« その男、エドゥアール ピエール・ルメートル/アルベール・デュポンテル 『天国でまた会おう』 | Main | ロンドンVS万里の長城 フィリップ・リーブ クリスチャン・リヴァース 『移動都市/モータル・エンジン』 »

June 05, 2019

ポケットモンスター/ハード&ボイルド ロブ・レターマン 『名探偵ピカチュウ』

これまた1ヶ月前に公開されてる映画ですが、いまだに上位10作に並んでいるツワモノ的作品。ポケットモンスターの世界に新たな風を送り込んだ映画版『名探偵ピカチュウ』、ご紹介します。

人とポケモンが仲良く暮らす街、ライムシティで一人の探偵が事件に巻き込まれ姿を消す。その探偵の息子・ティムは、父の消息を確かめにライムシティの事務所を訪れる。そこにいたのは父のパートナーであった1匹のピカチュウであった。驚くべきごとにそのピカチュウは人語を話し、ティムに一緒に事件を解決しようと持ちかける。

原作は3年前にダウンロード用として発売されたTVゲーム。ポケモンに関しては「ポケットモンスターGO」をちょっとかじったくらいなんですけど(それでも今回そのおかげでけっこう助かりました)、コンセプトを聞いた時「なぜピカチュウが探偵なんだ!? あれに推理とかできんのか???」と困惑を隠せませんでした。正直今に至ってもその必然性とか理解しきれてないんですが、まあ面白かったしかわいかったんでよしとします。ピカチュウといえば今や国民的キャラクターでさんざん見慣れた感がありましたが(実際最近までジバニャンに押されてたし)、今回多くの人がやられてしまったのが予告編で見せた皺の寄った表情。普通しわがよったらどっちかというと醜悪なデザインになりそうなものなんですけど、これがなんとも言えないかわいらしさがありまして。ココアに少量入れる塩のような効果がありました。某『ゴールデンカムイ』のヒロイン、アシリパさんの変顔にも似ておりました。

Mttpk1 Mttpk2

ピカチュウの声をあてているのは『デッドプール』での怪演で有名なライアン・レイノルズ(吹替え版では西島秀俊氏)。これもどうせ受け狙いでキャスティングしたんだろうな~~~と冷ややかな印象を抱いておりましたが、最後まで観てみたらそれなりにちゃんと理由があったことがわかりました。あとネットの感想を見ると「真相が簡単にわかった」みたいな声がけっこうあがっておりましたが、自分は普通にだまされました(笑)。ですから「探偵」とついてるだけあって一応ミステリー映画としても鑑賞できます。ちなみに映画はきちんと事件が解決されますけど、ゲームの方はこれから完結編が発売され、映画とはまた違った結末を迎えるとのこと。

探偵ものといえば監督はこの映画を作るに当たり『ブレードランナー』を参考にしたとのこと。これまた予想斜め上のタイトルでございます。たぶんブレランの闇の深い街の背景とか、大きな陰謀に一人立ち向かうヒーローの姿とかを意識したんだと思います。そういえば作品に出てくるポケモンは普通にアンドロイドに置き換えても普通にお話が成立しそう。まあポケモンの方がかわいいしカラフルだし観ていて楽しいですけどね。

監督のロブ・レターマン氏は他にも『モンスターVSエイリアン』など撮っていて、怪獣にも並々ならぬ思い入れがあるようです。本作品におけるドダイトスやミュウツー、リザードンの描写には怪獣映画顔負けの迫力がありました。その辺はさすがモンスターバースやジュラシックワールドのレジェンダリーピクチャーズでございます。

ちょうどいまレジェンダリーの新作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が上映中ですけど、両方ともモンスターを愛するおじさんとして渡辺謙氏が出演していたり、モンスターと人間の共存がテーマのひとつだったり、共通するところも幾つかあって観くらべてみると一層面白いかと思われます。また夏には恒例のポケモン映画に第1作のCGリメイク『ミュウツーの逆襲』が公開予定。かわいいのから怖いのまでモンスター花盛りでよろこばしいことでございます。

|

« その男、エドゥアール ピエール・ルメートル/アルベール・デュポンテル 『天国でまた会おう』 | Main | ロンドンVS万里の長城 フィリップ・リーブ クリスチャン・リヴァース 『移動都市/モータル・エンジン』 »

Comments

ゲームはやった事はありませんが、ピカチュウは、ポケモンのスタンダードですね。可愛くて、万能で、他のキャラの始まりとなると。人間でもあり、モンスターでもあり、隠密行動を要される探偵には打って付けだと僕は思いました。

ラスボスとかは、変身して全く別の者になる、強くなる、という事がありますが、ピカチュウは、変わらず、天然そのものだから、行動にも価値が生まれると思います。

主人公からも、父親からも、絶対的信頼を寄せられていたのがピカチュウですが、モンスターの強さとは、人間から評価されて、活躍の場を得られる事にもよると思います。だから、そうした立場に無い、無数の野性のモンスターとの競争や、あるいは、出逢いに、ポケモンの意義があるように思います。

Posted by: | June 06, 2019 05:07 PM

SGAさんこんばんわ♪

モフモフなポケモンにおっさん声のピカチュウと、公開当初は自分もどれもこれもがネガティブな要素しかありませんでしたけど、本作を観終えるとやはり大分イメージが覆ってしまいましたね。モフモフも本物の人間と共存感や溶け込ませる意味でも必須に思えましたし、ライアン・レイノルチュウの意味も最後に謎が解けてどこかスッキリな気分にもさせてくれたんですよねぇ(笑

ドハティ監督のゴジラもそうでしたけど、やっぱり愛と情熱を持った作り手が手掛けるとその熱がちゃんとファンにも伝わりますから、本作も世界中のポケモントレーナー達に受けが良かったんじゃないかなとも思っちゃいますね^^

Posted by: メビウス | June 06, 2019 11:19 PM

>隆さん

たしかに他は知らなくてもピカチュウは知ってる人は多いですもんね。ピカチュウを創造したことがポケモン成功のカギだったのかもしれません。ゴジラもアメコミヒーローも力任せでガツガツぶつかりあう中、ピカチュウのちっちゃな体で一生懸命たたかう様子は微笑ましくも異彩をはなっておりましたね

Posted by: SGA屋伍一 | June 12, 2019 09:35 PM

>メビウスさん

やっぱり思いますよね… ライアン・レイノルズがキャスティングされたということはピカチュウがテッドのように下ネタを連発するのではないかと… ま、そんなことまず任天堂が許さないでしょうけどw
この作品のポケモン愛に触発されて、ながいこと放置してたポケモンGOを再開しております。いっぱい歩かなきゃいけないのでポケモントレーナーは大変です~

Posted by: SGA屋伍一 | June 12, 2019 09:41 PM

謙がピカチュウにカツを入れるために、カクとともに自爆するんですね?

Posted by: ボー | June 14, 2019 07:44 AM

>ボーさん

そして人類は核の炎に包まれて数年後… ケンと呼ばれる男の伝説が始まったりします。アタアッ!!

Posted by: SGA屋伍一 | June 14, 2019 10:44 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« その男、エドゥアール ピエール・ルメートル/アルベール・デュポンテル 『天国でまた会おう』 | Main | ロンドンVS万里の長城 フィリップ・リーブ クリスチャン・リヴァース 『移動都市/モータル・エンジン』 »