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December 06, 2016

トム・クルーズは立ち止まらない クリストファー・マッカリー 『アウトロー』 エドワード・ズウィック 『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』

Outlaw本日はトム・クルーズが『ミッション・インポッシブル』と並んで力を入れているシリーズ作品「ジャック・リーチャー」について語ります。まずは1作目の『アウトロー』から。

ペンシルバニア州ピッツバーグで起きた無差別狙撃事件。当局は容疑者としてバーという男を逮捕するが、彼は自白する代わりに「ジャック・リーチャーを呼べ」と刑事に伝える。果たしてリーチャーとは何者なのか。やがて姿を現した彼は、都市をめぐる陰謀の核心へと近づいていく。

原題は『ジャック・リーチャー』。そのままだと「誰やねん」という感じのせいか、日本では先のタイトルで公開されました。で、ジャック・リーチャーの素性ですが、住所不定無職、戸籍さえない言ってみれば「社会には存在しない」人間です。ただ元伝説の軍人で恐ろしいほどの戦闘力と生活力があり、おえらいさんへのコネもいろいろ持ってます。そういうややこしい背景のためかよく事件に巻き込まれたり、自分からつっこんで行ったりします。原作はリー・チャイルドという作家によるもので、すでに21作が書かれています。ちなみに『アウトロー』は9作目とのこと。

この映画、「地味そうだ」ということで公開時はついスルーしてしまったのですが(^_^;DVDで観たらなかなかひきこまれました。まず冒頭で逮捕されたバーがどう見ても罠にはめられたとしか思えず、では真犯人は誰なのか、その目的は…といった謎を追うミステリー的な楽しさがあります。
加えてこれ、とても西部劇っぽいのですね。わたしの思う西部劇っぽさとは、中央から遠く離れた町に正義の流れ者がやってきて、その町を牛耳る巨悪と独力か少数の味方と共に戦うというもの。『アウトロー』はまさにそんな作品でした。
あとクライマックスでは腰を据えたダイナミックな銃撃戦が繰り広げられ、そんなところも実に西部劇でありました。

そしていま公開中の第二作『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』。こちらは前作が面白かったのと余裕があったので劇場で観ました。あまりリーチャーの名前が浸透してるとも思えないのですが、こちらでは個人名がタイトルに出てきています。シリーズの18作目をベースにしております。

以前助けられたターナー少佐と旧交を温めようとワシントンにやってきたリーチャー。だがターナーは軍部を巡る陰謀に巻き込まれ収監されていた。彼女を救おうと奔走するリーチャーだったが、そのために身に覚えのない「娘」にまで危機が迫ることになる。

前作から引き続き登場するのはリーチャーだけなので、これから観てもまったく問題ありません。というかリーチャーのキャラが若干変わっていて別の作品のようにも見えます(^_^;
『アウトロー』でのリーチャーは言わば「血も涙もない正義の味方」であります。「これが正義だ」と思ったらわき目もふらずそれを遂行するキャラクター。美女がいろいろサポートしてくれても全く関心をむけるそぶりがありません。
それにひきかえ『NEVER GO BACK』の彼は自分から出会いを求めて女のところにいくし、ヒロインたちにやいのやいの言われて動揺したりとかなり人間くさいキャラになってました。
この辺はあまりキャラの背景を語りたがらない前作監督クリストファー・マッカリーと、人の絆を描きたがるエドワード・ズウィックの性分の違いかもしれません。
あとジャンル的にも銃よりも格闘中心であったり、勢いよくピョンピョン走ったり飛んだりするところは西部劇というより刑事アクションのよう。悪者たちがひそかに行っていたことはなんだったのか…というミステリー的な部分は『アウトロー』を踏襲してましたけど。
で、この第二作、ベテランのズウィックだけにとても手堅く楽しめたのですが、全体的に新味に乏しく、「どこかで見たなあ」という場面が多かったりします。それゆえ「当たりの日の午後ローみたい」と思いながら観てたんですけど、最後のくだりでなかなか意外な展開があり、しかもそれがもろ好みな話だったのでグーンと評価が上がっちゃいました。このラストだけでもこの映画を観てよかったです。
Fd4f86b7ただ『NEVER GO BACK』の方は『アウトロー』ほど勢いが伸びず、このままだと微妙に赤字っぽい感じで終わりそうなので、さらなる続編ができるかは厳しいかと思われます。またリーチャーの姿がスクリーンで拝めるかは、トムのやる気とごり押し次第でしょう。そんなトムトム、来年は『ハムナプトラ』というか『ミイラ再生』のリメイクに出演するとのこと。本当にいくつになってもエネルギッシュな御仁であります。


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Comments

伍一くん☆
アウトローはジミ過ぎたので、今回派手にしたら他の作品とあまり変わらなくなっちゃって、ホント新味に欠けてしまったよね。
今後ヤル気でるのかなぁ??

Posted by: ノルウェーまだ~む | December 18, 2016 at 10:38 AM

>ノルウェーまだ~むさん

個人的にはこの度のトムトムも悪くはなかったのですが、あんまり評判よくないですね… とりあえず原作のストックはいっぱいあるようです

Posted by: SGA屋伍一 | December 20, 2016 at 09:47 PM

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