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October 31, 2018

天駆けるロック様 ローソン・マーシャル・サーバー 『スカイスクレイパー』

『ジュマンジ』『ランペイジ』と、今年もっとも活躍しているアクション俳優ドウェイン・ジョンソンことロック様。その2018年度3本目の主演作は、筋肉スターの本道に立ち返り己の肉体ひとつで悪に立ち向かう痛快娯楽映画。『スカイスクレイパー』ご紹介します。

FBIの特殊チームに所属していたウィルはある事件がきっかけで片足を失い、辞職。しかしその後妻子を得て防犯会社で第二の人生を楽しんでいた。彼の新たな職場は香港にそびえたつ220階建ての超高層ビル。オープンまですべては順調に進んでいたが、謎のテロ組織の犯行により火災が発生。ウィルは中に取り残された家族を助けるため、閉ざされた城塞のようなビルに這い登っていく。

わかりやすい… なんてわかりやすいんだ!!!! まるでくっきりと晴れ上がった青空のように視界すべてが明瞭であります。
まあぶっちゃけちゃうと容易に想像がつくでしょうけど『ダイ・ハード』ですね。スケールアップしてハイテク要素も色々盛り込まれた『ダイ・ハード』。違うのはテロ組織がビルをぶっ壊そうとしてるところと、ロック様にしては珍しく義足を使用しているというハンデがあること。彼が五体満足だったら開始30分もたたずに事件が解決してしまうので、二時間もたせるための工夫のひとつであります。

そんな風に新味に欠けるところはありますが、ロック様のキャラクターとアクション映画のツボがわかってるスタッフのおかげでお好きな方には「そうそう、これこれ、この味♪」と十分楽しめる逸品にしあがっておりました。
特に感心したのはこれまたよく出来たアクション映画の特長ですが、序盤何気なく出てきたセリフやギミックが後半ここぞという場所で生かされること。こういうのがあると多少強引な脚本もすごく頭がいいように見えてきたりします。
そしてわたしがこの映画で最も評価したいのは、クライマックスで悪役と対峙したロック様のキメ台詞。これがあまりにも気持ちよくてそれまでの全部をさーっと忘却しそうになったくらいでした。あとで感想を書くためにその他諸々を必死で記憶にとどめましたが… ともかく、本年度のベスト決めゼリフ映画と言っても過言ではありません。

ただ質的には『ジュマンジ』『ランペイジ』に劣るものではないと思うのですが、興行的にはその2作に一歩劣る結果となってしまいました。ステイサムの『MEG』のヒットからもわかるように、最近は筋肉スターが一人でがんばるより、動物をからめたりもう何人かの筋肉スターを共演させないと黒字は難しいのかもしれません。

さて、そんなロック様の次回作は一大ヒットシリーズ『ワイルド・スピード』のスピンオフになるそうです。これまた目新しいものはなさそうですが、手堅い売り上げを記録しそう。邦題は『ワイルド・スピンオフ』がいいと思います…!

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October 30, 2018

必殺剣トンボ斬り 歯室麟・木村大作 『散り椿』

昨年惜しくも亡くなった葉室麟氏の小説を、日本きっての名カメラマン木村大作が映画化。『散り椿』、ご紹介します。

友の父親の不正を告発した扇野藩士瓜生新兵衛は、そのことが元で脱藩。妻の篠と二人江戸でひっそりと暮らしていた。だが妻と藩主が相次いでこの世を去ったあと、新兵衛は思うところあって故郷へ戻ってくる。折しも扇野藩では新しい藩主のもと改革を進めようとする新兵衛の友・榊原采女と、旧藩主の影で私腹を肥やしていた家老・石田玄蕃の対立が激化。新兵衛の帰還はその争いにさらなる嵐を呼ぶ。

完全なる噂話ですけど、ジャニーズでもっとも喧嘩が強いのは誰かといえば岡田准一氏と松岡昌宏氏なんだとか。松岡氏の場合は気合というか番長的な強さらしいですが、岡田氏が強いのは格闘技を本格的にマスターしてるから。確かにドラマ『SP』における彼のアクション・身体能力はそれこそ半端ないものがありました。
そんな彼が時代劇で鬼気迫るチャンバラを見せてくれるというので期待していた本作品。ちなみに岡田君はいまをときめく是枝裕和監督の『花よりもなほ』という時代劇にも出ているのですが、そちらは剣はからっきしの侍の役だったんで今思えばなんかもったいない気がします。
で、その殺陣はどうだったかというと、これがなかなか独特でございました。普通チャンバラというとその方が華やかだからか剣を大きく振り回して首や胴体をチョンパするものですが、『散り椿』では剣の振りは最小限。相手の急所を細かくチョキチョキ切っていくような殺法でございました。確かに1人で多数を相手にするにはその方が効率が良さそう。あと重心を低くして「どんっ」と当たっていくような斬り方やチャンバラの合間にでんぐり返しを持ってくるようなアクションも、最近の時代劇ではあまり見なかったような。名カメラマン木村監督は「もう殺陣は全部岡田君に任せといた」とのことなので、いささか無責任な気はしますが、それで正解だったと思います。

