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September 11, 2018

妹はお姉さん 細田守 『未来のミライ』

今夏もアニメ映画をよく観ました。今日はそのうちの一本で細田守氏の最新作『未来のミライ』をご紹介します。

くんちゃんはまだ小学校にも上がっていない甘えん坊の男の子。妹のみらいちゃんが生まれてからというもの、両親はそちらにかかりきりで、かまってもらえないくんちゃんは癇癪を起す日々が続いていた。そんなある日くんちゃんは自宅の庭で「王子」と名乗る奇妙な男と出会い、それをきっかけに不思議な体験を繰り返すことになる。

予告から勝手に感動押しの泣けるお話かと予想していたのですが、これまでの細田作品では最も淡々としたストーリーだったように感じました。ちょうどくんちゃんが読んでる絵本によくあるようなパターン。ごく日常的な状況にある子供が、ちょっとだけ非現実的な体験をルーチンのように何回か経験していくというストーリー。ぱっと思い出せる例が『はれ、時々ぶた』と『トイレにいっていいですか』くらいしかないのが辛いところですが。

そしてこれまで以上に細田監督の私小説感が濃厚になったアニメでもあります。ネット等で「『うちの子かわいいでしょ?』という話をえんえんと見せつけられてるようできつい」という意見がありましたが、わたしはそうは感じませんでした。くんちゃんは時折かわいくて健気な一面も見せますが、基本的にはダダとわがままをこねまくるなかなか手ごわい男児です。でもまあ大抵の子供というのはそういうもんじゃないでしょうか。「育児って大変だな…」ということが未経験の者にもよく伝わって来ました。あと妹が生まれたばかりの時、すぐに機嫌を損ねる様子がわたしの上の姪とかなりおんなじでそのことを思い出してにんまりいたしました。

ただやっぱり細田監督や夏アニメには壮大な冒険とか切ないお別れとかを期待してしまうもので、その点ではちょっと物足りなかったかな… 今回はいいですけど次はもうちょっと細田さんのご家庭から飛躍した話が観たいものです(えらそう)。
個人的に気に入ったのはくんちゃんちにおける犬「ユッコ」の扱いとか。その家に子供が生まれた途端一番かわいい存在ではなくなってしまう…という例、いかにもありそうですよね。大島弓子先生の『綿の国星』にもそんなエピソードがありました。
あと前作からキャラデザが貞本義久さんでなくなってるんですけど、絵はおんなじだったりします。そんな貞本そっくり絵で描かれるイケメンが男のわたしでもドキッとするような色気を放っておりました。

日本テレビその他から「ポスト宮崎駿」として期待されている細田さん。先の言葉と矛盾するようですが、本人はあんまりそんなこと気にしなくてのびのびと自分のやりたいことをやってる様子で、いいなと思いました。『未来のミライ』はまだたぶん上映中。あと1週くらいでしょうか

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Comments

じゃあ、次はキャラとキャストは同じで冒険編で。

大きくなったクンちゃんとミライちゃんはあの不思議な庭でタイム・スリップ。昔のお父さんとお母さんに出あい、それぞれが惚れられてしまう。いかん、早く未来に帰らないと! あれ、どこかで聞いたような?

Posted by: ふじき78 | September 18, 2018 at 10:48 PM

>ふじき78さん

3作目ではくんちゃんが西部劇の時代でカスカベボーイズみたいな活躍をするわけですね。わかります

Posted by: SGA屋伍一 | September 24, 2018 at 08:56 PM

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