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August 28, 2018

デ・ニーロ・イン・コリア チャン・フン 『タクシー運転手 約束は海を越えて』

S0175f41bもう大体公開が終わってしまった紹介シリーズ第3弾。本日は2017年韓国においてNo.1ヒットとなった『タクシー運転手 約束は海を越えて』、参ります。

1980年。ソウルで娘と貧しく暮らしていたタクシー運転手のキム・マンソプは、光州まで連れて行ってくれれば大金を払うという外国人客の話を聞き、なんとかその仕事を取り付ける。だがマンソプは知らなかった。その時光州は軍部に掌握されていて、これからまさに大きな惨劇が始まろうとしていることに。

当時わたくしは3歳。光州事件のことはおろか韓国という国があることもよくわかってませんでした。というか、40過ぎてようやくそんな悲劇があったことを知りました。そんなわけでいろいろ勉強させていただいたこの映画には感謝しています。

光州を抑えていた軍閥は地域一帯を封鎖し、反抗する住民たちを容赦なく虐げていたのですが、外部には「テロが起きていてこちらが襲われている」なんて報道しておりました。そしてそれをすんなり信じてしまう韓国国民。ネットが発達し簡単に動画を配信できる現代では不可能なことだと思いますけど、それともやはり世界のインフラが発達してないところでは今もこういうことがあるのでしょうか。マンソプが乗せる記者ユルゲン・ヒンツペーター氏はその欺瞞を暴くため光州に潜入します。災難なのはそれに付き合わされることになったマンソプさん。

興味深いのはこれが光州だけの事件で、ちょっと走ったソウルでは普通にのどかな暮らしが営まれていたということです。わが国でいうなら地方のどっかの県に突如として独裁政府が誕生し、周囲と交流が断絶してしまうようなものでしょうか。果たしてどうしてそんなことになってしまったのかは、調べが足りないためによくわかりません。

ともあれ、序盤はのんびりまったりしている昔のソウルから始まるので、山崎監督の『ALWAYS』みたいな雰囲気が漂っております。マンソプを演じるソン・ガンホ氏のキャラがまたユーモラスでのんびりムードに拍車を駆けます。しかしそのムードは光州に入ると徐々に緊張感を増し、ついには血みどろの銃撃シーンへと突入してしまったので顔色を失いました。マンソプさんとユルゲンさんは生きるか死ぬかの脱出行をせまられることになります。本当に前半と後半でこんなに空気が一転してしまう映画は『ライフ・イズ・ビューティフル』以来です。また、そんな凄惨な事態に陥っても、二人を懸命に助けようとする人々の姿には胸を打たれました。

で、頭から実在の事件をモチーフにしたフィクションだと思って観ていたのですが、最後にユルゲンさんはおろか彼を助けたタクシー運転手も本当にいたということを知ってたまげました。さすがにマンソプさんのキャラやクライマックスのあれこれは盛ってると思う(というか、実在した運転手さんの名前はサボクさん)のですが、それにしてもすごい話です。
あと『タクシードライバー』『TAXI』『フィフス・エレメント』などタクシー運転手はちょくちょく映画の題材になるのに、バスや電車の運転手はあんまり主人公になりませんよね。タクシーの方が自由度が高いからなんでしょうけど、ちょっと気の毒です。

『タクシー運転手』のDVDは11月発売。まだもうちょっと先ですか。名画座などでも細々とかかってるので気になった方はチェックされてください。

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August 21, 2018

ディズニー世界の片隅に ショーン・ベイカー 『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

再びの公開が終わってしまった映画シリーズ第二弾。名優ウィレム・デフォーがいろんな助演男優賞を受賞したりノミネートされたりした『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』、ご紹介します。

西海岸はディズニーワールドの近辺にあるモーテル群。そこでは家を持てない貧しい人たちがその場しのぎの生活を続けていた。そんな中でも母親と二人暮らす少女ムーニーは毎日友達と遊んだりいたずらを繰り返したり元気いっぱい。ヤンママっぽい母ヘイリーも共に陽気な日々を送っていたが、やがて生活苦は彼女たちをおいつめていく。