一方ストーリーの方はどうだったかと申しますと、とりあえずだいたいのところは面白かったです。不穏な空気が流れるとある藩にいわくつきの男が舞い戻り、さらに状況がきな臭くなっていくあたりとか。そして男はどんな秘密を隠していて、何を企んでいるのか… 一人の男を中心にして周囲が洗濯機のようにかき回されていくこの流れ、ベタですがそれこそ黒澤明の『用心棒』『椿三十郎』のようです。
ただよくわからないのは当時藩を勝手に抜けるというのは相当な重罪だったはず。君主が死んだとはいえそんな簡単に帰って来れるものなのでしょうか。この辺は原作を読むとわかるのかな?(未読)
黒澤作品と違うのは主人公がややウェットなところですかね。ウェットというか彼も彼の妻も親友の采女も思考パターンが大概面倒くさい。三者の面倒くささが絡み合って事態はすっかりややこしくなってしまうのですが、この面倒くささが考えようによっては日本人尊んでいる「おくゆかしさ」というやつなのかもしれません。うーん、めんどくさー!!

岡田君は年末から来年にかけてドラマ『白い巨塔』に映画『来る』『ザ・ファブル』と相変わらずお忙しい模様。アクション好きとしては「伝説の殺し屋がなるべく目立たぬよう努力してひっそりと暮らす」という『ザ・ファブル』に期待しております。やっぱ体は動かせるうちにガンガン動かしていきましょうよ!とピークを過ぎた40代は思うのでした。

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October 24, 2018

最も危険な将棋 瀬川昌司・豊田利晃 『泣き虫しょったんの奇跡』

♪ふう~けえ~ば とぶよ~な しょおぎのこまにィ~~と。本日はもう公開が終了してしまった将棋映画の傑作『泣き虫しょったんの奇跡』を紹介いたします。

時は80年代。特に主体性のなかった瀬川昌司少年(しょったん)は明るい担任の先生に励まされてから、将棋にどんどんのめり込んでいく。隣家に住む鈴木悠野というライバルに恵まれたしょったんはめきめき実力をあげ、ついにはプロ棋士を養成する「奨励会」に入会。だが奨励会で生き残ることは想像を絶するすさまじさで、しょったんは次第に追いつめられていく…

洋画の「実話に基づいた話」というは向こうではよく知られていても、日本人にはそうではないことが多いですよね。最近だと『アメリカン・スナイパー』とか『フォックス・キャッチャー』とか。この『泣き虫しょったん』もいわゆる「衝撃の実話」なんですけど、わたくし恥ずかしながらちい~とも知りませんでした。これ、当時は相当話題になったと思うんですけど、その時よほどボーっと生きてたのか。ともかくそのころの奨励会には「26歳までに4段に昇格できなければ退会→プロにはなれない」という鉄の掟がありました。一度退会したしょったんがどうしてプロになれたのか… そのプロセスはまさしく「奇跡」以外の何物でもありません。

ストーリーはおおむね3部にわけることができます。将棋を知り、友とひたすら打ち込んでいくワクワクする第一部。奨励会に入るものの次第にプレッシャーに蝕まれていく第二部。この第二部が本当に胃がキリキリするようなつらいパートで、自身奨励会に所属していたという豊田利晃監督の経験が存分に生かされております。そしていったんゼロにリセットされてから、静かに再起をはかっていく第三部…と。それこそ本当に映画みたいな話であります。
主演の松田龍平さんはお父さんゆずりのオーラを漂わせている方ですが、今回はそのオーラを封印。ひたすらおとなしげでぼそぼそしゃべるしょったんをある意味熱演しておられました。
そのしょったんを温かく支えるのが3人のオヤジたち。将棋倶楽部のおじさんのイッセー尾形、実父の國村隼、再起を手助けする小林薫、三者三様の人間力でもってそれぞれの時代のしょったんを導いていきます。決して安易に感動をあおるような作りではないのですが、出てくる人々の静かな情熱が鼻水を誘ういい映画でございました。

