なんだかとってもいい予感 ロン・ハワード 『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』
ブロックバスターがどしどし公開される夏休み。本日はその先陣を切ったスターウォーズ・サーガの最新作『ハン・ソロ』をご紹介します。
辺境のスラムで宇宙へ飛び立つ夢を抱いていた若きハン・ソロは、恋人のキーラと二人、街を仕切るギャングのボスの手から脱出しようと試みる。だがあと一歩というところでキーラは追っ手に捕まってしまう。それから数年。キーラを助け出すべく各地を放浪していたソロは、とある戦場で終生の相棒と邂逅を果たす…
スターウォーズではおそらくダース・ベイダ―の次くらいに人気があると思われるハン・ソロ。わたしは自信満々でかっこつけ野郎で女子にもてそうな彼がそんなに好きではなかったのですが、この映画はけっこう気に入ってしまいました。
理由の一つは映画版の『銀河鉄道999』を彷彿させるところが幾つかあったからです。貧民街でくすぶっていた少年が大宇宙に飛び出し、いくつもの出会いと別れを繰り返しながら少しずつ大人になっていく… そういう話に自分弱いのです。マイナーですが『星方武侠アウトロースター』なんかもちょっくら思い出させますね。
ポップな宇宙冒険ものということで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とよく比較されたりもしますが、あちらのスターロードは「コブラ」やそれこそ後のソロと同じく、出てきた時点でほぼ完成されているキャラクター。対して本作は未完成で自分が何者なのかまだよくわかっていない青年が、徐々にアイデンティティを確立していく話になっておりました。
あとこの映画を観てさらにソロとルークの違いが顕著になったような。ルークというのはなんだかんだいって恵まれたキャラであります。ジェダイの素質を先天的に受け継いでいるし、旅立つ時まで温かい養父母に囲まれていたし、優れた師が二人もおりました。そんだけ周りに恵まれていたゆえに汚れ仕事をすることもほとんどなく、純粋なまま大人になったような男です。
対してソロは嫌というほど苦労してきた男。その辺はこれまでも大体想像つきましたけど、今回の映画で初めてどんだけ苦労してきたのかが具体的に明かされました。いやあ、こんだけ大変な目に遭ってれば、ぷちっとグレたりもするでしょうし、危険ジャンキーにもなるでしょうね。そう思うといけすかなかったソロをいつの間にかルークよりひいきしたくなったりして。
ただこの作品ではソロと同じくらいわたしの心をとらえた野郎がいました。そいつの名はチューイことチューバッカ。彼もまたこれまでは脇でウキーウキー騒ぐだけのうざい猿人くらいの認識でしたが、この度のヤング・ソロとのコンビ・アクションはめちゃくちゃ痛快でした。種を越えた二人の友情にもジーンと来るところがありましたし。あとあのモフモフしたところや気性の荒いところが昨年死んだ飼い猫に似ててなんともほっこりいたしましたね…
というわけでスターウォーズの名に恥じない傑作だったと思うのですが、ここんとこのハイペースぶりがまずかったのか、米国では予想を大きく下回る結果になってしまったのだとか。これほど間違いない企画もそうないと思うんですが… そんなわけで続く『ボバ・フェット』『オビワン・ケノービ』といったスピンオフも一旦棚上げになったとのこと。ディズニーさんはいまコケの理由の究明に血道をあげているそうで。やっぱり王道たるスターウォーズが元気ないとさびしいので、なんとか調子を取り戻してほしいですね。
そんなことを言ってる間に来年末には「続三部作」の完結編が公開されます。ううう… 時の経つのははやいものですね…
Comments
うん、間違いない企画すぎて、おもしろくなかったかも。
主役が弱いなー。
Posted by: ボー | July 31, 2018 10:25 PM
似てない役者を起用しやがって。全ソロになって出直して来い。
Posted by: ふじき78 | August 01, 2018 10:51 PM
>ボーさん
映画には「確実」はないってことで。怖い世界ですねー
Posted by: SGA屋伍一 | August 03, 2018 09:38 PM
>ふじき78さん
そんな大人げないこと言わないの! お父さんの温かい目で見守ってあげないと!
Posted by: SGA屋伍一 | August 03, 2018 09:39 PM