帰ってきたウルトラウーマン ロブ・マーシャル 『メリー・ポピンズ・リターンズ』
昨年からパディントン、ピーターラビット、プーさんと英国の名作童話の映画化か続いてますが、あのご夫人も55年ぶりに映像の世界に帰ってこられました。『メリー・ポピンズ・リターンズ』、ご紹介します。
困っている子供たちのもとにやってきて救いの手を差し伸べる魔法の子守メリー・ポピンズ。かつて彼女の世話になったバンクス家の長男マイケルは今では自身が三児の父となり、家庭のことで悩みの絶えない日々を送っていた。そんなマイケル一家のもとに時空を超えて再びあの不思議なレディが天から舞い降りてくる。
さきほど「プーさん」をあげましたが、なんでかこないだの『プーと大人になった僕』といろいろ重なってしまった本作。前作の主人公がいいおっさんになってたり、そのおっさんが仕事のことできりきり舞いしてて子供とうまくいかなくなってたり。そしてそんな彼の元に幼いころの懐かしい知人が訪ねてきたり、不思議な世界を思い出したり…というあたり。ディズニーさんももう少し企画をずらせなかったものかとは思いますが、なんか偶然重なっちゃったんでしょうね。
プーさんと違うのはメリーさんは一応人間であり、クールでかっこいいということです。結局わたくし前作は未鑑賞で臨んだのですが、メリー・ポピンズさんというのはもっとふんわかした癒し系のおばさんだろうと勝手に想像してました。ところがどすこい、メリーさんは子供たちにも厳しいところは厳しく、滅多に表情を崩しません。それでも時折ちらりと優しさをのぞかせ、事件が解決すると別れのあいさつもなくまた新たな任地へと旅立っていく… まるでハードボイルドのヒーローみたいです。そんなメリーさんを『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『ボーダーライン』で銃をガンガンぶっ放してたエミリー・ブラントさんが好演しておられました。
わたしがこの映画を観ようと思った動機のひとつは、いまどきのディズニー映画にしては珍しく非CGのアニメと実写を組み合わせたビジュアルが面白そうだったから。少し前に『ポピンズ』原作者を題材にした『ウォルト・ディズニーの約束』という映画があったんですが、それによりますと原作者トラバース夫人はアニメが嫌いなのに『メリー・ポピンズ』の1シーンにアニメのペンギンが出てきた時にたいそうお怒りになられたとかw さすがに当時の撮影技術で「踊るペンギン」を出すのは不可能だったと思うので、致し方なきことだったんでしょうが…
で、それから50年。いまではCG技術の発達により不可能な「実写映像」というのはほぼなくなりました。だのにあえて絵アニメをふんだんに入れまくるという皮肉w 原作者様がご覧になったらまたしても青筋を立てられたと思いますが、あの画風というか画質、最近見なかったのでとても懐かしい気分になりました。
バンクス家のかつては長男、いまではお父さんのマイケルを演じるのはベン・ウィショー。わたしはどうしても『パフューム』の異常殺人犯を思い出してしまうのですが、子供の前で強がりながら陰で泣いてる優しいお父さんもなかなか似合ってました。彼は「パディントン」の声もあててましたし徐々にハートウォーミング系への転身を図っているのかもしれません。
ディズニー実写化の波はとどまることなくこれからま『ダンボ』『アラジン』『ライオン・キング』などが控えております。結局全部つきあってしまいそうな気がします…
Comments
前作が名作なので、どうしても、いまひとつ。
Posted by: ボー | March 09, 2019 11:24 PM
>ボーさん
アマプラで有料で観られるようなのでいずれ鑑賞せねば…と思っております
Posted by: SGA屋伍一 | March 12, 2019 09:25 PM