まず副題の「真夏の魔法」というのが謎です。そんなにのんきで都合のよい話ではないのです。魔法っぽいところがあるすればすぐ近くに「夢と魔法の王国」がそびえたってることくらいでしょうか。
「ディズニー施設のある町のひなびた家族の話」ということで自分は『浦安鉄筋家族』みたいなものを想像してましたが、あちらよりは西原理恵子先生の『ぼくんち』に近いかもしれません。劣悪な環境においても子供たちは愉快な仲間がいればいろんなところでお楽しみを見つけていくものです。しかし家計を支えなければいけない大人たちはそう単純なわけにもいきません。ことにそれがシングルマザーの場合は…

いまひとりの主人公であるヘイリーはガラは悪いしすべてが行き当たりばったりだし、子供がそのまま大人になったようなお母さん。正直近くにいたら問題に巻き込まれそうでいやだなあ…とは思いますが、それでも憎めないのはムーニーや近所の子供たちに対する愛情がとても深いものだから。どんなに苦しい境遇にあっても、彼女は決して娘に八つ当たりしたりはしません(ここ大事)。
そんなお母さんに育てられたからか、ムーニーはほとんど泣き顔を見せません。子供というのは本来もっとぎゃあぎゃあ泣くものだと思うのですが、この子は「バカなのかな?」と思えるほどにいつもケラケラ笑っている。だからこそそんなムーニーが一度だけ声をあげて泣きべそをかくシーンには胸が締めつけられるようでした。

このどん詰まりの親子をたしなめたり、さりげなく助けてくれるのが我らの?ウィレム・デフォー。アクション映画ではコワモテになりがちな彼が、人間ドラマではなんとあたたかく心を落ち着かせてくれること。しかしそのあたたかさが親子を救うものになるかといえば、やっぱりその場しのぎにしかならないのがなんともやるせないところでありました。そういう切ない人間模様と、登場人物のアナーキーな暴れっぷりと、ディズニー調のポップな街の背景が独特な印象を残す作品。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』はもう再来月にはDVDが出ます。最近はこのブログ、DVD発売予告屋さんみたいになっちゃってますね…

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August 20, 2018

笑えないホット・ショット ジョセフ・コシンスキー 『オンリー・ザ・ブレイブ』

北米では猛暑期に頻発する大規模な森林火災。消防精鋭部隊「ホットショット」のあるチームを描いた実話に基づく物語『オンリー・ザ・ブレイブ』、ご紹介します。

だいたい2010年くらい。アリゾナ州でマーシュ隊長率いる消防隊は有能ながら融通の利かない制度ゆえにワンランク上の「ホットショット」に昇格できないでいた。そんな彼の隊にある日ブレンダンという若者が入隊してくる。薬物依存を患いながら、子供が生まれたたために一念発起して志願したのだった。最初は冷たい目で見ていた隊員たちも、やがてひたむきにがんばる彼を迎え入れるようになる。

火災を題材にした映画ってそんなにないもんですよね。有名どころでいうと『タワーリング・インフェルノ』や『バック・ドラフト』くらいでしょうか。だもんで実話でしかも山火事がテーマのお話というのはかなり珍しいかと。実際観てみますとわれ我々とは縁遠い大規模な森林火災のいろいろ勉強になります。山火事を消すのには水じゃなくてむしろ燃やすことだとかね。「???」と思われた方は本編をごらんください(もう公開終わっちゃってますけど…)

とは言いながら、そっち方面に別に興味があったわけでもない自分は、当初全然観ようとは思ってませんでした。予告編を見ても普通に「実話版『海猿』」みたいな印象でしたし。それが翻ったのはツイッター上で「とにかく衝撃的」という評判をいっぱい目にしたから。その衝撃とはどんなものなのか確認したくて鑑賞することにしたのでした。

でもね… 実話ベースで「衝撃」と言われちゃうと大体想像ついちゃうんですよね… そしてほぼ想像通りでした… なんというか、「まるで映画みたいな実話だなあ!」というところと、「やっぱり実話は映画のようにはいかんわ…」というところがあります。
この辺むずかしいですね。できたら先入観のない状態で観る方が一番良いのでしょうけど、「衝撃的すぎる」という評判を目にしなければまず自分は観に行かなかったでしょうし。少し前の『レディ・プレイヤー1』にも同じことが言えます。某ロボットが出てくるというのはできれば伏せといてほしかったけど、それを明らかにしないと観に来ない人もいっぱいいるだろうし。宣伝って本当に難しいですね。この辺で誤ったせいで『オンリー・ザ・ブレイブ』の日本公開もこけた感がありますし。

