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January 15, 2018

正解の車窓から アガサ・クリスティー ケネス・ブラナー 『オリエント急行殺人事件』

Oksj1_2昨年の12月はスターウォーズがあったせいか洋画大作の公開がえらく少なかったんですけど、そんな中唯一果敢に真っ向勝負を挑んだのがこの作品。アガサ・クリスティーの代表作を、名匠ケネス・ブラナーがアレンジした『オリエント急行殺人事件』、ご紹介します。

世界的名声を誇る探偵のポワロはイスラエルで見事依頼された事件を解決し、休暇のためオリエント急行に乗車する。だが名探偵の宿命か、ポワロは列車の中で殺人事件に遭遇してしまう。ほとんどの乗客にアリバイがある中、ポワロは「灰色の脳細胞」を駆使して真犯人を暴き出すべく捜査を始める。

原作は「犯人が意外な推理小説ベスト」によくあげられる作品でして、これに並ぶものがあるとすれば同じくクリスティーの『アクロイド殺し』と、エラリー・クイーンの『Yの悲劇』くらいでしょうか。そんだけメジャーな作品なのでミステリーの解説書には大抵「こういう人が犯人」と堂々たるネタバレが書いてあったりして…
倒叙物は別として、犯人がわかってるミステリーほどつまらんものはありません。ので、この映画もスルーするつもりだったのですが、時間が空いたのと、一応名作のストーリーくらい知っておいた方がいいかと思って観てきました。オリエント急行からの風景を眺めて旅する気分も味わえますしね♪(ほとんど雪景色でしたが)

結論から言うと肝心なネタが割れててもけっこう楽しむことができました。理由の一つはポワロというキャラクターの面白さにあります。当代随一の名探偵でありながら、やることがいちいち子供っぽいんですよね。たとえば朝食に食べる二つのゆでたまごはぴったり同じ大きさじゃないといやだとか。ほかにも我々だったらどうでもいいと思えることにやたらこだわります。特に「左右均等」であることには。あとおいしそうなものに目がなかったり、当時の大衆娯楽であるディケンズをゲラゲラ笑いながら読んでたり。ぶっちゃけて言っちゃうとすごく古畑任三郎っぽい。この辺はブラナー監督のアレンジがけっこう入っていると思われます。
ブラナー氏のアイデアといえば、ポワロの口髭がやたらでかいのもそのひとつ。なんでも自分をユーモラスに見せることで犯罪者たちを油断させる狙いがあるんだそうです。

一発アイデアものかと思いきや、けっこう人情ものっぽかったのはなかなか意外でした。そう、あんまりこういう言い方するとよくないですけど、『オリエント急行殺人事件』ってけっこう泣けるミステリーなんです。ただそういう情状酌量の余地がある場合でも法律を貫こうとするのがポワロ。彼が融通を利かせてくれるのかどうかがこの映画の山場のひとつだったりします。

雪景色ばっかりといえども、やっぱりオリエント急行の旅を疑似体験できたのも気持ちよかったです。オシャレな車内、美形ぞろいのお客たち、レトロな時代背景… 雪の中の脱線はちょっといただけないですけど、そういう時どうやって解決するか、というのも興味深かったです。

Oksj2そんなに話題になってるようには思えなかったんですが、『オリエント急行殺人事件』はすでに世界で製作費の5倍以上を稼いでいるため、すでに第二弾にゴーサインが出ました。監督・主演のケネス・ブラナーが続投で今度は『ナイルに死す』をやるんだとか。こちらは犯人を知らないので、2,3年後になるでしょうか楽しみに待ちたいと思います。

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Comments

口ひげ、ないじゃないか! と思ったら、作者でした!(たぶん)
「ナイルに死す」の犯人はねえ…えーと、ポア…

ロは探偵だし。

Posted by: ボー | January 18, 2018 at 09:01 AM

>ボーさん

実は犯人は作者… という作品が辻真先先生のミステリーでありましたのよ

Posted by: SGA屋伍一 | January 23, 2018 at 10:02 PM

個人的にはロッキーシリーズのアポロを名探偵にした「名探偵アポロ」を映画化してほしい。ポアロより強いぞ!

Posted by: ふじき78 | January 28, 2018 at 11:36 PM

>ふじき78さん

アポロもう死んでるからなあ… クリードが「父ちゃんの名にかけて!」とその死の真相を探る話などどうでしょう

Posted by: SGA屋伍一 | January 29, 2018 at 10:41 PM

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