…にもかかわらず興行はだいぶ苦しかったようで。『聖の青春』もいい映画でしたが、あまり芳しくない成績でした。この度はつい最近藤井聡太君の快進撃もあったので、その影響でもう少し売れるのでは…と期待しましたがやっぱりダメでございました。なんというか「将棋」という題材そのものが映画興行にむいてないのかもしれません。個人的には本年度の実写邦画では1,2を争う出来だと思っているのですが… 無念。わたくし好きな映画はあんまり人に勧められない場合が多いですけど(劇場版『仮面ライダーアマゾンズ』とか)、『泣き虫しょったんの奇跡』は自信をもってたくさんの人に推せる作品です。

ちなみにこの映画、出番1分もありませんが『聖の青春』『3月のライオン』にも出てた染谷将太氏もキャストに名を連ねています。染谷将棋三部作とでも呼べばいいのか。また将棋映画が作られることがあったら、引き続き登板していただきたいですね!


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October 23, 2018

サラリーマン×プー太郎 A・A・ミルン マーク・フォースター 『プーと大人になった僕』

『パディントン2』『ガーディアンズ』『ブリグズビー・ベア』と昨年から熊系の傑作映画が続いていますが、ここに来て天下のディズニーが世界で最も有名な熊キャラの実写映画を発表いたしました。『プーと大人になった僕』、ご紹介いたします。

クリストファー・ロビン少年と喋る熊のプーさんは大の仲良し。二人は森の仲間たちといつも一緒に遊んでいたが、やがてクリストファーが寄宿学校に入るため別れなければならなかった。やがてクリストファーは成長し、結婚、戦争を経てカチコチのサラリーマンになってしまう。ある時仕事に息づまりベンチでうなだれている彼の前に現れたのは、子供のころと変わっていない「くまのプーさん」だった。

プーさんといえば日本でも誰とて知らないものはいない超メジャーなキャラでありますが、正直自分は「プーさんのハニーハント」に一回乗ったくらいのなじみしかありません。周囲にわらわらいる動物はティガーくらいしか知らなかったんですけど、今回ようやく他の連中の名前も覚えることができました。

童話系の実写映画というと今年は先にもあげた『パディントン』や、『ピーターラビット』がありましたが、プーさんが彼らと違ってなんかぬいぐるみとしてのイメージが強いせいか、動くとなんか怖い。デザイン的にもチェコの前衛アニメ作家・シュバンクマイエルの作品に出てきそうな感じでちょっと不気味なムードが漂っていました。が、それも最初のうちだけで観ているうちにだんだんとかわいく見えてきます(たぶん)。

最近ディズニーは過去の名作の実写化に力を入れてますよね。『シンデレラ』に『ジャングル・ブック』に『美女と野獣』、これからも『アラジン』や『ダンボ』が待機してます。『マレフィセント』を除けばどれも原典にほぼ忠実な実写化となっていましたが、この『プーと大人になった僕』にかんしては相当な変化球…独自のアフターストーリー…で挑んできました。ツイッターではみんな「これ『劇画オバQ』じゃん」とか言ってました。『劇画オバQ』とはそんなに誰でも知ってる作品であったのか…? それはさておき、やや皮肉っぽかった『劇画オバQ』と比べると、こちらの方は監督の人の好さゆえか普通にハートウォーミングなストーリーになっています。
わたしが特にほっこりしたのはロビンさんちご家族の包容力の広さですね。お父さんもお母さんも娘さんも心の中でストレスを抱えているのですが、だからといってそれを人やクマにぶつけたりはしない。ロビンさんも一回だけ切れてましたが、相当切羽詰まった状況にありながら、それでも一生懸命旧友の面倒を見ます。演じるは昨年の『T2 トレインスポッティング』が記憶に新しいユアン・マクレガー。あっちでは相当ダメな大人でしたがやればできるじゃねえか!と思いました。

この映画で特につきささるのは会社の書類を大事そうに抱えてるロビンに対して、「それは風船よりも大事なものなの?」と問うプーさんのセリフ。うん、そうだよね… わたしも正直仕事とかよりガンプラやアメコミフィギュアの方が大事だよ…!!!!
あとディズニー関連では数秒だけプーさんが出てきた『ウォルト・ディズニーの約束』を思い出したりしました。こちらにも仕事で追いつめられたお父さんが出てくるのですが、実話だけにけっこう辛い話だったりしてね…

やっぱり仕事なんかはほどほどでいいんじゃないですかね。楽してお金が稼げたらなあ~ってなんでそんな話になってしまうんでしょう。ともあれプーさんにいろいろ気づかせてもらい感謝でした。

