映画テン年代ベストテン
年に二回映画のベスト10企画を主催してくれるワッシュさんの「男の魂に火をつけろ!」 というブログがあるのですが、今回は久々にそれに便乗します。はやいもので2010年代もそろそろ終了。 そうなるとやりたくなりますよね。映画テン年代ベストテン! この十年のひとつの総決算として、過疎著しいこのブログでも挑んでみることにします。ついでに書いておくと「ゼロ年代」のベストはこちら 。では10位から参りましょう~
10位 『アベンジャーズ』(2012)
この映画はぶっちゃけ内容はあんましたいしたことないのですが(あっ)、その製作と公開が大大大成功したことはテン年代のみならず映画史における重大事件として末永く語り継がれていくことでしょう。いまやたらと映画人から叩かれている「ユニバース形式」ですが、誰でも彼でもできるものではないことは各社の苦労ぶりを見るとよくわかります。
その後『シェイプ・オブ・ウォーター』でオスカーとベルリン金獅子をW受賞するギレルモ・デル・トロが、自身の文芸性をかなぐりすててオタクスピリットを1000%解放しきった大怪作。やっぱりなんで映画館で映画を観るかといえば、それはでっかいものがバカでっかく見えるからなんですよ。そんなスクリーンの醍醐味を味わわせてくれるロボットVS怪獣の一大バトル叙事詩。ホームグラウンドのコロナO田原が、絶叫上映でかつてないほどにぎわったのもいい思い出。
前作までの平穏を木っ端みじんこに打ち砕き、主人公たちにさんざん地獄の辛酸をなめさせたのち、映画史上最も完成されたクライマックスへと突き進んでいくピクサーの頂点的作品。今年の「4」も大いに肯定している派ですが、やはりシリーズにおけるベストワンはこの「3」であります。みんなオモチャを大事にしましょう。売ったり捨てたりしたらいかんとです。
宮崎駿なきあと(まだ生きてる)、確実に盛り下がるかと思われた日本アニメ映画界ですが、細田守、新海誠、原恵一といった豊かな才能たちに支えられ、百花繚乱の戦国時代へと突入しております。その中であえて1本選ぶとしたらこの作品。原作の魅力を無限に引き出してさらに大成させた「アニメ化」の理想的作品。3年前からロングランが続いてるうえにいよいよ今月には長尺版が公開されるのもぶったまげです。
たぶんこの10本の中では最もマイナーな作品。クレイアニメでモノクロ形式という形で、人生の孤独と皮肉、友情の難しさを高らかに歌い上げた名編。ビターな味わいでありながら(だからか?)、画面に出てくる全てのキャラ、動物、小道具、景色がいとおしい。公開が東日本大震災の直後だったのも思い出深くいです。
実は映画館で最も多く観てる映画(5回)。自分実は子供のころ『2』を観にいってあまりの怖さに途中退場したことがあるのですが、そんなマッマとウン十年ぶりの和解を果たさせてくれた作品。ラストシーンの美しさはテン年代中随一かも。各所にバスター・キートンへのオマージュが見られるのも嬉しい。
4位 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)
遠い時代に一人取り残された戦士は、記憶を失った友と道を誤ろうとしている祖国のために、盾ひとつを掲げて突き進む。「タフでなければ生きていけない タフなだけでは生きている意味が無い」 まさにその言葉の通りに。恥ずかしながら「ならお前の任務を果たせ。とことん付き合うぜ」のセリフを思い出しただけで涙ぐんでしまう1本。MCUの重要なピースであると同時に、これと前作『ファースト・アベンジャー』だけで十分独立した二部作ともなっております。
3位 『劇場版魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語』(2012)
投票システム上仕方なく「前編」としましたが、これは「後編」とあわせて一本の作品として考えてください。「魔法少女とかよ~ こっぱずかし~んだよな~ でもはやってるみたいだしとりあえず観といてやるか~」みたいな気持ちで臨んだわたしを、鑑賞後「ごめんよ~~~ おじさんが、おじさんがまちがっとった~~~」と涙の海で溺れさせた大変憎憎しいアニメ。「犠牲なくして平穏な社会は築けないのか?」という虚淵先生の問い掛けは『仮面ライダー鎧武』『翠星のガルガンテュア』などでも語られていきます。
すべては最高! みんないい感じ! 単なるワンアイデアアニメかと思わせておいて、過剰すぎるパロディ&サービス精神、シュバンクマイエルもびっくりな超展開、そして最後はほろりとさせるメッセージで「R」とついていながら何から何まで規格外の作品。『レゴバットマン・ザ・ムービー』『レゴニンジャゴー・ザ・ムービー』、そして『レゴ(R)ムービー2』と続編・派生作品も全て大傑作なのが恐ろしい。
言わせてもらうとテン年代の10年と言うのはアメコミ映画の10年であり、MCUの十年であったと思います。『アベンジャーズ』1作目で頂点を極めたと思われたそのムーブメントはさらにとどまることを知らず、発展と膨張を繰り返しとうとうこの作品においてひとつのビッグバンを迎えました。ひきつづき散らばって行く星々の行方を見守っていこうと思います。ディズニー+だかデラックスにも入らなきゃいかんのか…
というわけでアニメ5本、アメコミ3本というゼロ年代にもまして中二臭あふれるベスト10となりました。人は老いていくとだんだん子供のように純真になると言います。その純真さを失わず、トゥエンティー年代も映画鑑賞に励んで行く所存であります(変わらんやっちゃなあ…)
Comments
ご無沙汰。
NバンMTにしてよかったよ~!
もうATには戻れない~(おい
>「このセカ」
長い奴の奈良県上映劇場が
ようやく決まったようです・・・・・・・
さて・・・・・・・・・・・・
親殺しの厨二病(ああしつこいなぁ~:苦笑)
相手にする「EP9」とどっちを優先すべきか・・・・・・・・・
片や、上映近づいてるのに・・・・・盛り上がらん
(あの格下感が・・・・・・・・アカンのよ!)
もう一方は・・・・・一回見ているので
実は積極的でなかったけど
来年年始の広島行きは見合わせると
いいながら行き夜行の日帰りの
算段立てている始末なので・・・・・・・・・・・・・
ムビチケ・・・・・・買ってくるかな。
Posted by: まさとし | December 03, 2019 10:36 PM
>まさとしさん
ああ、ガンダムNTよかったですよね!(とボケてみる)
わたしはもう10年以上乗っちゃってるので完全にATになじんでしまったなあ
はやいもので続三部作ももう完結ですね。わたしはとりあえず楽しみですけどアベンジャーズ・エンドゲームのときに比べるととても穏やかな気持ちです
この世界の(さらにいくつもの)片隅にも楽しみですね! オリジナルとはだいぶ違った印象の仕上がりになってるとか
Posted by: SGA屋伍一 | December 08, 2019 06:08 PM