ドニーさん・トニーさん・ドミニークさん? D・J・カルーソー 『トリプルX:再起動』
前記事で「そろそろ公開終わりそうな」と書きましたけど、すいません、もうこれ終わってたわ… そんなわけでいささか気まずいというか書く意味があるのかあれですけど、『トリプルX 再起動』ご紹介します。
かつて米政府の特別なエージェント「X」だったザンダー・ケイジは、自分の死を偽装して南の島で自由な暮らしを謳歌していた。だが何者かが世界の人工衛星を自由に操れる装置を入手し、それにより元上司のギボンズが殺されたため、ケイジは再びXとして政府に召喚される。超人的な技術を持つ仲間たちを集めて任務についた彼の前に、やはり凄腕のスパイ集団であるチーム・ゴーストが立ちはだかる。二つのチームの激突は事件を意外な方向に導くことに…
シリーズ3作目となるこの作品。1作目はもうかれこれ15年前(…)。一応映画館で観ましたが、まだまだ若かったヴィン・ディーゼルが「アクションがんばってるなー」と思ったくらいの記憶しかなく。しかしまあそれなりにヒットしまして2005年には2作目の『トリプルX:ネクストレベル』が作られました。ただヴィンさんは「続編モノ好きじゃないんで」とごねたらしく、主人公がアイス・キューブに交代になりました。これが裏目に出たのか2作目は興行的に大惨敗。日本では一般公開すらなくDVDスルーという悲しい待遇でございました。自分は地上波放映された時に観ましたが途中で見事に爆睡。当然こちらもよく覚えておりません。
そして月日が立ち丸くなったヴィンさんが、「またやってもいいよ」と言ったのか、久々のシリーズ再開となりました。ところがこれがおぼろげな記憶で比較しても十分わかるくらい無茶でアホっぽい話になってる。ほんで前よりもチームプレイが重視されてる。この流れ、ヴィンさんのもうひとつの看板シリーズ『ワイルド・スピード』とまったく一緒じゃないですか! まあ無理やり「ワイスピ」との違いを指摘しますと、あちらはあくまで四輪がメインなのに対し、こちらは二輪その他の乗り物が活躍することが多いです。あとギャグの割合が「ワイスピ」より多いですね。ほかには…そんなもんかな。
今回主人公のライバルとして登場するのはカンフースターであり、『ローグワン』での活躍が記憶に新しいドニー・イェン。そんなに本数を観てるわけじゃありませんが、彼には『イップマン』『孫文の義士団』『HERO』そして『ローグワン』などで「常に悲しみを背負ってる」というイメージがありまして。しかしまあ今回のドニーさんはよく言えばすごく楽しそう。悪く言うと大変アホっぽかったです。そんな今までの印象を粉みじんに打ち砕くようなアホ丸出しの大暴れが大変爽快でした。
あとやはりドニー側についているトニー・ジャーもインパクト大でした。彼は主演の『マッハ!!!!!!!!』三部作がやけに仏教的だったり、一時「僧侶になる」なんて言い出したこともあって、殺伐としたアクションをする割に根が真面目というか、信心深い人なんだなあ、と思ってました。けれど彼もまた今回はド阿呆でしたね… あの精悍だったヘアスタイルがチリチリの金髪になってました。もう仏門に入りたいという願いはきっぱりと諦めたのでしょうか。それが賢明ですよね。どう考えてもお坊さんよりアクション俳優の方がむいてますもん。
さらにムチムチセクシーな女優陣や、いつも通りファンキーなサミュエル・L・ジャクソン、その他大勢の皆さん縦横無尽に駆けずり回って楽しさを増してくれます。なんといってもびっくりしたのは予想してなかったあの人の登場。わたしこの人長い間単なるB級アクション俳優としか思ってなかったんですけど、一昨年暮れの………という映画で実はすごい人だったんだと知りました。その映画名が気になる方はコチラをクリックされてください。
こんだけ誉めてみましたけど、もう公開おわっちゃってるとなんだかさびしいものがありますね… 「やっぱり観ときゃよかった」と思われた方は二番館での上映かDVDの発売をお待ちください。ヴィン・ディーゼルはこれから『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスや』『ワイルドスピード』最新作が待機中で、サミュエル・L・ジャクソンは現在『キングコング』でも活躍中。本当にいま最も元気なお二人です。
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