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June 12, 2019

ロンドンVS万里の長城 フィリップ・リーブ クリスチャン・リヴァース 『移動都市/モータル・エンジン』

本日は「あのピーター・ジャクソンが(製作で)贈る!」という触れ込みで鳴り物入りで公開されたものの、あまり盛り上がらなかった(泣)『移動都市/モータル・エンジン』、ご紹介します。

人類の文明が一度崩壊した未来。世界は「移動する都市」で生活する人々と、巨大な壁の内側で定住する人々の二派に分かれていた。移動都市の中でもとりわけ強大な「ロンドン」に潜入した顔に傷のある少女へスターは、そこの技師であるヴァレンタインを復讐のためにつけねらう。ロンドンの一市民の青年トムはそれを止めようとしたことから世界を巡る大きな陰謀に巻き込まれることになる。

原作は2001年にフィリップ・リーブが発表したSF小説。この度はその1作目が映像化されていますが、全部で4作からなるシリーズだそうです。

まず感心するのは都市に巨大な車輪がついていて動き回るという発想。バンパイアハンターDの1作にもそんな話があったような。ただこちらがもっとぶっ飛んでるのは、大きな都市がまるで捕食するように小さな都市を取り込んで資源を吸収していく描写。そんな生き物のっぽい機能や西洋ファンタジーとスチームパンクが合わさったような都市のデザインは、「タイムボカンシリーズ」のユーモラスなメカたちを思い出させます。

前半はそういった芸達者なヘンテコメカの活躍が面白かったのですが、後半に入ってからはお話がシリアスになっていくせいか、だんだん奇天烈さが薄くなってしまうのがちと残念でした。本当にちっとばかりの物足りなさではありますけど。

夢を追う若者と謎のあるヒロインが冒険を繰り広げるあたりは『未来少年コナン』や『天空の城ラピュタ』とも似ています。違うのは宮崎アニメよりも少し年齢が上なことと、少女が主で少年が従ということなどでしょうか。

監督はクリスチャン・リヴァース氏。長年ピーター・ジャクソンにぴったりと寄り添い、その映画作りを手伝ってきた方ですが、今回晴れて初メガホンとなりました。師匠譲りの才能ゆえかしっかり楽しめる安定したエンターテインメントをこしらえてくれたのですけど、残念ながらこの『モータル・エンジン』は2018年で最も赤字(184億円)を出した映画となってしまいました。実際に観てみると何がそんなにいけなかったのかよくわからないのですんよね… やっぱり「都市が動く」というアイデアにひきつけられた人がそんなにいなかった…ということなのでしょうか。あと大本のネタがイカれてるわりには、キャラクターたちが総じて真面目な人たちばかりというのもよくなかったのかも。一人くらい子供に人気の、笑いを取れる著名な俳優を混ぜたらもう少しいい結果になったのか???

ともかく、ピーター・ジャクソン&弟子の捲土重来を期待しております。ちなみにピージャク氏の次回作はビートルズの『LET IT BE』を題材にした作品とのこと。ビートルズ版『ボヘミアン・ラプソディ』のような映画になるのでしょうか。はてさて。

 

 

 

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