ロシアの平和を守り隊 サリク・アンドレアシアン 『ガーディアンズ』
『パディントン』『こぐまのケーキ屋さん』が人気を博し、『くまのプーさん』実写映画も待機している中、凍土のロシアからも一風変わった熊映画が流れてまいりました。『ガーディアンズ』、ご紹介します。
冷戦時代国から疎まれたマッド・サイエンティストが現代ロシアに突如として復活。恐るべき超能力と技術力を持つその男・クラトフは政府に対し宣戦布告する。ロシア軍諜報部はこれに対しソビエトが極秘裏に開発した「超人兵士」たちを探し出し、チームを結成させる。かくて悪の科学者と「ガーディアンズ」の戦いの幕が切って落とされた。
原題は『Zashchitniki』(読めない)。 「防衛するもの」「保護するもの」みたいな意味らしいので英題もそんなにまちがってはいないようです。まあわかりやすく言うとロシア版のアメコミヒーロー映画。メンバーは超高速で移動して両刀を振り回す兄ちゃん(クイックシルバーっぽい)、透明になれる姉ちゃん(インビジブル・ガールっぽい)、念力でモノを動かせるじいさん(マグニートー?)、そして熊になれるおじさんです。
やはり目を惹くのは熊男。狼男はこれまでいくつかの映画で観てきましたが、熊に変身する人間というのはちょっと聞いたことがない。他の3人はそれなりに定番の超能力なのに対し、この熊化だけが明らかに何か違う世界に突入しておりいます。半熊半人がガトリング砲をバカスカ撃ちまくるビジュアルは大したインパクトで、それだけでもこの映画を観る価値はあると思いました。
そしてもうひとつ変わっていたのは、世界の命運を握る最大パワーを持つのがヒゲモジャのおじさんだったということ。そういうのは他の映画では大抵いたいけな美少女だったり健気なお子様だったりする(『X-MEN』『ダークタワー』など)のでなかなか斬新でした。
あとマー○ル映画のヒーローたちというは大体素直にチームに加わらなかったり、仲間内で喧嘩したりするものです。けれどもガーディアンズの皆さんはそろってすんなり政府の要請を受け入れます。そしてみんな仲がいい…というか余計な口は叩かず黙々と共同作業に励みます。それぞれに悲しい背景があるにもかかわらずグレたりすることもありません。この辺がお国柄なのでしょうか。BGMにロシア民謡をかけたらすごく似合いそうでした。
最近はあまり映画を観ていて眠くなることはないのですが、この映画は久しぶりに前半けっこううとうときてしまいました。前日の晩『ポプテ○ピック』をリアルタイムで観ていて寝不足だったからか、映画が微妙だったからか、果たしてその両方か。いずれ再鑑賞して原因を再確認したいものです。
『ガーディアンズ』は気が付けばもうほとんど日本での公開が終わってしまいました。熊とヒーローものが好きな方はDVDが出たらぜひごらんください。「絶対に面白い!」とは少し言いはばかられる映画ですが。
そうそう、キャッチコピーが「これがロシア映画だ!」となっておりました。それなりに楽しんで鑑賞したわたしもそれはちょっと違うと思います。露映画の本道はもっと重くてかわいそうで耐える感じの映画じゃないかしら。わたしのベスト露映画は『不思議惑星キン・ザ・ザ』ですけどね。クー!!
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