« 東宝っぽい見聞録 チャン・イーモウ 『グレートウォール』 | Main | ドムと氷の女王 F・ゲイリー・グレイ 『ワイルド・スピード/アイスブレイク』 »

May 29, 2017

インドアのインド ガース・デイヴィス 」『LION/ライオン 25年目のただいま』

Lion_logoさすがにアカデミー作品賞ノミネート作品もだいぶ公開が進んできました。本日はそのうちの1本である「驚異の実話」『LION/ライオン 25年目のただいま』をご紹介します。

インドのに住む5歳の少年サルウは、兄の仕事を手伝いに行った先でうっかり長距離移動の列車に乗ってしまい、故郷から遠く離れた場所に運ばれてしまう。家に帰る術がわからないサルウは孤児院に引き取られるが、幸い裕福な夫妻に養子と迎えられ成長する。だが彼の頭から実の家族のことが離れたことはなかった。グーグルアースの存在を知ったサルウはそれを使って地道に故郷の風景を探し出そうするが…

『家なき子』『母を訪ねて三千里』『みなしごハッチ』など、親と別れた子供が懸命に会いに行こうとする話はよくあります。ただこちらがそれらと違うのは、まず実話であるということと、本格的に探し始めるのが大人になってから…ということですね。
あとやはりフィクションながら、主演がデープ・パテール君ということもあって『スラムドッグ$ミリオネア』を思い出したりもしました。特に冒頭インドのスラムでサルウがならず者たちにさらわれそうになるところは、『スラムドッグ~』でもほぼ同じくだりがありました。架空の話とはいえ、あれはインドの紛れもない現実でもあったのですねえ。サルウは幸運でしたが、実際インドではそのまま行方知れずになってしまう子が無数にいるそうです。辛い…

さて、この映画を紹介するにあたってよく引き合いに出されてたのがグーグルアース。いまや家に居ながら世界各地の上空を眺められるのですから、昭和生まれとしては「まんずすげえ時代になったっぺ」と思うわけです。恐ろしいほどの技術の進歩であります。ただあらすじなどを読んで、自分はてっきりサイトにアクセスしたら1発で故郷を発見した…という話だと思っていたのですが、実際はそんなに単純にはすまなかったようです。文明の利器があっても5歳のころの断片的な情報しかなければそうやすやすとたどり着けるわけではありません。まして広大で世界第二位の人口を誇るインドですから。やはり世の中パソコンさえあればなんでもすぐ解決…というわけにはいかないようです。

あと特に印象に残ったのが、ニコール・キッドマン演じる養母の愛情の深さ。『幸せの隠れ場所』でも扱われたテーマですが、見ず知らずで人種も違う子供にここまで愛情を注げるということは、到底誰にもできることではありません。というか、できる人はごくごくわずかでしょう。そういう点では彼女はまさしく愛情の天才といえる人だと思います。日頃殺伐としたニュースばかり見ていると、わずかにせよ確かにそういう人がこの世にはいることに深く慰められます。

わたくしこの映画を観る直前、仕事がにつまってたせいか昼食に古いものを食べたせいか、突然蕁麻疹がぶわっと出てしまいまして。疲れたし、翌日も仕事だし、映画やめて静養してよっかな…とも思いました。でもなんか元気を出したくて、蕁麻疹をぼりぼりかきながら車を1時間走らせて観に行ったのですね。正解でした。体のあちこちがかゆかったけど、大変さわやかな気分にさせてもらいました。幸いその後仕事もなんとか片付きましたし。人が元気を引っ張り出す方法はそれぞれでしょうけど、自分はやっぱり映画館にいくことがそうです。まあそういう時はダメージくらいそうな作品をなるべく避ける必要はありますが。

Rah_lionmaru_03『LION/ライオン 25年目のただいま』はまだまだこれから上映されるところもあるようですので気になった方はグーグルで検索してみてください。アカデミー作品賞関連では、あと近いうちに『ムーンライト』『ハクソー・リッジ』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などを観る予定です。『メッセージ』は先日鑑賞したのでそのうちレビュー予定。

|

« 東宝っぽい見聞録 チャン・イーモウ 『グレートウォール』 | Main | ドムと氷の女王 F・ゲイリー・グレイ 『ワイルド・スピード/アイスブレイク』 »

Comments

千尋の谷に突き落とされたパンジャの子レオが25年かかって、はいあがってきて「ただいまー」と言った話ですね?

Posted by: ボー | May 30, 2017 at 06:08 AM

>ボーさん

それはいいライオンキングですね!

Posted by: SGA屋伍一 | June 01, 2017 at 10:39 PM

伍一くん☆
じんましんはストレスからなのかしらね。お疲れさま!
私は子供が小さい頃、長男を亡くして元気のない義母の元へ半月ほど滞在するプロジェクトの時に帯状疱疹になりました。
それでもいい映画に出会えるのは幸せよね☆このところいい映画多いし~~

Posted by: ノルウェーまだ~む | June 13, 2017 at 10:03 AM

>ノルウェーまだ~むさん

うおお… 帯状疱疹に比べれば蕁麻疹なんて大したことないです。お疲れ様でした…
本年度もそろそろ上半期が終わりますが、この6か月はなかなかに豊作でした

Posted by: SGA屋伍一 | June 13, 2017 at 09:26 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/70832/65342927

Listed below are links to weblogs that reference インドアのインド ガース・デイヴィス 」『LION/ライオン 25年目のただいま』:

» 「LION/ライオン ~25年目のただいま~」 [或る日の出来事]
Google、株、上げたな!? [Read More]

Tracked on May 30, 2017 at 06:04 AM

» 「LION/ライオン~25年目のただいま」☆無垢な瞳 [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
予告編から毎回涙ぐんでしまう映画。 映画もサルーの幼い無垢な瞳に完全にノックアウトされ、冒頭からなんだか泣けて・・・・・・ [Read More]

Tracked on June 13, 2017 at 09:52 AM

« 東宝っぽい見聞録 チャン・イーモウ 『グレートウォール』 | Main | ドムと氷の女王 F・ゲイリー・グレイ 『ワイルド・スピード/アイスブレイク』 »