監督は『トロン・レガシー』『オブリビオン』のジョセフ・コシンスキー。SF畑の人という印象がありましたが、地に足の着いた実話ものも出来るということをこの作品で証明されました。
もう一人新境地に挑んだのは『セッション』でのひねくれ役が異彩を放っていたマイルズ・テラー。こちらでは非行から立ち直って成長する好感の持てる若者を巧みに演じておりました。前が前だけに反動でけっこういい人に見えてしまうという「映画版のジャイアン効果」みたいなところがなきにしもあらずですが。
そんでこの二人が組んで今度やるのが『トップガン』の続編だそうで。なんとなく物悲しい~せつな~い『トップガン』になりそうな予感がします。

『オンリー・ザ・ブレイブ』はもう11月にはDVDが出ます。ここまで読んで興味が湧いた奇特な方は秋になったらごらんになってください。

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August 08, 2018

博物館へいこう ブライアン・セルズニック トッド・ヘインズ 『ワンダーストラック』

1wdst先月の「遅れ小規模公開映画」特集第二弾(あと3回くらいあります…)、『ベルベット・ゴールドマイン』や『キャロル』で知られるトッド・ヘインズが、『ヒューゴの不思議な発明』のブライアン・セルズニックのベストセラー小説を映画化。『ワンダーストラック』、ご紹介します。

1977年、母を亡くし、事故で聴力も失ってしまった少年ベンは、まだ見ぬ父の手掛かりを探すために大都会NYへ向かう。それから50年前、やはりとある事情で有名女優を訪ねて、同じ地へ向かう耳の聞こえない少女ローズがいた。彼らはメトロポリタン美術館にある「驚きの飾り棚(ワンダーストラック)」により、奇妙に結び付けられることになる。

と書くと『君の名は。』みたく超自然的な要素によって二人が時空を越えちゃうのかな…と思われる方もおられるかもしれませんが、あくまで現実的な範囲の中でおさまる話です。
主人公たちの境遇からそういう演出になったのか、非常にセリフが少なく、物静かな映画。77年パートはまだ普通に音声がちょこちょこ流れますが、57年パートは当時のサイレント形式そのままで、映像は白黒で言葉は字幕でしか流れません。
わたしのうしろで観ていたおばさま二人組が「なんだか眠くなるわねえ」とかおっしゃってましたが、その音声控えめなところがなんとも味のある作品です。

あとこの映画のもうひとつの特色は、博物館、それも特に「みんなのうた」や『ナイトミュージアム』で扱われていたメトロポリタン博物館への愛情がものすごくこめられているところです。まるで自分もベンやローズと一緒にかの施設を探訪しているような気持ちになりました。それぞれ40年前、90年前の展示内容ですから今とはだいぶ違うんでしょうけど、かえって貴重なものが観られたような。
よくできた博物館というのは、ひとつの宇宙でもあるんですよね。多くの少年少女がそこから世界の一端を感じたように、主人公二人も小宇宙のような建物をさまようことによって、狭い環境から一歩踏み出すとっかかりを得ることになります。

Wdstこの映画観てたらひさしぶりに博物館をおとずれたくなってしまいましてね。先日行ってまいりました。もちろんNYではなく上野です。『ジュラシック・ワールド』新作の影響で恐竜の骨を見たくなったということもありまして。やっぱりいいですね、博物館は。化石、はく製、標本、機械、よくわからんもの… あそこにいくといつでも童心に戻れます。

映画『ワンダーストラック』はDVDがもう今月末に出ます。子供のころ学研まんが「ひみつシリーズ」などに胸をときめかせた人はどうぞごらんください。

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August 07, 2018

時代に早すぎた男たち ニック・パーク 『ア―リーマン ~ダグと仲間のキックオフ!』

Elm1『犬ヶ島』『ぼくの名前はズッキーニ』とコマ撮りアニメの傑作が相次いで公開された2018年ですが、老舗のアードマンの新作も後を追うようにしてやってまいりました。『ア―リーマン ~ダグと仲間のキックオフ!』、ご紹介します。

たぶん古代のヨーロッパ。原始人のダグと仲間たちは緑豊かな谷間で毎日楽しく暮らしていた。しかしそこへ青銅器文明を持つ帝国が侵攻し、強引に領土としてしまう。荒野に追いやられたダグは帝国の総督に直談判し、彼らのエリートとサッカーの試合で勝ったら谷間を返してくれると約束を取り付けるのだが…

