第14回SGA屋漫画文化賞
昨年は仕事が修羅場で年始にずれこみましたが、今年は平和なので年内にマンガベストを発表できます。限りない自己満足で継続しているSGA屋漫画文化賞。今回で14回目です…
例によって賞金も賞品も授賞式もありません!! ではまいりましょう。
☆少年漫画部門 ちばあきお・コージィ城倉 『プレイボール2』
まさかあの『プレイボール』の続きが読めるとは… 38年前の終了場面のすぐ後から始まる奇跡の続編。
そしてなにより驚くのはコージィ城倉氏の再現力。あのころと変わらない谷口君、丸井君が確かに紙面で躍動しております(イガラシはまだちょっと大人しいかな?)。迷作『砂漠の野球部』のことは喜んで忘れましょう。
欲を言うならコージィ先生、『キャプテン』の近藤君のつづきも読みたいです。
今年は少女漫画はこれしか読んでないので自動的にこれが受賞という… すいません。
香田さんちのお姉さんも次から次へと良縁にめぐまれ、あとはすずちゃんが我が静岡県へやってくるだけとなりました。さすがにあと1巻で完結かな…
名作『BANANA FISH』のアニメ化も発表され、吉田先生周りがにぎやかになってきましたね。
『封神演義』の藤崎先生が青年誌らしい熱さで描く21世紀版の新『銀英伝』。週刊連載だけあってサクサク進んでいるようにも見えますが、開始2年でまだ原作の1巻部分しか進んでおりません。でもやっぱり面白い! がんばれ!
余談ですがつい先日、田中先生の代表作のひとつである『アルスラーン戦記』が30年かけて完結いたしました。めでたかったが辛かったですね…
☆中年漫画部門 原作:萩原天晴・漫画:上原求、新井和也・協力:福本伸行 『1日外出録ハンチョウ』
「悪魔的スピンオフ第2弾!理外の飯テロ漫画!!」 このコピーがすべてを物語っております。『カイジ』本編を読んでなくても映画の1作目だけ観てればだいたいわかる親切設計。与えられた24時間の枠内で五官をフルに発揮して、その街を・飯をいかに味わい尽くすかという人生の教科書。こちらを大賞にしようかとも思ったのですが… ああ! はやく3巻が読みたい!!
『ドーベルマン刑事』『ブラック・エンジェルズ』など、「ダークヒーローが外道をぶっ殺しまくる」作品でよく知られる平松先生が異常なまでの話の盛りっぷりで楽しませてくれる自伝的作品。…だったのですが、最近ではこの作品の単行本があまり売れてないことを苦にしてどんどん暗黒面に落ちていってる先生がちょっと心配(それはそれで面白いんですが)。先ごろ増刊的な『グランドジャンプ プレミアム』から本誌の『グランドジャンプ』に移籍したばかりですのでまだまだ続くと思うのですが。
☆ウェブ漫画・猫漫画部門 桜井海 『おじさまと猫』
いつまでもペットショップで売れ残っているブサイクな猫。「どうせ誰もわたしにゃんかほしがらない」 そう諦めきっていた彼女の前に現れたのは… こちらのまとめから読むことができます。来年2月22日には単行本も発売。
☆翻訳部門 フランク・ミラー ジェフ・ダロウ 『ザ・ビッグガイ&ラスティ・ザ・ボーイロボット』
突如東京に現れた大怪獣。立ち向かうのはア○ムをチンチクリンにしたような少年ロボット・ラスティ。だがその戦力差はいかんともしがたく… 肉味噌・血みどろ描写を得意とするフランク・ミラーが何を思ったか突然手掛けたポップでキュートな作品。長年翻訳を待ち望んでいましたがようやく今年実現しました。おそらく『ベイマックス』に深い影響を与えた…と勝手に思っています。今年は他に通販限定の『アベンジャーズ・プライム』、悪趣味描写満載の『ザ・ボーイズ』などが印象に残りました。
☆アニメ部門 長井龍雪 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』
春に完結を迎えたこちらが二年連続の受賞…というか、今年はテレビアニメをこれくらいしか観てませんでした。
あまりにも悲壮な終盤の展開に打ちひしがれたファンも多かったようで。わたしも大変複雑な気持ちでしたが、ともかく鉄華団の少年たちのことを忘れたくなくて…