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October 22, 2018

転生したら普通に勇者だった件 S・S・ラージャマウリ 『マガディーラ 勇者転生』

公開から1年を経てもIMAXリバイバルなどで話題を呼んでいる『バーフバリ』。本日はそのS・S・ラージャマウリ監督が9年前に手がけたもうひとつのスペクタクル映画『マガディーラ 勇者転生』を紹介します。

17世紀のインド。勇者パイラヴァと王女ミトラヴィンダは相愛の仲であったが悪漢の奸計に陥り、結ばれることのないまま悲劇的な最期を迎える。
それから約400年後の現代。バイクレーサーの血気盛んな若者ハルシャは、バス停である女性の手に触れた途端電撃のような衝撃を受ける。やがてはハルシャは自分が勇者パイラヴァの生まれ変わりであり、その女性インドゥもまたかつての恋人ミトラヴィンダの転生であることを知る。

わたくし監督ラージャマウリさんはハエが主人公の映画『マッキ―』でブレイクした方かと勝手に思ってたんですが、それ以前からインドでは大大人気監督だったみたいで。すいません。特にこの『マガディーラ』は本国で1000日を越えるロングランを記録したというからぶったまげです。1000日言うたらぶっちゃけ3年弱ですからね。日本で記録的ロングランといえば『タイタニック』でも1年くらいでしたし。

序盤こそ突然女詐欺師を捕まえるくだりで謎の「金のめんどりダンス」がえんえんと流されてしまい面喰うのですが(後にカメオ出演している主演俳優のお父さんのヒットナンバーであると知りました)、運命の二人がビビビッと出会った途端テンポが俄然よくなってきます。17世紀パートの歴史劇はそれこそ『バーフバリ』のようであり、現代パートの恋のさや当ては『マッキ―』のようであったり。というか『バーフバリ』は前二作で積み上げたものを踏まえてさらにスパークさせた映画だったんだな…ということがよくわかりました。

あと4作観て改めて思いましたが、ラージャマウリ監督の作風ってすごく『ジョジョの奇妙な冒険』っぽいですね。メインキャラはみんな濃い目の顔立ちでいちいちズバーンとポーズを決めます。悪役はどこまでも悪く一片も同情の余地のないやつなのですが、どこか不思議な色気があったり。そして物理では不可能なアクションも「オラオラオラオラ」と気合で可能にしていきます。主人公側に物悲しい背景があるあたりも大変ジョジョっぽいですね。

尺やスケールの点では『バーフバリ』よりもスケールダウンしてる感はありますが、『マガディーラ』が面白いのはやっぱり戦国時代と現代を行ったり来たりする構成。いまどき生まれ変わりとかあまりにもおとぎ話っぽい気はしますが、インドの人々にとってはいまだに身近でロマンをかきたてさせられる素材なのかもしれません。

ラージャマウリ監督作品にはこの翌年に作られた『荒武者キートン』のリメイク『あなたがいてこそ』というのもあります。2010年にひっそりと日本公開されてたのですが、来月横浜のシネマヴェチェントという劇場でリバイバルされるとのこと。うーん、行きたいけどきびしいなあー

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October 16, 2018

ウルトラファイトUSA シェーン・ブラック 『ザ・プレデター』

出た出た出た プレデター
出た出た出た プレデタ~~~

…『ダメおやじ』主題歌の節で歌ってください。
昨年のいまごろは『エイリアン』『ブレードランナー』『猿の惑星』とちょっとした懐かしSF祭りだったのですが、今年は彼一人?の独壇場となりました。『ザ・プレデター』、紹介いたします。

特殊部隊のマッケナは任務遂行中謎の生命体「プレデタ―」と遭遇。辛くも撃退するが、事件を闇に葬りたい政府はマッケナを拘束しようとする。彼は政府の追っ手から逃れて姿をくらまし、世間に公表するために証拠品となるプレデターの装備を秘密裏に妻子の元に送った。だがマッケナの息子がそれを起動させてしまったために、別のプレデターが信号を追ってやって来る。マッケナは家族を守るため、居合わせた軍のはみ出し者5人とプレデターに立ち向かう。

ちなみにこれまでの作品をおさらいすると
プレデター→プレデター2→(エイリアンVSプレデター)→(エイリアンVSプレデター2)→プレデターズ→ザ・プレデターとタイトルがシンプルすぎてなかなか順番がわかりにくいシリーズになっています。こうして概観すると別の惑星が舞台だったプレデターズが異色作みたいに思えてきます。

