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October 23, 2018

サラリーマン×プー太郎 A・A・ミルン マーク・フォースター 『プーと大人になった僕』

『パディントン2』『ガーディアンズ』『ブリグズビー・ベア』と昨年から熊系の傑作映画が続いていますが、ここに来て天下のディズニーが世界で最も有名な熊キャラの実写映画を発表いたしました。『プーと大人になった僕』、ご紹介いたします。

クリストファー・ロビン少年と喋る熊のプーさんは大の仲良し。二人は森の仲間たちといつも一緒に遊んでいたが、やがてクリストファーが寄宿学校に入るため別れなければならなかった。やがてクリストファーは成長し、結婚、戦争を経てカチコチのサラリーマンになってしまう。ある時仕事に息づまりベンチでうなだれている彼の前に現れたのは、子供のころと変わっていない「くまのプーさん」だった。

プーさんといえば日本でも誰とて知らないものはいない超メジャーなキャラでありますが、正直自分は「プーさんのハニーハント」に一回乗ったくらいのなじみしかありません。周囲にわらわらいる動物はティガーくらいしか知らなかったんですけど、今回ようやく他の連中の名前も覚えることができました。

童話系の実写映画というと今年は先にもあげた『パディントン』や、『ピーターラビット』がありましたが、プーさんが彼らと違ってなんかぬいぐるみとしてのイメージが強いせいか、動くとなんか怖い。デザイン的にもチェコの前衛アニメ作家・シュバンクマイエルの作品に出てきそうな感じでちょっと不気味なムードが漂っていました。が、それも最初のうちだけで観ているうちにだんだんとかわいく見えてきます(たぶん)。

最近ディズニーは過去の名作の実写化に力を入れてますよね。『シンデレラ』に『ジャングル・ブック』に『美女と野獣』、これからも『アラジン』や『ダンボ』が待機してます。『マレフィセント』を除けばどれも原典にほぼ忠実な実写化となっていましたが、この『プーと大人になった僕』にかんしては相当な変化球…独自のアフターストーリー…で挑んできました。ツイッターではみんな「これ『劇画オバQ』じゃん」とか言ってました。『劇画オバQ』とはそんなに誰でも知ってる作品であったのか…? それはさておき、やや皮肉っぽかった『劇画オバQ』と比べると、こちらの方は監督の人の好さゆえか普通にハートウォーミングなストーリーになっています。
わたしが特にほっこりしたのはロビンさんちご家族の包容力の広さですね。お父さんもお母さんも娘さんも心の中でストレスを抱えているのですが、だからといってそれを人やクマにぶつけたりはしない。ロビンさんも一回だけ切れてましたが、相当切羽詰まった状況にありながら、それでも一生懸命旧友の面倒を見ます。演じるは昨年の『T2 トレインスポッティング』が記憶に新しいユアン・マクレガー。あっちでは相当ダメな大人でしたがやればできるじゃねえか!と思いました。

この映画で特につきささるのは会社の書類を大事そうに抱えてるロビンに対して、「それは風船よりも大事なものなの?」と問うプーさんのセリフ。うん、そうだよね… わたしも正直仕事とかよりガンプラやアメコミフィギュアの方が大事だよ…!!!!
あとディズニー関連では数秒だけプーさんが出てきた『ウォルト・ディズニーの約束』を思い出したりしました。こちらにも仕事で追いつめられたお父さんが出てくるのですが、実話だけにけっこう辛い話だったりしてね…

やっぱり仕事なんかはほどほどでいいんじゃないですかね。楽してお金が稼げたらなあ~ってなんでそんな話になってしまうんでしょう。ともあれプーさんにいろいろ気づかせてもらい感謝でした。

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Comments

伍一くん☆
プーさんの造形に私もポスター見たときは、違うだろ!?ってちょっと不気味さの方が勝っちゃってましたが、映画始まったらもう3秒で泣いちゃって、そんな事全く気にならなくなりました。
むしろ、ヨレヨレのかんじとか最高にぬいぐるみっぽくてそれが良かったデス。

Posted by: ノルウェーまだ~む | November 05, 2018 at 12:22 AM

>ノルウェーまだ~むさん

まあ冷静に考えたらぬいぐるみが勝手に歩くってホラーですよねw チャッキーじゃないんだから。プーさんに狂気が宿ったりしてなくて本当によかったです。
よれよれのぬいぐるみと言えば『A.I.』に出てきた熊人形もよかったなー

Posted by: SGA屋伍一 | November 05, 2018 at 10:09 PM

名前だけの連想なんですが、クリストファー・ロビンの職業がバットマンの相棒だったら面白いのになと思いました。バットマンの会社はともかく、バットマン自身は会社やって慈善活動やってヒーローやってって絶対ブラックでしょ。ヒーローに付きあうサポートの人も何かブラックに付きあわされる気がしてならない。

あー、でも、コミックの系列が違うんだな。同じ黒いヒーローだからブラック・パンサーの秘書とかに就職させるか。それもブラックっぽいな。

Posted by: ふじき78 | November 07, 2018 at 12:30 PM

>ふじき78さん

そういえば『ダークナイト』の監督クリストファー(・ノーラン)でしたね。やけにアメコミっぽい名前…
ロビンは大抵殉職しちゃうので七曲署なみにブラックです。まあすぐ生き返るんですけど

Posted by: SGA屋伍一 | November 07, 2018 at 09:45 PM

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