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May 14, 2018

翔べ! パシリム スティーブン・デナイト 『パシフィック・リム アップライジング』

20180225_1849562013年、ハリウッドが本気を出して巨大ロボットと怪獣の一大バトルを描き、一部で熱狂的な人気を博した『パシフィック・リム』。一時は製作が危ぶまれたものの、5年の歳月を経て再びスクリーンに帰ってきました。『パシフィック・リム アップライジング』、ご紹介します。前作の紹介記事はこちら

人類が巨兵「イェーガ―」を駆って、未知なる侵略者の攻撃を退けてから数年。戦争の英雄ペントコストの息子ジェイクは盗品売買を生業とした自堕落な生活を送っていた。ある日目当てのブツを横取りした相手を追って、彼は手製のイエーガーを作っていた少女アマーラと出会う。軍当局に捕まった二人は、ジェイクの姉マコの計らいで防衛軍にそれぞれ教官と訓練生として迎え入れられる。望まぬ仕事を嘆くジェイクをよそに、侵略者たちは次なる陰謀をひっそりと進行させていた。

前作の主人公ローリーは姿を消し(劇中で理由は触れられず)、次世代、次々世代に焦点を当てた今回の作品。同じ世界を舞台とし、同じ設定を使用しているのにも関わらずどことなくムードが違うあたり、まるでどこかの『Zガ○ダム』を連想させます(冒頭のエピソードはどちらかといえば『ZZ』でしたが)。
この『アップライジング』を担当したスティーブン・デナイト氏は正編の監督であり、今回製作に回ったギレルモ・デル・トロと綿密な打ち合わせをしたそうですが、やはりそれぞれの資質の違いみたいなものが浮き彫りになってしまいましたね。すなわちデルトロ監督は生物描写や粘液に執拗なこだわりを見せていたのに対し、デナイト監督はどっちかというとメカのかっこいいバトルの方に興味があるようで。イェーガーのアクションに関しても前作がどっしりとした重厚感溢れるものだったのに対し、今回はどちらかというとスピード感を重視したものに変わっていました。
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ただ自分などは続編を作るからには新しい何かを盛り込んでほしいと思うし、前作と同じ路線でいくにしても違うアレンジを試みてほしい。その点で今回の『アップライジング(UR)』は申し分ないものでした。思えば前作のメンバーはみな失敗したり挫折したりすることはあっても、基本的に完成された「大人」でした。
一方『UR』のジェイクはなりこそでかいけれど、まだ発展途上というか子供っぽさが抜け切れてないキャラクター。だからかストーリーに陽気なムードを醸し出しておりました。ひねくれながらも義理の姉であるマコの前に出ると素直になってしまうあたりがなかなかにかわいかったり。ちなみにボイエガ君はこれまで演じた役の中でもかなりジェイクに自分との共通点を感じたとのこと。「若いころのジェイクは、16歳や17歳の時の自分みたいだった。自分の欲しいものに関しては向こう見ずで、たくさんの危険を犯す。現実的なお金の問題や人生の辛い部分をまだ経験していないからね」(「THE FASHION POST」のインタビュー記事より )。
そしていまひとりの主人公であるアマーラはそのジェイクよりさらに幼い女の子。マコと同じく辛い過去を経験しながら、その恐怖を克服しようと必死にもがいております。やっぱりおじさんはそういう厳しい環境の中でも一生懸命子供たちががんばる話に弱いんです。
そして未完成な二人がいつしか互いに励ましあい、それぞれの壁を乗り越えていく… その辺が非常に心地よかったです。

ちょうど三日ほど前1作目の地上波放映があったのですが、正直申しますとやはり『UR』はインパクトその他の点で色々先代に及ばないところがありました。それでも彼らは自分たちのやり方で全力を尽くしてバトンをつないだと思います。その点、映画のジェイクやアマーラとと重なるところを感じました。

20180402_184805公開前のデナイト監督の発言によると、すでに3作目の構想があり、いわゆるユニバース的な発展も考えているとのこと。ただ今回もヒットはしたものの、またしても赤字になりそうなことを考えるとどこまで実現するかは怪しいところです。でもせっかくバトンをつないだのだからなんとかしてそれを次に渡してほしい…! そう、たとえ状況が怪獣のように手ごわかろうとも、あきらめてはいけないのです。『パシフィック・リム アップライジング』はまだ全国で公開中(今週いっぱいかな…)


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Comments

私、個人的にはPART2としてはかなり善戦したと思ってます。

だが、しかし、東京在住者として一言だけ言わせてもらうならば、東京はあんなんやないで。もっと看板とか勉強して出直して来い。

Posted by: ふじき78 | May 14, 2018 at 10:55 PM

SGAさんこんばんわ♪

待望の続編にも関わらず、公開時期がレディプレイヤー1やアベンジャーズとも近かったせいかもう一気に忘れ去られたような感じにもなってる辺り、色々と不遇な作品に思えちゃいますね本作は・・(汗)。
デルトロ監督の一作目の方が確かに至高ではありますが、それでも本作は本作で次世代と言うテーマに沿ったアプローチをちゃんとしてると思いましたし、イエーガーもKAIJUもパワーアップしてて個人的には凄い鼻息荒くなったんですよねぇwジェイクとアマーラの年が離れた兄妹のようなコンビも、最初は凸凹しつつも最後は二人でイエーガー乗りこなすくらいシンクロ高くなるのも燃える展開だったので、デルトロ監督から引き継いだデナイト監督の手腕も個人的には評価したいです・・・・・・褒め過ぎですかね(笑

Posted by: メビウス | May 15, 2018 at 03:22 AM

>ふじき78さん

毎度返事が遅くてすいません。
わたしは最近は洋画でもちゃんとした日本描写が多いので、ああいう適当なやつを見るとなぜかほっとします

Posted by: SGA屋伍一 | May 21, 2018 at 10:33 PM

>メビウスさん

返事遅くなってすいません。
もう忘れられちゃった感がありますね(泣)。そしてRP1もアベンジャーズもそろってコナンに負けましたね~ おそるべしコナン
自分も実はマコとローリーのようなリア充コンビよりも、今回の二人のような仲のいい兄妹のような組み合わせの方が好きだったりして。デナイト監督にひきつづきチャンスが与えられてほしい! おねがいレジェンダリー&中国資本!

Posted by: SGA屋伍一 | May 21, 2018 at 10:37 PM

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