さて、わたしも実は「2」だけ観てないのですが、このシリーズには少し変わったところがありまして。プレデターさんが宇宙人だからヘンテコ(だけどかっこいい)なのはともかくとして、相手をする地球人側もちょっと変な人が多いんですね。普通人間同士とか自然動物相手ならともかく、宇宙人には格闘ファイトとか燃やさないものです。バキだってまだ宇宙人とは戦ってないんだし。でもプレデターシリーズに出てくる男たちはメラメラとファイティング・スピリッツを燃やしちゃうんですよね。「なんかあいつは勝負したくなる気を起こさせるんですよ…」(『スラムダンク』より) そんな桜木花道みたいな宇宙人なんですね、プレデターさんは。

最近のモンスターの傾向として『MEG』や『ランペイジ』など「でかけりゃいい」みたいな流れがあり、今回プレデターさんもその影響を受けております。」ただ彼の場合は一応人間が格闘できるサイズということで常人の2倍くらいの大きさにとどめられておりました。
あと独特な点といえばこれまでプレデターさんは趣味か伝統で人間狩りを行ってるとしか思えなかったんですが、『ザ・プレデター』ではわざわざ地球へやって来るのにもっともらしい理由が付けたされました。それがらしくなかったせいか、古参のファンの間では賛否両論が激突することになったり。わたしはそれほどプレさんに思い入れがある方でもないので、「面白ければ(かっこよければ)いいんじゃない」というスタンスです。

あともう一点書いておきたいのがプレデターさんが飼いならしてる宇宙犬、通称「プレデター犬」が大変かわいいです。見た目グログロなんですが、なついてくると逆にそれがアクセントになってとてもチャーミングでした。映画では途中でフェードアウトしてしまいましたが、あのあとどうなったのか少々気になります。優しい飼い主さんに拾われてるとよいのですが。

プレデターさんって洋もの宇宙人では「一番手(エイリアン)にはどうしても勝てない永遠の二番手」って印象なんですよね。そういうところがドナルドダックとダブって見えてきます。いつの日かトップを掴み取るために、これからもがんばってください! プレデターさん!!

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October 15, 2018

サメっ子メグちゃん スティーブ・オルテン ジョン・タートルトーブ 『MEG ザ・モンスター』

魚だなんて思ったら 大間違いよ モンスター
2つのヤバい大顎は 何でも喰える証拠なの
味付けなんかはしなくても あなたは私のもう胃中
背ビレを波間に浮かべたら ステイサムだってイチコロよ
サメっ子メグは(×2) あなたを地獄に ひきずり込む(×2)

本日は日米ともにナンバー1ヒットを達成したサメ映画『MEG ザ・モンスター』をご紹介します。

かつて謎の現象により潜水艦からクルーを救出できなかった救命士のテイラーは、タイで酒浸りの日々を送っていた。そんな折上海の海上に作られた巨大研究施設「マナ・ワン」近くの海底で再び同じ事態が起き、テイラーは出動を要請される。潜水艦を襲った謎の現象の正体、それは古代より未知の海域で生き延びていた巨大ザメ・メガロドン(略してメグちゃん)だった…

レンタル店の片隅で最近やけに幅を利かせてるサメ映画。シャークトパスにシャークネードにダブルヘッドジョーズにメガシャーク… 大抵は低予算の弱小会社が作ったネタ映画で、近年ちゃんとしたものといえば『ロスト・バケーション』くらいしか思い当りません。でもこんだけいっぱい作られてるということは、それなりに愛好家がおられるのでしょう。

で、今回の『MEG』 さんですが、ステイサム主演でちゃんとした原作があり、ワーナーブラザーズ製作ですのでDVDスルーなサメ映画たちとは一線を画しております。
悲痛なプロローグに、心に傷を抱えた主人公、自分を犠牲にしても仲間を救うクルー…となかなか重厚なストーリーになっており、サメ映画にしてはしっかりしてるな…と思いつつもちょっとさびしくもありました。
ところが後半に向かうにつれこれがどんどんバカ映画になっていき、その暴走ぶりに唖然としました。
「潜水艇の操縦士じゃステイサムなのに格闘戦できないね」とか「サメ映画だけどビーチではしゃぐビキニのお姉さんとか出て来なさそうね」とか思いながら観てましたが、その辺の要望?は終盤きっちりかなえていただきました。

そんなわけでそれなりに楽しい映画なんですけど色々と強引なところもあり、結局サメとステイサムで押し切られた感がなくもありません。わからないのはそんな無茶映画が本国で初登場1位となりそれまでのサメ映画史上最高収益を記録してしまったことです。なぜ??? やっぱりアメリカの人たちはそんなにもサメが好きなの???? なんで????? 世の中には深海よりもまだまだ不思議なことがたくさんあるようです。ちなみに洋画がそれほど勢いがなくなった日本でも初週はトップでした。なんで???????

