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December 14, 2017

超人・半神・機人・金持ち (一応)ザック・スナイダー 『ジャスティス・リーグ』

Jsa_2MCUに追いつき追い越せとばかりに奮闘するもうひとつのアメコミ映画世界「DCFU(DCフィルムズ・ユニバース 最近DCEUから改名したみたいです)」。その総決算たる大集合映画が先日満を持して公開されました。『ジャスティス・リーグ』、紹介します。

お話は『バットマンVSスーパーマン』の直後から始まります。異世界からの侵略がせまっていることに気づいたバットマン=ブルース・ウェインは、スーパーマン亡きあとの地球を守るべく、特別なパワーを持った超人たちを探す。だがそのうち二人はブルースの要請にすんなりと応じようとはせず、チーム結成には暗雲が漂う。そうこうしているうちに侵略者「ステッペンウルフ」が無数の兵士を連れて来襲。地球を改造する力を秘めた3つの「キューブ」を求め、それらを守る者たちに容赦ない攻撃をくだすのだった。

「アベンジャーズの後追い」なんてことも言われてますが、コミックのジャスティス・リーグの歴史はそれよりもっと古かったりします。まず1940年に前身である「ジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ(JSA)」が誕生。そして「アベンジャーズ」登場の3年前である1960年にJSAをリニューアルさせた「ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ」が創刊。以後この名前で一旦のリセットを経て、様々なメンバーが入れ替わりしながら50年活動します。
そして2011年再びのリセットイベント「NEW52」に際しチーム名が「ジャスティス・リーグ」に変更。

現在コミックではこの本家の他に米国政府指揮下にありかつての同タイトルとは違う立ち位置の「ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ」(ややこしい…)、魔界担当の「ジャスティス・リーグ・ダーク」、国連が作ったけど終了したっぽい「ジャスティス・リーグ・インターナショナル」、よくわからない新チーム「ジャスティス・リーグ・ユナイテッド」などがありなかなかにカオスであります。

では今回映画に出て来るメンバーを「なにをいまさら…」というキャラも含めて紹介します。

☆スーパーマン…言わずと知れた(雑誌形式では)世界最初のアメコミヒーロー。怪力・飛行なんでもできちゃう。MARVELとDCの最大の違いは「MARVEL宇宙にはスーパーマンのような圧倒的な大黒柱がいない」ということかも。真っ先にあげちゃったけど今度の映画に出るかは一応不明(白々しく)

☆バットマン…アメコミで最高の人気を誇るキャラ。特殊能力は金と推理。バットマン一派の人気が突出しすぎてるのがDCの悩みどころかも。時々「何の超能力もないの?」と揶揄されるが時間さえあれば宇宙の最高神にも勝てる男。ただゴッサムシティの治安は永久に解決できない

☆ワンダーウーマン…世界最初のアメコミヒロイン。怪力と嘘発見がスペック。キャリアの割に伸び悩んでいたが、先の映画で大ブレイク。DCのいまひとりのアイドル・スーパーガールと比べると「お母さんみ」が強いのが特徴か。好物がアイスクリームなのが萌える

☆フラッシュ…光速で駆けるスピードスター。一応アメコミの第二黄金期のきっかけとなった重要なキャラで、現在映画とドラマが並行してる唯一のヒーロー。時々物理を越えたスピードを出してしまい、並行世界にいったり現実改変を招いたりするのが玉にきず

☆アクアマン…今回映画とコミックで一番風貌が変わったキャラ。海底人と地上人のハーフで、水や魚類を操ることができる。それゆえ水のないところでは手持無沙汰になってしまうという、サイボーグ008的な問題を抱えている。日本での愛称はサバ夫(?)

