、事態は予想外の方向へ進んで行き…

単なるワンアイデアものかと思いきやファーストシーンからラストシーンに至るまで様々な仕掛けが張り巡らされ、ストーリーも二転三転どころでなく五転六転くらいころがっていく見事な工芸品のような映画。あんまり話題になりませんでしたが、これはもっと脚光を浴びても良かったんじゃないでしょうかねー インド映画にしては珍しくほとんど踊るシーンがないのですが、それでいてボリウッドの重要な特色である「音楽」に深い愛情を込めた作品でもあります。

 

☆『デッド・ドント・ダイ』

まったりしたアート映画で長年活躍しておられるジム・ジャームッシュが驚くべきことにゾンビものに挑んだ作品。予告を見ると滅法面白そうで、小奇麗な田舎の町並みに、人を食った風で憎めなさそうな住人たち。どっちかというとウェス・アンダーソンが撮りそうなビジュアル。そんな材料で『ゾンビランド』か『ショーン・オブ・ザ・デッド』みたいなお話をやるのかな…と思いきや半分あたり、半分はずれでした。結末を見るにやっぱジャームッシュさんはアート畑の人だなあと思いましたがああいうラスト自分は嫌いです。同じくアダム・ドライバーが出てる前作『パターソン』の方が好き。

 

6月は新作が少ないためにリバイバル作品も多く上映されていて、自分も『シビルウォー』、『パシフィック・リム』(5回目)、『ハンターキラー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(3回目)、『機動戦士ガンダムⅠ』(映画館では初見)、『千と千尋の神隠し』など観賞したりしてました。次は7月に観た映画について書きます。っていうか続くかどうか。

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