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October 17, 2017

素晴らしきかな、犬生 ラッセ・ハルストレム 『僕のワンダフル・ライフ』

Bwl1「犬好きは感涙必至!」と評判のこの映画。果たして猫好きのわたしが観ても泣けるのか… そんな実験精神とともに鑑賞いたしました。『僕のワンダフル・ライフ』、ご紹介します。原題は『A Dog's Purpose(犬の目的)』。

彼は犬としてこの世に生を受ける。最初の犬生はごく短い儚いものだったが、生まれ変わった二度目の犬生で、彼はイーサンという少年と運命的な出会いを果たし、「ベイリー」と名付けられる。その後もベイリーは転生を繰り返し、様々な犬種で色々な人とふれあっていく。

前から思ってたんですけど、猫に比べて犬って本当に形がバラバラですよね。大きいのから小さいのまで、もじゃもじゃしたのからツルツルしたのまで。ハイレベルな愛犬家は犬ならばやっぱり全種類いとおしいのでしょうか? 個人的には柴犬が一番かわいいと思うんですけど、それはさておき。

犬が何度も生まれ変わっていく… こういう発想、米映画では珍しいですよね。転生というのは東洋的というか仏教的な思想なので。そういえば『百万回生きた猫』なんて絵本もありましたな。昨年の『TOO YOUNG TO DIE!』ともちょっとアイデアがかぶってます。
あれは『グーグーだって猫である』のセリフだったかな。ペットを飼ったことのある人はわかると思うんですけど、小動物というのは人間より寿命が短いので「いつの間にかこちらの年を追い越していく」んですよね。飼い始めた時は赤ちゃんだったのに、気が付けば飼い主より年老いている。その時間のずれが不思議であり、悲しくもあります。自分も少し前に猫を看取ったばかりだったので、この映画を観ていて改めてそのことを強く感じました。

ベイリー君(CV高木渉)があまりにもよくしゃべるんでちょっと感動をそがれたかな、というところはありますが、そう言いつつもポリスメンとコンビを組むあたりはけっこうやられました。ずっとワンコに厳しく接してた彼が、別れの際に初めて見せる想いとかね… ああいうのにおじさんは弱いのです。
あと犬猫っていうのは苦しくても人間みたいに愚痴こぼしたりぎゃあぎゃあ泣きわめいたりしないんですよね。辛そうな顔でただじーっと耐えてる。その辺はよく描けてましたが、かえって胸が痛んだりして。

監督はスウェーデンの名匠、ラッセ・ハルストレム。わたしはこの人の『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』という作品がとても好きでして。実はこの映画を観に行ったのは邦題がそれと似というてたから、という理由もあります。『マイライフ~』の方は実はあんまり犬は出てこなくて、親と離れて暮らす少年の田舎での日々をほのぼのとつづった作品。これが特にどこがどういいとかは説明しづらいんですが… いいんですよ! 気になった方はDVDでご覧ください。HDマスター版他がアマゾン等で入手できます。

Photo『僕のワンダフル・ライフ』は、犬好きの人たちの支持を集めてかわが国でもなかなかのヒットを飛ばしております。こういう地味な洋画が売れてくれるのはなんか嬉しいですね。
猫好きとしては遅れてかかる『ボブという名の猫』も楽しみにしております。


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Comments

理想的に書かれすぎてるみたいなダメ出しも聞きますが、猫はともかく、犬って盲目にスキスキ光線出して「邪悪」から遠いからこういう映画になっちゃうのはしょうがないでしょうなあ。
しかし、山犬とか、野良犬とか、狂犬病とか、犬にまだ危険性があった時代の昔の人がこの映画を見たら「おま、そら舐めすぎだろ」と言うような気もします。

Posted by: ふじき78 | October 19, 2017 10:20 PM

猫も小さいのだけじゃなくて大きくすることもできるらしいのですが、ネコ科の大きいのは凶暴過ぎてペットにできないから作らない、という話を目にしたことがあります。たしかに、虎やライオンを飼うようなものですからね。

本作はわざと感動を削ぐように作られていましたね。
ハルストレム監督としては、犬の感動映画は『HACHI 約束の犬』で実施済みだから、本作では愛犬の死から立ち直る前向きさを強調したかったのでしょうね。

そう思っても、うるっと来る映画でした。

Posted by: ナドレック | October 22, 2017 01:13 AM

>ふじき78さん

従妹が小型犬を飼ってるのですが、近くにいると四六時中「かまてかまって」とまとわりついてきて、それにくらべるとベイリー君はまだおとなしい方だと思いました
怖い方のワンコは『ホワイト・ゴッド』で観られるのかな。自分まだ観てないんですけど

Posted by: SGA屋伍一 | October 23, 2017 09:53 PM

>ナドレックさん

ああ… 納得。飼い猫でも何かの拍子に牙をむくことがありますからね。一緒に暮らすならあれくらいのサイズでないと確かに危ない

犬猫の心情は実際に聞いてみないことにはわかりませんが、やっぱり悲しいのは置いて行かれる方。彼らは大抵私たちより先に行ってしまうので、「また会えたらいいなあ」という人間側の夢が描かれた話だと思いました

Posted by: SGA屋伍一 | October 23, 2017 09:58 PM

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