☆サイボーグ…実は一番よく知らないキャラ。特殊能力は変形・飛行・ネット検索。若手ヒーローチーム「ティ―ン・タイタンズ」に加入してから人気が上がり、少し前JLのメンバーに大抜擢される。恐らく「黒人一人くらい入れとこう」というPC的配慮かと思われます。風呂にどうやって入るのかが謎


さて、肝心の内容の方ですが、『BVS』や『スーサイド・スクワッド』と同じくDC世界の奥行きを感じさせるネタが色々入っていて、コミックファンとしてはまことに楽しゅうございました。逆にそういうDC愛がない人には、ちょっとあっさり風味に感じられるかもしれません。こう言ってはなんですが、本当に予想範囲内のことしか起きないので。
そしてやっぱりちらつく『アベンジャーズ』の影。監督がジョス・ウィスドンに変わる前から決まってたことだと思うんですけど、「宇宙の果てからマッチョな悪者が軍勢を率いて攻めてくる」というプロットはもうちょっと変えられなかったのかと。そしてまたキーアイテムがサイコロだと来ている(三つに増えてましたが)。
一方で『アベンジャーズ』よりも良いところもあります。尺が短くなった分テンポがよくなったりとか。超人たちがかみ合わなくてギスギスしてるパートが短かったのも好印象でした。これはエズラ・ミラー演じるフラッシュの性格に負うところが大きいですね。本当にひとりムードメーカーがいるだけで場の空気というものはずいぶん変わるものです。

今年は『パワーレンジャー』や『スパイダーマン ホームカミング』などヒーローものと『ブレックファスト・クラブ』をかけあわせた作品が目立ちましたが(『ブレックファスト~』観てないんですけどね…)この『ジャスティス・リーグ』もカーストの違いを乗り越えていく学園ドラマと似たところがありました。
バットマンは過去のあやまちをひきずってる先生、ワンダーウーマンは以前の失恋を乗り越えられない級長、アクアマンはやたらとイキりたがる番長、フラッシュは寒いギャグを連発するお調子者、サイボーグは怪我で夢断たれた体育会系…といった具合です。それぞれに悩みを抱えてる面々が、ディスカッションしたり一緒にクラブ活動に精出したりしてるうちに、やがて自分の殻を打ち破っていく、そんなムードが大変さわやかで好みでした。

Photoただ『ワンダーウーマン』の好調にのって大ヒットとなるかと思いきや、全米ではDCFU中もっとも低調なスタートで赤字はまちがいないとのこと。やっぱりメリケンの映画ファンは常に何か目新しいものを求めているということですかね… ここでくじけないでDCFUにはさらにがんばって残りの企画を面白いものにしてほしいものです。とりあえず現在ほぼ確定してる企画は『アクアマン』と『ワンダーウーマン2』、そして『フラッシュ(ポイント)』というところでしょうか。あと一応『スーサイド・スクワッド2』『ザ・バットマン』『バットガール』『シャザム』『グリーンランタン・コァ』『サイボーグ』『ジャスティス・リーグ・ダーク』といった企画も上がっている模様。果たしてどこまで実現できるでしょう。


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December 12, 2017

星を奪うもの 静野孔文 瀬下寛之 『GODZILLA 怪獣惑星』

Photo昨年『シン・ゴジラ』の大ヒットで大いに復活の兆しを見せた東宝怪獣映画。今年はアニメの三部作という変化球で攻めてまいりました。『GODZILLA 怪獣惑星』、ご紹介します。

突如として巨大怪獣の出現が頻発するようになった世界。人類はなんとかそれに対抗しようと戦いを続けていたが、それまでの怪獣をはるかに超える存在「ゴジラ」の登場により敗北を余儀なくされる。宇宙に新天地を求めて旅立った人類だったが、先の見えない旅に次第に消耗していき、ついには地球への帰還を望むようになる。その先陣を切る若者ハルオは激しい怒りと科学的な理論をもってゴジラ殲滅のプランを練り上げたのだが…

