恐竜屋敷の恐怖 J・A・バヨナ 『ジュラシック・ワールド 炎の王国』
良い子の皆様、夏休みの宿題は終わりましたでしょうか。本日は今年の夏休み洋画で一番儲けたであろう『ジュラシック・ワールド 炎の王国』をご紹介します。前作の記事はコチラ。
ジュラシックワールドの惨劇から数年。恐竜たちが残された島が火山活動で今にも壊滅するという知らせをクレアは聞く。若い資産家の援助を取り付けた彼女は、元恋人でラプトル「ブルー」の親でもあるオーウェンと共に恐竜たちを救出すべく、かの地を再び訪れるのだが…
このシリーズもいつの間にやら5作目。前半こそいつものジュラシック・パニック映画なのですが、後半に入ると意表をついた展開を見せ始めます(以下バンバンネタバレしていくのでご了承ください)
監督は『永遠のこどもたち』『怪物はささやく』などのJ・A・バヨナ。どちらかというとこぢんまりとした物悲しいムードを得意とする作家で、就任が決まったと聞いたとき「彼にはあんまり合ってないんじゃ」と思いました。ですが中盤を過ぎたあたりからはどんどんジュラシックシリーズを強引に自分色に染め上げていきます。
ハリウッドの大作を任されると個性が骨抜きにされてしまう例が多い中で、大したものでありました。
ただこの後半の展開、本国では意見が割れてるそうで。広大な屋敷の屋内で恐竜どもが暴れまわるというコンセプト、確かにいままでなかったアイデアでそこは誉めてさしあげたい。けれどせっかくの巨大生物が広いとはいえ家の中に押し込められているようで、少々ダイナミックさに欠けたのは確かです。わたし個人はといえばやはり窮屈さは感じましたが、目新しい演出に弱い上にそれなりに面白くはあったので、「よし!」といたしました。
あとこのシリーズは特に必然性もないのに決まってお話に子供をからめますよね。恐竜好きな低年齢層のお子さんたちを映画館に呼び寄せるためでしょうか。本当にちっちゃい子がスクリーンでT-REXのお食事シーンとか見たら確実にトラウマになるかと思いますけど。
ただ今回に限ってはかわいそうな親子話を得意とするバヨナさんの資質が、この「お約束」とぴったりマッチ。偶然なのか狙っての起用だったのか、最初「なんで彼が」と思っていたことを謝罪いたします。
クライマックスでさらに思い切ったことをやってくれちゃった『炎の王国』。次作は再びコリン・トレボロウにメガホンを戻し新三部作の集大成とするようですが、いったいどのように収拾をつけるのか… ちょっときなくさい予感もしますが3年後の完結編を楽しみに待ちたいと思います。
『ジュラシック・ワールド 炎の王国』はまだまだ全国の映画館で公開中。やっぱり夏は恐竜が強い…
Comments
伍一くん☆
次回作は3年後ですか…
既に製作は始動しているのかもしれないけれど、それなりに頭を抱えているのかもね(笑)
私もお邸のシーンは「よし!」派です。
Posted by: ノルウェーまだ~む | September 08, 2018 10:14 PM
>ノルウェーまだ~むさん
もうオーウェンとクレアだけの手におえるレベルじゃなくなっちゃいましたからねえ。それなりのアイデアとか構想とかあるとは思いますが7
広いお家だと恐竜も飼えていいですよね。管理が大変そうだけど…
Posted by: SGA屋伍一 | September 11, 2018 09:23 PM
大きな屋敷の中で逃げ回るなら、大きな時計の中に隠れてほしかった。で、お母さんヤギが帰ってきて、寝ている恐竜のお腹から他の七匹の子羊を取り出すと、代わりに石をいっぱい詰めておく。いや、何か違う。
Posted by: ふじき78 | September 17, 2018 01:19 AM
>ふじき78さん
ピクサー版ができたらそんなコンセプトになるかもしれない!!??
Posted by: SGA屋伍一 | September 18, 2018 10:12 PM