バイオにグッドバイを ポール・W・S・アンダーソン 『バイオハザード ザ・ファイナル』
第1作公開から約14年。あの人気シリーズがついに(たぶん今度こそ)完結を迎えました。『バイオハザード・ザ・ファイナル』、ご紹介します。
行ける死者を作り出すアンブレラ社と、長い戦いを続けていたアリス。すべてのアンデッドを消滅させられるアイテムがあると知った彼女は闘いに終止符をうつべく、その薬品が隠されている始まりの場所「ラクーンシティ」へと向かう。そこで彼女を待ち受けていたのは宿敵ウェスカーと、かつて倒したはずのアイザック博士であった。
えーとね、たしか前作ラストでウェスカーってアリスに「一緒に戦おう」とか言ってたと思うんですけど、何事もなかったようにまた敵対する側にいます。ここでまず「???」となります。聞いた話では小説版では「V」と「ザ・ファイナル」の間にあったミッシングリング的なエピソードが明らかにされていて、非常にスムーズにお話がつながるようです。前作の共闘の申し出もやっぱり罠だったんだとか。でもそういうのは副読本ではなくきちんと本編でやれや!!とつっこみたくなりました。
もう一点。今回みんなアリスに手加減しすぎというか。よくスパイ映画にあるじゃないですか。さっさと殺せばいいのにダラダラ喋ってたり、きちんと最後を見届けないでその場を離れちゃったり。そういう余裕かましてるからあっさり逆襲されて殺されちゃったりとかね。まあこういうのもエンターテイメントの醍醐味のひとつなんで、1本の映画のうち1度や2度はゆるします。しかし今回の『ザ・ファイナル』はあまりにもそういうのが多い。多すぎる。確かにストーリーの途中でアリスがやられちゃったら元も子もないのですが、もうすこし手加減がわからないようにするとか、脚本を練り練りしてほしかったです。これは『ザ・ファイナル』にかぎったことではなく、映画『バイオ』全体に言えることですかね。とにかくノリが第一で、細かい矛盾や説明不足は各自脳内補完してください!という。ごめん。俺、かなりがんばったけどそれでも補完しきれなかったよ…
いいところもあげときましょうか。…あったかな(笑) ええと、まずいままで不明だったアリスの出自がとうとう明らかになります。この人の素性をめぐる謎とか、すっかり忘れてましたけどね。
ほかは冒頭の怪獣戦闘くらい…かな? あとアイザック博士の奇妙な設定とか、クライマックスがそれなりに盛り上がるところとか。
そしてなにより、本作を持ってとうとうシリーズが完結したことを祝したい。これまで本当にありがとう、バイオ。これでとうとうぼくたち! わたしたちは! バイオを!! 卒業します!!(エコー)
うーん。どんなに内容がメタメタでも、こうなると泣けるわ! 感動だわ!!
後半は明らかに気が抜けていたポール・W・S・アンダーソンさんですが、ようやくバイオ映画から解放されたことですし、これからはご自分の得意とする限定空間での殺し合い映画を、気合をいれて作り続けていってほしいです。
日本では無類の人気を誇る映画バイオですけど、さすがにそろそろ公開が終わりそうです。バイオとアリスにきちんとお別れが言いたい方は急いで観に行ってください。あとタイミングよくゲーム版の「7」が好評発売中です。実況を見た限りではかなりホラー色の強い内容で、チキンのわたしはとてもプレイできそうにありません…
Comments
VAIOにしようかな…。
Posted by: ボー | February 21, 2017 09:04 AM
>ボーさん
配給はソニーじゃないようですが…
Posted by: SGA屋伍一 | February 23, 2017 09:50 PM