まず語っておきたいのが公開前に出版された前日談となる小説『GODZILLA 怪獣黙示録』。映画ではナレーションで済まされた人類衰亡の歴史をインタビュー形式でつづったものなのですが、これが滅法面白くて。カマキラスやらドゴラやらオルガやら、存在をすっかり忘れていたマイナー怪獣が次から次へと出てきて破壊の限りを尽くすという内容。滅亡の危機が迫っているというのに団結も出来ず決定的な対抗兵器もなく、ただただ絶望しかない『パシフィック・リム』みたいな暗い話なんですが、登場怪獣の顔ぶれの懐かしさに楽しさしか感じないという奇天烈な1作でありました。

しかし今回は映画の前にこれを読んでしまったのがよくなかった。なんでかというと『怪獣黙示録』に比べると『怪獣惑星』はあまりにも登場モンスターの種類が限られていて、ちょっと派手さに欠けるところがあるからです。どうせ3部作でやるならこの『黙示録』を1作目にして映像化すりゃよかったのに…と思わずにはいられませんでした。

ただ映画本編もまったくつまらなかったわけではなく。むしろ小説を先に読んでなかったら普通に楽しめたと思います。
特に印象に残るのはゴジラよりも彼?に鬼気迫る憎しみを抱き、「何が何でも絶対殺すマン」と化している主人公のハルオ君。ふつうあんな山みたいな怪獣を目にしたら一目散に逃げ出したくなるのが普通の人間です。しかしハルオ君は恐怖などまったく表に見せず、「ゴジラ―!! ぶっころーす!!」と何度も何度もあの巨体に向けて特攻していくあたり頭の配線が2,3本ぶっとんでるとしか言いようがありません。でもまあこれくらいエキセントリックなやつでないとゴジラとの真っ向勝負はできないでしょう。芹沢博士や矢口蘭堂に並ぶ怪獣キラーになれるかどうか、これからの成長に注目です。というか『進○の巨人』のエ○ン君とよく似ておりますね。

あと主人公を絶望に追い込む脚本虚淵玄氏お得意のストーリー展開に今回も引き込まれました。ただ虚淵さんの真骨頂はむしろストーリーの中盤あたり。だいたいその辺で主人公の世界観を根底から揺るがす衝撃的な事実が明らかになり、お話がどう解決するのかさっぱり予想がつかなくなります。というわけで1作目終盤のアレもまだまだ前フリにすぎず、本当のショックは2作目あたりに待っているものと思われます。ハルオ君のさらなるあがきに期待しましょう(ひどい)

Photo_2とりあえず次はもう少しいろんな種類の怪獣が出てくると嬉しいですね… ちなみに2作目『決戦・起動増殖都市』のポスターにはメカファンには嬉しい「アレ」の姿がちらっと描かれております。その辺にまんまと踊らされるワタクシ。『シン・ゴジラ』に比べるとあんまり売れてないようなので無事完結までたどり着けるか少々危なっかしいですが、東宝を信じて応援していこうと思います。というわけで第二部は来年5月の公開。そして丸一年後の11月あたりで完結編…という計画なんでしょうか。なんとかついていくのでスタッフのみなさんがんばってくだされ

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December 11, 2017

まんが2本昔話 トラヴィス・ナイト 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

Kubo1『コラライン』『パラノーマン』などで知られるストップモーションアニメの雄・ライカの最新作は、なんと日本のおとぎ話をモチーフにした冒険談。本国より1年遅れての公開となった『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』、ご紹介します。

そこは昔々の日本。目の見えない母と暮らす隻眼の少年クボは、不思議な三味線の力で人形を動かして日々の糧を得ていた。だがある祭りの夜、母のいいつけを守らず家に帰りそびれたクボは恐ろしい魔女たちの襲撃を受ける。実はクボの祖父は月に住む魔王で、少年のもう片方の目を執拗に狙っていたのだった。無慈悲な祖父と戦うためにクボは猿とクワガタを相棒とし、三つの武具を探す旅に出る。