わたくし個人のツボとしては海底世界のビジュアルとかエイみたいな形の救出艇。あとやっぱり海のでかい怪獣が出てくるとわくわくするものですね。『ジュラシック・ワールド』新作ではモササウルスの出番が少なかったのでその辺の物足りなさも解消させてもらいました。

ちなみに先日『ほぼ命がけサメ図鑑』なる本が出版され話題を呼んだのですが、その帯のコピーによると「人食いザメは実在しない」んだとか。そういう夢のないことを言ってはいけませんよね。『MEG ザ・モンスター』はたぶん今週いっぱいまで上映中。またしてもギリギリです。

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October 10, 2018

蟻男の逆襲と蜂女 ペイトン・リード 『アントマン&ワスプ』

はっ 気がつけば公開終了間近… 全てのマーベルファンを奈落の底に突き落としたインフィニティ・ウォー。このショックをいやしてくれるのはアメコミ映画きってのお調子者、デッドプールとポールラッドしかいない! というわけでマーベル・シネマティック・ユニバースの記念すべき第20作目『アントマン&ワスプ』をご紹介します。

「シビルウォー事件」でキャプテン・アメリカに手を貸したばっかりに、三年間自宅で軟禁生活を送ることになったアントマンことスコット・ラング。その生活からの解放もようやくあと数日にせまったころ、かつての恋人ホープが彼を連れ出して協力を迫る。目的は量子世界で消息を絶った母のジャネットを救出することだった。そのミッションを達成する鍵が、かつて量子世界に足を踏み入れたスコットの記憶にあるというのだ。手早く手伝って自宅に戻ろうとするスコットだったが、なんでもすり抜けることができる怪人「ゴースト」がなぜか彼らを妨害する。ゴーストは一体何者で何が目的なのか…

またしても閉じ込められてるシーンから始まるのが笑えます。この分だと3作目も(あるならば)監禁状態からスタートしそう。もっとも刑務所と違い自宅軟禁なので、それなりにひきこもりを満喫してるスコットが楽しそうでちょっとうらやましかったです。映画館に行けないのはつらいですけど。

フェイズ3に入って『スパイダーマン』以外は世界の滅亡やら宇宙の危機ばかり扱ってきたMCU。しかし今回は「小さくなれる男」アントマンにふさわしく、ごくごく小規模な、家族周りの範囲で事件が進んでいきます。それがかえって新鮮だったりしました。
またMCUの続編では最近は他作品のヒーローの客演が目立ちましたが、今回はアントマンと新相棒ワスプのみの活躍に焦点を絞っています。
MCUが始まって十年。ようやく原作の初代アベンジャーズ(アイアンマン、ハルク、ソー、アントマン、ワスプ)が全員銀幕デビューできたわけで。おじさんのアメコミファンとしてはなかなか感慨深いものがありました。

アントマンおなじみのモノが大きくなったり小さくなったりするシーンは今回もいっぱいしませてもらいました。ミニカーサイズになって敵をやりすごすカーチェイスや、仕事を選ばないあのキャラの特別出演などなど。いざとなると小さくして携帯できる持ち運び研究室も愉快でしたね。実現できたら旅行の時とか便利そう。私有地に突然家を出したら怒られそうなので、その辺の調査はちゃんとやっておく必要がありますが。

『アントマン』のお楽しみといえばスコットの友人でマイケル・ペーニャ演じるルイスのおしゃべりもあります。近所のおじさん・おばさんのいつ果てるともわからぬおしゃべりはとってもつらいのに、なぜペーニャさんのとりとめもないお話はいつまでも聞いていたくなるのでしょう。ペーニャさんの出演作もそれなりに観ていますが、このアントマン2作が最も彼のはまり役のような気がします。

そして独特の量子世界のビジュアルが今回も冴えております。うっかりすると帰ってこれなくなる未知の領域ゆえ、美しいと同時に恐ろしさも感じる世界。それが十分に伝わってくる映像でした。この辺誰も観たことがない世界ゆえ、スタッフには相当のイマジネーションが求められたのではないでしょうか。

『インフィニティ・ウォー』での傷をいやすための鑑賞だったのに、最後の最後で思いっきりかさぶたをはがしてくれる本作品。おまえら… いい加減にしろよ!!!と青筋を立てるところですが、これも『アベンジャーズ』第4作への布石だと信じて許すことにします。おそらくスコットがああなってしまったことと、来春公開予定の『キャプテン・マーベル』の存在がおそらくサノス打倒の切り札となるのでは。ただこれも推測の域を出るものではないので、あああ~~~ も~~~ はやく続き見せてほし~~~ そしてさっさとサブタイトル明かしてほしい~~~ マーベル&ディ○ニーさん… あんたらも相当あこぎな会社やねえ!!??