まずサッカーってそんな紀元前から存在してたのか??という疑問がわきますが、子供アニメでそういう堅苦しいことを言ってはいけません。あと約1万年前の中国の地層から実際に石の球が発掘されてるそうなので、この時代本当に存在していた可能性もわずかながらあります。
ともかく、石器文明のワイルドな連中と青銅器文明のちょっとおしゃれな連中がサッカーで熱戦を繰り広げるという発想が面白い。…ですが…

この素っ頓狂なアイデアに並ぶストーリーやキャラクターがあったかというと、ちょっと首をかしげざるをえません。さすがは古豪のアードマン、もちろん十分に楽しい作品ではあるのですが、少し前の『ひつじのショーン バック・トゥ・ホーム』やニック・パーク黄金期の『ウォレスとグルミット』に比べるとどうしてもインパクトに欠けるというか。そうやってすぐなんでも他と比べてしまう。オタクっていやですね…
あとやっぱりアードマンは人間よりも動物をメインに据えた方が内容的にも商売的にも成功するような気がします。この映画にしてもダグのペットの犬のようなイノシシや、いつの間にか仲良くなる巨大ガモ、食べられそうなのに楽しそうなウサギに送り主そっくりにしゃべる伝書オウムなどなど動物の方が俄然印象に残ってしまったような。

ああ… 本当はこんな風に文句つけたくないのに… アードマンをもっと持ち上げて激賞したいのに!! 

この映画英国の名門イートン高の同級生、エディ・レッドメインとトム・ヒドルストンの珍しい共演作であるのに、字幕版がほとんどなかったのもつろうございましたね…

Elm2と、ついオタクらしい愚痴が多くなってしまいましたが、普通に面白いですから! 気になった方は円盤か配信でご覧ください。

アードマンの次回作は『ひつじのショーン』劇場版第二作。公開日はまだ決まってないそうで。ちゃっちゃと進めちゃって! また、もう一方の雄「ライカ」の新作はこれまた原始人ものになるっぽいです。かぶった…

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August 06, 2018

銀のサディスティック …あらら クレイグ・ガレスピー 『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』

Itny1遅れて公開された上にさらに書くのが遅れた映画が続きます。本日はアカデミー助演女優賞を持っていった「真実に基づく物語」。、『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』をご紹介します。

20世紀末。アメリカはポートランドに住む少女トーニャ・ハーディングは、幼少のころから品のない星一徹のような母親に特訓されて、フィギュアスケートの実力をめきめきとあげていく。やがてはその高いジャンプで全米にも名前を轟かすようになるのだが、一方で彼女の奔放な演技は審査員たちから不評を買うのだった。そんな折、地元の青年のジェフと恋に落ちたトーニャは彼と結婚する。しかしそれは彼女をさらに波乱多き人生へと誘うのであった。

ハリウッド発の「衝撃の実話」って向こうでは常識でも、こっちでは知られてないものが多いですよね。『アメリカン・スナイパー』『フォックス・キャッチャー』『ビニー 信じる男』、最近だと『オンリー・ザ・ブレイブ』などなど。ですがさすがにこの話は当時スポーツ報知の一面にもでかでかと載ったので知っておりました。そのくらいセンセーショナルな事件だったということですね。

ただ別段自分フィギュアスケートに興味がそれほどあるわけでもなく、「映画化された」と聞いても食指がなかな動きませんでした。けれどツイッターで「クズしか出て来なくてすごく楽しい」という評判を聞いて一転。鑑賞することに決めました。
たしかに楽しいところも色々ありました。「ケリガン襲撃事件」を企てた面々の壮絶なボケっぷりとかね。
けれどどちらかといえばそれ以上に痛々しさの方が印象に残ってしまいました。いつもDVを受けてるトーニャの姿がまず視覚的に痛そうだし、彼女の身近な人々の身勝手さがまた強烈に痛い。
まあこの作品も映画である以上完全な真実ではないんでしょうけど、もしそれにかなり近いのだとしたら、「悪役」のイメージが強かったトーニャにどうにも同情したくなってしまいました。