「アニメ」という語にはもともと「魂」という意味があります。本来命のない絵や人形をまるで生きてるかのように見せる…魂を吹き込んでるような作業ゆえ、こういう呼び方をされているのですね。クボ君も命のない折り紙を自在に動かしていましたが、ライカのお仕事はまさしく人工物に生き物のような感情や動きを再現させています。
ストップモーションアニメの雄といえばもう一社、『ひつじのショーン』や『ウォレスとグルミット』のアードマン・スタジオがあります。ライカと比べるとそれが味ではあるんですが、アードマンはもう少し動きがカクカクしています(両社とも「1秒に24コマ」という基準は一緒なんですが…)。一方ライカの人形の動作はまるでCGアニメのようになめらか…というかだんだん人形に見えなくなってくるから恐ろしい。ライカ作品ではコマ撮りアニメでは普通簡略される細かな表情までクルクルとよく動かしているので、その常軌を逸した手間暇のかけ方ゆえそんな現象が生まれるのかもしれません。

しかしそれは恐ろしく非効率的な作業であります。一週間で平均3.3秒しか作れなかったというから驚きです。それだけ時間を費やしたらからには、当然見合うだけの儲けがあるのかと思いきやライカの作品はこれまですべて赤字だったりするから泣けてきます。毎回アカデミー長編アニメ部門にノミネートされているとはいえ(ただしいまだに受賞は果たせず)、どうしてそんな赤字続きで会社が成り立っているのか疑問でした。ところが最近その謎がなんとなく解けました。実は『KUBO』の監督にしてライカの社長トラヴィス・ナイトは、ナイキの会長フィル・ナイトのご子息なのです。そしてフィル・ナイトはライカの会長も兼任してたりして。つまりナイキが浮いたお金を回してくれるからなんとかやっていけるのでは… そうとしか考えようがありません。

少々ネタバレになりますがタイトルにもある「二本の弦」とはある絆の象徴であります。ライカとナイキも靴ひもみたいな糸…絆で結ばれている関係にあるといえます。ありがとうナイキ。

お話の方はどうかというと、わたしたちが幼少のころに親しんだ多くの民話・昔話をバラバラに解体し、再構成したような作りでありました。少年のお供?の1人が猿なのは妥当なチョイスですが、もう1人がクワガタ怪人なのにはちょっと頭をひねりました。まあ「クワガタ(鍬形)」というのはもともと兜の飾りのことなので、「武士っぽい」ということから来た発想なのかも。
そして「赤子のころから体の一部を奪われる」という残酷な生い立ちは『どろろ』の百鬼丸を思い出させます。思えばライカ作品はパラノーマンといいコララインといいいつも子供たちに「そりゃ無茶だろ…」というくらい重すぎる試練を課します。それでも「こまったなあ」という表情で過酷な運命をなんとかしていく子供たちの姿に、くたびれた大人は頭を垂れるほかないのでした。
ポスターなどからは勇ましいイメージを受けるクボくんですが、本編を見ると年相応の無邪気な少年だったりするのでそんなところがまたいじらしかったりします。

Kubo2『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は初日観たときは半分くらいの入りだったのですが、その後ネットや口コミで良さが伝わって満員になる回も増えたとのこと。せっかくのライカ&ナイト氏の日本へのラブコール、もっと多くの人に広まればよいな、と思います。
そしてナイト監督の次回作はやはり日本発祥のキャラである『トランスフォーマー』の「バンブルビー」スピンオフであるとのこと。こちらも楽しみにしております。というか、楽しみになってきました!