まあじっと待ってれば意外とあっという間に感じられるかもしれません。とりあえずMCU次回作の『キャプテン・マーベル』は来年3月に、次々作の『アベンジャーズ』4作目はその2か月後に全米公開予定です。あと今年は違うマーベルの『ヴェノム』も来月公開。アメコミ映画の快進撃は続きます。

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October 07, 2018

ポノック3本勝負 『小さな英雄 カニとタマゴと透明人間』

8月に観た映画の感想もこれでようやく最後の1本… スタジオジブリのあとを継ぐべく作られたスタジオポノックが、昨年の『メアリと魔女の花』に続いて送る第二弾。『小さな英雄 カニとタマゴと透明人間』をいまごろ紹介いたします。ポノックが誇る実力派作家3人によるオムニバス映画でございます。

一本目は『カニーニとカニーノ』。3人の中では最もメジャーな米林宏昌監督作品。カニの兄妹の小さな冒険を描いたお話で、宮沢賢治の『やまなし』にアクションを組み込んだようなアニメ。川辺の背景が美しかったり、捕食動物が半端なく恐ろしかったり、短い時間の中でもいろいろ光るものがありました。さすがは安定の米林さんであります。

二本目は『サムライエッグ』。タマゴのアレルギーに悩む小学生の日常を切り取った作品。「日常」といってもアレルギーは時として死に至りかねないほどの症状を引き起こすこともあり、毎日が危険と隣り合わせなわけであります。決してくらい話ではないのですが、そんなアレルギーの苦しみを体感させるような美術・演出はインパクトがありました。

三本目は『透明人間』。存在感が薄いあまり誰の目にも見えなくなってしまった青年のピンチと奮闘の物語。透明なだけでなく体重も異常に軽いため、常に重しの消火器を携行しなくてはならない…という設定も気の毒ながら笑えました。青年がうっかり重しを手放してしまったため、ふわふわと際限なく上空へ浮かんでいってしまうシーンなどは夢で時々みることがあるため、軽いデジャブを覚えたりしました。

3作品とも発想・題材・美術ともにひかれるものがありましたが、惜しいのはやっぱり「短い」ということ。まったく違う種類のアニメをオムニバスで…という企画は冒険してていんですけど、全部合計しても一時間に満たないとどうしても「物足りない」という感が否めません。特に最後の『透明人間』はもう20分ほど延ばしてじっくり見せてほしかった。去年『メアリ』をやったばっかりであまり時間が取れなかったのでしょうか…

というわけでこの「ポノック短編劇場」、続けるのであれば次回はせめて1時間半か2時間くらいの尺でお願いしたいところです。ジブリもまた復活するようですけど、某御大が亡くなったらまたそこで終了だと思うので、ポノックにはアニメ映画を盛り上げるためにがんばってほしいのでした。ファイト! 3発!!

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October 05, 2018

萌える! お姉さん! 森見登美彦 石田祐康 『ペンギン・ハイウェイ』

アオヤマくんは子供にしては珍しい研究者肌の小学4年生。日々疑問に感じたことをノートにまとめては丁寧に調査・考察を繰り返していた。そして彼がとりわけひかれているのは、歯科医につとめているやさしいグラマラスなお姉さんについてのことであった。ある日アオヤマ君の街に南半球にしか棲息していないはずのアデリーペンギンが大量に出現するという事態が起きる。さっそく原因究明に乗り出したアオヤマ君は、調査の途中でペンギンとお姉さんに奇妙なつながりがあることを発見する。

夏は時期的にアニメ映画をよく観るのですが、この『ペンギン・ハイウェイ』もそのうちの一本。予告でお姉さんが投げた缶ジュースがうにゅうにゅっとペンギンに変身する映像を見てあっけにとられてしまいまして。アオヤマ君じゃないですけどその現象の謎をとくべく鑑賞いたしました。あと自分、ペンギン好きなもんで。映画に出てくるペンギンといえば大抵は皇帝ペンギンで、アデリーペンギンにスポットがあてられることってあまりないので、これは観ねばと思いました。
で、果たして怪現象になぜペンギンが関わってくるのか、納得のいく理由があったかというとこれがよくわかりませんでした(笑) わたしの頭が悪いのか、それとも重要なセリフを聞きのがしたか。でも無数のペンギンがわらわら動いている絵に大変ほんわかしてしまったので、その辺は適当でもよしとします。あとEDに宇多田ヒカルの歌が流れるとなんとなく「まあいいか」という気分になってしまうものです。

