« 死霊のうらがわ 上田慎一郎 『カメラを止めるな!』 | Main | 落下の王様 クリストファー・マッカリー 『ミッション・インポッシブル フォールアウト』 »

September 24, 2018

家族はつよいよ2 ブラッド・バード 『インクレディブル・ファミリー』

あの1作目から14年… わたしはだいぶ年を取りましたが、彼らはあの時と変わらず帰ってやがり参りました。『インクレディブル・ファミリー』、ご紹介します。

いろいろあって家族の絆を取り戻したパー家。だが世間では変わらずヒーロー活動は禁止されていて、彼らにとっては肩身の狭い日々が続いていた。そんな折、ある資産家がパー夫妻にヒーローが再び表舞台に立てるための計画に協力してほしいと申し出る。考えた末にそのプロジェクトに乗ったボブたち。とりあえずいろんな意味で柔軟なパー夫人が秘密裏にレスキュー活動を行うことになる。そして家の留守を任されたボブは、いくつもの能力を持つ末っ子ジャック・ジャックの世話に手を焼かされることに…

モンスターズ~にファインディング~にカーズと、2作目は1作目のわき役が中心になることが多いピクサー作品。今回もイラスティ・ガールことパー夫人をメインに持ってきています。近年ますます女性の社会進出が顕著になってきている世界情勢を、如実に反映した内容となっていました。
三児のお母さんがスーパーヒーローの映画って果たして面白いのか?という疑問がわく人もいるかと思われますが、これがなかなかに楽しい。ゴム人間といえば『ワンピース』のルフィや『ファンタスティック・フォー』のリードがいますが、最新のCGアニメで描かれたゴムアクションはさらにそれらの上をいっておりました。
そしてイラスティ・ガールさんですが、かっこよくもあり、ほのかなお色気もあり、そして家に帰ると家庭的な奥さんという、熟女好きにはたまらないキャラでありました。出番が増えた分、前作より魅力も大幅にアップしております。

ただ観ていて心配になるのは、最近のディズニー、ピクサーには「人当たりのいい権力者、パトロンは信用してはいけない」という法則があること。この作品にもいかにもそんな登場人物が出てきます。こいつ絶対裏切るだろうな~と決めつけながら鑑賞しておりましたが、実際はどうだったかというと… 一応伏せておきましょう(笑)

先に公開された『未来のミライ』と同じく「育児」が重要な要素になってるところも興味深かったです。くんちゃんは普通の人間の子供でしたが、ジャック・ジャックは光線を放つし炎は吐くしでこんなベビーの面倒を見ていたら命がいくつあっても足りません。加えて長女の思春期の悩みや長男の難しそうな宿題まで取り組まなければならないのですから、スーパーヒーローのボブさんといえ、どんどん憔悴していくのはやむなきこと。スーパーヴィランに立ち向かうのと同じくらい、家事・育児は大変ということなんでしょうね。わたしは子供いませんけど全国のお父さん・お母さん、まことにお疲れ様であります。

さて、この作品ヒーロー映画的にはなかなか危ないテーマにも挑んでいます。それは「ピンチの際にはヒーローに頼るべきか? それとも自分で解決すべきか?」というもの。実際にヒーローはいませんが警察や救急におきかえて考えることもできるでしょう。わたしとしては普通にケース・バイ・ケースだと思うのですが、この映画はその辺投げっぱなしで終わってしまいました。観客一人一人で考えてくださいってことなんでしょうかね。

もうひとつ特筆すべきことをあげると、『ミッション・インポッシブル』シリーズを手がけたマイケル・ジアッチーノの音楽がレトロ調でめちゃめちゃ渋かっこいいこと。Mr.インクレディブル、イラスティ・ガール、フロゾンには専用のテーマがあるのですが、これらがまた無駄にオシャレで決まりまくっておりました。本年度の映画音楽ベスト1に選びたいくらいです。

お母さんが大暴れしてヒーローが育児に励むこの映画、果たして一般受けするのかと思いましたが、世界でも日本でもけっこうなヒットを飛ばしているようで、不思議なものであります。よかったね、ブラッド・バード!

|

« 死霊のうらがわ 上田慎一郎 『カメラを止めるな!』 | Main | 落下の王様 クリストファー・マッカリー 『ミッション・インポッシブル フォールアウト』 »

Comments

そう言えば、クンちゃんとミライちゃんみたいなしこりがダッシュとジャックジャックの間にはないんですよね「ダッシュくんジャックジャックのこと好きくない」みたいな。やっぱり年が離れてると違うんでしょうね。
ヴァイオレットとダッシュの時にはあったぽくって面白そう。未来から来た青年ダッシュが小さなヴァイオレットに蜂ゲームやったら警察に捕まってダッシュは一生牢屋で暮らしました、みたいな(蜂ゲームは女の子にやっちゃいかん)。

Posted by: ふじき78 | September 24, 2018 at 10:18 PM

>ふじき78さん

ああ、蜂ゲームありましたね… 男性側が幼児だからこそ許されるみたいなゲーム…
奪取はああいうジェラシーとかまったくなくていい子でしたね。たぶんバカだからだと思うんですが。バカには善人(おひとよし)が多いということで

Posted by: SGA屋伍一 | September 26, 2018 at 10:20 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70832/67203794

Listed below are links to weblogs that reference 家族はつよいよ2 ブラッド・バード 『インクレディブル・ファミリー』:

» 『インクレディブル・ファミリー』『縄文にハマる人々』『ジュラシック・ワールド』『オーシャンズ8』『カメラを止めるな!』 [ふじき78の死屍累々映画日記・第二章]
摘まんで5本まとめてレビュー。 ◆『インクレディブル・ファミリー』トーホーシネマズ渋谷5 ▲常にイライラしてるヴァイオレットが可愛い。 五つ星評価で【★★★★あーもー無茶苦茶面白かった】 こー、すっかり時間の間、浮世を忘れて没頭できるのがえーわー。 俺ヴァイオレットが美人すぎないし、どっちかって言うと外見が冴えない所に心惹かれる(異常か?)。長いエンドロールも金管がとて...... [Read More]

Tracked on September 24, 2018 at 10:18 PM

» 『インクレディブル・ファミリー』 世界は女で回ってる [映画のブログ]
 【ネタバレ注意】  2004年公開の『Mr.インクレディブル』は、スパイアクションの傑作だった。ジョン・バリーが音楽を手がけた頃の007シリーズ、その音楽にそっくりな曲に乗せて、アクションと秘密兵器をてんこ盛りにした映画だった。  ちょうど本家007シリーズの空白期間に公開されたこともあり(『007/ダイ・アナザー・デイ』を最後にピアース・ブロスナンがジェームズ・ボンド役のシリーズ...... [Read More]

Tracked on September 28, 2018 at 09:08 PM

» インクレディブル・ファミリー [銀幕大帝αTB受付]
TBはここにお願い致します。 [Read More]

Tracked on November 23, 2018 at 01:41 PM

« 死霊のうらがわ 上田慎一郎 『カメラを止めるな!』 | Main | 落下の王様 クリストファー・マッカリー 『ミッション・インポッシブル フォールアウト』 »