エンペラーのご帰宅 リュック・ジャケ 『皇帝ペンギン ただいま』
わたしのベスト・フランス映画と言うとリュック・ジャケ監督の『皇帝ペンギン』なんですが、少し前ジャケ監督が再び南極の珍鳥に挑んだと聞き、一時間以上かけて平塚まで観に行ってまいりました。『皇帝ペンギン ただいま』ご紹介します。
まず前作では時系列にそって皇帝ペンギンの結婚→妊娠→出産→育児→解散と描かれていました。しかし今回はもういきなり雛がそれなりによちよち歩いてるところから始まります。そしてその時点を中心として時系列が行きつ戻りつするので、ちょっとややこしいといえばややこしい構成。あくまでもテーマは「育児」ということでこういう仕様になったのでしょうか。
有名な話ですが、皇帝ペンギンは卵を産むと父親がその番をしてメスが餌を獲りに旅立ちます。そののち雛が生まれ、メスが帰ってくると今度はバトンタッチしてオスが猟に出かけます(この時点でオスの絶食は数ヶ月にもおよび、途中で野たれ死ぬこともあるとか)。で、正編ではそれぞれ一往復したら巣立ちの時期…みたいな感じだったのですが、こちらではさらにその後食欲旺盛な雛のために夫婦そろって何回か餌取りに行く様子も描かれてました。残った雛はどうなるかというと、当番制にでもなっているのかわずかに残った大人ペンギンが保育士のように多くの子供の面倒を見ます。ただ鳥ですし雛は落ち着きがないので危ない場面もしょっちゅう。このあたりは見ていてスリルがありました。
さらに前作からの進歩というと技術の発達によりドローン撮影や、より深い水中も撮ることが可能になりました。…が、この辺観終わってから公式HPで知ったのでもっとその辺に注目すればよかったと後悔いたしました。それこそチコちゃんじゃないですけどぼーっと見てたので… あと種類的には近縁になるアデリーペンギンの登場も嬉しかったです。
そして海に出てから4年間、故郷に戻ってくるまで子ペンギンたちがどうやって過ごし、成長するのか。その辺も明かされるかと期待してたのですが、ぶっちゃけまだそこまではわからないし、カメラも追っていけないようです。その解明もあと一歩のところまで来てるようなので、第三作で(いつだ?)でぜひ観てみたいものです。そのためには温暖化を抑制して皇帝さんたちが安心して子育て出来る環境を守り続けなければいよね。
『皇帝ペンギン ただいま』はディズニー・ネイチャーも製作にかかわっているようですが、これとは別に来年『ペンギン』というそのまんまのドキュメンタリーを公開予定。こちらには皇帝だけでなくアデリーやキングペンギンの出番もかなり多い模様。お願いですから日本でもやってください。予告編はこちら
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