長年続いた週末夕方のTBSアニメ枠もこの作品をもって終了。これまたさみしいことであります。
日露戦争の地獄を生き抜いた帰還兵「不死身の杉元」は、幼馴染の病を治すため、砂金を求めて北海道へ渡る。そこで彼が遭遇したのは奇妙な刺青を掘られた脱獄囚たちだった。彼らの刺青はつなげるとひとつの地図になり、アイヌの残した金塊のありかが書かれているという…
今年『ハンチョウ』と並んでもっともはまった漫画。吉村昭の渋いネタをこれでもかこれでもかとぶちこんでおきながら、若者たちをもとりこにするほどの一大エンターテインメントに仕上げております。本筋にはあまり関係ない北海道の野生の珍味描写も読みごたえたっぷり。これまた春にはアニメ化されるそうですが、どちらかというと骨太な役者さんたちでの実写版が観とうございます。
というわけで本年もいっぱい面白い漫画に出会えて感謝。週末に映画の方のベスト記事を書いて今年のブログ〆といたします。
Comments
SGAさんこんばんわ♪
そういえばSNS上でも第二期鉄血の結末は後味が悪い諸々で色々非難が飛び交っていたのを自分も覚えています。ああいった終わり方は確かにガンダム作品では珍しかった気もしますし、主人公を含む主要なキャラがバタバタ逝ってしまったのもやはり問題だったんでしょうかねぇ?
まあ自分も正直ラフタの最後に超絶ショックを受けた一人ではあるのですけど、将来的にスパロボ作品とかに出たら多分大多数は死なないはずですから、その時は三日月とかを目一杯暴れさせてやろうかなとかとか思います(笑
漫画鉄血と外伝の月鋼も結構面白いので、オススメです^^
Posted by: メビウス | December 31, 2017 12:06 AM
>メビウスさん
コチラの方にもありがとうございます!
「鉄血」は途中で「あ、これ新選組がやりたいのか」とわかった時点でだいぶ腑に落ちました。それでもやっぱり辛かったですけど… スパロボでは思う存分鬱憤をはらしてくださいw
外伝もいずれ読んでみようかな。自分としてはライドたち生き残りのその後もすごく観たいです
Posted by: SGA屋伍一 | January 01, 2018 09:50 PM
SGAやん、遅まきながらあけおめ ことよろです。
心境的には
ボトムズ「幻影編」のキリコみたいなもんです(笑)
漫画で目下の関心は・・・・・・・・「はじめの一歩」
宮田戦はやはり編集部の意向で潰されたそうな。
主人公3度目の敗北を迎え・・・
とりあえず作者にはつべこべ言わず終わらせて
欲しいと真面目に考えてます。
鷹村の態度には・・・・・もう我慢ならん。見苦しい!
>鉄血
俺もコレ、筋は良かったと思うけど・・・・・・・・
個人的にはもうガンダムに関して食傷気味なので
当分の間、傍観者に徹してましただ。
「ガンダムA」の福井のムーン何とか見たら
もう「これ以上余計な事するな」と思ったり・・・・・・
ガンプラも全然売れとらんですよ
>外道マン
読んでみた。
永井先生の「劇マン!」とは
はっきり違うんだけど・・・同じにおいがするぜぇ(笑)
しかしこちらはなんか後ろ向きだ。
ところで・・・・・元旦の「風雲児たち」見た?
なかなか良かったわ。
久しぶりに長屋のチャットに参上。
センセも参上して色々教えてもらっちゃった
ではでは。
Posted by: まさとし | January 03, 2018 10:55 AM
>まさとしさん
こちらにもありがとうございます! 本年もよろしくお願いします
>一歩
ああ… これどうなっちゃうんでしょうね。『あしたのジョー』も転落のくだりはしつこかったけどあちらは全10巻くらいだったし
一歩も宮田君も読者も納得のいく終わり方をしてほしいものです
>外道マン
作者があえて自分を悪者化して書こうとしてるんだけど無理があるようなw 最新回では高橋陽一先生が出てきてこれまた面白かったですよ
>風雲児たち
これまたよかった。吉本っぽいギャグがなくなった分地味になりましたが、「信念のためだ…」のシーンが観られただけで感無量
Posted by: SGA屋伍一 | January 07, 2018 09:12 PM