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December 06, 2017

ストーリー・オブ・騒動 完結編 久保茂昭  『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』

Hl31♪はいやー はいやー はいやー はいやー 2か月前の第二弾の後を受けて、畳み掛けるように公開された第3作。『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』、ご紹介します。1、2作目の感想はこちら

とうとうSWORDをつぶすべく本格的に動き始めた九龍会。必死で抵抗するコブラたちだったがその力の差は圧倒的で、山王連合をはじめ各チームは壊滅的なを被害を受ける。国の事業のために地区の中央にあるスラム「無名街」は爆破されることが決まり、コブラもついには九龍会の手に落ち拷問を受けることに。SWORDの若者たちに果たして明日は来るのか…

前作ラストでヤクザの組長相手に300キックをかましたコブラ君。ただでは済むまいとは思っていましたが、予告を見たら裸にむかれてコンクリを飲まされそうになっていたからビックリです。それほど思い入れのあるキャラでもなかったのですが、彼の胃袋が心配で心配で結局公開1週目に観てまいりました。自分も仕事柄コンクリを扱うことがあるので、人体にどういう影響があるのか知っておきたかったし。

というわけで自分的にはそのコンクリシーンのあたりがスリルのMAXでした。いや、全体的に大変楽しませていただきましたけどね(笑)。

ただTLを眺めていると「ちょっと物足りなかった」という声もちらほら。思いますに、これまでコブラ君たちは気合と拳ですべて物事を解決してきました。ところが今回彼は初めて「拳だけでは解決できない」壁にぶち当たってしまうのですね。ではSWORDの皆さんがどうしたかと申しますと、拳と一緒に頭も使い始めちゃうという。これがなかなかに強引な作戦なんですけど。ともかくそんな風にちょっと大人になってしまったコブラちゃんと仲間たち。でもこれまでのファンたちにしてみれば、あくまでガキの拳で悪者たちをぶっとばしてスカッとさせてほしかったのかもしれません。
あと極悪マフィアみたいだった九龍会も終盤に来て急に「あ、ぼくたち悪かったかな」みたいなことを言いだして自分たちを反省し始めるのですね。悪者ヤクザだったらそこは自分を見つめなおしたりしないで、最後まで本当~ににくたらしいワルでいてくれないと。そして主人公たちに完膚なきまでに叩き潰されてくれないと。この辺が微妙にずれてるがゆえにややカタルシスが削がれた気はします。自分は懐の広い人間なので、「まあこんなんもありか~ツ」と思いましたけど。それに若いお兄ちゃんたちが画面狭しとピョンピョン元気に飛び回っていたのは、1,2と比べて全くひけをとらなかったし。

今回印象に残った点の一つは、コブラちゃんがようやく主人公らしくなってきたということ。実は2の途中くらいまでは、山王の頭二人がどっちがコブラでどっちがヤマトなのかよくわかってませんでした。だって彼らって大抵いつも二人でいるし、1では九十九さんが、2ではロッキーばかりが目立っていたし。でもまあこの度はコブラ君も一人で真剣に悩んでたり、コンクリ飲まされかけたりしていてちゃんとお話の中心になっていた気がします。
目だっていたといえば窪田正孝君演じるスモーキーもようやくちゃんとした見せ場が巡ってきました。映画しか観てない身からすると、これまでずっと寝たきりで具合が悪いというイメージだったので。窪田君は自分は『ケータイ捜査官7』のころから知ってますけど、顔がスクリーンに大写しになっても普通に鑑賞に耐える、いい俳優さんになったな…と思いました。

ハイロ―らしいヘンテコな部分も健在。たとえばSWORD地区にカジノを作るために政府は「爆破セレモニー」なるものを敢行するのですが、ちょっとこういうことを思いつくお役人さんは頭がどうかしてると思います(笑) でもハイローの世界ならアリなんでしょうね! それにやっぱりタイトルに「MISSION」と入っていたら爆破を防がないといけない気がします。

Hl32ひとまずこれで幕となったっぽい「HiGH&LOW」シリーズ。でもまた伏線っぽいものを匂わして終わっちゃったし、それなりにヒットしたしで続きが作られそうな匂いがプンプンします。自分はそんなにがっつりはまったわけではありませんが、この変な勢いのあるタイトルがこれで終了してしまうのは確かに惜しい。邦画界の異端というかカルトとして、まだまだがんばってほしいものです。♪はいやー はいやー はいやー はいやー