彼女にも全く問題ないわけではないんですが、あんなモンスター親に育てられたら、そりゃ問題児にもなろうというもの。あと五輪で仮にも4位になったのに、それでもスポンサーがつかずレストランでウェイトレスやってたのが厳しすぎる。国内じゃなくて世界の4位ですよ!? その辺は選手によるのかもしれませんけど、フィギュアってのは恐ろしいほど一握りの選手しか報われないのだなあ…と。それでもそのわずかな可能性を夢見て、世界中の子供たちが歯を食いしばってチャレンジしてるんでしょうね。

そんな傷だらけの彼女を演じるのはいま最もホットな女優の1人であるマーゴット・ロビー。プロデューサーの1人としても名を連ねております。輝かしいばかりの美貌を誇る彼女ですが、なぜかハーレクインとか、ピーターラビットの妹など怪我の絶えない役が続いております。もしかして自己破壊願望でもあるのかしら…と心配になってまいりました。

Ity2ちなみにこの映画に対してケリガンさんは「私はあの映画を見ていませんし、何か言うこともありません。」「自分の人生を生きるのに忙しいのです」とクールなコメント。トーニャさんの方は「映画の詳細はいくらか事実と違うと主張しながらも、自分に再びスポットライトが当たったことで嬉しそうである」とのことです。うーん、いかにもな反応。まあ喜んでるならそれでいいのかなあ。

『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』はまだぷちっとだけ上映館が残っておりますが、もう少ししたらDVD発売・配信が始まるでしょう。というか北米版はもう普通に変えます。華やかな銀盤の裏面が知りたい方はどうぞ。


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August 03, 2018

ゼロの終点? 谷口悟朗 『コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道』

Cdg最近ちょくちょくあるテレビシリーズの総集編的映画。本日はその中でも特に目立っている『コードギアス』の最終作、『コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道』をご紹介します。第一部『興道』の記事はコチラ。第二部『叛道』の記事はコチラ

一度は記憶を奪われたものの、なんとか自分を取り戻し再びブリタニアへの反旗を翻したルルーシュ=ゼロ。だが最愛の妹ナナリーは、敵である父シャルルの掌中に陥ってしまう。ルルーシュは多くのわだかまりを抱えた友・スザクにプライドを捨てて彼女を守ってくれるよう懇願するが…

『エヴァ』といい『ガルパン』といい、そしてこの『コードギアス』外伝の『亡国のアキト』といい、TV版終了後の激情展開はどんどんスケジュールがのびのびになっていくもの。ですから今回の総集編三部作は流用シーンも多かったとはいえちゃんと予定通り公開されて「たいへんよくがんばりましたね」と褒めてあげたいです。
オーソドックスな総集編だった第一部に対し、いろいろいじりすぎてよくわからなくなった第二部。そして第三部はちらかしまくったものをなんとか風呂敷におさめようと頑張る、そんな印象でした。おさめきれなくてぽろぽろこぼれたものもあった気がしますが、まあ一応許容範囲だったかな、と。

やっぱり多少とっちらかっていても、思い入れのあるエピソードが流れたりすると「そんなことは細かいことよね」と思えてきてしまうもので。今回の『皇道』で申しますと、ロロ君が必死でルルーシュを救おうとするシーン。あんなにひどいことを言われたのに(それも仕方ないっちゃ仕方ないんですが)、それでも命と引き換えに「兄」を守りきったロロ君。そしてそんな彼に初めて心からの笑顔を見せるルルーシュ…

なんだか書いててまた鼻水が垂れ流れて来ましたね… 『皇道』だけでなく『コードギアス』全体でここが一番泣かされたくだりかもしれません。ちなみに一番「ひでえ」と思ったのは『叛道』のユーフェミアの惨劇のあたりです。

あと今回の総集編三部作、わたしが苦手だったラブコメパートがほとんど削られてたのでその辺が大変みやすうございました。本編では悲劇的な最期をむかえたあの嬢ちゃんが普通に生き延びたのもよかった。ここまで改変しちゃってもよいものか?とも思いましたがあれじゃあの娘のおかあさんが可哀想すぎますし、まあいいんじゃないでしょうか。

そして本当にちらっとだけ変えられたラストシーン。いよいよ満を持して「彼」が復活するのでしょうか。アニオタを長いことやってるわたしもテレビシリーズ完結から十年を経て「生き返った」という例は聞いたことがありません。
完全新作『コードギアス 復活のルルーシュ』は来年2月に全国で劇場公開されることがつい先ほど発表されました。楽しみなような観るのが怖いような… 確実に観ますけどね!

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