この映画の魅力は主人公のアオヤマくんとお姉さんに負うところも大きいですね。アオヤマくんはなかなかかわいげのないお子様ではありますが、興味のあるテーマにぶつかる時は実に子供らしいいい顔を見せます。一方でいじめっ子の攻撃や同級生の女子のアプローチにはクールな態度を崩さず、小学生のくせにいちいちかっこいい野郎だな、と思いました。
そんなアオヤマ君が慕っているのが謎多き歯科医のお姉さん。ちょっとおっぱいが強調されてるところがネットでは議論を呼んだりしておりました。おっぱいの是非はともかくとして、少年が短い間年上の女性に淡い思いを抱き、その出会いを通じて成長する…みたいな話は『銀河鉄道999』みたいでなかなかツボでした。声を当てているのは蒼井優さんですが、前にやはり声優を担当された『鉄コン筋クリート』で「おっぱいぼい~~~ん」というセリフがあったことをここに記しておきます。

余談ですが西原理恵子先生のエッセイ漫画によると、高知では昔普通に野良のペンギンがその辺をうろついていたそうで。遠洋漁業に出てたおっさんたちが法律のことも知らずお土産に持ち帰ったりしてたんだとか。いまあちらの水族館にいるペンギンたちはその末裔なんだそうです。映画を観ながらそんな話を思い出したりしてました。

今夏の日本アニメ映画はこれと『未来のミライ』のほかにもう一本『小さな英雄 カニと卵と透明人間』も観ました。次回はそれについて。あとペンギン映画では現在名作ドキュメンタリー『皇帝ペンギン』の続編、『皇帝ペンギン ただいま』も細々と公開中です。

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October 02, 2018

若死神は高校生! 久保帯人 佐藤信介 『BLEACH』

成仏できなかった霊が暴走し、怪物となった「虚(ホロウ)」。喧嘩っ早い高校生、黒崎一護は子供のころから霊や虚が見える能力を持っていた。ある時虚に襲われた一護は、「死神」と名乗る少女、朽木ルキアに命を救われる。だがそれが原因でルキアは虚を倒す死神としての力を失ってしまう。責任を感じた一護は彼女を助けて共に死神を退治するため、死神になるための特訓を始めるのだが…

本日はもうとっくに終わってる実写映画版『BLEACH』を紹介いたします。原作とアニメ版はところどころつまみ食いしておりました。なんというか、『幽々白書』と『聖闘士星矢』をまぜあわせてもっとお洒落にしたような漫画だと思いました。死にかけた主人公が異界の存在に超常の力を与えられるというところは『ウルトラマン』とも似てます。原作は一昨年に15年に及んだ連載が完結。いってみればブームが一旦収束してからの実写映画化となりました。

原作の大したファンでもないわたしがこの映画を観ようと思ったのは、監督が『アイアムア・ヒーロー』『いぬやしき』の佐藤信介監督だったから。ここのところ現実離れしたアクションの秀作をよく手掛けていて、海外でも評価の高い佐藤監督。最初の予告こそすごく力が抜けてそうな感じでしたが、きっと何か大したものを見せてくれるだろうと期待しておりました。
実際どうだったかとういうと、中盤すぎくらいまではアクションもストーリーも「ま、それなりにあれですね…」という感じでしたが、クライマックスの一護VS恋次の戦いは盛り上げ方、スピード、迫力どれをとっても申し分ないものでした。この部分だけでサービスデーの料金くらいの価値は十分にありました。
いまツイッターをにぎわしてる映画紹介漫画に『邦キチ! 映子さん』というのがあるのですが、そちらの評の言葉を借りるなら「かつてない駅前ロータリー映画」でありました。普段見慣れてるなんてことない駅前ロータリーがすごくクローズアップされてて、これでもかというくらい執拗にぶっこわされます。駅前ロータリーのファンならぜひとも見ていただきたい(そんな人がいるならば)。

映画はそれなりにキリよく終わっているのですが、黒崎君にとってはちょっとほろ苦い結末だったので、おそらくは名誉挽回的な続編を念頭において作られたのだと思います。ですが正直あまりぱっとしない興行成績でしたので、これ1本しか作られない気配が濃厚です。
ここ3,4年少年ジャンプ原作で作られた映画というと『バクマン』『変態仮面』『ジョジョの奇妙な冒険』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』などがありましたが、『銀魂』以外は大して売れてないのが現状です。漫画実写化の難しさを改めて痛感するとともに、なぜ『銀魂』だけが成功したのかが謎です。先にあげたうち3作を福田雄一が手掛けているのも謎です。

まあ佐藤監督にはこれにめげずにひきつづきSFアクションを究めていっていただければと。DVDは今年末発売だそうです。

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