2020年2月前半に観た映画(ミステリー特集) 『ナイブズ・アウト』『9人の翻訳家』『カイジFG』『バッドボーイズFL』
いやはや大変な状況になってきました。こんな時に映画の話でもないだろうとも思いますけど、書き残しておかないと忘れそうなので…
2月前半はたまたまミステリー映画が重なりました。まずはアメリカ代表から
☆『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』
世界的ミステリー作家が突然の死を遂げた。「自殺」で落ち着きそうなところへ、謎の依頼人から呼ばれたという探偵が現れ、さらなる波乱が巻き起こる。
ニブチンのわたしでも早々に事件の真相が読めてしまったのですが、キャラの設定とか、ストーリーの見せ方とか、クライマックスの展開などがうまかったと思います。
特に印象に残ったのは作家の看護師のお嬢さん。正直者過ぎて嘘をつくとゲロを吐いてしまう特殊な性分。監督自ら「アガサ・クリスティーのオマージュ」というようにダニエル・クレイグがポアロでも全く違和感ありませんでしたが、このゲロ要素だけはアガサさんにない部分でした。
この映画を皮切りになぜか映画で女の子が吐く描写が流行りました。ミステリーですね。
☆『9人の翻訳家/囚われたベストセラー』
フランス代表。多言語同時出版を目指すべく、各国の翻訳家たちを缶詰にして同時進行で作業に当たらせたという、実際にあった話に着想を得た作品。その小説というのはダン・ブラウンの『インフェルノ』だったそうですけど、劇中で「金儲けのために人を人とも思わぬ所業」とめちゃくちゃDisられてました。
こちらは殺人事件より「誰が密封状態の施設から作品の内容を他所にもらしたか」というのがメインの謎となっています。監禁状態とはいえいろんな国の人たちがわちゃわちゃ共同作業してるのは楽しそうだな~~~と思いながら観ていました。それだけに裏切り者?のせいでだんだんムードがギスギスしていくのが辛うございました。
最大の悪役である出版社社長がもういいおじいさんなのに、無駄にキラキラしたイケメンなのが印象に残りました。調べたら『神々と男たち』では実在の高潔な神父さんを演じてましたね。
☆『カイジ/ファイナルゲーム』
日本代表。これはミステリーというよりサスペンスかな… ツイッターでの評判が最悪だったのでおっかなびっくりでの鑑賞でございました。ところが意外と普通に楽しめました。そりゃ「勝利を自慢したいあまり、イカサマのネタを大声で喧伝してしまう」とか、目が点になってしまうところも色々ありましたけど、それなりに逆転への伏線などは上手に張り巡らしてあったと思います。そしてなにより藤原カイジが十年経っても変わらずそのまんまだったのが大変うれしゅうございました。
で(こっからは重要なネタバレを含みます)、この3作、
どれも若者と老人の友情物語でもあるんですよね。この辺が和むところでありました。「老害が」「若造が」とかく異なる世代いうのは対立しがちなものですが、やっぱりそういうのよくないと思うのですよ。年が離れていてもお互い大事な存在になれるって素敵なことであります。うんうん。
そしてもう一本。これはミステリーというよりアク・ションですけど
☆『バッドボーイズ/フォー・ライフ』
マイケル・ベイ印の火薬てんこもり刑事ドラマシリーズ。実は1・2を観てないのにトマトの数字が良かったからという軽薄な理由で鑑賞にのぞみました。今回はベイが監督じゃなかったせいかけっこうしんみりする要素もあり。あとこれにも高齢者と若者たちの心温まるお話や、主人公を狙う暗殺者の正体は?という謎要素があったりしました。
一点だけ気になったのはウィル・スミスが一介の刑事なのに、やけに高級そうなマンションに住んでたことですね。決してうらやましいわけではあります。
次回は『この世界の さらにいくつもの 片隅に』『エクストリーム・ジョブ』『1917』『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』『野性の呼び声』などについて(気力が沸いた時に)書きます。
Recent Comments