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December 04, 2017

This is… スティーブン・キング アンディ・ムスキエティ 『IT/イット "それ"が見えたら終わり。』

It130年前ベストセラーとなったスティーブン・キングの代表作が、なんでかいまごろ再映像化。ところがこれがアメリカで大ブームを巻き起こしておりまして… 『IT/イット "それ"が見えたら終わり。』ご紹介します。

80年代末、メイン州はデリー。少年ビルのまだ幼い弟は、ある雨の日こつ然と姿を消してしまう。そのころ街では子供の失踪事件が多発していた。弟を諦めずに探すうちに、ビルは転校生ベンからデリーでは27年ごとに大きな災厄が訪れていることを教えられる。やがてビルと仲間たちにも及ぶ魔の手。そして彼らは災いをもたらすものが、相手が恐怖する存在に変身できる怪物「IT」であることを知る。

いきなり中バレですが、原作『IT』は文庫本で全4冊もある大長編。「大人編」と「子供編」が交互に語られて同時進行していくという構成です。こんな話どっかで聞いたような…(『20世紀○年』…)  今回は二時間ちょいの枠に収めるためばっさり「大人編」をカット。『スタンド・バイ・ミー』のような少年の夏休み冒険談がずっと続きます。ホラー風味で。

何度も書いてますけど自分はホラー苦手のチキンメンです。この映画もあらすじを知ってるのにかなり怖かった。よく子供のころ、学校の一室とか大きな家のあまり行かない部屋とか何か潜んでそうで異様におっかなかったりしたじゃないですか。『IT』はそんな懐かしい恐怖をこれでもか!というくらい思い出させてくれます。それでも耐えられたのはちょっとこの『IT』、ホラーとしては掟破りなところがあったからでして。
ホラーというのは一応観客を怖がらせることを主眼としています。しかし人間が抱く恐怖が怪物のエネルギーであったことを知ったビルたちは、その恐怖を克服しようと懸命に闘うのですね。だから後半はおっかないというより燃える展開になるんです。まだ非力でいじめっ子にもひるんでいるような少年たちが、人知を超えた化け物に勇気ひとつで立ち向かっていく… これが熱くならずにいられるでしょうか。逆に生粋のホラーファンにはこの辺調子が狂うかもしれません。

わたしも原作読んだのだいぶ前なので忘れているところもいっぱいあるんですが、今回特に気づいたのは少年たちの保護者がどなたもこなたも毒親ばっかりだということ。キング作品には問題児ならぬ問題親がよく出てくるのですが、本作品はさながらその集大成といった感があります。怪物だけでなく家庭でもストレスにさらされる子供たちを見ているのは実につろうございました。まあキング先生はけっこう子供たちに対して情け容赦ないところがありますよね… 天使のような幼子でさえぶっ殺したりするし(T T) その辺は全体的にさわやかであってもさすがはキング・オブ・ホラーです。

ちなみにこの『IT』、現在アメリカでは今年ヒットした映画の第5位をマーク。ホラー映画としては歴代第一位の座を獲得しています。なんでそんなに売れたのかはよくわかりません。最近の80年代ブームにうまくのっかったからかな? でもそれだけではこれだけの数字は叩き出せないだろうし。やっぱり原作のもつスリルや謎解きやキャラクターの魅力を存分に再現できたからかなあ。

あとこれは洋画に限られないんですけど、ここ2,3か月は純愛ものよりもなぜか「力を合わせて戦おう!」というタイプの映画や「兄弟の絆」を強調した作品がヒットしておりますね。今の世相となにか関係あるのかは…すいません。よくわかりません。

It2というわけで『IT/イット "それ"が見えたら終わり。』は日本でも地道に売り上げを伸ばしており、3週目にして1位をゲットするというまさしくモンスターのようなしぶとさを見せています。
そして予想通り今回オミットされた「大人編」も製作がアナウンスされました。約二年後の2019年9月に全米公開を予定しているとのことです。

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