プリズン・ブレイキング・バッド シドニー・シビリア 『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』
シネコンの普及で地方でも観られる映画の選択肢はぐんと増えましたが、それでもヨーロッパ映画なんかはあまり入って来ないもの。ただ先日珍しく一風変わったイタリア映画が流れて来たので、これはチェックせねばと鑑賞してまいりました(1ヶ月以上前の話ですが…)。『いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち』、ご紹介します。
大学を追われた研究者のピエトロは、金を稼ぐため仲間の教授たちと語らって違法薬物の密造に手を出す。色々あって結局警察に捕まってしまった彼らだったが、野心家の女警部がピエトロたちの知識を麻薬組織の摘発に利用することを思いつく。犯罪者から警察のスパイへ。奇妙な教授たちは180度立場を変えて再び夜の街で大騒動を繰り広げる。
実はこの映画『いつだってやめられる 7人の危ない教授たち』という作品の続編にあたります。そちらの方は都市部の2,3館で細々と特集上映されただけだったので、さすがに観に行けませんでした。どうせなら1作目からちゃんと見たかった…とは思いましたが、まあサイトのあらすじとかそれなりの想像力で前日談の内容はだいたい把握することができました。
やっぱり面白いのは主人公が「研究者たちのチーム」というところ。みなそれぞれその道の第一人者なんだから当然頭がいいはずなのに、やることなすこと抜けてたり危なっかしかったり。勉強ができるからといって、上手に波風立てずに生きていけるわけではない…ということを改めて教えられました。ひとつの才能が突出しすぎてるあまり、他の面(人格など)が大きく欠けてたりとかね。しかしそんな連中のハイテンションな暴れっぷりというのは観ていて至極痛快だったりします。
イタリア映画というとかつてはマカロニ・ウェスタンとか残酷ホラーなどを量産していたのに、近頃評判を呼んでるのは大抵社会派ドラマとか人情ものなど。この映画もちょびっと社会問題を提起ししてるようなところがありますが、普通にドタバタ喜劇として楽しめる作品。こういうあちらのコメディがもっと色々あるのなら、ほかの作品もぜひ観てみたいものです。
あとイタリア男というとキザで女性と見れば片っ端からナンパする…というイメージがありますが、本作品を観るとそんな男ばっかりでもないことがわかります。というかトルナトーレの諸作や『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』『ベニスに死す』『人生、ここにあり!』などを観ると、どちらかといえばナンパ男より不器用で一途な純情野郎の方が多い気がします。なんにせよ偏見はよくないですね。話が横道にそれてますね。
腹を抱えてなかなか楽しませていただいた『いつだってやめられる 10人に怒れる教授たち』でしたが、ラストに限ってはそりゃあひどい映画でした。ぶっちゃけちゃうと思いきり「第3作に続く!」というものです。しかも非常に切れの悪いところで。なんじゃあこりゃあ!!
幸いにも3作目『いつだってやめられる 戦う名誉教授たち』は11月から日本公開が決定しております。2作目がかかったんだから、その次も当然こちらでやるよな… 配給さん&映画館さん、信じてますから。
Comments