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November 22, 2017

明日があるかアスガルド タイカ・ワイティティ 『マイティ・ソー/バトルロイヤル』

Mtbr1実に今年4本もの映画が日本で公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品。その最後を飾るのはアベンジャーズのビッグ3であるアスガルドの雷神。『マイティ・ソー/バトルロイヤル』(原題は『ソー/ラグナロク』)ご紹介します。ちなみに1作目の感想はこちら。2作目『ダークワールド』の感想はこちら

夢の中で徐々に現実味を増してくる故郷アスガルドの崩壊「ラグナロク」。それをふせぐべく宇宙を奔走していたソーだったが、その間弟ロキが父王に化けてアスガルドをいいように支配していることに気付く。父オーディンはいったいどこにいるのか。ロキをふんづかまえつつ捜索を続けていたソーは、地球の北欧で父を探し当てる。だがすでにオーディンの寿命は尽きようとしていた。彼は自分の死後封印が解かれて恐ろしい敵が襲来することを告げて消える。まさにその直後、兄弟の前に恐ろしい死の女神ヘラが姿をあらわした…

今回は『ソー』の感ソーというより、これを例にとりながら最近のアメコミ映画の傾向など語って行こうかと思います。
まずこれは特にMCUに言えることですが、4作全部がお笑い系でした。すきを見せるとすぐネタをつっこんでくる。まことに油断なりません。この『ソー』の前二作も多少はお笑い要素がありましたが、それよりは神話劇・ラブロマンスの側面の方が強かった。しかし今回は恋愛の「れ」の字も見当たりません。むしろ前二作よりも宇宙系のドタバタということもあって『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のノリに近い感じ。まあぶっちゃけいまアメリカで特にウケやすい作風ということです。正直これまでとのあまりの違いにとまどいましたが、本国では『バトルロイヤル』は最初の週のみで1作目の売上を軽く凌駕。こうなると「売れたもん勝ち」としか言いようがありません。

もう一点は「アイテムや後ろ盾より心が大事」ということ。アイアンマンは「3」でアーマーを、キャプテンアメリカは2と3で国家権力の後ろ盾を、新スパイダーマンは高性能のスーツを、ワンダーウーマンはアレスを倒す剣を途中で失います。ソーは1作目でも一度己の象徴「ムジョルニア」を手放しましたが、今回は見事に粉々のバラバラにされてしまったので完全に喪失してしまいます。しかしまあ、そういう時ヒーローは自分を見つめたりメンターの声を思い出したりして立ち直るのですね。アイテムや組織の応援がなくても、あきらめないことで心の中の真の強さを掘り起こす。この辺は日常生活においても見習っていきたいものです。

あとお笑い要素が強い作品でも、主人公たちはなにかしらの喪失を経験するというのも最近の傾向です。大体それは大切な人であることが多いですね。生別にしろ死別にしろ。どっかんどっかん笑わせてくれたあとに、しんみり漂う一抹の寂しさ。この切なさと愉快さの絶妙なバランスが近年のアメコミ映画を傑作としてる気がします。『レゴバットマン・ザ・ムービー』なんかは例外ですが。
具体的にはあげませんが今回ソー様はけっこういろんなものを失いました。しかし新たに得たものもまた多く、意気揚々と旅立つ彼の姿に安堵いたしました。

Mtbr2ちょっともやるところがないでもないですが、アイアンマンとキャプテン・アメリカ、そしてロキと比べても影が薄かったソー様が。こんだけ大ブレイクしたんだから喜んであげるべきなのかもしれません。そしてあと『ブラック・パンサー』を挟んで、MCUは3回目の大集合映画「アベンジャーズ./インフィニティ・ウォー』へと突入します。本当につぎからつぎへとよう作るわ…(素晴らしい)。もう一方の雄DCの集合映画『ジャスティス・リーグ』も明日より公開。こちらも楽しみです。

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Comments

ボー来襲!
スガヤガルドの明日はあるのか!
マーブルじゃない、マーベルで、いちばん楽しかったので、これでいいのだ、とパパが言っていました。

Posted by: ボー | November 22, 2017 at 11:57 PM

マーブルよりも、マーベルよりも、ブルマーが好き。
そういう映画できないもんかのう?

Posted by: ふじき78 | November 27, 2017 at 12:45 AM

>ボーさん

来たな! とりあえず年末進行を乗り切りたい!
うーん、そんなにこれまでと比べ突出してるようにも思えないんですが、人気ありますねえ

Posted by: SGA屋伍一 | November 28, 2017 at 09:49 PM

>ふじき78さん

ソフト・オン・デマンドあたりにいっぱいあるかと思います。映画じゃないか

Posted by: SGA屋伍一 | November 28, 2017 at 09:51 PM

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