蟻男の逆襲と蜂女 ペイトン・リード 『アントマン&ワスプ』
はっ 気がつけば公開終了間近… 全てのマーベルファンを奈落の底に突き落としたインフィニティ・ウォー。このショックをいやしてくれるのはアメコミ映画きってのお調子者、デッドプールとポールラッドしかいない! というわけでマーベル・シネマティック・ユニバースの記念すべき第20作目『アントマン&ワスプ』をご紹介します。
「シビルウォー事件」でキャプテン・アメリカに手を貸したばっかりに、三年間自宅で軟禁生活を送ることになったアントマンことスコット・ラング。その生活からの解放もようやくあと数日にせまったころ、かつての恋人ホープが彼を連れ出して協力を迫る。目的は量子世界で消息を絶った母のジャネットを救出することだった。そのミッションを達成する鍵が、かつて量子世界に足を踏み入れたスコットの記憶にあるというのだ。手早く手伝って自宅に戻ろうとするスコットだったが、なんでもすり抜けることができる怪人「ゴースト」がなぜか彼らを妨害する。ゴーストは一体何者で何が目的なのか…
またしても閉じ込められてるシーンから始まるのが笑えます。この分だと3作目も(あるならば)監禁状態からスタートしそう。もっとも刑務所と違い自宅軟禁なので、それなりにひきこもりを満喫してるスコットが楽しそうでちょっとうらやましかったです。映画館に行けないのはつらいですけど。
フェイズ3に入って『スパイダーマン』以外は世界の滅亡やら宇宙の危機ばかり扱ってきたMCU。しかし今回は「小さくなれる男」アントマンにふさわしく、ごくごく小規模な、家族周りの範囲で事件が進んでいきます。それがかえって新鮮だったりしました。
またMCUの続編では最近は他作品のヒーローの客演が目立ちましたが、今回はアントマンと新相棒ワスプのみの活躍に焦点を絞っています。
MCUが始まって十年。ようやく原作の初代アベンジャーズ(アイアンマン、ハルク、ソー、アントマン、ワスプ)が全員銀幕デビューできたわけで。おじさんのアメコミファンとしてはなかなか感慨深いものがありました。
アントマンおなじみのモノが大きくなったり小さくなったりするシーンは今回もいっぱいしませてもらいました。ミニカーサイズになって敵をやりすごすカーチェイスや、仕事を選ばないあのキャラの特別出演などなど。いざとなると小さくして携帯できる持ち運び研究室も愉快でしたね。実現できたら旅行の時とか便利そう。私有地に突然家を出したら怒られそうなので、その辺の調査はちゃんとやっておく必要がありますが。
『アントマン』のお楽しみといえばスコットの友人でマイケル・ペーニャ演じるルイスのおしゃべりもあります。近所のおじさん・おばさんのいつ果てるともわからぬおしゃべりはとってもつらいのに、なぜペーニャさんのとりとめもないお話はいつまでも聞いていたくなるのでしょう。ペーニャさんの出演作もそれなりに観ていますが、このアントマン2作が最も彼のはまり役のような気がします。
そして独特の量子世界のビジュアルが今回も冴えております。うっかりすると帰ってこれなくなる未知の領域ゆえ、美しいと同時に恐ろしさも感じる世界。それが十分に伝わってくる映像でした。この辺誰も観たことがない世界ゆえ、スタッフには相当のイマジネーションが求められたのではないでしょうか。
『インフィニティ・ウォー』での傷をいやすための鑑賞だったのに、最後の最後で思いっきりかさぶたをはがしてくれる本作品。おまえら… いい加減にしろよ!!!と青筋を立てるところですが、これも『アベンジャーズ』第4作への布石だと信じて許すことにします。おそらくスコットがああなってしまったことと、来春公開予定の『キャプテン・マーベル』の存在がおそらくサノス打倒の切り札となるのでは。ただこれも推測の域を出るものではないので、あああ~~~ も~~~ はやく続き見せてほし~~~ そしてさっさとサブタイトル明かしてほしい~~~ マーベル&ディ○ニーさん… あんたらも相当あこぎな会社やねえ!!??
まあじっと待ってれば意外とあっという間に感じられるかもしれません。とりあえずMCU次回作の『キャプテン・マーベル』は来年3月に、次々作の『アベンジャーズ』4作目はその2か月後に全米公開予定です。あと今年は違うマーベルの『ヴェノム』も来月公開。アメコミ映画の快進撃は続きます。
Comments
SGAさんこんばんわ♪
IWの後であの衝撃も記憶に新しいのでまだ立ち直れない人もいるんじゃなかろうかという懸念もありましたが、その心配を払拭する衝撃ならぬ笑撃の数々で、ユーモアもアクションもアントマンらしい独特の楽しさがあり今回もとても面白かったですね^^
・・まあ最後は最後でまたあの辛い現実に戻されましたが、それでもスコットが量子世界に留まった事で指パッチンを回避したという事実は、やはりサノス攻略の一筋の光明になるとも想像できますね。もしかしたら切り札はキャプテン・マーベルではなくアントマンなのかもしれませんね。
Posted by: メビウス | October 11, 2018 08:52 PM
最終的にアレと時制を合わせるためにしょうがないのかもしれないけど、それにしても20年くらいほって置いたのだから、後、数日、軟禁生活がとけるまで待ってくれてもよかっただろうに。みんなせっかちだなあ。
Posted by: ふじき78 | October 13, 2018 10:47 PM
>メビウスさん
>もしかしたら切り札はキャプテン・マーベルではなくアントマンなのかもしれませんね
「史上最弱が…………最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も恐ろしいィィマギィ――――ッ!!」 のスタンドを思い出しましたw
Posted by: SGA屋伍一 | October 15, 2018 08:52 PM
>ふじき78さん
おっしゃることはわかりますが、それじゃ映画がのんびりしすぎてつまらなくなっちゃうじゃないですかw ただでさえ主人公がのんびり屋さんなのに
Posted by: SGA屋伍一 | October 15, 2018 08:54 PM
伍一くん☆
小さな身の回りの事件で楽しませてくれるアントマンですが、最後にでっかくなっちゃって(いや、ちっちゃくなっちゃったのですけど)何となく嫌な予感です。
やっぱり卒業出来ずにキャプテンマーベルも観ちゃうんだろうな…と思ってます。
Posted by: ノルウェーまだ~む | October 16, 2018 10:15 PM
>ノルウェーまだ~むさん
うまいですよね、マーベルはその辺の引っ張り方が。そしてにくたらしい…
卒業はしなくてもいいのですよ… アイドルグループじゃないんだから。ふふふふふ…
Posted by: SGA屋伍一 | October 16, 2018 10:21 PM
餡と饅(頭)
Posted by: ボー | October 19, 2018 09:05 AM
>ボーさん
そろそろ中華まんのおいしい季節
Posted by: SGA屋伍一 | October 22, 2018 09:40 PM